[295] 超有名優良企業の一般職女性社員という生き方

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本日は2018年6月23日土曜日である。

先日の21日は、東海大地震が起きる!とネットでしきりに予言されていた。

なんも起こらずめでたい。

今日の23日も危ないらしいけどね。

まあ、常に備えよ、だよね。ボーイ・スカウトの標語みたい。

ところで、今日は、現代の女性の理想の生き方のひとつは、「超有名優良企業の一般職で結婚して定年まで働く」かもしれないなあと思った話を書く。

私は1988年4月から1996年3月までの8年間、名古屋ではお嬢さん大学で知られる金城学院大学短期大学部文科英文専攻というところに勤務した。

ラッキーなことであった。それまでの某公立女子短大勤務時代の年収が、金城学院大学短期大学部に移って2倍になったのだから。

昨日の22日金曜日に、その金城学院大学短期大学部文科英文専攻の卒業生さんふたりとランチを共にした。

27年か28年ぶりの再会である。

迷惑なこと重々承知で、私はアイン・ランド『水源』をもらっていただいた。

「読まなくていいから、病気で入院して暇になったら読んでね!」と言って押しつけた。

彼女たちは、私がそこに勤めて2年目の1989年に入学した。

1969年と1970年生まれなので48歳。

バブル期に入学し、バブルが弾けて景気後退する前あたりの1991年に卒業した。

ふたりとも、成績も良く美人なので、それぞれものすごい超有名優良企業に採用された。

今では信じられないかもしれないが、1980年代まるまるまで、短期大学卒の方が、4年制大学卒女子より就職率が良く、しかも超有名企業に採用された。

銀行ならメガバンクに採用されていたし、日本銀行にも毎年採用されていた。

地元のトヨタはもちろん、JALにもANAにも採用されていた。

財閥系企業にドンドン採用されていた。

地元の放送局にも採用されていた。

私が短大の教員の頃に学生の就職について心配するなんてことは一切なかった。

大学の就職課から、「あんたのゼミの誰それは、まだ内定をもらっていないので、ちゃんとあんたも指導しなさい」なんて通達は来なかった。

指導しろと言われても、就活そのものの経験すらない私は、エントリーシートの自己推薦文の添削をするぐらいのことしかできなかったのであるが。

この金城学院大学短期大学部というのは、すでに今はない。

21世紀に入ってから、4年制の学部に吸収され、学生募集をやめた。

バブルが弾けて、景気後退になり、1993年にインターネットが一般化され、企業のOA化と合理化は進み、いわゆるピンクカラー労働者(短期低賃金事務若年女子労働者)の採用が収縮し、ピンクカラー労働者供給先としての短期大学は入学者が減っていったからだ。

ブルーカラー労働者はいち早く機械化で採用が抑えられていた。

次はオフィスのOA化で、ピンクカラー労働者は採用されなくなった。

今は、粛々と生産性が低い類のホワイトカラー労働者の雇用が非正規化しつつある。

21世紀に入ってからの非正規雇用の増大の問題はさておき、ランチをともにした彼女たちの世代は、前の世代の女性たちと違いがあった。

彼女たちの前の卒業生は就職しても、「寿退社」が普通だった。

結婚したら専業主婦になるのだった。

もしくは結婚後も退職しない場合は、子どもが生まれたら退職するのだった。

もしくは、結婚相手の転勤にあわせて会社を退職するのだった。

しかし、1969年から1970年生まれの彼女たちから、動向が変わった。

共働きは当たり前となった。

子どもができても仕事と両立させるのが一般的になってきた。

それは1990年代から今に至るまで続く不景気の時代における自己防衛であったろう。

せっかく大企業に勤務しているのに、そこで安定した給与が得られるのに退職するなんてもってのほか、という感覚が身についてきた。

で、私の教え子さんたちも、超有名優良企業の一般職として、そこにとどまった。

結婚相手は、転勤で日本中をあちこちしないタイプの働き方をしている男性を選べばいい。

地方公務員や、地元の大手企業の一次下請け系とか、教師とか、いますからねえ。

メガバンクの行員で東京だの大阪だの北京だのと転勤がある男性とは結婚しない。

夫の仕事の都合で自分が無職になどなってられるか。

転勤するなら単身赴任やって。

超有名優良企業なので、産休も育休もある。

一般職なので管理職にはならないので競争はないし、総合職ではないので転勤はないし、部署替えもない。

仕事して上司と同僚とうまくさえやれば、いいのである。

超有名優良企業なので、社員は非常識なオヤジとかいない。

超有名優良大企業はエリート男性を採用するので、とんでもないのはいない。

いたとしても、男性社員や総合職女性社員は転勤があって、どんどん入れ替わる。

ついには部署のことについて古くから知っているのは自分だけになる。

それは強みである。

そういう利点もある。

結婚して自分の家庭生活があれば、職場の「お局様」になるような暇はない。

職場で嫌われるほど、職場にコミットメントしない。

そんな熱血女子社員やるのはエレガントじゃない。

粛々と淡々と仕事をすればい。

私が自分の教師生活を振り返って、教師として一番居心地が良かったのは、金城学院大学短期大学部であった。

なぜならば、学生たちが適切に教員を「お守り」してくれるからであった。

大人や目上の人間の扱い方を非常にわきまえている学生が多かった。

家庭環境が良く育ちがいいからであろう。

目上をうまくお守りできること、それは、確実に必要な生き残り法である。

社会に出たら、遺憾無く発揮されるべき資質である。

ハッキリ言って、会社組織では、上司を自分の味方にすれば、なんとかなるでしょう。

上司に呼吸するようにお世辞を言えないような部下など無用だ。

私は大学教員であったので、上司にゴマ擦っても、論文などの業績数がなければ昇進しないので、上司に呼吸するようにお世辞を言ったことはないが、無駄に敵にしたこともない。

サッサと准教授になり教授になるべきだ、あたりまえだ。

今はどうなっているか知らないが、私が勤務していた頃の金城学院大学短期大学部文科英文専攻の学生たちは、前述のように家庭環境にも恵まれていて、育ちも良かったので、マナーも品も良かった。

マナーや品が良い女性は、綺麗に見えるものである。

育ちの悪い美人なんて、水商売に行くかタレントにでもなるしかない。

上司に好かれ、マナーと品のいい一般職女性社員は、会社組織に必要だ。

どんな組織でもバリバリ仕事をこなすエリート社員の補佐に徹することができる社員は必要だ。

しのごの言わず、エリート社員の手足に徹する一般職会社員は必要だ。

私の教え子さんたちは、その立場に徹して、48歳まで超有名優良企業の一般職会社員として生き残ってきた。

そして、これからもっと年下の社員や年下の上司が増えていく状況でも、社内がどう変化して行こうとも、定年までしっかり働くつもりでいる。

中小企業や大手企業でも足腰が弱い企業や、外資に買収されてしまう企業だと、リストラがある。

しかし、外資が食い込めない類の明治以来の財閥系企業や、役所関係と緊密に連結しているような半官半民系企業だと、一般事務職員を抱え込む余裕はある。

そのあたりも油断せずに見越して、彼女たちは自分たちの「地味なキャリア」を大事にしている。名刺を持つことがない立場でもいいのだ。

実質が大事だ。

自分たちの結婚生活の経済的充実のために。

子どもの教育投資のために。

自分の老後のために。

私は、その堅実な生き方に感心した。

女性の生き方の理想だなと思った。

よく、仕事も夫も子どもも持つのが、女性の勝ち組と言われる。

ならば、彼女たちは勝ち組である。

男と同じ競争をして業績を作るために疲れ切って退職したり、

有能であるがゆえに社内の派閥闘争に巻き込まれたり、

もっと高待遇と機会を求めて転職を重ねたり、

自分に見合った華麗なるキャリアの男性の出現を待っているうちに婚期を逸したり、

上司や同僚と時間を共有するあまり不倫関係に陥ったり、

そういう大局的に見ると不合理で時間の無駄であるようなややこしいことにならずに、自分の矩(のり)を超えず、身の丈に生きて、果実を手にする。

超有名優良企業の一般職社員として生き残りつつ、結婚出産育児をクリアする。

これは、女性の生き方として理想形のひとつであるなああ……と私は大いに感じ入った。

これは、「コバンザメ戦略」でもある。

クジラや大きなサメの背中に乗って、クジラやサメの食べ残した小魚を食して生きるコバンザメ。

サバイバルとしては確実だ。

株を買うにしても、世間的な知名度はないがコバンザメ企業のものがいいと、副島隆彦氏の金融セミナーでも言ってたぞ。ゲストスピーカーの野村証券の社員の方が。

コバンザメは賢い。

若くしてこの偏屈な私をお守りできたぐらいだから、彼女たちは、資質的には私なんかより、はるかに優秀で聡明である。

彼女たちに比較すれば、私はなんと無駄と遠回りの多い人生であったことか。

なんて、思った22日金曜日の昼下がりであった。

今日のブログはここで終わってもいいけれども……

オマケに、最近はまって読んでる「現代20代日本人をリードする自己啓発本作家のスター千田琢哉氏」のご著書からの引用を紹介します。

また紹介しちゃいます。

私が20代で、この方の自己啓発本を読んでたら、もうちょっとマシな人生を作れたんじゃないか。

新しい日本人を作る自己啓発本であります。

名前を呼んだ際に返事が遅い人間は、100%の確率で運が悪い人間だ」

「メールで問い合わせた際にレスポンスが遅い人間は、100%の確率で運が悪い人間だ」

「待ち合わせの時間にいつも遅れる人間は、100%の確率で運の悪い人間だ」

「仕事の締め切りにいつも遅れる人間は、100%の確率で運の悪い人間だ」

「お金の振り込みがいつも遅れる人間は、100%の確率で運の悪い人間だ」

「運の悪い人間は一滴の猛毒と同じ存在なのだ」

「あなたの運が悪いのは、ノロマと関わるから」

千田琢哉『自分の時間が3倍になる人生を変える時間術』より

https://amzn.to/2MPYVbH

千田氏の書くことに、いちいち納得している私である!

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