私が買って良かったもの(12) お掃除スリッパ

まずは、スリッパとは関係ないことを延々と書く。

最近、名古屋市内の池下よりの覚王山にあった「クロワッサンの店」が閉店した。

「クロワッサンの店」というのは、雑誌の『クロワッサン』で紹介している商品を売るお店だ。

雑誌の『クロワッサン』は、1970年代末だか1980年代初頭に創刊された女性雑誌だ。

今の『クロワッサン』は、どうなっているんだか私は知らない。

私がこの雑誌を購入して読んでいたのは、1980年代後半から90年代にかけてであって、21世紀に入ってからは知らない。

私にとっては、懐かしい雑誌である。

『クロワッサン』は、女性週刊誌やファッション雑誌とは違う新しいタイプの女性雑誌だった。

「意識高い系」の女性向き生活重視充実志向雑誌として人気を博した。

『暮しの手帖』ほど左派系インテリ志向ではなかった。

『暮しの手帖』は、いわば国立大学や公立大学や偏差値65以上の私立大学卒業女子向き雑誌であった。

一方、『クロワッサン』は、中道派であり、偏差値60から55ぐらいの私立大学卒業女子向き雑誌であった。

ただし、この「偏差値60から55ぐらいの私立大学」の中には、いわゆるお嬢さん大学は含まれていない。

お嬢さん大学出身者は、この種の「堅実中産階級女子」向け女性雑誌など読まない。

海外のファッション雑誌とか家事雑誌とか、『家庭画報』とか『婦人画報』を読むのであろう。

『クロワッサン』に紹介されている商品は、私的にはいいものが多かった。

衣類だと、コットンやリネンやウールなどの天然繊維系で、手洗い水洗い可能で、シンプルであり、流行には関係ないような定番系の普段着であった。

紹介されている台所用品も良かった。食器も良かった。食品も良かった。家具も良かった。靴も良かった。文房具も良かった。

すべてシンプルでありつつ、オシャレだった。

洋風ではあったが、日本の良さも取り入れ、自然志向であった。

価格は安くはなかったが、とても高いというわけではなかった。

何につけても適度であった。

何につけても堅実ではあるが、実質志向ではあるが、品位は失いたくない上層労働者階級向けであった。

後発の『カタログハウス』という雑誌は、『クロワッサン』の商品紹介コーナーを拡大拡充したようなものだったと言える。

『クロワッサン』は、戦後日本に生まれて育ったベビーブーマーの女性たちが結婚し主婦になり、それまでの日本の家庭生活とは違うものを模索し始めた頃に、彼女たちの要求に応える形で生まれた雑誌だ。

1953年生まれの私のちょっと年上お姉さんたちのバイブルになったような雑誌だった。

だから、『クロワッサン』が開発し紹介している商品を扱う「クロワッサンの店」も、人気だった。

1986年当時は、まだ名古屋市内に「クロワッサンの店」は一店もなかった(と思う)。

岐阜市の中心部近くにはあった。

当時の私は、岐阜市内の公立女子短大の教員だったので、名古屋の自宅に帰る途中で、そのお店によく立ち寄ったものだった。

さて、その「クロワッサンの店」が閉店した。

おおお………

これは、ひょっとしたら、かなり大きなことではないか?

閉店したということは、ビジネスとして成立しなくなったからだろう。

その理由としては、「クロワッサンの店」の主流購買層のベビーブーマーの女性たちの高齢化が挙げられる。

年金生活に入った彼女たちの購買力が落ちたからだよね。

「クロワッサンの店」は、ベビーブーマー前後の女性(と彼女たちの配偶者)以外の顧客を獲得しそこなった。

なぜならば、1990年代から不景気になったからだ。

新自由主義政策やグローバリズムにより、国内の産業の空洞化が始まった。

人件費の安い新興国の労働者との競争で、という理由で、日本の労働者の賃金は頭打ちとなった。

正規雇用が減り、非正規雇用者が増えた。

デフレ不況で、物価は下がった。

90年代半ばから100円ショップが隆盛となり、リサイクルショップも増えた。

普通の日常の家庭生活にお金をかけることができる中流層が薄くなった。

「クロワッサンの店」で買い物など、今の若い世代や若い主婦はしない。

もっともっと安価な商品は溢れている。

「断捨離」も流行してる。

「物を持たない生活」=ミニマリズムも流行しつつある。

「貧乏」なら「貧乏」をカッコよく生きようというわけだ。

ということで、層が厚くなりかけていた中産階級の暮らしの充実と便利さと適度な高級志向と自然志向を刺激した『クロワッサン』という雑誌や、それの一部拡大拡充版であった『カタログハウス』は、苦戦するようになった。

なんで、そんなことを断言できるかって?

だって、私がそうだもん。

私が、その種の雑誌を買わなくなったし、読まなくなったもん。

私って、ほんと平均的日本人よ。

かつては、『クロワッサン』や『カタログハウス』に紹介されていた便利商品をガンガン購入していたけれども、最近はサッパリ。

考えれば、なくても済むものばっかりだもん。

買わなくても済むものばっかりだもん。

正気に帰れば、買わなくても、いいようなもんばっかりだもん。

ということで、今の私が購入して「良かったなあ〜〜」と思うのは、「お掃除スリッパ」である。

ペタペタ履いて歩いてるだけで、床のゴミを取ってくれるお掃除スリッパ。

水洗いできるお掃除スリッパ。

ネットに入れて洗濯機で洗える。

一足461円だ。

私は、スリッパ履くのが嫌いで室内では裸足が常であった。

であるからして、私の足の裏は当然に真っ黒になりやすかった。

そのことでも家族にガミガミ注意されてきた。

私は、他人からすると、なんか注意や小言を言いたくなる人間らしいのである。

子ども時代も大人になっても。結婚前も結婚後も。

1996年以来単身赴任生活だったのでお気楽だったが、来年の4月以降は、より一層に家族の小言にさらされるであろう。

それでも、スリッパを履かなかった私はホームセンターを散歩してるときに、「お掃除スリッパ」を発見した。

これなら、ズボラな私もスリッパ履きます。ほほほ。

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