[285] 金銭教育

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本日は2018年5月13日日曜日だ。

今日は、アメリカの金銭教育本について紹介する。

私は、アメリカの金銭教育、金銭の取り扱い方に関する啓蒙本が好きだ。

おカネのことをハッキリさせるアメリカ人の生きる姿勢は、上品ではないが潔い。

実に現実的でゲンキンである。

まさに、cashである。

資本主義のメッカであり、金銭の下の平等を実現しているアメリカにおける金銭教育本は、アメリカという国の文化や国民性を、ほんと教えてくれる。

まあ、19世紀から20世紀半ばまでは、「神を信じているならばお金持ちになれるよ」的なキリスト教の別派のニュー・ソート信仰とセットになった本が主流であった。

神がどうたらこうたらではなく、より世俗的な生き残りをかけた金銭の取り扱いかた啓蒙本は、特に1970年代から出てきた。

フェミニズムの観点からも、女性は家族や男や子どもに自分が稼いだ金を「愛という名のもとに」搾取されやすいから、気をつけなさいよ〜〜という本も出版されていた。

題名を忘れてしまった。すみません。

私なんて、アメリカに行くと、書店でそーいう本を探し出して読みふけったものだった。

日本では、まだまだ、そういうものは翻訳されていなかったので。

その種の本が翻訳されるようになったのは、20世紀も終わりくらいになった頃だ。

以下の本は、実に面白かった。

アメリカを支える草の根の堅実な小金持ちの生活と意見は、実に勉強になった。

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1990年代半ば以降は、そうした金銭教育本のスター著者は、スージー・オーマン(Suze Orman: 1950-)さんだった。

リーマンショック直後のマンハッタンの書店には、彼女の書いた本やオーディオブックが山積されていた。

アメリカのNHKみたいな公共放送PBS(Public Broadcasting Service)にもバンバン出演していた。

スージーさんについては、前にもここで紹介したので、読んでくださいね!!

2018年2月25日に書いた「懐かしのアメリカの家計立て直し視聴者参加番組」です!

https://aynrandassociates.com/2018/02/25/%E6%87%90%E3%81%8B%E3%81%97%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%EF%BD%A2%E5%AE%B6%E8%A8%88%E5%BB%BA%E3%81%A6%E7%9B%B4%E3%81%97%E8%A6%96%E8%81%B4%E8%80%85%E5%8F%82%E5%8A%A0%E7%95%AA/

そのスージーさんも引退なのか、次世代の金銭教育本のスターは、「個人財政問題の女導師」は、ベス・コブリナー(Beth Kobliner: 1965) さんらしい。

アイヴィーリーグで最も授業料が高いブラウン大学出身。

お嬢ちゃんだね。

佐久間良子さんと平幹二朗さんのご長男さんがここの卒業。

シリコンバレーで働いたのち、日本で俳優をしておられる。

すみません。お名前忘れました。

ベス・コブナーさんの本の書いてある内容からすると、私的には、スージーさんの方が好きだ。

スージーさんは、無名の州立大学出身で、月給400ドルのウエイトレスからキャリアを始めた「たたき上げ」である。

そのたたき上げのユダヤ系アメリカ人女性らしい正直な上昇志向が、地面に足が着いた気取らない庶民性とミックスされていて、いい感じであった。

今度のスターのベスさんは、スージーさんより育ちが良かっただけに、なんとなく情がなくて頭でっかちな感じだ。

理想主義的で非現実的な感じ。

自分の本の謝辞にスージーさんについて一言も言及していない点も感心しない。

個人財政問題の女性コンサルタントの道を切り拓いたのは、スージーさんですよ。

謝辞では、つまんない経済学者の名前をダラダラ並べているくせに、同性のたたき上げの先覚者については、無視するんだね〜〜

そういうところに人間の器が出るね〜〜

同じユダヤ系でも、いろいろ暗闘葛藤階層格差があるんよ。

当然ですね〜〜

ベスさんの本は、日本でもヒットしている。

『「おカネの天才」の育て方』だ。Make Your Kid A Money Genuisだ。

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いやあ……一読して、くたびれましたわ。

現代の親は、ここまでやらんといかんのか……

だいたいが、アメリカでも日本でも、ちゃんと子供に金銭教育ができる親なんて珍しいだろう。

私自身が、親から金銭教育なんぞされたことない。

特に、父親というのは娘に見栄をはるからね。

「カネのことは心配しなくていいから」とエエカッコシイやるからね。

私の父もそうだった。

おかげで、私は「金銭感覚劣等生」であり、大人になってから手探りで自力でカネについて勉強しなければならなかった。

私が、アメリカの金銭教育啓蒙本について勝手にいろいろ読んできたのは、自分自身がカネ についても、どんぶり勘定で脳足りんという自覚があったからだ。

私の母は母で経済の問題は父に丸投げだった。

夫(私の父)に死なれてからは、訪問販売や悪徳リフォーム業者などの詐欺師たちに随分と騙された。

銀行や投資会社や証券会社に騙されるほどの富裕層ではなかったので、訪問販売や悪徳リフォーム業者に騙し取られる程度で済んだので、良かった。

良くはないか。

私は、騙し取られているカネが私のカネじゃないんで、「カネが無くなれば騙されなくなるんじゃないの」と楽観傍観していた。

全部使い切ったところで、あとは父が残した自宅と遺族年金しかありません〜というところに至って、母は亡くなった。父の死の6年後に。

良かった、良かった。

母のキャラからいって、年金だけの節約生活なんぞできるはずない。

超わがままで、客としてお守りされなければ人間関係なんて保持できないのだから、ああいう人生しかなかったであろう。

ということで、私は、カネの使い方には、その人間の能力、情報、人格、哲学が全部出るものであるなあ……と思い知ったのであります。

アホだと金を守ることもできないし、活かすこともできない。

身をもって教えてくれたお母さん、ありがとう。

だから、どんなに辛くても、甘やかしたくても、子どもにはカネにまつわる現実を教えないといけないんだよね。

だって、人生にまつわる失敗のほとんどは、カネについてのことだもの。

カネにこだわっても、こだわりなさすぎても、ダメだもの。

この本を読みますと……

現代の親業は辛い。

ただ親が子どもを愛して可愛がってりゃいい時代は過ぎたのであります。

現代の子どもは、クレジットカードというプラスチックの手のひらサイズの板があれば、現金がなくても物が買えると知っている。

インターネットのオンラインショッピングに、数字を入力すれば、物が送られてくると知っている。

TVも雑誌も広告だらけで、子どもからすれば欲しいばかりだ。

放置すれば、子どもは消費と浪費を重ねて、借金が膨れ上がり、返済は金利だけで元金は減らず、自己破産を回避するために、親が尻拭いをするはめになる。

そういう実例は私の身内にもある。

娘の借金600万を親が支払った。

でも、娘の方は反省してない感じ。

親に返済もしてない感じ。

骨身に沁みて懲りてないようだから、また似たようなことやるだろうなあ、きっと。

できの悪い子どもなら、いないほうがいいな。

ともかく、この消費社会の中で、まともな金銭教育をいかに子どもに与えるか?

これは、親にとっても自己教育であり、自己鍛錬である。

親は自分に厳しくしてこそ、自分を制してこそ、子どもにまっとうな金銭教育ができる。

親が見境なくクレジットカードで買い物していて、子どもに「借金はだめ!現金で買いなさい」なんて言えない。

親が学生時代の学資ローンの返済が終わってないのに、子どもに対して、「金利のつく借金はサッサと返済すること!貯金の金利より、ローンの金利の方が高いから、金利の高い方の借金を優先して返すこと!」なんて言えない。

親が親類や近所の人間に見栄を張って分不相応なことしてるのに、子どもに対して、「金持ちの子弟の友だちとのつきあいで、外食したりしないこと!そういう友人と買い物に行かないこと!正直にカネがないから付き合えないと言いなさい」なんて子どもに言えない。

親が子どもが幼い頃から将来の大学進学を見据えて貯金していなかったのに、子どもに対して、「計画的に生きるの!将来のために貯金しなさい!アルバイトのお金の半分は絶対に貯金しなさい!できれば学資ローンなど借りなくてもいいように、給付の奨学金制度がある大学を探しなさい!」なんて言えない

親が自分の無能さと弱さをさらけだして、「お父さんは、こうだから、年収はこうで、預金はこうで、住宅ローンもあるから、お前の大学に行く費用は準備できない。なんとかお前が進学できるように、いっしょに手段を考えよう、情報を集めよう!」と、子どもに正直に言えるならば、また道は開けるけれども。

いやああ……

私に子どもがいたら、適切な金銭教育ができたろうか?

できるはずない。

自分のバランスシートというか、まともに家計簿つけるようになったのも、つい最近なのに。

ということで、以下に、ベス・コブリナーさんのベストセラー『「おカネの天才」の育て方』の内容から、引用抜粋しておきます。

読むのが辛いし、ここまでやるんか……と呆れる本ではありますが、読んでおいた方がいいですよ!

特に育児中の方は!

(以下、引用抜粋始め)

子供に高等教育を与えるための確かな道は、ゆりかごに向けてモーツァルトのピアノコンチェルトを繰り返し聞かせることではない。それは大学進学の資金を貯める貯蓄口座を開くことから始まる。(本書、323)

子供が生まれたらすぐ、大学のために貯金を始める。物心ついたら、貯金について伝える。(324)

子供の好奇心を利用して、大学に興味を向けさせる。(325)

中学生は、大学に行くことについて話し始める時期だ。入試競争や学費についての親の不安は抑えてほしい。それについて心配する時間はあとでいくらでもある。(326)

昔は高卒で就けた仕事でも、今は大卒の資格が必要だということを説明しよう。実例を挙げるといい。今、秘書として働いている人の多くは大卒ではない(大学卒業者はわずか19パーセント)が、現在の秘書の求人の65パーセントは応募者に大卒資格を求めている。(327)

もしあなたが大学生活を楽しんだなら、そのいい点を教えてあげよう(目から鱗を落としてくれた教授、一生の友達、運動部での素晴らしい経験)。もしあなたが後悔していることがあったら(経営学ではなくリベラルアーツを専攻してしまったとか、巨大な州立大学ではなく小規模な大学にいったなど)、それを子供に話してほしい。(327)

高校1年生から大学の学費について話し始める。早すぎると感じるかもしれないが、大学の学費についての話を早く始めることが、親も子供も目覚めるきっかけになる。(330)

大学の学費について話し合うことで、いくつかの重要な問いが浮かび上がってくるだろう。家族の支出をひかえるべきか?もっと貯金するため親と子供に何ができるか?収入を上げる方法はあるか?(331)

4年で卒業するように子供に伝える。本当にまっとうな理由がない限りは、4年で大学を卒業しなければならない。4年での卒業を妨げるような要因に対しては子供にあらかじめ注意を促そう。たとえば、必修科目を取り損ねてしまったり(大規模な公立大学では起きがち)、専攻を変えたり(追加の単位が必要になる)、転入で単位を認めてもらえなかったり、アルバイトに時間を使いすぎたり、ただ取得単位が少なすぎたりということだ。(334-35)

家族として、親がどの費用を持ち、子供がどこまで貯金やアルバイトや夏休みの仕事といった自分のおカネで費用を賄うのかをはっきりと決めておく必要がある。(335)

子供にいくらか仕送りをする場合には、月額を決めて、はじめからこれ以上は絶対に出せないと子供に伝えておくことをお勧めする。(335)

親が子供の学資ローンを返済しなければならないと思う必要はない。それよりも、返済の選択肢を一緒に見直して上げる方がいい。(338)

もし親の懐具合が厳しい場合には、子供の大学院進学を経済的に助けなくてもいい。もしおカネを出せない場合には、そう伝えた方がいい。そうすれば子供は、借金を背負ってまでその学位を取る価値があるかをしっかり考えるだろう。大学院生向け政府奨学金は、学部生向け奨学金ほど低金利ではない。(339)…

(以上、引用抜粋終わり)

以上の引用なんて序の口だからね……

もっともっと厳しいこと書いてあるよん。

アメリカは、公立大学でも、授業料と寮費だけで、2016年時点で200万円かかる。

つまり、4年間で最低800万円かかる。

有名私立大学の大学院(ハーバードのlaw schoolとか)なら、年間授業料で400万だ。

だから、大学や大学院の学資確保は、切実な問題だからねえ……

やたら学資の話が出てくるのも無理はない。

でもって、これは将来の日本の話でもあるのだよ。

アメリカの現象は、10年後や、遅くとも20年後には日本でも再現される。

将来の日本の家庭においては、おカネについて親子が忌憚なく話し合う風景が当たり前となるのでしょう。

それが辛いようなメンタルでは、あかんのだよ。

この本の翻訳文は明快で読みやすい。

内容は厳しいですが、読んでおくといいと思います。

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