[165] みなが時間持ちにならないと民主主義は無理

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本日は、2017年5月19日金曜日である。

無職のプー太郎ならぬプー子になって、変わったことはいろいろある。

そのひとつが、Amazonプライム会員特典で無料でパソコンやiPadやスマホで視聴できる映画やテレビ番組を見て時間をつぶすことが皆無になったこと。

映画とかテレビの連続ドラマなんて、しょせん虚構なんだから、見ても見なくても大差ない。

どうでもいいといえばどうでもいい。

感動するといっても、現実逃避には変わりない。

まれに100年に1度くらい、『シン・ゴジラ』みたいな傑作が生まれる。

その場合は100年に1度見ればいいのだ。

なのに、私は勤務時代に、帰宅して夕食をすませると、ソファに寝っ転がって、amazonビデオを視聴していた。

1日に2本ぐらいは映画のビデオを見ていた。

時間の浪費は、実にはなはだしかった。

賃金労働で好きでもないことを生活のためにやっていると、くたびれる。

帰宅すれば、もうひたすら休息したい。ダラダラしたい。

きちんとした本を読む気力も体力もない。

漫画でさえ読めない。

ボ〜〜と動画を眺めて眠るしかない。

大学の教員の仕事なんて、平均的に見れば、どうということのない労働量である。

のかもしれないが、疲れることは疲れた。

私みたいな凡人以下は、そーだったんよ。

ところが、今は賃金労働しないので、疲れないので、いくらでも本が読める。

貧乏になったけれども、「時間持ち」になったので、落ち着いて読書できる。

今まで、薄らボンヤリとしか知らなかったことを、きちんと知ることができるのは、非常に嬉しい。

生きている気がしていい。

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64歳にもなるのに、なんという無知なのか……

死ぬまでに、この無知無知した状態を少しでもマシにしなくちゃと闘志がわいてくる。

また、今は勤務時代のように、疲れ切って食事を作るのが面倒になり、外食するということがない。

きちんと料理ができる。

食材はすべて無駄なく使い切ることができる。

とはいえ、頑張るとストレスになるし、過食は万病の元なんで、夕食も2品しか作らない。

それでいいのだ!!


きちんとした食事を1日1食でも摂っていれば、機嫌よくしていられる。

いい加減に食事してると、4日も過ぎると精神的飢餓状態になってくる。

で、外食してしまう。

しかし、自分で丁寧に作ったものの方が、そりゃ満足できるんよ。

自分の好みで味付けしてるんだからさ。


私は、無職のプー太郎ならぬプー子になってから、非常に幸せである。

カネがなければ節約して暮らせばいい。

でも、時間がなくて、脳に栄養を送れないと馬鹿になる。

労働によって得るものはたくさんある。

しかし、時間がないと、もっともっと大きな視点から、自分の属する社会や世界の仕組みを知るための情報収集ができない。

情報収集そのものが仕事みたいな研究者でさえ、勤務していれば雑務がいっぱいだ。

その雑務は年々歳々増えていくばかりで、論文など年に1本書くのが精一杯という状態になる。

私なんて無能だから著書の一冊も出せなかった。

自分が書いてきた論文を集めて本にして出すなんてvanity pressは興味ないし。

自分以外は誰も読まない本は出版せんでいいよ。

献本されても困るわ。

なんか、1990年代から、特に21世紀になったあたりから、いろいろ余裕のない世の中になってきたよなあ……

なんでかなあ……

アメリカ も日本も、勤労者の実質賃金は上がっていない。

なんで賃金が上がらなくなったか?

もとはといえば、日本の宗主国のアメリカの企業が株主資本主義化して、経営者と株主が分離し、利益は株主の配当に回され、従業員の賃金や福利厚生向上には回らなくなったからだ。

上場されている株式会社は株価が高ければ良い会社ということになるので、会社の立て直しは、まずリストラで、1番コストのかかる人件費を圧縮することから始まる。

リストラして、正規雇用を減らして非正規雇用を増やす。

それから、優良部門や資産を売却し、その金で自社株を書い、自社株の株価を吊り上げる。

それが会社再建ということになる。

それを躊躇いなくできるのが、有能な経営者、辣腕CEOということになる。

こういうことをした会社再建者は、巨額の役員報酬を得た後は、サッサと「再建された会社」を売却する。その売却益からも報酬を得る。

企業そのものは、役員報酬を税金控除できるんで、巨額の役員報酬を払っても損はない。

犠牲になるのは、従業員の退職金に年金である。

従業員保護の法律は、とっくの昔に財界が国会議員を使って無効にしてる。

抜け穴いっぱいにしてる。

抜け穴を探す弁護士も、企業はいっぱい雇用できる。

企業の得た利潤は、法人税を払うのは嫌なので、タックスヘイブンの隠れ口座に隠匿される。

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FATCA(Foreign Account Tax Compliance Act) が2013年に施行されて以来、スイスの銀行は隠れ口座を公開するようになった。

けれども、まあ、北朝鮮やISがタックスヘイブンになっているとすれば、IRS ( Internal Revenue Service, アメリカ合衆国内国歳入庁つまり国税庁ね)だって、CIAだって手が出ない。

カネの隠し場所は、あるんよ……

このように、本来は課税されるべきカネが徴収されないので、足らない税金の補填は庶民への重税で補う。

富裕層が合法的脱税すると、貧乏な庶民の税金が多くなる。

給与が上がっても、税金で取られる。

富裕層は一層に富み、貧乏な庶民は一層に貧乏になる。

企業は、企業を動かす超富裕層は、国会議員に献金すれば、自分たちに都合のいい法律を制定させることができる。

国会議員は、議席を失ったあとは、企業や超富裕層の作った財団のロビイストなる。

年収1億円以上はもらえるからね、企業や財団と仲良くしておきたい。

上院議員たって、年収日本円で2000万円くらいだからね、ロビイストの方がずっといい!!

今や、アメリカの国会議員ひとりに33人(13人という説もある)のロビイストがくっついて、運動してる。スポンサーは、ほとんど企業だ。

そりゃ労働組合やNPOのロビイストもいるけれども、報酬額が違うね。

ロビイストも人間だから報酬で動くよ。

5000万円なら動かなくても、5億円なら動くぞ。

怠けもんの私も動くよ。

ということで、気の長い開発研究(R&D)やらんでも、儲かるシステム作りをするんで、アメリカの企業からイノヴェイションが生まれない。創意工夫なんかしない。

イノヴェイション?

そんなん、極東のクソ真面目な国民のいる国のいい技術を持っている会社を買収しちゃえばいいんだ。

日本政府は緊縮財政とかで、国の宝みたいな技術を持っている会社が倒産しかけてるのに助けもせずに、外資に食い散らかされるままに放置してる。

東芝の半導体技術を外国に売っていいんか……

外資が日本の企業の株を買っていいことにしちゃったもんだから、日本の企業も続々とアメリカ企業化して、リストラと株価吊り上げしかできなくなった。

ということで、日本の勤労者の賃金は上がりません。

これじゃ、子どもの教育費も出ない。大学の授業料は、今や国公立でも535800円だ。1971年は12000円だったのに。

数年後には93万円にするらしい。私立大学は、とっくの昔に年間授業料は100万円超えている。

子どもが2人いたら、これでは、奥さんがパート勤務しても苦しい。

上京させて下宿させるなんて無理。

地元の大学に行ってちょーらい。

ということで、福山市立大学は、都会の名門私立大学に合格したけれども、経済的事情でここに来ましたと言う学生さんが少なくなかった。

なんやかんやで税収は少ない。

今まで好きにさせといた大学への補助金も削りたい。

補助金出すなら、それなりのことやっていて、文部科学省に素直な大学には出す。

補助金を餌に、グジャグジャとしょうもない指令ばかりを大学に出すようになった文科省。

天下りを受け入れた大学には手厚くするよん。

ということで、それに適応できない日本の多くの大学の予算は小さくなった。

で、お定まりで、企業の真似して人件費削減。

いまや大学の教員も終身雇用ではなく、任期制が増えた。

財界に左右される政府は、すぐに使える人材養成を大学に要求する。学問なんかせんでいい。教養なんて無用。もっと職業訓練校になれ。

あのさあ、もうすぐに人工知能が、職業訓練校で得るスキルを担う時代が来るんだよ。

どうせいと言うの?

そんなこんなやってるもんだから、雇用は増えず、賃金上がらず、国民は疲弊して、購買力がない。消費なんかできるか。

アベノミクスで貨幣の流通量が増えたって、銀行から借りません。

需要力がないので、供給過剰のデフレーション止まりません!

景気なんか良くなりません!

経済成長できません!

経済成長できないメカニズムとその結果の今現在について、勤務時代は考えることなどできなかった。

ただただAmazonビデオで時間を潰してた。

皮肉なもんだ。

若くて体力気力充実してるときは、生活費獲得労働に追われ、きちんと考えることも、調べることも、周りを観察することも、粘りが必要な類の読書もできない。

ストレス解消のための、どうでもいいような余暇活動に時間を費やし、買い物だの恋愛だのギャンブルだの飲食だのに依存耽溺する。

そうして、貴重な人生の時が過ぎて行く。

民主主義の実現は、まずは労働時間の短縮と生活費の保証かなあ。

古代ギリシャの都市国家の民主主義の担い手は、奴隷に労働を任せることのできる余暇時間を持つ自由民だった。

そろそろ、人工知能、ロボットという奴隷も用意されてきたし。

あとは生活費の保証かなあ。

ということで、やっと私は、ハイエクやロバート・ライシュの提唱したベイシック・インカム(badic income)について、ちょっと本気で調べてみようかなあ……という気になってきた。

でもなあ、これも「善意で敷き詰められた地獄への道」かもしれんし。

民主主義なんて永遠に未完のプロジェクトかもねえ……

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