啓蒙装置としてのTVドラマ

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本日は、2017年12月20日水曜日だ。

今日は、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」について書く。

脚本家は、森下佳子(1971-)氏だ。

この方の作品は、だいたい視聴してる。『白夜行』や『Jinー仁ー』や『私を離さないで』とか。

原作ものを、原作より良くしちゃう稀有な脚本家だ。

この方の脚本だと、好きな俳優がひとりも出演していなくても視聴できる。

森下氏は、よく勉強しておられるようだ。

さすが東大文学部宗教学科卒だけのことはある。

この方の同級生の方が京都の公立大学で教授をしておられるよ。

あ、やっぱり、フジモリはエリート好きなんだなと思った?

違うって。

私は頭のいい人が好きなの。

東大出たってしょうもない奴は いくらでもいたよ。

働いてた業界には東大出も多かったから、そんなこと知ってる。

東大出でも、ちゃんと頭のいい人はいるのよん。

実は、『おんな城主 直虎』は最初から見てなかった。

NHK大河ドラマは、最近は『平清盛』と『八重の桜』しか視聴してない。

『平清盛』は、織田信長に似ててさ、私の嫌いな平安時代をぶっ飛ばしたでしょ。

因習破壊したでしょ。

そこが好きだった。

『八重の桜』は、幕末明治維新という西洋列強の対立の局地的代理戦争みたいなもんだった会津戦争をどう描くのかなと興味があったし、なんといっても綾瀬はるかちゃんの美貌が目当てで視聴した。

が、新しい歴史解釈は提供されていなかった。

山本八重のお兄ちゃんの覚馬がなんで京都府知事の顧問になれたんじゃ?

どういう経緯で新島襄に譲った土地(同志社大学敷地で元薩摩藩の所有地)を所有できたんだ?

おかしいでしょ、逆賊会津藩の人間だよ。

会津藩でも、山下兄弟みたいに西洋の学問を修めた人間は明治政府からも重用されたよな。

あれだけ箱館戦争で官軍に抵抗した榎本武揚は処刑もされずに、ロシアに使節に送られてシベリアを馬車で踏破した。

まあ、薩長土肥では人材不足で、徳川幕府の俊才テクノクラートを採用しないと新政府運営ができなかったんだろうけれど、ならば、最初から、徳川とうまくやれば良かったのに。

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落合莞爾氏によれば、明治維新つーのは、長州の中の半島勢力の台頭を抑止するために仕組まれたもので、その半島勢力が結集し組織化される前に日本中にばらけさせるために起こしたそうだけど。

起こしたって誰が?

表向きの天皇家とは別の皇統勢力「國體ワンワールド」が。

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ともかく、会津戦争は巨大なる茶番で、一応、官軍と幕府側が死闘を尽くした形にしないと終われないので、大芝居を打ったそうだ。

確かに、その証拠に会津藩主の松平容保は切腹してないもんね。

変な話だ。

戦死した会津藩下級武士や、刺し違えて自害した白虎隊はどうしてくれるんだ?

官軍の下っ端の兵士はどうしてくれるんだ?

と言っても庶民は支配層の手駒になって好きにされるしかないのね〜〜♬♬

新撰組なんて、武士の時代が終わりかけてる時に武士であることにこだわったわけで、大きな世界が見えない「純粋まっすぐ君テロリスト集団」で、憐れだった。

情報不足は哀しいよ。

というような闇に隠された歴史の真実が、NHK大河ドラマで説明解明されるわけはない。

だから、まあ私の好きな脚本家の森下佳子氏の作品であろうと、まあ、井伊直弼の祖先の話なんて……知らんわあ……であった。

が、晩夏あたりから視聴し始めて、おもろいなあ〜〜と思った。

さすが森下さん!

視聴率は低かったそうだが、NHK大河ドラマは視聴率が低い方が作品の質は高いんよ。

断言。

テレビのニュースで言ってることが事実だと思ってる愚民に人気のあるドラマなんかゴミだ。

だけど、今日ここで書きたいことは、『おんな城主 直虎』全体のことじゃない。

12月17日の最終回で、非常に心に残った台詞があって、それについて書く。

って、前置き長いなあ。

最終回で、ヒロインの直虎の目の前に、死んだ亀(井伊直近)と鶴(小野政次)が出現したでしょう。

で、気がつくと直虎も子ども時代の姿に帰り、おとわになってる

「待ちくたびれたぞ。いっしょに先の世を見に行こう」とおとわは亀と鶴に誘われる。

あ、これは死ぬんだ、死んじゃダメだ、まだやることあるんだ!と思って直虎は抵抗する。

すると、亀や鶴が、「あとのことは継いでくれる者がいるからいいんだよ。任せておけばいいんだ」みたいなこと言う。

そこに、南蛮船で狭い日本を抜けて南蛮に渡ったはずの「おかしら」龍雲丸も、子ども時代の姿で出現する。

じゃあ、みんなで行くか、いざ、別の世界へ。

こうして、労咳にかかったらしき直虎は死ぬ。

私が感心したのは、「あとのことは継いでやってくれる者がいる」っていう台詞。

正確にはどう言ったのか覚えてないし、見逃し配信216円出して確認していないのだけどさあ。

そうなんよ。

「私がいなきゃ!もっと長生きしないと!」

「俺がやらなきゃ、どうなるんだ!」

って局面も多いだろうけれど、老人は若い人に託すってことが大事だ。

やっぱり、自分では若いつもりでも、世の中の動きとはずれてる。

いくら善意と熱意があっても、若い人たちの心に届くようには表現できない。

若い人の目線になれない。

子どもは子どもでないと育てることができないでしょう。

子どものような亜人間は、大人の人間が育てるには退屈すぎる。

若い人は若い人間でないと育てられないのかもしれない。

いつまでも若い人と同じ土俵にいるつもりでいて、土俵の外で放言してるだけになりかねない。

老人の言うことを聞いてると、どこか無責任だな……他人事でしゃべってるなと感じるでしょう。

やはり、それはもう自分は逃げ切れると、どこかで高を括っているからだよね。

でもって、若い人への嫉妬もあるんだろう。

「ほんとうに現役の人間」って、他人に嫉妬してる暇ないし、無責任な傍観者やっていられるほど自分の身が安泰とも思ってないから。

だいたい安泰なんて、死んでもないぞ。

天皇陛下でも、そんなことは思っておられないと思うよ。

直虎さんの死と比較すると、今川義元の母の寿桂尼(浅丘ルリ子さんが演じてた)や、徳川家康の母の於大の方(栗原小巻さんが演じてた)なんか、いつまでも死んでさえも、子どもや孫のことに干渉してんじゃねーよ、ババア!と言いたくなる老害だ。

老いたら、若い人にあとのことは任せて、新しいことを始める。

それが未知の世界への旅立ちでもいいし、新しい分野の勉強でもいいし。

心配しなくたって、あなたのスペアは必ず出てくる。

次の人々を信じて、自分は新しい世界に入って行く。

そういう直虎の死に方の描写が良かったなあ。

それも3人のイケメンに誘われて。

森下氏は、ひょっとしたらアイン・ランドの『肩をすくめるアトラス』をお読みになったことがあるのではないか………

井伊直虎って、ダグニー・タッガートなんじゃないの……

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なんて、ほほほ。

まあ、最終回について言えば、南蛮船の難破と、おとわから貰った水筒と、空を昇る龍の雲で、「おかしら」龍雲丸の死を表現したのも、良かった。

私は、一度だけ「龍雲」を見たことがある。

諏訪神社に参拝に行った帰りに、ふと目を上げたら、空にくっきりと龍の形の雲が大きく広く見えた。

左の方に頭があり、右の方に尻尾があり、空を水平に渡っていた。ほんとうに龍の形の雲で、ビックリした。ほんとビックリすると、ボンヤリしてしまって声も出ない。

龍ってほんとうに存在するんだなあ……と思った。

少し経ったら龍の雲は崩れ消えた。25年くらい前のことだ。

徳川家康の母の於大の方に、「子を持つ母の気持ちは子を持たぬ尼にはわかるまい」と言われた直虎が、「子を持たぬがゆえに、すべての子どもが自分の子のよう思える」と言い返したのも良かった。

これは、凡百の男性脚本家では絶対に書けない台詞だ。

凡百の女性脚本家でも絶対に書けない台詞だ。

子どもへの愛情と自分の執着とをゴッチャにしてる類の母性神話に騙されてるのは男の方だしな。

その類の男たちが捏造した母性神話に騙されてる女も多いしな。

「守れぬ命は多いので、せめて守れる命なら守りたい」という台詞も良かった。

甘いといえば甘いけれども、そうやって守られた命も歴史の中では多かったに違いない。

映画もテレビドラマも、脚本が命よ。

ほんと、頭の悪い勉強していない脚本家は使うなよ。

映画だってテレビドラマだって、啓蒙装置なの。

本読まないんだからさあ、今の日本人は。

人口の1%しか読書人はいないんだからさあ。

映画とかテレビドラマとかコマーシャルとかで啓蒙するしかないんだ。

ところで、『リーガルハイ』の脚本家の古沢良太氏は、どうしておられるの?

あれは傑作だった。

もう〜〜平成の歴史に残る傑作テレビドラマだった。

あんな快作はなかった。

あの方も、アイン・ランドを読んでおられるような気がするのよ……

古沢氏はリバータリアンのような気がするのよ……

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特に、『リーガルハイ』の1の第9回の終わりあたりは、もう最高。

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