これはFacebookにも書いたことないし、友人に話してもいないことだ。
私は、今年の9月10日に静岡県の浜松市に出かけた。
浜松には航空自衛隊の基地がある。
「航空自衛隊浜松基地広報館エアパーク」があるんで、そこに見学に行ってきた。
でも、ほんとの目的は、その日の午後6時半から「浜北文化センター」で開催された「夢コンサート」だった。
御年77歳になる小林旭(こばやし・あきら:1938-)さんの「夢コンサート」に私は出かけた。
「夢コンサート」つーのは、小林旭さん主演の「無法松の一生」という劇と、小林旭さんが中心のコンサートの2部構成の公演のことだ。
その他には、浅丘ルリ子さんとか黒沢利男さんとか三善英史さんとか1960年代から70年代にかけて活躍した俳優さんとか歌手さんとかが出演する。
要するに高齢者向けの「懐メロ・コンサート」だ。
この「夢コンサート」つーのには、「橋幸夫ヴァージョン」とか「小林幸子ヴァージョン」もあるらしい。
しかし、私が観たいし聴きたいのは「小林旭ヴァージョン」だけであり、「小林旭」だけだ。
ほんとは6月の末だか7月の始めだかに、小林旭さんは福山市にも公演に来た。
だけど、残念ながら仕事があったので、私は行けなかった。
だから、9月の浜松に出かけた。
小林旭さんのコンサートには2008年秋にも行った。
京都の平安神宮近くの会場だった。あのときの小林旭さんは70歳だった。
今度は、2015年は、77歳。
ひょっとしたら生きている現役の歌える小林旭さんのステージを見るチャンスは、これが最後かもしれない。
そう思った私は、浜松に行った。
私は、ガキの頃から、理屈抜きで「小林旭」のファンなのだ。
戦後日本における最高の歌手は、「小林旭」だと私は思っている。
小林旭さんこそ、天才である!!
「美空ひばり」じゃね~~よ!!
美空ひばりと離婚しようが、極道さんとおつきあいがあろうが、祇園や銀座で脳タリンに遊びまくろうが、70歳過ぎても借金かかえてドサ回りだろうが、どうでもいいの。
デブになろうが、髪が植毛だろうが、処女だった浅丘ルリ子を強姦しようが(ほんとだって。浅丘ルリ子の評伝にそう書いてあったぜ)、どうでもいいの。
「好き」に理由はないね。
好きは好きなんだから、しかたないね。
私は、コンサートなんかで観客が振る細長いライトあるじゃない、あれなんて呼ぶの、ペンライト? あれを2本購入して前から4列目の「プレミアム・シート」で待ち構えた。
あんなもん初めて買ったぜ。2本で1000円だった。
最初は「無法松の一生」の上演だ。
「無法松の一生」は、明治時代の九州は小倉を舞台にした貧しい人力車引きの男の物語だ。
自分を可愛がってくれた海軍将校だか陸軍将校だかの未亡人とそのヘタレの一人息子を守り尽くして死んでいく男の物語だ。
私は、この「無法松の一生」という物語も好きなのだ。
日本の男優は、この「無法松」を演じることができないようではあかん!という偏見の持主なのだ、私は。
「無法松」をかつて演じた男優は、私が知る限り、「坂東妻三郎」に「三船敏郎」に「三國連太郎」だ。
この3人とも私は好きだ!!!小賢しくないからね。
現代ならば、「山田孝之」君に演じてもらいたいね。
「無法松」は、愚直な父性つーのか、グジャグジャしょうもない屁理屈を言わずに行動で示す素朴な男らしさが、いいんである!!
ドサ回りの芝居と馬鹿にしちゃいけないよ。なかなかに、構成もよくできていて、楽しませてくれたですよ、小林旭さんの「無法松の一生」は。
で、いよいよコンサート!!
で、びっくりだった。
なんと77歳の小林旭さんは、70歳のときの小林旭さんより、元気で声が良く出ていた!!!
もう~~~~素晴しかった!! 素晴しい歌唱であった!!
私は静かに狂喜して、2本のペンライトを振りまくった。
ただ、最後まで静かにしてはいられなかった。
小林旭さんの歌やトークの邪魔にならない隙をねらって「アキラさあああああ~~~んんん!!!」と大声で、私は舞台に声をかけた。
計6回叫んだ。
ほほほ。気がすんだぜ。
こーいうことは、私は初めてであった。
歌舞伎なんかで、「澤潟屋!」(おもだかや)とか、「播磨屋!」とか「成田屋!」とか声をかけるじゃないですか。
あれをやってみたいけど、どうしても女の声ではサマにならない。
だから、どんなに先代市川猿之助(あくまでも先代だ!)の舞台に感激しても、私は舞台に声をかけたことはなかった。
でも、今回、舞台の小林旭さんに声をかけなければ、いつかけるんだ!!!
というわけで6回叫んだ!!
私の叫び声に誘われて、あちこちでオバハンやオバアハンが「アキラさ~~~ん!!」と声を出した。
だが、残念ながら、他のオバハンやオバアハンには、思い切りが足りなかった。
もっとストレートにでっかい声を出さねばいけない。
私は教師やってきたからね、ここぞという時に大声出すのは、得意だ。
日本人の観客は、ほんとにノリが悪い。
もっと讃えねばいけない。スターはストレートに讃えねばいけない。スターは神に選ばれた人なんだぞ。
77歳で、あれだけの声。あれだけの美声。脳天気に天井を突き抜けるあの声。
小林旭さんは、70歳以後に声楽の訓練を受けたに違いない。
でなければ、70歳のときより77歳の時の方が、声が出ているということはない。
70歳のときより進化していた小林旭さん!!
70歳のときより77歳のほうが、小林旭さんは輝いていた!!
歌の合間のトークも進化していた。
70歳のときの小林旭さんのトークは昔話が多かった。
宍戸錠も長門裕之も山城新吾も、かつて祇園で遊びまくってた頃の仲間たちは「ボケちゃった~~」みたいな話が多かった。
まあ、ちょっと愚痴っぽかった。
だけど、今回のトークは、「今でも現役で歌い、お客様が来てくれること」の悦びを語り、晴れ晴れとしていた。
あれから7年経過して、小林旭さんは吹っ切れていた。心が自由自在(のよう)に弾けていた(ように思えた)。
明るく顔が輝いていた。
なにしろ、どっかのオバハンが6回も自分の名前を大声で叫んでいたからな。
あの日は、一階観客席の8割が埋まっていた。8年前の京都の会場ではいっぱいの観客席だったが。
しかたない。小林旭さんのファンも高齢化で、どんどん死滅しているからな。
私は、小林旭さんのファンとしては最年少ぐらいだと思うよ、うん。
私は、あの日、あのコンサートで、6回「アキラさあああああ~~~んんんんん!!」と叫んだ。
私の愛は、小林旭さんに届いたに違いない。
小林旭さん、歌えるまで歌ってください。
私も、小林旭さんの「ダイナマイトが150屯」の歌声を支えに生きて行きます。
ありがとう、小林旭さん。
とんびの間抜けめ 気をつけろ
癪なこの世の カンシャク玉だ
ダイナマイトがよ〜
ノリがいいですね。
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そーなんですよおーーあの、あっけらかんとした脳天気な声がいいんですよ。
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