[202] ほんものの戦車に乗った

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本日は2017年8月16日水曜日である。

お盆も終わった。

今日は、先週の8月11日木曜日に訪問見学させていただいた「自衛隊今津駐屯地」について書く。

今津駐屯地は、滋賀県高島市にある。

中部方面隊を構成する36駐屯地のひとつである。1952年にできた。

今津駐屯地は、戦車部隊である。第3師団と第10師団の戦車大隊が駐屯している。

平成20年2008年から、情報監視隊も駐屯している。

所属隊員は550名。営内居住者は180名。

隊舎からは琵琶湖が見渡せる。

近くに広大な「あえば演習場」がある。

ここでは、米軍と共同演習もする。

いやあ……貴重な体験でした。

私は、自衛隊の基地も駐屯地も見学させていただいたのは初めてだった。

本物の自衛隊員の方とお会いするのも初めてだった。

映画『シン・ゴジラ』で何回もお会いしてるような気になっているだけで、リアルJGSDF(Japan Ground Self-Defense Force)の隊員の方を目にするのは初めてであった。

感想。

うっとり……であった。

惚れ惚れ……であった。

64歳でも、胸がときめいたのであった……

女は、幾つになっても、カッコいい男性の前では無口になる。

ただただ、見つめていたくなる。

なんて、カッコいい方々であろうか……

こんな男性の方々が、今の日本にもおられるのか……

まっことに、男らしくて繊細ではないか……

日本の男は異常に口ばかり達者で、言い訳と保身だけ巧みで、どうでもいいことばかりペラペラ喋りやがって、「天下りし損なって新宿の出会い系パブで女性の貧困調査をしていた元キャリア文部官僚の前川ナンタラ」みたいなもんだ……

と思っていた私であった。

すみません。

大学教員なんかやってたもんだからさ、どうしても、男性観が歪むんだよね。

みなさま、カッコいい男性たちを拝みたければ、自衛隊へどうぞ。

あ、自衛隊の見学なんて、気楽にさせてもらえませんけど。

年に数回あるような地域の方々に開かれたお祭り日や見学日以外は。

当然だ。

では、なぜ私は「今津駐屯地」を訪問して、カッコいい男性たちを見学させていただけたのか?

私の前の前の勤務先の桃山学院大学には、「21世紀の安全保障を考える」という研究プロジェクトがある。

桃山学院大学勤務時代から、私は、このプロジェクトの(名ばかりの)研究員だ。

そのプロジェクトの代表者の国際安全保障学研究者の法学部教授の松村昌廣氏は、当然に防衛省とか、海外の友好国の安全保障研究所とのパイプをお持ちである。

で、「21世紀の安全保障を考える」プロジェクトの一環として、松村氏は自衛隊基地見学とか、海外の安全保障研究所表敬訪問とかの企画を立て、幹事までしてくださる。

それで、今回の「今津駐屯地」表敬訪問見学に私も参加させていただいた。

お誘いくださいました松村昌廣教授にお礼を申し上げます。

ありがとうございます〜〜

松村教授のご尽力により、2012年には、台湾の安全保障研究所や国立大学の安全保障センターを訪問することができたし、将軍の方のお話も聴かせていただくことできた。

あの時も大いに勉強させていただいたが、今回も学ばせていただきます〜〜

ということで、脚の不具合も無視して、私はノルディックウォーキングのポールを支えに、名古屋から京都まで新幹線で行き、そこからJR湖西線に乗って、近江今津駅まで行った。

琵琶湖沿岸の風景が涼しげであった。

駅には、「今津駐屯地」の広報担当の隊員の方がマイクロバスで、我々一行を待っていてくださった。

制服がグリーンの迷彩服である。

まさしく、映画『シン・ゴジラ』のあの制服である。

まずは、今津駐屯地の1番偉い方である「駐屯地司令」にご挨拶。

駐屯地司令は、第3戦車隊の大隊長を兼任することになっている。

防衛大学ご出身の44歳。お若いトップである。

映画『シン・ゴジラ』は、ご覧になっていないそうである。

若い若い10代くらいの隊員の方が、冷たいお茶をサーヴしてくださった。

ちょうど昼食時間ということで、隊員の方々と同じランチを食べさせていただく。

野菜サラダたっぷり。お茄子が入ったミートソースのパスタに、バターパン(これ名称なに?)に、フルーツいっぱい入ったヨーグルトである。

このランチ代は、プロジェクトの予算で出してもらったので、一食おいくらかわかりません。

今津駐屯地の幹部の隊員の方々との会食ですから、緊張した。

みなさん男性だから食べるの早い。

私が必死にサラダとパスタをいただいた時には、みなさんお食事を終えられていた。

サラダもパスタも美味しかった!

できれば、ヨーグルトだけでも、いただきたかった!!

食後の冷たいコーヒーを、またも若い10代くらいの隊員さんがサーヴしてくださった。

食後は、駐屯地内の売店を見学させていただいた。

売っている迷彩柄系シャツなどはMade in China….

いいのか……

私は、記念に迷彩柄バッグ購入。本体価格1080円。

その後は、本部ビルの屋上で駐屯地の地理関係を確認学習。

本部ビルは5階建てであるが、エレベーターが設置されていない!

自衛隊員の方々は軽々と階段を昇っておられたが、デブの私はヒーヒー言いながら屋上へ。

屋上からは、琵琶湖に伊吹山や近辺の島々が望める。

別方向からは、「あえば演習場」のある森が見える。

戦車50台ほどの整備工場も見える。

広い駐屯地だ。

若い10代くらいの隊員の方が、キビキビとレクチャーしてくださる。

姿勢がいい。

今時のアホ男子大学生の緩んだグニャグニャした身の動かし方を見慣れていた身としては、実に新鮮だった!

屋上視察のあとは、2階のセミナー室で、TOPの「駐屯地司令」の方による駐屯地の活動に関するブリーフィング。

カッコいいでしょーー!!

映画じゃないよ!! 本物だよ!!

今津駐屯地の沿革、諸活動が簡潔に無駄なく紹介された。

その後は質疑応答。

それから、いよいよ戦車見学。

広い駐屯地内はマイクロバスで移動させていただきました。

行く先々で、冷たいお茶をご用意していただいておりました。

なんという細やかな気配りとお心遣い。

非常に恐縮してしまいました。

記念写真も撮っていただきました。

嬉しそうに笑ってるオバハンの姿は場違いで、なんかみっともないけれども、私は非常に嬉しかったとです。

いやあ……本物の戦車(三菱重工制作)の異形の美しさよ。

ひとつひとつの戦車の説明も、若い若い10代くらいの隊員さんがしてくださった。

戦車以外にも、10人乗りの装甲車もある。

装甲車はエアコン装備だが、戦車内には冷房装置はない。

夏の戦車訓練は、さぞかし暑いことでしょうとお察しした。

だいたいが、戦車部隊は冷戦時の旧ソ連対象に北海道の原野で実戦の想定であったので、冷房については考えられていなかったようだ。

戦車に砲弾を運び装填する訓練に使用する模擬砲弾も見せていただく。

この砲弾を、戦車の4人のクルーが協力して戦車内に装備する作業は、「4秒」以内にできなければいけないそーだ。

うわあ。

この砲弾は銀色であるが、最初は砲弾らしく黒色の塗料が塗ってあったが、訓練用に使用されているうちに、塗料が剥げてしまったそーだ。

この訓練用砲弾を持たせていただいたが、重い!重い!

戦車に装甲車以外に、 無人偵察機も見せていただく。

「この無人偵察機の飛行可能時間はどれくらいですか?」と私は質問した。

「それはお答えできないのです」が、お答えであった。

レーダーが捉えたものを撮影する特別なカメラも見せていただいた。ソニー製。

「このカメラは、どれぐらい離れた距離でも撮影できますか?」と私は質問した。

「それはお答えできないのです」が、お答えであった。

どうも、私は質問してはいけないことばかり質問する傾向があるようだ。

さて、次は、いよいよ「戦車試乗」である!!

試乗といっても、戦車の中に入るのではない。

デブは戦車の中に入れないんじゃないかなあ。

戦車にくっつけたヤグラみたいな立ち台に乗るんである。

練習場を走行する戦車の後方に組んだ鉄製の立ち台の上に昇り、恐る恐る立つ私。

出発!!

戦車のエンジン音は大きい。大きいというか相当にうるさい。

走行すると、結構ガタガタ揺れる。道が平坦でないと、すっごく揺れるだろう。

若い女の子なら、「きゃあーーこわあああいいいーー」と叫んでも可愛い。

ババアが怖がっても、どうでもいいだけなので、私は怖さに無言で耐えた。

ガタガタ揺れる戦車につけられた鉄製の立ち台は、もっと揺れる。

5分ぐらい乗せていただいたであろうか。

暑い午後であったが、戦車の上に立って感じる風は心地よかった。

うわお〜〜乗ってるぞ〜〜〜〜♬♬

戦車に乗ってるぞ〜〜〜〜♬♬

生まれて初めて戦車に乗ったぞ〜〜〜〜♬♬

一周して戻り、立ち台から降りる。

その後は戦車のデモンストレーションを見学させていただく。

戦車のキャタピラというのは、前方に傾いたり、後方に傾いたり、右側に傾いたり、左側に傾いたりできる。

高さを低くしたり、高めたりもできる。

地形に応じて戦車は操作できるのだ。

操作して見せてくださったのも、若い若い隊員さんである。

なんと凛々しい……

なんと清々しい……

こんなカッコいい男性たちを毎日眺めていられるのならば、女性も自衛隊に入るのがいいんじゃないか。

私が、今、高校生ならば防衛大学をめざすぞ。

私が、今、高校生ならば農学部に行こうか思っていたけれども、防衛大学の方がいいな。

つまらん文系学部でどうでもいいことを学んでもしかたない。

自衛隊で通信や危険物取扱や銃火器の操作を学ぶ方がいい。

もう言葉言葉言葉だけの空虚な仕事ではなく、実質的な意義のある仕事をしたい。

長い教員生活を終え、しょうもないことしかやってこなかった自分を振り返っている無職の私から見たら、今津駐屯地の隊員の方々は、非常に眩しかった。

だいたい誰を見ても会っても、眩しいなんて感じない私であるのだが。

戦車試乗を終え、戦車デモンストレーションを見学し、戦車整備工場も見学させていただいて、最後に、また本部ビルに戻り休憩&お茶。

またも若い隊員さんが冷たいコーラをサーヴしてくださった。

ほんと『シン・ゴジラ』みたいでしょ!

ここで、また質疑応答。

「プロジェクト」のメンバーである桃山学院大学の教授たちは、冷戦後に収縮させられている戦車部隊の未来についてなどを質問していた。

前にも書いたように、自衛隊の戦車部隊は、もともとが北海道で旧ソ連の侵略を迎え撃つために設置された。

1991年にソ連が崩壊して以後、日本の安全保障問題の重点は、北ではなく、南西になってきた。

要するに、中国である。

中国の侵略を迎え撃つために「九州の原野」で戦車が動くという展開は、考えられない。

九州に原野あるのか?

ということで、戦車は一時期より格段に減らされている。

だいたい戦車ってさあ、敵前上陸するときに海辺まで運ばれて砂浜を駆け上ってくるというイメージでしょ。

ということは専守防衛の自衛隊には戦車は無用でしょ、という意見もある。

敵前上陸しないもの。

専守防衛だから。

「専守防衛」って何だ?

攻撃されてからなら、反撃していいということだ。

ということは、攻撃されることが明々白々でも先制攻撃してはいけないということである。

こんな無茶苦茶で理不尽なことはない。

「専守防衛」なんて、現実的には絵空事の妄想だ。

やっぱ戦車部隊も必要です!!

状況は刻々と変わるのだ。

それでも、じょじょに戦車部隊はリストラが進んでいて、戦車部隊のメンバーのうち、語学やITに強い隊員は情報監視隊の方に移動しているそーだ。

また、戦車を縦横無尽に動かして実戦訓練できる場所が日本には少ないので、アメリカの西海岸シアトルが州都のワシントン州にあるヤキマにフェリーで戦車ごと運んで、演習させてもらっているそーだ。

もちろんカネ払って。

シンガポール軍もアメリカで演習させてもらっているそーだ。

私は、ひとつだけ質問させていただいた。

「今、こちらの隊員の方々が共通して想定して覚悟し準備なさっている、起きる可能性の非常に高い有事は何ですか?」

みなさん黙ってしまった。

お答えをいただけなかった。

私は、やはり質問してはいけないことを質問するKYなのでありました。

ということで、「今津駐屯地表敬訪問見学」の日程がすべて終了しました。

ご挨拶しお礼を申し上げて帰るとき、本部ビルの玄関前で、駐屯地司令の方を始めとした幹部隊員の方々は整列して、陸軍式敬礼(海軍式敬礼のはずはないな)で、私たちを見送ってくださいました。

最後まで、気持ちの良いお心遣いと、爽やかな姿勢だった。

今時さあ、爽やかな人々って、どこで見ることができるんだ?

ありがとうございました!!

マイクロバスで近江今津駅に向かう私は思った。

軍備は必要だ。

独立国家に軍隊は必要だ。

軍人も必要だ。

でも、優れた軍備も軍隊も軍人も持ちつつ、政治力で、それらを使用しないこと。

あの隊員の方々が、実戦を体験せずに定年を迎えてくださること。

それが1番いい。

そうでなきゃいけない。

2件のコメント

  1. 防衛省とか自民党にコネのある方のおかげで、基地見学をすることができました。貴重な体験でした。しかし、若い自衛隊員の方々が、あのような戦車に乗って実戦することがないことを祈ります。

    いいね: 1人

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