休眠中遺伝子を叩き起こす

先週に会食していた時に理系の研究者から聞いた話。

「後天的に獲得したものは遺伝する」ということ。

例えば、一族に音楽の素養がまるっきりないファミリーに生まれた子どもがいるとする。

その子どもは刻苦勉励してチャイコフスキーのピアノ・コンチェルトを弾けるようになる。

この子どもが獲得した音楽の技量は、この子どもの子孫に受け継がれる。

そーいうことだよね?

が、私は、そうじゃないと思う。

それは、眠っていた遺伝子が叩き起こされたんだと思う。

先祖というのは、いったい何人いるんだ?

ミトコンドリアが細胞に入り込んで細胞分裂が始まってから、私という人間にいたるまでに、遺伝子は永遠に近い時間を生きてきた。

先祖なんて、何億人もいるんじゃないか。

先祖に絶対音感を持っていた音楽家がいてもおかしくない。

つまり、後天的に獲得したつもりが、すでに遺伝子の中に書き込まれていた情報を使ったというだけのことではないか。

よって、人間が目いっぱい充実した人生を創るためには、休眠中遺伝子を片端から叩き起こすということが必要になるわけだ。

よく、こういうことを言う人がいる。

「親や親類を見ても、ろくなもんじゃない。私の遺伝子は劣悪とは言わないまでもパッとしない。だから私の人生も親の人生と似たりよったりになるんだ・・・」とか。

その気持ちはわかる。

確かに生まれつきはある。

生まれつき頭のいい人間はいる。

ササッと物事の核心を掴む。ササッともっとも無駄な困難さのない方法を選択できる。

数学の問題なんか、パッと設問を見て、すぐに証明を始める。

問題の盲点を見つけて、新しい思いもかけない解決策を提示する。

そういう先祖がインフラ(資産)を形成し、その子孫は、そのインフラという蓄積から人生を始めるので、最初から有利。

さらにその先の子孫は、さらに強固となったインフラ(資産)から人生を始める。圧倒的に有利。

その結果が、世界を牛耳る国際金融資本の大財閥なんだろう。

ロックフェラー~~~ロスチャイルド~~

「三代目」で破産するなんてのは、最初に造られたインフラが少なかったに過ぎない。

わが身を振り返ると、遺伝子の話は実に辛い。

遺伝子と言えば、最近に読んだアメリカのリバータリアン研究者のチャールズ・マレー(Charles Murray:1943-)が書いた本『階級「断絶」社会アメリカ』(草思社、2013)は面白かった。

原題は、Coming Apart: the State of White America 1960-2010 (Cox and Murray, Inc., 2012) ね。

この本の内容を簡単に言うと、以下のようになる。

「やっぱり遺伝子はあなどれない。その遺伝子の競争の結果は明白で、賢い奴はどんどん賢くなり、アホはどんどんアホになり、アメリカの階級格差は広がるばかり。黒人救済のため差別是正策(affirmative action)も効果なかった。いい悪いじゃなくて、黒人の遺伝子は知識社会の現代には適合していない。このままいくと、アメリカ合衆国という共同体の統合が失われる~~~貧乏なのは頭が悪いから遺伝子がダメだからと放置できない~~福祉官僚にカネを無駄に使わせずに、我々の払う税金を一律に貧困層に現金で分配せよ。そうすることは富裕層にとっても利益がある。身を守ることになる。貧困層の放置は社会不安を引き起こす。国家の弱体化は内部から。富裕層だけの隔離地帯作っても駄目だ。我々アメリカ合衆国を取り戻さないとだめだ!」

私は驚いた。

リバータリアンが、福祉が嫌いなリバータリアンが、「小さな政府」支持のリバータリアンが、貧困層に向けたベイシック・インカムみたいなものを提唱している。

リバータリアン研究者をしてそう提唱させるほどに、アメリカの貧富の差と国民の分断は深刻なのだ。

もう所属する階級が違うと、考えることも見える風景も違うし、互いが全く理解できない。互いの生活を知らない。同じ国の国民なのに。

日本だって、似たような状況になりつつある。

私自身は、そんなチャリティとか福祉政策は一時的な対処策であり、ほかにするべきことがあると思う。

貧困層の収縮のためにすべきことは、幼稚園(保育園)から大学にいたるまで教育機関の無料化だと思う。

貧困層から抜け出すには、どうすればいいかと言えば、貧困層にいる人々が、別の生き方を信じて挑戦することでしょう?

私は馬鹿だから、親代々馬鹿だったから・・・じゃなく、親なんてのは、あんたの遺伝子のほんの一部でしかなく、あなたの遺伝子には何億人分もの記憶があるわけで、その眠っている遺伝子を叩き起こせば、親とは違った人生を構築できると知ることでしょう。

親がしょうもない惚れたはれたの演歌しか知らない家庭で育った子どもは、どうやってモーツアルトやラフマニノフを知るのか。

それは学校で、だ。

家の中に、週刊誌の類しか置いていない家庭に育った子どもが、岩波文庫というものがあると知るのは学校で、だ。

親や身近な大人とは違うライフスタイルを送っている大人の実例を見るのは、どこでだ?

まずは、学校だ。

ただし、それで「先生になろう!」と思うのは、あまりに世間知らず。

だから、教育費無料化とともに、各種の職業の大人たちが学校教育に関与する仕組みが必要だ。

学校というのは、つまらないところではある。通いの緩い刑務所みたいなところではある。

しかし、時間と環境を与えられるので、休眠中の遺伝子を叩き起こせる刺激を受ける機会も多い。

学校の機能とは、そういう「遭遇」の提供だろう。

「遭遇」こそ情報だ。

そういう「遭遇」の機会、情報獲得の機会は、やはり22歳ぐらいまでは保証すべきだ

金持ちのガキだろうが、貧乏人のガキだろうが、教育費は無料。

これは福祉じゃない。チャリティじゃない。

社会のインフラたる人材養成のための必要経費。

教育を受けるのは国民の義務。

社会の程度って、その社会に生きる人間の程度でしかない。

その国で生まれれば、少なくとも大学までの教育は無償で受けられる。

転学編入自由。

そのような国に生まれて育てば、その国に感謝しこそすれ、国にルサンチマンを抱くことは少ないのではないか。

私は面倒くさいから計算しないけれども、幼稚園&保育園から大学までの教育費を無料にしても、せいぜい数兆円ぐらいですむんじゃないか。

貧困層の固定化抑止、貧富の差の拡大抑止は、眠っている遺伝子の叩き起こしから。

そう思いませんか?

富裕層の皆様方、政治家に影響を与えることができる皆様方、遺伝子的にあなた方は頭がいいからわかるはず。

1人で生きているわけじゃないからね、あなたの住む社会の安定と繁栄と治安維持のために、幼稚園&保育園から大学までの教育費の無料化を実現できるように、政府をそそのかしてください。

真の国防は、そこから。

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