[217] 台風の日に小林旭様に会いに行った。

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本日は、2017年10月30日月曜日である。

先週の木曜日のノルディックウオーキングで、うっかり興正寺っていう名古屋の大きなお寺の中を散歩しちゃって、道に迷って、墓場の中をウロチョロ歩いて、往生したよ。

帰宅したら、肩は重いわ、身体に力は入らんわ、心臓は痛いわ、ちょっと眩暈はするわ……

家族にベランダに立たされて、思いっきり海塩をかけられて除霊したとよ。

といっても、未だに体調がちょっと変だよ。

霊能を持つ沖縄在住のナースから、Facebookに投稿した寺の道の写真について、「ここはダメよ〜〜」とご指摘をいただいた。

もう2度と行かんぞ、興正寺!!

それはさておき、昨日の10月29日日曜日は、岐阜県の大垣市民会館まで出かけた。

小林旭様のコンサートに出かけた。

午後12時半開場午後1時開演を、午前11時半には会場に到着しじっと待った。

台風の影響の大雨にも関わらず続々集まる高齢者たち。

家族に押された車椅子に乗っている方々も少なくなかった。

デイケアセンターの車に乗ってやってきた方々もいた。

うーん、日本の高齢者の景色は地味過ぎる。

なんで、ああいうshit色のものを身につけるのか。

どこで売ってんだ、あんなの。

もっと綺麗な色のものがあるでしょーが。

赤いコートを着ていた私は、ジロジロ見られた。

年食って無職になって自由になったんだから、ド派手な色を着なさいよ〜〜

黒を着てもいいから、ジャラジャラと金メッキのアクセサリーして、「歩く仏壇」になりなさいよ〜〜

64歳の私なんて最年少なんじゃないか。それぐらいの高齢者の人々の波!

なにしろ、小林旭様は1938年昭和13年生まれであらせられるので、11月の誕生日が来れば、旭様は79歳である。

ファンも、80代70代あたりの層がもっとも厚いのであろう。

これからの未来の高齢者の風景は、もっとカラフル希望。

旭様のコンサートは、私は3回目である。

旭様が70歳になられた頃に、私は思ったのだ。

旭様もいつお亡くなりになってもおかしくない年齢になられた。お元気なうちにお目にかかっておかねばいけない!と。

で、2008年に会いに行った。会場は京都だった。

ちょっとお疲れのようであった。ほんと。

その後は、私も忙しくて疲れ過ぎていて、旭様のコンサートに行く余裕がなかった。

しかし、2016年9月に浜松まで会いに行った。

劇「無法松の一生」とコンサートの二部構成であった。

仰天した。

旭様が復活なさっていた。素晴らしい歌唱であった。旭様は満77歳であったが、晴れ晴れと明るかった。

感動感激のあまり、私は「アキラさーーん!!」と6回叫んだ。

さて、今年の大垣。

今回はコンサートだけ。

私はパンフレットも確認せずに行ったので、旭様の前座が「水前寺清子」さん、「牧原三枝子」さん、「伊藤ゆかり」さんであることは、ろくに知らなかった。

この3人の方々もそれぞれに良かった。

人柄の良さが出ているステージだし、さすがプロのステージであった。

特に水前寺さんや伊藤さんは70歳だそうで、びっくりだ。

非常にお若い!!綺麗だ!!声も老けてない!!

64歳ぐらいでババアとして開き直っていてはいけないと我が身を反省した。

水前寺さんは8曲、牧村さんは3曲、伊藤さんは7曲を披露なさった。

伊藤さんが退場後に、静かにおもむろにステージの上方のスクリーンに映画「ギターを持った渡り鳥」の写真が映し出された。

おお………

その瞬間、うわああああああああああああああああああああああああ〜〜と湧く観客席。

大垣のお客さんはノリがいい。

京都や浜松でも旭様を迎える観客の喜びの声は大きかったが、大垣は一層に明るい。

そこに旭様が登場。

ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおお〜〜と狂喜する観客。

私も狂喜する。

短い両腕を精一杯あげて振った私。

後ろの座席の方々すみません。

「アキラさああああああああああーーん!!」と大声を出す私。

そしたら、負けじと後ろの席でおばはん数人も声を上げた。

よろしいよろしい!!

騒げ騒げ!! もっと大騒ぎしろい!!

しかし、私は自分の発する大声が劣化していることに気がつく。

教室で大声を出して授業をしなくなったので、声の出が悪い。息を全部声にすることができていない。

うーん、我ながらインパクトが弱いぞ!

それでも、黄色い声援を受けて嬉しそうな旭様。

黄色いというより、黄昏色かな。

旭様は去年より、さらにデブっておられた。

79歳にして一座を率いての日本全国をコンサート活動を何年も続けておられるのだから、お疲れ解消で食べたり飲んだり。

太るに決まってるよなあ……

水前寺清子さんも伊藤ゆかりさんもビッグネームだけれども、あの方々だけで、大垣市民会館を満員にすることはできない。

「小林旭」様あってのことだ。

会場の整理をしているスタッフ、グッズを売っている方々、バンドの方々、コーラス担当の方々、舞台美術担当の方々、照明音響担当の方々。そして、共に歌う方々。

全部で何人の生活を引き受けておられるのか、旭様は。

何人を食わしておられるのか、旭様は。

バンドの方々は2008年のコンサートの時より数が少ない。シンセサイザーでいろいろな楽器の音が出せるからね、合理化できるよね。

去年は劇も入れて3時間の長丁場だったけれども、お客さんも高齢者ばかりで、トイレが近い人も多いので、コンサート時間も1時間40分が限度だろう。

それでも途中でトイレのために席を立つ男性高齢者が目立つ。1時間すら耐えられないよーだ。

男性って、なんでだか知らないが、頻尿が多いよね?

それはさておき、満78歳もうすぐ79歳の旭様は、お元気だった。

明るかった。

身体のキレも良かった。

声も歌唱も素晴らしかった。

そう、この声よ……

戦後日本が生んだ最大の歌手である「小林旭」の声だ!!

特に、「ダイナマイトが150屯」を始めとした「これぞアキラ節!」の一連の曲の時は、すごかった。

私も他の観客さんも大喜びだった。

旭様は、軽々とリズムを取りながら踊っておられた。

すごい、すごい。

(昨日のコンサート会場の売店で5枚500円で売っていたブロマイドです)

歌の合間のトークも楽しかった。

ご自宅の近所の公園を散歩なさっていたら、足元がふらついたご老人に遭遇なさったので、ちょっとお手をお貸ししたら、その方は旭様よりも10歳も若い方だったとお話しなさっていたが、確かになあ。

旭様はお若い!!

ともかく、私は嬉しくて大騒ぎだった。

旭様が、少しでも私の座席の方に目を向けたら、必死で手を振った。両腕を上げて振った。

10回は「アキラさあああああああああああああああーーーん!!」と叫んだ。

旭様は、何度も私の方を見てくださった(と思う)。

私に向かって、「わかってるよ」と頷いてくださった(と思う)。

だって、来年はお会いできるかどうかわからない。

会えた時には、思いっきり、私の愛を声援を、旭様に届けておかねばいけないとよ。

出し惜しみしちゃいけないとよ。

いつ旭様はお倒れになるかもしれない。

私だって、いつ死んでもおかしくない年齢だ。

昨日のコンサートで、旭様がお歌いになった曲の中で、盛り場水商売系歌がほとんどないのが良かった。

ああいう暗めのジト〜〜とした歌は、旭様に似合わない。

旭様には、ユーラシア大陸の風に吹かれているような趣の歌がお似合いだ。

もしくは、脳が破けたみたいなヤケクソな歌がお似合いだ。

「さすらい」が良かった。

素晴らしかった!!

「北帰行」はなかった。

「惜別の歌」はなかった。

「さらばシベリア鉄道」もなかった。

しかし、「熱き心に」はあった。当然だ。

私にもわかるようになったよ。

「昔のスター」のコンサートに出かける人々の気持ちが。

あれは、同窓会だね。

知らない人間ばかりの同窓会だ。

昔の自分に会いに行く機会なんだ。

自分が泳いできた距離をあらためて確認する機会なんだ。

そして、ここまで泳いで来れたことを、しみじみと感謝する機会なんだ。

さらに、とりあえずのゴールまで、岸まで、ちゃんと泳いで行こうと、泳ぎ切ろうと、あらためて決意する機会なんだ。

いつか、20年後くらいにSMAPも再結成されたら、その頃には還暦を過ぎたファンたちが、大勢詰めかけるのだろう。

AKB48が還暦後にミニスカートの衣装で「恋するフォーチュンクッキー」を歌い踊り、これまた還暦を過ぎたファンたちがいっしょに歌い踊るのだろう。

キャバクラ系AKB48は、ババアになっても元気な気がする。

清楚系乃木坂46の還暦姿は見たくないなあ。

「制服のマネキン」をコスプレセーラー服で踊って歌われても、見てる方は辛いかもなあ…

しかし、それにしても、小林旭様は戦後日本の奇跡だ。

日本の宝だ。

ほんとに天才だ。

日本という国は、似非天才は褒め称える脳足りん国家だが、ほんとうの天才は見て見ぬふりをする。

しかし、心ある民衆は知っている。誰が天才であるかを。

今上天皇がお隠れになっても、私の目からは涙は出ない。

しかし、旭様の時は……

想像するのも嫌だ。

小林旭様には、あの「夢コンサート」のスタッフの方々を食わせる責任もおありになるからな。

くれぐれもお体を大切にしていただきたい。

昨日の小林旭様は、すでに神々しい域に達しておられた。

あの21歳の軽薄お気楽脳天気な滅法カッコいいだけのオニイチャンが、78歳の風格あるが飄々とした洒脱な日本最高の天才歌手となった。

来年80歳の小林旭様に、来年もお会いしたいものだ。

私は、台風で怖いような大雨と風の中を、充たされた思いで家路に急いだ。

充たされ過ぎてもの哀しいような気分で帰った。

竜宮城から帰る浦島太郎みたいな気分で帰った。

長居はできない天国から、地上にもどるような気分で帰った。

ありがとうございます、旭さん。

私も頑張るね!!

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