徹底した経済人

本日は、2017年5月22日月曜日である。

水曜日の午後7時からの尾道市立図書館での講演で話すことは決まっている。

でも、パワーポイント資料を、まだ作ってないんだよね。

無職になって時間ができても、やるべきことをしない私。

ところで、前にこのBlogで書いたように、私が有料会員になっている「ニュース解説動画配信サービス」の中には、「新経世済民新聞」の三橋貴明さんの経済ニュース解説も入っている。

三橋さんは、古典的自由主義経済にしろ、新自由主義経済にしろ、「経済人」を前提にしているから、あかんとおっしゃる。

そういう経済学に依拠した政策を採用して、デフレーションから抜け出せない安倍政権を批判しておられる。

経済学は思考のモデルを提供しているだけで現実に機械的に応用できるものではないと百も承知していて、自分のビジネス拡大のために、ダメ経済学を言い募って政権を動かす、竹中平蔵のような人物もいると、批判しておられる。

経済学という学問そのものの前提は、貨幣観とか、他の点からしても、いろいろおかしいそーだ。

でも、今日は「経済人」についてのみ書く。

経済人。

「経済人」というのは、経済的合理主義だけで生きる人間のことだ。

経済的に得か損だけで動く人間のことだ。

ピーター・ドラッカー( Peter Drucker: 1909-2005)の名著のひとつに、『「経済人」の終わり』というのがある。

29歳の時に発表したものだ。

すごいなあ。

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この本は、ファシズムの台頭に警鐘を鳴らした本だ。

ドラッカーは、次のようなことを言った。

合理的にものを考えて行動する「経済人」ならば、ヒトラーみたいな全体主義は生まれんでしょう?人間というのは、わけのわからんことをする生き物なんだよ、と警告した。

経済学からのみ考えていると道を誤るよ、と警告した。

似たようなことは、アメリカの神学者のラインホルト・ニーバー(Reinhold Niebuhr: 1892-1972)も言った。

「 彼ら実業人は権力関係の複雑怪奇さを知らず、政治の世界においては、危険なまで非合理な野心が力をふるい、殊に政治的宗教の時代にあっては、悪魔的な政治運動をもたらすことわきまえないのである」( Christian Realism and Political Problems, 1953)

つまり、経済人は単純じゃ、政治というものは非常に理不尽に不合理に動くものだということをわかってないと言っている。

この「実業人」 というのは、経済人と同じだと考えていい。

一般的には、いいイメージではないかもしれない。

金で動く人間である経済人のイメージは悪い。

でもさあ。

金で動く人間ならば、安心できる。

金で動く人間は、実利を取るんだから、実を取るんだから、交渉できる。

私は、切実に、トランプさんには徹底的にビジネスマンでいて欲しい。

いや、トランプさんばかりではないな。

国家の舵取りをする立場の人々には、徹底したビジネスマンでいて欲しい。

ビジネスマンなら、損なことはしないはずだ。

理念や思想やスローガンや意地やプライドや夢やメンツでは、動かない。

それで動いて得するならば、そーいう幻想を利用する時もあるかなあ、という程度のものだ。

「悠久の日本は〜〜」とか、「ジハードだ〜〜自爆して天国に行くんだ〜〜」とか、「中国は世界の中心だ〜〜」とか、「アメリカニズムを世界に広げるのが神の意志だ〜〜」とか、「ユダヤ人をみなが殺しに来る〜〜」とか、そーいう幻想は持たない。

国にとって得か損か、徹底的に考えて得な方を選ぶ。

国民が食ってゆけるのか、徹底的に考えて得な方を選ぶ。

国って、自分を含む国民の生活の総体なんだからさあ。

それも長期的視野で損得を考える。

不合理なことはしない。

無理は通らないので、損するから。

となると、大きな戦争はしないよな。

総力戦なんかせんわ。

消耗するだけだもん。

勝っても負けても、損だ。

軍事衝突は別だ。

外科手術的攻撃surgical attackはする。

患部(核施設とか、ミサイル保管地下基地とか)だけ攻撃するってやつね。

これは一種のご挨拶というか、一種の外交だから。

中古の武器をバンバン売って、その地域を不安定化させたり、古いミサイルをガンガン見当はずれの方向にぶっ飛ばしたりはするよ。

ボケッとした属国からカネをむしり取ることはするよ。

でも、肉を切らせて骨を断つみたいな、自分にも大損害のあるような大戦争はアホらしいから、しない。

ともかく妥協できるところは妥協して実を取る。

そこなんだよね、トランプさんが信用できるのは。

あの方は、ビジネスマンなんだから。

アホな革命家じゃない。

権力志向じゃない。

そんな貧乏人じゃない。

経済人ならば、大損の破局は招かない。

だけれども、経済人であるはずなのに、自分が損するみたいなことやってる人々もいるよね。

たとえば、人材派遣業の経営者である経済人がいるとする。

たとえば、国の経済政策を動かして、非正規雇用を増やすような法律を施行させる。

そうすれば、自分が経営する人材派遣業にとって非常に都合がいい。

それで非正規雇用の勤労者が増える。

そうなると、一般の勤労者の購買力が落ちて、物が売れない。

低賃金の非正規雇用者が増えれば、税収も落ちる。

自分の会社の収入はタックスヘイブンに隠して法人税を逃れる。

ついでに、自分の資産も国外逃亡させる。

気持ちはわかる。

税金は悪でありますよ、ほんと。

日本の税制はおかしいよ、ほんと。

でもさあ、そうすると、税金で徴収されるはずであった金が消えるわけで、その分は勤労者に課税される。

貧乏人に課税しても、取れない。

で、税収は落ちる。

税収が落ちれば、公共サーヴィスの質が落ちる。

治安も悪くなる。

富裕層への憎しみも国民の間に蓄積醸成されていく。

国民の資産流出を止めようと国税庁もうるさくなる。

タックスヘイブンも、いつ顧客名簿を公開するかわからない。

じゃあ、とりあえず、治安のいい国に移住する?

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気の休まらないことですな……

何のために金を集めたのか?

自分がほんとうに安全に安心して得して生きるためだったはず。

自己防衛のためであったはず。

なのに、気の休まらない老後を異国で過ごすのか。

強盗殺人や詐欺に気をつけながら。

彼の国の政変や法律の変化に気をつけながら。

自分がほんとうに安全に安心して生きたいのならば、自分の属する社会が安全で安心なものであることが必要十分条件だけれども。

まあ、見果てぬ夢かもしれないけれど。

でも、ひとりで生きてるわけじゃないからさ。

儲けることができるのも、社会があってこそ。

社会的インフラを使わせてもらえるからこそ。

人間は社会的生き物だからさ。

他人の影響から逃れられる人間はいない。

他人の働きに依拠して、私たちは生きている。

だからさあ、みんながそこそこ楽しく生きて食べていけるようにしておく方が、自分の身のためだって!

社会的コストだからさあ、税金は。

欲が深いのはいい。

強欲も結構。

金稼ぐのは素晴らしい。

ちょっと搾取もいいよ。

ちょっと脱税もいいよ。

でも、限度があるだろう。

限度を見極めるということは、損得を見極めることと同じだ。

経済人でいるのならば、徹底した経済人になるべきだよね。

徹底した経済人は、自分にとって得なことは何かを徹底的に考え抜く。

そうすると、自分だけ逃げ切るのは無理と、わかる。

自分と自分のカネだけが、自分を守ってくれるわけじゃない。

たとえばさ、道徳はなんで守る方がいいのか?

神様が見てるから?

いや、その方が得だから。

大きく見たら、道徳はお値打ちです。

お得です。

自分の不道徳な行為の波及効果はある。

自分の不道徳は自分に返ってくる。

自分にとって損なことはしない徹底した経済人になりたいよ、私も。

私が幸せでいるために、 みなさん、幸せでいてください。

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