[348] 豊かで平和ゆえに不信社会はアイドルが必要

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本日は、2019年1月30日水曜日である。

ここ数日、アイドルグループの「嵐」が解散(活動休止って言ってるけど、これ大本営発表よ)とかのニュースがネットでもテレビでも盛んに取り上げられていた。

ど〜〜でもいいだろう〜〜しょうもな〜〜そんなこと、NHKのニュースで取り上げるようなことか? どこまで視聴者を馬鹿にしてるんだろ?

と、私は思った。すみません。

と同時に、良かったな……とも思った。

「解散できる幸せ」ってあるよ。

10代や20代なら踊って歌ってキャアキャア言われて嬉しいだろうけれども、40歳過ぎて、あんなことはやっていられないよ、まともならば。

「嵐」のメンバーは、実家が良い人が多いので、やる気なくしたら解散できる。

くっだらない男と結婚しても、帰り頼ることができる実家があれば、女性は離婚してやり直せる。

それと同じ。

所属少年タレントへのセクハラや強姦で知られるジャニーズ事務所のドンのジャニー喜多川さん。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%8B%E3%83%BC%E5%96%9C%E5%A4%9A%E5%B7%9D

しかし、この喜多川さんも、背景のしっかりした=実家の力がある家庭の子息に対しては、そうそうセクハラできないし、ましてや強姦など。

孤児の美少年相手なら、何でもできるけれども。

また、「嵐」のメンバーは、一族郎党に経済的に寄生されているので、嫌々ながらアイドル稼業をせざるをえないということもない。

では、なんで、そんな良家の子息が、そんな裏のいっぱいありそうなアイドル稼業に?

昔で言えば、越後獅子でしょ?

幼い頃から曲芸を仕込まれて旅から旅する巡業でしょ?

なんで、そんなかわいそーな境遇に自分から入ったの?

いや、それは、やはり、あの子たちは生まれた時からテレビがあって、アイドルを幼い時から眺めているわけだし、カッコいいと思って、自分もなりたいって思ったんだろう。

「芸能人」ってのはカタギの人間がなるものではないという前提で育った私の世代とは大違いだ。

それから、人気アイドルであれば、収入もすごい。ここが、越後獅子とは違う。

堅実に貯金すれば、40歳から優雅な引退生活が可能だ。

せいぜい5億円ぐらい貯めれば大丈夫!

銀行やファンド会社に投資だのどうのと蓄財を騙し取られなければ。

奥さんのお父さんの事業の借金30億円の連帯保証人にならなければ。

どっかの亡くなった歌舞伎役者みたいだな。

現在のアメリカでは、FIRE=Financial Independence, Retire Earlyの生き方が、20代や30代の憧れと聞く。

https://www.nytimes.com/2018/09/01/style/fire-financial-independence-retire-early.html

若い時に必死に働き稼ぎ、倹約して貯金して、40歳になったら引退。

これが、今のアメリカの若い人の夢だと聞く。

金さえあれば、引きこもろうが、旅だけしていようが、政治運動しようが自由だ。

Financial Independenceというのは、アメリカ人の好きな言葉だ。憧れだ。

資本主義社会における個人の課題は、これに尽きる。キッパリ。

40歳での引退を夢見るほど、アメリカでは金を獲得すること=賃金労働がきついのだ。

日本にそこまでの現象が明瞭に出てこなかったのは、アメリカに比較すると、求められる労働生産性が低かったからだ。

未だに、会社に居る時間が長い方が真面目な労働者だと思ってる脳足りんが日本には多い。

サッサとノルマを終えて定時で帰ると、サボっていると思われる。

上司が帰らないと、部下が帰ることができない職場もある。

そんな現場を、大阪時代に勤務していた大学の事務局で目撃したことがある。

ならば、ハッキリとした具体的な成果を出さなくても、とりあえず給与が出るならば、仕事しているふりをして、ダラダラと残業する方がいいのだ。

でも、その昭和的状況もじょじょに崩れつつある。

いずれ日本の労働環境もより合理的になり、そのために厳しくなり、若い子も10年もすれば、自由と充実した人生のためには、金を稼がなくてもいい状態に早くなろうと思うようになるだろう。

いつまでも働いているのは、無能なので経済的独立を果たすだけの金を蓄積できなかったか、趣味でヴォランティアで労働しているということになるのだろう。

何の話か?

そうだ、アイドルの話だ。

聞くところによると、アイドル産業というのは、すごいらしい。

アイドルをめぐるビジネスは大いにGDPに貢献しているらしい。

CDとか音楽配信サービスの売り上げだけじゃない。

コンサートが開催される街のホテルは非常に助かるそうだ。

遠くからコンサートにやって来るファンは、当然ながら野宿しない。

ホテルに宿泊する。ホテルは空室なしで非常に儲かる。

空室の部屋の在庫は効かない。時間は、バーゲンセールに出せない。

コンサート会場で、いろいろグッズ売っているが、あれも儲かるらしい。

小林旭さんのコンサートに行って、じっと眺めていたら、全て現金で売買していた。

クレジットカードは使用されていなかった。

ましてや電子マネーなど。PayPayでは買えない。

ということは、記録に残らない。

主催者側は、どれだけ売っても、税務署に捕捉されない。おめでとう〜〜🎶

それにしても、不思議なのは、それだけアイドル産業が稼げるのは大量のファンが存在するからである。

豊かな社会だからこそ、アイドル産業は成立する。

多くの人々が何とか食っていけて、科学技術の発展によって生活が便利になると、次の問題は余暇の過ごし方=暇の潰し方になる。

その手段のひとつが、アイドルの追っかけだ。

誰もが創造的行為に余暇時間を注げるわけではない。

主体的に自分ですることに余暇時間を使う人間は、おそらく人口の半分もいない。

橘 玲氏によると、以下の通りだそーだ。

日本人のおよそ3分の1は日本語が読めない。

日本人の3分の1以上が小学校3~4年生の数的思考力しかない。

パソコンを使った基本的な仕事ができる日本人は1割以下しかいない。

65歳以下の日本の労働力人口のうち、3人に1人がそもそもパソコンを使えない。

http://diamond.jp/articles/-/192261

ほんまかいな。

ならば、他人が演っていることを、ただただ受け身で眺めていることでしか暇つぶしできない人間は多いであろう。

知らんけど。

でも、平和で豊かな社会だけが、アイドル産業の必要条件じゃない。

アイドルは、平和で豊かな社会になったからこそ相互不信が人々の間に浸透した時代の産物だ。

平和で豊かになった社会においては、人間は、面倒臭いことや不愉快なことへの耐性が低くなる。

面倒臭くて不愉快なことのひとつに望まぬ人間関係がある。

上司や同僚がアホでも、給料さえ出ればいい。

金のために働いているのだから、金さえ出ればいい。

しかし、親子関係や夫婦関係や恋人関係には、我慢料が出ない。

血縁関係は選択できないが、夫婦関係や恋人関係は、選択できるし、不快ならば解消できる。

しかし、選択はだいたいが間違える。

選択を間違えたから、解消しましょうと思っても、いったん形成した人間関係を解消するのは難儀だ。

平和で豊かな社会に育った人間は、忍耐力がないので、希望を保持しつつ、じっと粘って待って人間関係を育むことができない。

自分も他人も信じていないので、気長に待つことができない。

すぐにいい結果を欲しがる。

しかし、いい結果は出ない。

ならば、最初から他人とは深く関わらない方が安全である。

「助けず教えず関わらず」という古田博司氏の提唱する「非韓三原則」は、通常の人間関係でも有効に機能する。

面倒臭いことや不愉快なことを回避したいならば。

よって、結婚率は低くなるし、恋愛もしないし、性交もしない。

信用していない人間と性交できるほどの蛮勇は持たないのだ、平和で豊かな社会に生まれて育った人間は。

性病が伝染する(かもしれない)。馬鹿と性交すると馬鹿が伝染する(かもしれない)。

そんな特攻隊精神を持つほど現代人は非合理ではない。

https://courrier.jp/news/archives/150594/

ということで、平和で豊かな社会は、相互不信で、深い人間関係を作ることに臆病な人々で構成されることになる。

しかし、人間の生物体としてのエネルギーは、平和で豊かな社会だろうが、原始時代だろうが、変わらない。

恋愛だの色事だの性交だのに注いでいたエネルギーはどうすればいいのか?

リビドーの昇華は、どうすればいいのか?

そのエネルギーを、創造的行為にのみ振り向けられる人は少ない。

誰もが、そんな才能があるわけではない。

せいぜいが、食い過ぎたり、飲み過ぎたり、買い物中毒になったりしてエネルギーを散らす。

その凡人の満たされぬリビドーの昇華に貢献するのがアイドルだ。

スターではなく、あくまでアイドルだ。

スターは、ファンが到達できない水準に立つ神に選ばれし人々だ。

スターは、ファンがどうしたって、勝手にスターだ。

ファンはいずれ、スターという手の届かない天才と自分との隔絶に気がつく。

でもアイドルは違う。

自分たちが応援してこそ、アイドルはアイドルでいられる。

その二流三流感が、いいのだ。

そのチンピラ感が、可愛いのだ。

そのプチ貧乏くささが、健気でいいのだ。

ほんとにゴージャスではダメだ。

ほんとにプロの芸術家になってもらっては困る。

学園祭の演技よりは上手いけど、世界に通用しない程度の演技。

そういう対象として、ジャニーズ事務所のタレントは丁度いい。あんばいがいい。

アイドルを応援し、アイドルグッズを購入し、アイドルとともに年齢を重ね、アイドルはいつしか自分の恋人を超えて幻想の家族になり、同じアイドルのファンは仲間であり、ついにはアイドル共同体を作る。

そうか。

そうなると、今回の「嵐」の解散は、ファンにとっては一大事だな。

SMAP解散後の日本の女性のリビドーの発散に貢献したアイドルグループがあと2年で消滅する。

これは、怖いことだな。

でも大丈夫。

2021年から、日本もアイドルの追っかけやっていられないような国際情勢の中に投げ込まれる。

平和で豊かな社会が揺さぶられる。

その恐怖と混乱が、昇華されないリビドーを吸収してくれるでありましょう。

ワクワク。

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