[115] 輸血拒否にも対処する現代の病院!

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本日は2017年1月4日水曜日である。

年末年始、吉川英治の『三国志』全5巻を読破するつもりでいた。

しかし、妹の入院騒ぎと連日の見舞いで、第1巻目すら読み終えていない。

家族に病人が出ると落ち着かないものである。

なんで吉川英治『三国志』全5巻かというと、facebook友だちで、「東京アイン・ランド読者会」主催の講演会に来てくださった女性が、「読まないと生涯の損失であるような本」と激賞しておられたからだ。

アイン・ランドの『水源』やニーチェの本や小室直樹氏や副島隆彦氏のご著書以外に、そんな本があるのか!?

と、冬休みに入る前に全5巻を注文しておいたのであるが。

中国の古典的物語も読んでおかないとね。

ところで、本日は私はまたひとつ勉強した。

今の病院ってすごいね。

私の妹は、「ものみの塔」というか「エホバの証人」と呼ばれるキリスト教団体のメンバーである。

今はJWOというか、Japan Watch Tower Organizationと称しているらしい。

1980年代はじめの頃に妹は第一子を流産で亡くした。

それから落ち込んでいたのだが、友人の勧めで、教会に通い始めた。

私が気がついたときは、妹は、すでにバリバリのカチカチの信者になっていた。

戸別訪問でパンフレット置いてくる「ご奉仕」をしていると聞いて、「時給いくら?」と私が訊いたら、妹はカンカンに怒った。

妹の夫も義理の両親も、私の両親も私も、「まあ私たちに入団を進めるわけでもないし、趣味ならいいんじゃないの」という姿勢であった。

妹は、「クリスチャンだから」ということで、親類縁者にしろ、義理の両親の葬式にせよ、自分の親の葬式にせよ、ご焼香を拒否した。

「アホか……焼香台の前で会釈ぐらいできるだろ。ガキじゃあるまいし」と私は思ったが、まあ好きにしなはれが周りの反応だった。

妹の無意味な頑固さというのは、誰でもちょっと話してみればわかるぐらいの程度に明らさまであるので、みな説得を諦める。

問題は、この教団が「輸血絶対に反対」であるということだ。

根拠は知らない。

調べたことない。

父が癌の末期に輸血が必要だったのだが、「輸血は神の意志に反する」と妹はグジャグジャ私に言った。

「うっせーよ。あんたの信仰はあんたの自由。うちは浄土真宗東本願寺なの!」と私は無視した。当然だ。

この問題は、妹の夫が手術を受けるときにも起きた。

手術には家族の同意書が署名に押印が必要なのに、「輸血が必要な手術はダメ!」と署名しなかったのだ、妹は。

手術って、だいたいが輸血が必要なんじゃないの?

この場合は、妹の夫のお姉さんが署名捺印してくださって、事なきを得た。

で、今度はいよいよ自分の番、妹本人が輸血の必要な手術を受ける可能性が出てきた。

で、もちろん妹は「輸血を必要としない処置をお願いします」と病院に要求した。

また、相変わらずワガママな頑固なやっちゃ…

と私は呆れた。

しかし! すごい!!

「信仰上とか思想信条の都合で輸血を拒否する患者を受け入れる病院」があるのである!!

ちゃんと、そういう病院があるのである!!

愛知県にもいくつかあるのである!!

主治医はまだ正月休みだったので、まだ若いお医者さんが、妹の要望を聞いて、あちこちの病院に電話してくださった。

カッコいい男前のお医者さんであった。

「ねえねえ、カッコいい男前のお医者さんだねえ!」と私が嬉々として妹に言ったら、妹は冷ややかな視線を私に向けたが。

ともかくも、お医者さんの尽力で、妹が入院中の病院より大きくて伝統もある某公立病院が、「そういう患者さんも引き受けます」と言ってくださった。

そこの「原発性胆汁性肝硬変」の専門医が「輸血しない治療法」を試みてくださることになった。

「ただし、どうしても輸血しないと命に関わるときは、患者さんのご希望どおりに輸血しないわけですが、それでもいいのですね?」

という確認に、妹は「それでお願いします。輸血はしません」と答えた。

「はい、ならば転院可能です〜〜」ということで、妹は明日の朝に、その病院に介護タクシーで移動する。

驚いた!

驚いた!

そういう病院があるのだ!

「エホバの証人」の信者が激増していて病院で輸血拒否者が多いという噂は聞いたことがない。

でも、なにかこれに類した裁判事例があったのかもしれない。

それで、病院も対応策を考えるようになったのかもしれない。

まあ、ほんとうは輸血はしないほうがいいとも聞く。

他人の血液でなく、塩水でもいいのだという説も聞く。

その塩というのは食塩とか味塩ではなく、海塩とかなんだろうなあ。

塩を混ぜる水は水道水でもいいのかなあ。

やっぱりミネラルウオーターかしらね。蒸留水??

ひょっとしたら、輸血に関しては、じょじょに「なるたけ避けたほうがいい」という認識が医療界にジワジワ広がっているのかもしれない。

ということで、いろんな類の患者の要望に応じる姿勢を、今の病院が採っていることにビックリした私。

みなさん、ご存知でしたか!?

さて、妹の転院先の病院で、次に私は何を学べるだろうか。

患者の要望があれば、医療大麻とかモルヒネ打ちまくりで安楽死させてくれる病院とかあるといいのにねえ〜〜

(後日談)

輸血拒否患者を受け入れてくれる病院に妹が行ったら、「副院長が引き受けてしまっただけで、輸血はできないなんて、私は責任を持って対処できません」と、直接の担当医に言われたそうで、揉めているらしい。

まあ、そりゃそうよね。

まあ、自分の信仰で決めたことなのだから、しかたないね。

本来ならば、ほんとうは近代医療そのものを拒否して入院なんて依存心の強いことしちゃいけないんだよね。

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