本日は2018年11月20日火曜日である。
昨日の11月19日に、夫はひとまず退院した。
11月9日の手術後の経過は、幸いにも腸の縫合不全などの合併症も出なかった。
予定より早く退院許可が出た。
手術後の経過を見ているのは興味深かった。
翌日は酸素吸入器も心電図機械も片付けられ、フットポンプも外れる。
即、歩行練習。
下痢症状がしばらく続く。
手術3日後から食事開始。
点滴外れる。身体にいろいろついていたチューブが外れる。
シャワーを自由にできる。
食事は、最初は流動食の重湯だけで、三分粥、五分粥、全粥に移行。
梅干しのかわりに、梅干しペースト。
惣菜はなしから、スープに移行し、柔らかい煮物やおひたし。
そこに、整腸剤的乳酸飲料に、ちょっとだけフルーツ。
退院後の食事作りの参考に私は病院食をしげしげと観察し、味見する。
下痢症状が治り、軟便状に移行し、「もう、紙おむつする必要はないですよ」ということで、めでたく普通のトランクスを履く。
トランクスの色は派手な赤。
11月16日の金曜日に「もう明日にでも退院できますよ」と主治医さんの代わりに病室に来てくださったドクターから言われて、夫は喜ぶ。
「明日土曜日に退院しよう!」と言う。
もう退院したくてたまらない夫。
自由に歩けるようになってからは、病院内をウロチョロ歩き回っている夫。
待て待て!
まだ12月にも腎臓の腫瘍摘出の手術があるし、それが終わったら、再発防止補助化学療法を受ける予定だから、そのあたりを主治医の方に、あらためてお話を伺ってからだ!
それから私が相当に疲れている。手術が終わってから、ハッキリ疲れが出て来たぞ。
土曜日は一日中眠らせてちょーらい。
日曜日に退院に備えての夫の着替えとかいろいろ持っていくからさあ。
緊急入院したときは秋だったけど、今は初冬であるよ。
ウールのシャツとかレザージャケット持って行くからさあ。
夫が帰って来る前に自宅の掃除もしたいぜよ。
で、私は土曜日と日曜日は午後までへばって寝ていた。
眠くてだるくてたまらないのだ。
しかし、日曜日の午後4時半過ぎには病室出勤。
夕暮れ午後5時半頃に、闇金ウシジマ君風外科医の主治医さんが病室に来てくださったときに、私はいろいろ質問させていただく。
夫の事例は、進行した大腸ガンで腫瘍がリンパまで浸潤していた。
最初の診断では、ステージIIIa であったが、実際に手術してみたら、浸潤が広範囲でステージIIIcであった。
abcのcであった。
つまり、手術できない末期ガンすれすれの状態であった。
ということは、すでにガン細胞は血管やリンパ管に入って全身を回ってるってことだ。
再発する可能性も大きいし、転移の可能性も大きい。
だからこそ、再発防止の抗がん剤治療が必要となる。
抗がん剤治療というのは、かつては大腸ガンには効き目がないことが多かったらしい。
しかし、今では効果のある抗がん剤も開発されている。
分子標的薬のように、がん細胞の分子だけを破壊する抗がん剤もある。
主治医の外科ウシジマ君ドクターは、年内中にでも、化学療法を開始したいとおっしゃる。
夫も私もそうしていただきたい。
そのような現代医学が認める「標準治療法」と並行させて、がん細胞が活発にならない身体づくりをすることも大事だ。
自分でできるとなると、食事療法だ。
食事療法も、ゲルソン療法とかケトン療法とか糖質制限とかいろいろいろある。
小豆を煮て食えという方法もある。
代替療法も、高濃度ビタミンC点滴とかラドン温泉療法とか、丸山ワクチンとか、いろいろある。
免疫ナンタラとかいう、やたら高額な治療費を取るクリニックもある。
だけど、これらの食事療法にせよ、代替療法にせよ、長期間の人体実験(治験か)のデータや追跡調査を元にして効果が検証されているわけではない。
本で紹介されているのは成功例でしかない。
その成功例は失敗例と比較して数値的に確実に優っていると断言できるデータは示されていない。
体験談集でしかない。
人間が千差万別個体差が大きいように、病気の実態も千差万別で個体差が大きいのだ。効果は患者の体質に依存する。
ということで、データが揃っている「標準治療法」を採用するしかないのであるよ。
それはわかっている。
でも、他にできることがあれば、したい。
高濃度ビタミンC点滴療法は、何となくいいような気がする。
50ccで1万円だ。週2回1ヶ月で8万円。保険外診療である。
これは安い方だ。クリニックによっては、この価格の2倍だ。
調べてみると、比較的近所にも、この高濃度ビタミンC点滴を提供するクリニックがある。
私も25ccぐらい点滴してもらおうかな。
しかし、なんですね。
この種のガン代替療法クリニックの院長さんの顔写真って、なんか胡散臭いね。
高ければ効くってもんでもない。
保険外診療の代替療法でお稼ぎになっておられるクリニックは、ヒポクラテスではなくお稲荷さんが憑いていそう。
で、私は「化学療法と並行して保険外診療の高濃度ビタミンC点滴治療を受けてみたいと思うが、先生のご意見はいかがですか」とウシジマ君ドクターに質問した。
このドクターは、私がいろいろ質問しても、嫌な顔はなさらない。
私が知る限り、名古屋第二赤十字病院のドクターは、質問しても、ちゃんと答えてくださる。
「まだデータが出てない治療法だし、僕としてはオススメはしないです。並行して受けると、抗ガン剤が効いているのか、高濃度ビタミンC点滴が効いているのか、わからないです。そんなことにお金を使うより、美味しいもの食べに行く方がいいですよ」
が、お答えでありました。
まあ、そういうお答えになりますよねえ。
「この病院で、そういう保険外の高濃度ビタミンC点滴を提供するサービスはないのですか?」とさらに私は質問。
「こういう病院が保険外の自由診療を認めたら、日本の保険医療は崩壊しますよ」と、ドクター。
「でも、いずれは崩壊しますよね」と私。
「まあ、そうかもしれませんが……まだ国家が払ってくれるうちに抗がん剤治療して再発防止しましょう」とドクター。
「はい……」
ということで、まずは「標準治療法」を受けてから代替療法については考える。
高濃度ビタミンC点滴すぐにでも受けてみたい気もするが。
ともかく、11月19日月曜日の朝に退院。
医療費の支払いも終わり、めでたく退院。
保険適用外の病室代とか診断書の文書代とか食事代や寝間着などのレンタル費用もろもろ除けば、保険適用医療費は10月は252,936円で、11月は257,798円だった。
計510,734円だ。
高額療養費制度の限度額適用認定証を病院に提出したけど、それはこの額に反映されているんかしらん?
これ、国民皆健康保険制度のない国なら、どんだけかかるんかしらん。
12月のAIダビンチ手術は保険適用でも3割負担で、40万円から45万円かかるぞい。
来年2月の確定申告では、医療費控除を絶対に忘れずに!
退院の朝、夫は病室から見える風景を感慨深げに眺めていた。
痩せたよな、やっぱり。
やつれた感じは否めない。
37日間の入院でありました。
37日ぶりの帰宅後、夫は脚の筋肉が衰えているから動きたいということで、久しぶりに運転して、「成城石井」へ食材買い出し。
自分で食事を管理する気満々。
お昼ご飯も自分で作った。
お粥と、ほうれん草と海老芋と卵の入った薄いお味噌汁。
まあ、自分でやってくれると私も助かるが。
私の好みで私が作ってきた高タンパク質の肉や油脂や乳製品の多い食事が、夫の大腸ガンの原因であったのかもしれないし。
申し訳ないです。
それでも、夕ご飯は私が作った。
豚肉と白菜と生姜を細かく切って酒だけでクタクタに煮たもの。フルーツ少しに、お粥。
ただし、豚肉は味付け用で夫はごくごく少量しかお肉はダメ。
当分は病院食風の食事だ。
砂糖に小麦粉に加工食品は禁止だ。冷たいものダメ。アイスクリーム禁止。
なるたけ油脂を使わない調理で行く。
過食気味の私の健康にも役に立つ食事にする。
いやああ……しみじみ。
朝起きて、「おはよう」と声をかけてくれる人のいる幸せ。
12月7日は再入院で、10日にはまた手術だ。
その前に2回外来診察も受ける必要がある。
これからも大変ですが、ひとつひとつ対処して行きましょう。
生きているだけで丸儲けであります。
たとえ最悪の場合でも、すぐに死ぬことはない。
ともに過ごせる日々を大事にしましょう。
うまくいけば、2027年に完成するリニアにいっしょに乗って40分で東京に行きましょう。
歌舞伎座に行って、日帰りで名古屋に帰って来ましょう。
大望は、2040年の新しい世界や日本をいっしょに見ること!