本日は2018年11月28日水曜日である。
夫がひとまず退院後10日経過。
とはいえ、静かに老夫婦で過ごしているというわけには行かない。
病院への外来診察もあるし、夫が自宅療養のうちに済ませておかないといけないこともある。
まずは自宅中のほとんどの電球をLED電球に交換した。
なんでかというと、夫の入院中に自宅のトイレの電球が切れたが、照明器具がややこしい作りで、不器用脳足りんの私では何ともならなかったから。
しかたないので、トイレのドアは閉めずに廊下の照明と災害用大型懐中電灯で用をすませた。
住宅産業というのは、掃除のしやすさを考えていないトイレとか台所とか浴室とか平気で設計する。
旧弊な男だけが関与すると、そーいうことになる。
私は21年間単身赴任生活を送ったので、賃貸住居もいくつか住んだけれども、特にムカつくのが照明だ。
なんで、こんなに電球の交換しにくい照明器具を設置するかねえ?
と、呆れることが多かった。
不器用な猿の類みたいな人間でも電球交換できるようなシンプルで、なおかつセンスのいい照明器具をなんで設置しないですかねえ?
こうなったら、家中の照明器具を、シンプルで不器用なババアでもなんとかできるものにしておかないと。
まずは手っ取り早く長時間保つLED電球に交換しなくては。
LED電球は、工場の照明みたいな蛍光灯ほどではないが、しらじらと明るく風情はない。
欧米風の間接照明の方が素敵だが、もう、そんなことに構っていられない。
背に腹はかえられぬ。
今は便利なものいろいろ売ってるね。
以下の写真は、10年以上保つ大きなLED電球が組み込まれた照明器具。和室8畳用で税込9800円くらい。
「ケーズデンキ」で購入したぜい。「K’s 電器」? よくわからない。
これは、電球切れたら、照明器具そのものを交換しないといけない。
我が家の本置き場&納戸に化してしまっている和室の照明を、これに交換。
照明つけっぱなしの部屋ではないから、ひょっとしたら15年ぐらいは軽く保つかも。
うーん、私が死ぬまで保って欲しい。
ところで、本日は、昭和の大女優であらせられた山田五十鈴(1917-2012)さんの写真集について書く。
2018年3月に出版されたものである。
私は、この女優さんと生まれ年の干支と誕生日が同じである。
だから何?
いえ別に。
私は若い頃からこの女優さんが大好きである。
なんでか?
好きに理由なんかない!
強いてあげれば、この女優さんの非常に醒めている感じの、自分の演技に対する距離感が好き。
無駄に力が入った熱血女優とか憑依型女優じゃないのがいい。
マクベス夫人といいますか、黒澤明の『蜘蛛巣城』の時の狂気の役でさえ、うるさくない。
なんか思想とか理想を伝えたいとも思ってなさそうなのがいい。
自分の演技に酔っていることは微塵もなさそうなのもいい。
職業ですから、プロですから、キッチリやりますっていう「仕事人女優」のノリがいい。
私は芸術家ですからあ〜〜とか、
創造的表現活動としてええ〜〜とか、
そんな似非インテリによくある脳のゴミがついてないのがいい。
ついつい(小さな)自分が出てしまい余計なことする類の漏電がない。
いつでも醒めた山田五十鈴さん。
でも、役柄になりきっている山田五十鈴さん。
だけど、自分の演技を距離を保って眺めている感じの山田五十鈴さん。
仕事していないときは、美味しいものが大好きで、食べに行きたがる脳天気な感じがいい。
ぬいぐるみが好きで世話しなきゃいけない生きたペットには興味なさそうなモノグサな感じがいい。
しょうもない気取りなんかぶっ飛ばす正直な感じがいい。
うーん、カッコいい!!
Absolutely cool!
男より男らしい山田五十鈴さんの大物感。
歌舞伎の女形のような抽象的女性像を見せてくれる女優さん。
私は、今日もニタニタ笑いながら、この写真集をめくる。
あ、この写真集&インタヴュー集は自費出版ですからね、amazonで入手できません。
この本を責任編集なさった美馬勇作氏が経営なさっておられる高知の呉服店「ごふく美馬」に申し込んでください。
ticket@mima.jpに申し込んでください。FAXは088-824-5297ね。
本体8800円でA3版416ページです。送料こみで9700円弱だったかな。
この大部の写真集&インタヴュー集を責任編集し出版なさった美馬勇作氏は47歳である。
美馬さんは、小学生時代に山田五十鈴さんに一目惚れなさり、中学の時に舞台を見て、高校時代から山田五十鈴さんの舞台をすべて追っかけた方である。
すごい。
小学生で還暦の頃の山田五十鈴さんの浮世絵から抜け出たような美しさに心を射抜かれたなんて、なんという美意識でしょうか。
なんという洗練された感性の持ち主でしょうか。
美馬さんは、20歳から国立劇場でアルバイトしながら舞台を見まくった方である。
で、山田五十鈴さんがお亡くなりになったときに、舞台写真集と銀幕写真集を出版することを決心なさった。
で、まず舞台写真集を出版なさった。
もう〜〜〜山田五十鈴愛が溢れて匂い立つような写真集である。
すごいファンでなければ作れない写真集である。
お仕事をしながら、5年かけてお作りになった写真集である。
こんなファンを持った山田五十鈴さんもお幸せだ。
女優冥利に尽きるぞ。
私は、アイン・ランドに対してでさえ、これほどの情熱を持ったことがない。
アイン・ランドの書いたものも、面白く感じられないなら二度と読まない。
愛が足りないね、私。
あ、そういえば、アイン・ランドも巳年の2月生まれ。
山田五十鈴さんと私と同じ。
関係ないか。
ちなみに、山田五十鈴さんは、女優で初めて日本で文化勲章を受けた方である。
見よ、この受章式のときの天皇陛下の眼差しを!
名女優の美しさに感慨溢れておられたに違いない天皇陛下の温かい眼差しを!
天皇陛下だって美女はお好きに違いない。
といっても、文化勲章を女優にさんに贈る気に政府がなったのは、山田五十鈴さんが初めてではなかった。
その何年か前に杉村春子さんが叙勲を打診された。
しかし、杉村さんは左翼系の方だったからなのか、天皇陛下からの叙勲の文化勲章を辞退なさった。
山田五十鈴さんは、結婚相手や交際相手に左翼の男が多かっただけで、ご本人は左翼も右翼もない「必殺仕事人女優」なので、素直に叙勲をお受けになった。
良かった良かった。年金年額360万円が給付されるからね、文化勲章受章者には。
年金年額360万円って大きいぞ〜〜〜〜
山田五十鈴さんお召しのこの和服をご覧ください。
この受章式の時に山田五十鈴さんがお召しになっていた和服をお見立てなさったのが、美馬勇作さんである。
実にいい色ですね。ブルーにグリーンとグレーが入った色合い。
帯もいいなあ!
やっぱり、憧れの女優さんのために選んだだけのことはあるお着物ですね。
何がお似合いになるか、よくよく考えた末に直感で選んだ感じのこの微妙な色合い!
美馬さんが、この写真集を出版して意外だったことが、ひとつあるそうだ。
山田五十鈴さんのファンだから、購入する人たちは高齢者が多いと思い込んでいらした。
ところが、意外にも購入者には若い人も少なくなかった。
昔の日本映画を見て、ファンになった大学生とか23歳の青年とか。
素晴らしい!
いやあ、今時の大学生といっても、人間離れした小動物みたいな気持ちの悪い連中ばかりではないのだ。
いい映画を求めて山田五十鈴さんを発見した若者もいるのだ。
山田五十鈴さんの美しさがわかる若者もいるのだ。
私はですね〜〜未来には俳優という仕事は、舞台俳優しか残らないと思う。
映画やテレビドラマは、ヴァーチャル俳優で製作されるようになると思う。
すでに、ヴァーチャルモデルを利用したネットファッションショーも作られている。
ヴァーチャルならば、すでに亡くなった名優も絶世の美女も蘇るぞ。
山田五十鈴さんの姿形に声が再現されたヴァーチャル女優が、未来に制作される時代劇に登場するのではないか。
三船敏郎も蘇るぞ。
志村喬も蘇る。
高峰三枝子も高峰秀子も蘇る。
美馬勇作氏に感謝いたします。
ありがとうございます!
よくぞ、このような写真集を作ってくださいました!
次の銀幕版写真集も楽しみである!!
山田五十鈴さんが扮した、黒澤明『用心棒』の宿場を牛耳る親分の強欲女房の役は秀逸だった。
自分のダメ息子を張り倒して、なんで死ななかった!と言い捨てる母親像は、日本の母のチマチマした母性愛を蹴飛ばす痛快さだった。
ああ、美しくて雄々しくて痛快でクールで気骨があって、そのくせ繊細で、しかし全体として大きさを発散させる山田五十鈴さんのような日本女優が出てこないなら、ヴァーチャルでいいから蘇らせて!