本日は2018年11月11日日曜日である。
11月9日の夫の大腸S字結腸ガン摘出の手術は無事に終わり、術後の経過も順調である。
12月に腎臓の腫瘍の摘出手術もあるが、ひとまず大腸ガン手術は終わった!!
手術時間というのは、手術室に患者が入り、手術を終え、麻酔から患者が醒めるまでが手術時間だそーである。
しかし、外科手術というのは、手術当日数日前から始まっているのかもしれない。
まず11月7日に外科病棟への病室移動。
窓から母校の南山大学が見えるにゃん。
昔は森の中にあったキャンパスだったのにねえ……
今はビルに埋もれたキャンパスの我が母校よ。
点滴やカテーテルに防水処置施してのシャワーに洗髪。
切腹前の禊みそぎ禊。
約25日ぶりの温水シャワーに夫は茫然自失。
久しぶりのシャワー。入浴はまだダメ。
おへそのゴマ取り。オリーブオイル垂らしておへそ掃除。
腹腔鏡手術はお腹に4箇所穴開けて、おへそをちょっと切開するから。
爪も短く切る。
アンダーヘアのカットはなかった。
手術直後に使用する浴衣式寝巻きとタオルとT字帯と長方形の紙おむつを用意する。
看護師さんによる手術と手術前後のスケジュール表の説明。
詳しく丁寧に説明してくださる。拝聴。
いよいよですね〜〜待つの長かったですね〜〜
ワクワク。
ビビると同時にワクワク感もある老夫婦。
執刀医のドクターのA4用紙5ページほどの「説明書」を使用しての詳細な説明もある。
ドクターは気休めは言わない。楽観的言葉も発言しない。
リスクを詳細に説明。
医療行為にしろ、何にしろ、リスクゼロはありえない。
執刀医の外科のドクターは、漫画の「闇金ウシジマ君」そっくりである。
ドラマ化や映画化の山田孝之君ではない。
漫画の方です。
ほんと。
こんな感じである。でっかくて、キャラ立ちしておられる。
30代後半か40代最初ぐらいかなあ。お若いドクターである。
ウシジマ君の目が知的で優しいと思ってください。
ドクター用白い上着にジーンズ履いてるウシジマ君だと思ってください。
外科手術は軽いもので2時間から3時間。普通で4時間から6時間。
長いものだと10時間や14時間もかかる。
その間はドクターも、オペレイション・ナースも立ちっぱなしだ。
コーヒー休憩なんてない。おトイレ休憩もない。
ややこしいから明日またやりましょ、ってわけにもいかない。
もう面倒くさいから、やーめたってわけにもいかない。
何よりも体力が必要なのが外科医とお見受けした。
その迫力あふれるウシジマ君ドクターが、手術後に起きるかもしれない合併症や最悪の事態について忌憚なく説明してくださる。
腎臓の腫瘍摘出後退院してから半年間、「再発防止用化学療法」を受けるそうである。
要するに抗ガン剤だ。
自宅で服用できる抗ガン剤があるそーだ。
副作用はあり、吐き気と薄毛。脱毛ではなく薄毛。
ただでさえ薄毛気味の夫はビビる。
私もビビる。吐き気かあ……
ガンになるということは、死ぬまでガンとお付き合いであり、油断はできないのだ。
さんざんビビらされて、手術同意書への患者本人と家族の署名。
それから麻酔医の詳細な説明。
全身麻酔である。
麻酔同意書への患者本人と家族の署名。
ついでに、麻酔をかける作業を救命士への研修として活用してもいいかしらん?
ということで、その同意書への署名。
手術当日は名古屋は雨だった。
タクシー会社に電話つながらず。
病院に早く行きたくて焦る私であったが、「これもプチ厄落とし」と思い直し平静になる。
朝の9時半ごろに病室到着。
午前10時からは夫は水の摂取も禁止。
夫の弟がわざわざ信州から来てくれた。
ありがとうございます〜〜お疲れさまです〜〜
手術はお昼正午から始まる。
点滴を引きずりながら病室から出てエレベーターで手術室に向かう夫。
淡々と手術室に消える夫。
手術室に入る前に、私と弟の方を振り返ってバイバイと軽く手を振る。
バイバイするなよ、不吉だろ。
ガッツポーズぐらい取れよ。
夫が手術中に看護助手さんが手際よく病室のベッドを「手術直後用仕様」にしてくださる。
敷布の上に寝巻きを広げ、T字帯と紙おむつ広げ、ベッドの高さを上げる。
この病院にもベトナム人の若い看護助手さんが配属されていて、日本語も達者である。
頭が良さそうで、美人でイケメン揃いで、スタイルが良い。
このベッドを手術室まで運び、術後の夫をそこに移すために、ベッドの高さは手術台の高さと同じにしておく。
ストレッチャー要らない。ICU intensive care unit使うほどの重篤状態じゃないんだね、今時の大腸ガン手術って。
夫の場合は、手術時間4時間の予定であったが、正味5時間の手術時間であった。
夫が病室に戻って来た時間は午後7時ちょっと過ぎであった。
ものものしく心電図モニターとか酸素吸入器が取り付けられた病室。
フットポンプつーのもある。脚の血栓を防ぐための装置である。
手術中と手術直後は身動きできないので、床ずれとか起きやすいそうである。
手術後に、ウシジマ君ドクターは、これも詳細に手術内容を、面談室でパソコン画像を示しながら説明してくださる。
腫瘍は予想以上にでっかかった。
リンパ節まで浸潤し、背中の方にまで浸潤していた。
だから腫瘍だけではなくリンパ節も周囲の組織も大きくゴッソリ切除するしかなかった。
腹腔鏡手術ではありえないぐらいに広範囲に切除するしかなかった。
ゴッソリ切除しないと意味がない。
患部の大腸は30センチ切除。
ウシジマ君ドクターは、切除後の長さ30センチ大腸の写真を、パソコンのモニターで見せてくださった。
内側からと外側からの写真を見せてくださった。
私と夫の弟は感心する。これが大腸か……
でっかいホルモン焼きみたい。
あんまり美味しそうではないホルモン焼き。
焼肉みたい見えるのは、大腸全体が炎症していているから。
腫瘍以外にポリープもいくつもできている切除された大腸内部。
うわあ……
夫の大腸は炎症のために傷んで通常の腸より柔らかくなっているので、今時のホッチキスでパチパチ止める縫合ができなかった。
で、腹部の上に腸を出して手縫い。
細かく手縫い。
手先の不器用な外科医は、いくら優秀でもダメだそーです。
外科の研修医希望者にルーペ使用しての小さい折り鶴を試験に出す病院もあるそーだ。
手縫いはホッチキス留めよりも縫合不全の可能性が高いそーだ。
手縫いだと、執刀医の力量に差があるからかな。
外に腸を出して、手縫いして、腹部に腸を戻す時に出血などを洗浄して戻すが、外気の酸素も入るし、洗浄しきれなかった血液などが糊みたいになって癒着の原因になりやすい。
「もっと手際よくやりたかったんですが時間がかかってしまいました」と、ドクターはおっしゃる。
お疲れのところ、また詳細なご説明をありがとうございました。
午後8時頃に夫の弟が信州に帰る。
自動車で夫の実家まで2時間半くらい。
夜の長距離運転に気をつけてください。
手術中に夫の弟とテキトーなおしゃべりは気も紛れて良かった。
夫の弟は男なんで、軽い政治経済系雑談してりゃいいんで、助かった。
ありがとうございました〜〜
手術日は私も病室に宿泊。
いかにも優秀そうな看護師さんが、真夜中でも、テキパキと点滴の交換や痛み止め薬の調節や血圧に動脈中の酸素濃度測定に、頻繁に病室に来てくださる。
優秀で感じのいい看護師さんだと名前を覚えやすいね。
ほんと。
名前をなかなか覚えてもらえないのは、そーいう理由があるのかもよん。
まあ、私がいても仕方ないのであるが、自宅に帰る気にもなれずベッドのそばのソファで仮眠。
痛み止め薬が点滴に入っているので、夫は痛みに苦しむこともない。
麻酔が醒めた後は寒いそうであるが、それもなさそう。
ボケっと天井眺めているのみ。
翌日11月10日土曜日は、朝から忙しかった。
酸素マスク外して、喉に生理食塩水の蒸気あてて、痰を避ける。
尿管をはずす。あんなぶっとい管が挿入されていたんだ!細いと詰まるそうである。
立ち上がって歩行練習。午前に1回。午後に1回
午前の歩行練習は途中で気分が悪くなり、車椅子で病室に戻る。
午後の歩行演習は大丈夫で、フロアーを一周する。
無理のない範囲で歩くと、腸の蠕動運動が促されガスも出るそーだ。
私は、いてもしょうがないのに、11月10日も病室泊まり。
まあソファでひっくり返って、amazon プライムで韓国連続ドラマ全50回の『奇皇后』つーのを視聴してるだけでありましたが。
私はガサツな人間なんで、「優しくふるまう」ってのがわからない。
どうしたらいいかわかんない。
韓国ドラマって、時代劇でも現代劇でも、ロマンチックな「愛情表現方法」とか教えてくれるんで、いいんであります。
入院中ぐらいは夫に優しくしましょ。
ほほほ。
本日の11月11日日曜日は、夫は早朝から頻尿である。
1時間に1回はトイレに入る。
ドクターによると、手術前は緊張していて、摂取した水分が血管から内臓に広がり出ちゃうそうだ。
手術後にリラックスすると、水分が血管に戻って来て、頻尿になるそうだ。2リットルぐらいは簡単に出るそうだ。
また、出ないと困るそうだ。
ということで、術後の経過も良好であります。
夫は、入院以来行ったことない院内コンビニに点滴ぶら下げて歩いて行きたいそうである。
明日12日のお昼から、食事が出る!
水とお白湯以外に、スポーツドリンクやお茶を飲むこともOK 。
と、毎日ご出勤らしきウシジマ君ドクターが、さきほど伝えてくださった。
大丈夫ですか。毎日ご出勤なんて。
残業100時間だそーだよ、大病院勤務の医師は。
日本の医師の過労死寸前ハードワークの問題はさておいて、ずっと絶食中だった夫が一月ぶりに明日は食事する!
最初は重湯みたいなものかな。
いやああ〜〜今回の入院と手術では、ほんとに病院にお世話になっています!
今の医療制度と医療技術の恩恵を受けています!
日本も近代医療を受け入れてから150年以上経過して、数々の試行錯誤を重ねて、臨床例を蓄積して、今の医療体制と医療環境に到達したのだ。
そして、いろいろ問題を抱え、矛盾を抱えながらも、どんどん改良進化していっているのだ。
大門未知子もすごいが、ウシジマ君ドクターもすごい!!
看護師さんたちすごい!
麻酔もすごい!
ペインクリニックというか、痛みのコントロール技術も進んでいる。
これだけの手厚い医療を受けていても、国民皆保険だから、高額医療制度(医療費減額される制度)もあるので、医療費は安い。
夫が入院している名古屋第二日赤病院は若い研修医の方々もいっぱい。
2年間の研修先として、この病院は人気があるそうである。
研修医として入るために試験があるそーだ。
毎朝午前9時になると、外科は「総回診」というのがあるが、大学病院ではないので、「財前教授の総回診」はない。
若い研修医3人から4人がパソコン乗せたカートを持って、ワサワサザワザワと病室にやって来て、なんか言って退室するという「総回診」である。
なんかおままごとのお医者さんたちの「回診ごっこ」に見える初々しさである。
あの若い研修医さんたちが訓練を経て、治療現場の場数をこなし、ガン手術をするような一人前のドクターになるのだな。
頑張ってくださいね!
12月の手術もあるし、それからの健康管理と再発防止の努力もあるので、安心も油断もできない。
でも、とりあえず大腸ガン手術は無事に終わった!
ひとつの山は越えることができた。
心配されていた腸の縫合不全も、今のところなさそうである。
縫合不全だと、お腹がパンパンに腫れたり、おへその切開部分痕が赤くなったり、お腹に入っている管=ドレーンの中を流れる体液が濁ったりするが、今のところ、そういう症状はない。
今回の夫の入院や手術にあたり、ほんとうに、病院の方々ばかりでなく、夫の弟や私の妹の家族(妹も入院中……)や、多くの方々にお世話になりました。
昔の教え子さんとか友人知人から励ましていただきました。
Facebookに投稿する私の愚痴や不安のダダ漏れに対し、多くのFacebook友だちの方々から、温かい励ましのお言葉をいただきました。
私のFacebookともだちに多い医療関係者の方々からは、非常に有益なご助言やご教示をいただきました。
そういう予備知識があったので、ドクターや看護師さんへの質問も的外れではなく有効にできたと思います。
実際にガン手術をご自分が受けた体験を教えてくださる方もおられました。
私の健康管理をご心配くださって差し入れてくださった方々もおられました。
この場を借りて、みなさまに、御礼を申し上げます。
ありがとうございました!
いやあ、自分にしろ家族にしろ、病人が出て入院すると謙虚にならざるを得ない。
だって、自分じゃ何もできないもんね。
みな、人様のお世話になるしかない。
ガンを治すんだ!っていくら強烈に思っても、腫瘍は小さくならない。
念力で消滅させることができればいいけどさ。
まあ、ユートピアはないのよ。文字通りno placeよ。no whereよ。
人類に完璧な救済はないのだよ。
人間にできることは、諦めずに努力することだけだ。
初めてメール差し上げます。藤森清先生には大学院生時代に大変お世話になりました。手術のご成功、心よりお祝い申し上げます。合わせて順調なご快癒を心よりお祈り申し上げます。
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甘露純規さま
コメントありがとうございます。おかげさまで、なんとかなっております。安堵しております。夫から、なんで甘露さんが、あなたのブログにコメントしてんの?と言っています。よろしくとのことでした!
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手術が無事終わってほっとしていることでしょう。お疲れ様です。
私も病気持ちですが健全な好奇心は病に負けないことを大野更紗さんに学びました!
がんばりましょう!
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野沢公子さま
コメントありがとうございます。夫の第1回目の手術は無事に終わりホッとしています。今度の金曜日には妹の手術です。重なるものですねえ…大野更紗さんという方は存じ上げませんが、調べてみます。おからだ大切になさってください。
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藤森様
言葉が出てきません。
申し訳ありません
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生きる塾さま
は?どうなさったんですか?
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申し訳ありません!
母親もガンなのでつい… m(_ _)m
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生きる塾さま
お母様はお元気ですか?今は、ガンでも簡単には亡くなりません。生存率は高いですから。
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