本日は2007年4月9日日曜日である。
桜が満開の日曜日である。
歌舞伎の大道具の桜の木そっくりの桜の木である。
変な木であり、変な花だ、桜って。
今までの4月は、新年度開始時期で毎年忙しかった。
だから、桜など、ゆっくり眺めている気分にはなれなかった。
今年は、あらためて、桜が気になる。
へんてこりんだなあ、桜って……と感心している。
無職になると、無職になった寄る辺なさみたいな不安もあるにはあるが、今まで目に見えていたのに、注意して見ていなかったものが、生き生きと新鮮に目に入るようになる。
まるで目覚めたかのごとく。
暗闇の中から明るい場所に出たごとく。
そこんとこが、非常におもろい。
こういう日々を迎えることができるのならば、歳をとることは悪くない。
こういう日々を迎えることができるのならば、しんどい思いをして働き続けたのも悪くない。
ところで、今日は、また「情報配信サーヴィス」について書く。
前に、私が有料会員になっている「国際情勢情報配信サーヴィス」とか「経済解説配信サーヴィス」について書いた。
主としてダイレクト出版さんが提供している講演セミナー動画配信サーヴィスについて書いた。
これらはこれらで非常に面白い。
TVや映画が退屈な私にとっては、エンターテインメントとしても楽しめる。
しかし、実は、情報源として私が1番頼りにしているのは、前に紹介したものではない。
私が1番信頼している「情報配信サーヴィス」は、1998年から始まった「副島隆彦の学問道場」と、1996年から始まった「田中 宇の国際ニュース解説」だ。
田中 宇(1961-)氏のお名前の宇は、「さかい」と読む。
この2つは、動画配信ではない。
テキストで、つまり解説分析を文章で配信する。
無料で読めるものが多いが、もちろん有料会員になる方が、つっこんだ情報が読める。
「副島隆彦の学問道場」http://www.snsi.jp/の会員費は、前にも書いたように年間1万円(以上)だ。
ただし、このサイトは、「学問道場」であるので、国際情勢解説分析だけを載せていない。
もっと幅広く、歴史、哲学から映画分析まで提供してくれる。
このサイトは、私の人生を劇的に変えてくれた!
一方、「田中 宇の国際ニュース解説」http://tanakanews.com/index.htmlの有料サイト購読料は、年間で6,000円だ。半年で3,000円だ。
ただし、年間会員になると20日間のオマケがつく。
つまり、「385日」会員となれる。
この2つの「国際情勢解説サーヴィス」のいいところは、解説文のニュースソースが明らかにされていることだ。
分析の基となっている資料が明示されている。
どの新聞の記事か、どの文献の記事か、明記されている。
根拠が示されている。
テキトーな感想や放言ではない。
CIAだかNSCだか知らないが、インテリジェンスといいますか諜報というのは、スパイ活動ばかりではない。陰謀工作だけではない。
普通の誰でも入手できる新聞や雑誌や官公庁のサイトの記事を集めて丹念に読み分析することが、インテリジェンスの肝だ。
誰でも手に入る情報から、事件や現象の背後にある因果関係を見抜き、事件や現象の持つ意味を把握し、近未来予測をする。これが、インテリジェンスだ。
日本人による「国際情勢解説」という作業は、具体的には海外のメディアの記事を集めて読み込んで、整理して、何がほんとうは起きているのか推測することである。
ほんとはさ、私だって、少しは英語が読めるんだし、The New York Timesだって、The Wall Street Journalだって、Newsweekの日本語版だって、読めるんだからさ、国際情勢わかってもいいんだけどさ。
あいにくと、わからない。
海外のメディアの記事を読んでも、個別の記事を読んで、ああそうですか、とわかった気になるだけだ。
でも、ほんとうは何もわからない。
何が起きているのか大きくは把握できない。
小さくも把握できない。
ましてや、国内問題優先で「世界の警察官」なんかしてる余裕ないと公言していたトランプ大統領が、シリアでアサド政権がサリンみたいな生物化学兵器使ったからという理由で、シリアを空爆した理由なんかわかるわけない。
生物化学兵器をシリアのアサド政権が使ったのかどうかもわからないのに、やけに迅速にシリアを空爆した理由なんかわからない。
それも習近平さんと初めて会談する日に。
トランプ大統領が、側近のナショナリストのスティーヴン・バノンさんをNSCから外したってのも、どういう事情かわからない。
グローバリズム反対じゃなかったの、トランプさん。
グローバリズムを推進する「軍産マスコミ学界複合体」からアメリカの政治を奪還するんじゃなかったの、トランプさん。
???!??
疑問がいっぱい。
というわけで、私の目に入ってきた個別のもろもろのニュースを、意味あるように連結させて、絵解きしてくれるのが、「副島隆彦の学問道場」であり、「田中 宇の国際ニュース解説」だ。
絵解きされたものを信じるか信じないかは情報消費者の自由だ。
ほんとは、この2つのみ購読していればいいんだけさ。
この2つだけならば、年間16,000円ですむのにさ。
「情報配信サーヴィス」貧乏にならないですむのにさ。
でもね〜〜〜じっくりと大量の文章を読むのも、しんどいときがあるんだよね。
そういうときは、動画配信系サーヴィスで遊ぶ。
まあ、動画配信系サーヴィスも来年くらいには飽きているだろうけれども。
しかし、「副島隆彦の学問道場」と「田中 宇の国際ニュース解説」は、ここ16年間ほど飽きないです。
「まだ引越しの疲れが取れなくて〜〜」と言い訳しつつ、最低限の家事をする以外は、読書と各種の情報配信サーヴィスを漁って遊んでいる春の日々。
なんちゅ〜〜至福。
この世界の片隅で、この世界の動きをwatchingしているような気分。
お母さんのお腹のポケットから世界を眺めているカンガルーの赤ちゃんのような気分。
でも、ほんとうは、私が生きている世界の状況は風雲急を告げている……