本日は2018年2月17日土曜日である。
昨日、就寝前に寝床でiPadいじくってたら、以下のサイトが出てきた。
http://president.jp/articles/-/22616
雑誌の『プレジデント』のオンライン版で、ファイナンシャル・プランナーさんたちが読者の相談に答えるというコーナーの記事である。
驚いたのは、その相談者がみな「引きこもりや無職ニートの息子を抱えた親」であることだった。
そのシリーズものの記事は、いろんなファイナンシャル・プランナーが、いろんな「引きこもり無職ニートの息子を抱えた親」の経済問題の解決策を提示するというものである。
たとえば、70代と60代の夫婦はふたりで年額280万円の年金と貯金500万円で老後を過ごしている。
ところが、高校時代からひとり息子が引きこもりで、44歳になるまでずっと無職であるが、自分たちの死後はこの子はどうなるんでしょ〜〜どうしたらいいんでしょう〜〜という相談がファイナンシャル・プランナーに寄せられるという事例。
はあ?
私は驚いた。
私は、ファイナンシャル・プランナーというのは、富裕層が資産管理のために雇う人だと思ってた。
どういう投資先がいいか、どのように資産を保全すればいいのかを相談されるのが、ファイナンシャル・プランナーだと思っていた。
夫婦合わせて年金月額25万円あるかないかみたいな老夫婦から、自分たちの死後に遺された(50歳に近い)息子がサバイバルできるためのカネについて相談される職業が、ファイナンシャル・プランナーなのか!?
いつからそうなったんだ!?
最初から?
でもって、そーいう相談を受けたファイナンシャル・プランナーは、親身に答える。
「500万円の預金が息子に残されて、かつ親がずっと息子の国民年金を40年間支払っていたら、息子が受け取る年金の年額は(2018年現時点では)78万円で、生活費が月額15万円だとして、仮に90歳まで生きるとしたら、とうていお金が足りなくなるので、生活保護を申請しましょう〜〜親御さん死亡の後は、部屋はワンルームに移りましょう〜〜絶望していてはダメです。前向きに検討しましょう〜〜それからせめて月3万円から5万円くらいは、息子さんもアルバイトすれば余裕が出てきますよ〜〜就職は無理でも簡単なスキル無用のアルバイトはできるでしょう〜〜」と。
相談者の親は、息子のことを考えると非常に心配であったが、なんとかなると知ってホッとしたらしい。
息子の方は、親にはもっと貯金があると思ってたけど、500万円しかないとは意外だったと、ちょっと現実に目覚めたようだ……
こいつ、500万円貯めることの大変さをわかっていないな……
…………
なに、これ?
なに、この人たち?
なんで、夫婦合わせて月額年金が25万円、預金が500万円で、賃貸住宅に住んでいる経済層の老人が成人の五体満足な息子を扶養していられるんだ?
なんで、こーいう経済層に生まれて、親に寄生して生きていられるんだ、この息子は?
こんな息子では、親の死後に役所に行って生活保護の申請なんかできないだろう。
公明党か共産党の国会議員とか県議会議員とか市議会議員にコネでもあるのか?
でないと、申請しても無視されるかもね。
貧困者支援NPOに駆け込むにしても、自分でやるしかないんだぞ。
できるのか、それが?
こんな息子では、親が入院したり介護が必要な時に、介護保険利用しての福祉事務所への連絡もできないだろう。
そもそも家事できるのか?
みな暇な馬鹿母親にさせてきたのではないのか?
老親への虐待は圧倒的に息子から、なんだぞ。
いざとなったら、人間はシッカリできるなんて、ことはないのだよ。
普段からシッカリしていないと、いざという時もシッカリできないんだよ。
クズは、何が起きても、どうなってもクズのままだよ。
なんで、こんな脳足りん家族の相談に乗っていられるんだ、このファイナンシャル・プランナーは?
そんなに需要がないのか?
そもそも、なんで、こんなアホみたいな家族のことを記事にしているんだ、この雑誌は?
でも、『プレジデント』みたいな有名なビジネス雑誌が、このような記事を連載しているということは、子どもを自分の年金や資産で食わせている老人が多い、ということであろうか。
読者にも、そのような老人が多いので、読者のニーズに対応しているということだろうか。
で、同じシリーズの他の事例の記事も読んでみた。
読んでみたら、おもろかった。
ホラーストーリー読んでるみたいな面白さだった。
こわ……
人の不幸は蜜の味。
引退した開業医で1億円の金融資産があり、医学部中退して引きこもってしまった息子には8000万円残せるんで、息子が95歳くらいまで生きても何とかなるから、信託預金にして、親の死後は毎月定額が息子の口座に振り込まれるようにしておけばいいという事例もあった。
娘に遺産を残さず、息子だけが住宅と預金を相続すれば、引きこもり無職の息子は生涯食っていけると計算できたから、娘に遺産相続放棄を承知してもらいたいが、ただ1人残された息子のことは、すでに他家に嫁いでいる娘にちゃんと面倒をみて欲しいと思ってる超お馬鹿な親の事例もあった。
母親に毎月30万円仕送りさせてきた55歳のひとり息子は、ひとりは嫌だから結婚したくても日本人女性は相手にしてくれなかったので、水商売の東南アジアの女性と今まで3回結婚したけれど、いずれも離婚して、それでも寂しいから4回目の結婚したいが、結婚生活のために広い住居が欲しいから、母親に転居してくれ、実家の住居を僕に引き渡してくれと言っていて、私はどうしたらいいでしょーと母親が相談する事例もあった。
へええええええ〜〜と、読んで私は驚くばかりだった。
世の中には、こんなに子どもに甘い親がいるのか。
世の中には、こんなに腐った息子がいるのか。
親は自分の死後のことまで考えて、ファイナンシャル・プランナーに相談しているのに、息子の方は何も心配していないようだ。
まあ、この相談事例は事実ではなく、テキトーに設定されたものかもしれないけれども、ひょっとしたら、ほんとうにこういう実例があるのかもしれない。
でっち上げにしては、リアリティのないアホな事例が多過ぎる。
だから逆説的には、これらの事例は事実かもしれない。
事実は小説より奇なり。
いやああ……
これは戦後73年の平和と繁栄と医学や公衆衛生の発達に恵まれた日本の様相のひとつだよね。
世の中が生き抜くのに厳しかったら、こんな間抜けな親子は生息できない。
生まれる時には、男の赤ちゃんの方が女の赤ちゃんより多く産まれるそうだ。
でも男の赤ちゃんの方が弱くて成人頃には男女の数の差がなくなっている。
ところが、医学の発展で、遺伝子的にはサバイバル度が低く死ぬ予定であった男の赤ちゃんも生き残れるようになった。
だから、結婚生殖適齢期の人間数は、男の方が多くなっている。
だから、あぶれる男は当然出てくる。
と、事実かどうか知らないが、そう聞いたことがある。
動乱の時代ならば、引きこもっているような男なら、餓死するか殺されて終わりなんだろう。
だけれども、平和が続き、年金制度もあるので、老親に寄生できるようになった。
そういう人々に対し、世間も厳しくなくなった。
「働くのが当たり前でしょう!自立するのが当然でしょう!」と、男を批判し、男に強いることは、人権蹂躙の男差別の優しくない言説として、抑制されるようになった。
「勝手に親子心中せい。誰も困らんわ、馬鹿親子が死んでも」なんて、本当のことを言ったら、いけないのである。
まさに、日本は天国だ。
地上に実現した天国だ。
心優しい人々ばかりの天国だ。
息子を育て損ねた親を軽蔑も批判もせずに、「いっしょに対策を考えましょうね〜〜絶望してはダメですよ〜〜国民には誰にも文化的生活を享受する権利があるんですからね〜〜」と、相談に乗るファイナンシャル・プランナーもいる。
黙々とブラック企業の労働に耐えて経済的自立を維持しようと頑張っている若者にとっては、今の日本は地獄かもしらんが、開き直ってしまえば、恥を忘れてしまえば、寄生虫に徹しようとすれば、日本は天国なのだ。
ある種のリベラルは、ある種の人権活動家たちは、このすでにして天国の日本をさらに天国にしようと、国民の軟弱化劣化を促進しようと勤しんでおられるようだ。
何事にも、光と影がある。
天国という完全無欠さにも影がある。
両親ともに限りなく優しく葛藤のない平和な家庭にも、引きこもりの息子(娘)生産という影がある。
幸福と不幸は背中あわせですねえ……
いや、ほんと。
幸福は不幸の種だ。
優しいパパとママなんか要らん。
物分かりのいい甘い親なんか持ったら、人生が潰れる。脳が麻痺する。
自分の孤独を自分で引き受けることができないから、子どもに執着してるだけだ、甘い親なんか。
不幸は幸福の種だ。
不良資産の息子(娘)を持ったら、親は年金収入を馬鹿息子(娘)にもたらすために、必死で長生きしようと健康維持に励む生き甲斐ができる。
世の中は、よくしたもんですね〜〜
しかし……引きこもりも最初の世代は60代だそーだ。
親は、すでに90歳に近い。
60代の引きこもりねえ……
60代まで引きこもっていて平気な人間は平均以上にタフだと思うけどねええ……
私は唖然とするばかりである。