本日は2019年3月13日水曜日だ。
昨日、眠る前にネットニュースをチェックしたら、アメリカでの名門大学裏口入学スキャンダルつーのが報道されてた。
https://www.nytimes.com/2019/03/12/us/college-admissions-cheating-scandal.html
https://www.afpbb.com/articles/-/3215438
アメリカの連邦検察が、ハリウッド女優やスポーツのトップコーチや企業経営者や富裕層の親たち計50人(親33人含む)を起訴したそーだ。
賄賂を使って、イエール大学とかスタンフォード大学とか南カリフォルニア大学(安倍首相が在籍していたとか、してなかったとかの)とかジョージタウン大学の名門私立大学に子どもとか関係者を入学させた容疑で。
スポーツできないのにスポーツ推薦で入学させたり、大学入試用共通テストで便宜を図ったり。
子どもの方は、自分が親の金で名門大学に受かったとは知らないケースも多いそーだ。
な、はずないでしょ。自分の程度はわかっているはず。
見て見ないふりしてる暗黙の共犯に決まっている。
アメリカの有名私立大学に入学できるのは、3タイプだ。
成績優秀者か、親が卒業生で母校にすっごく寄付しているか、特別なコネがあるか。
ケネディ大統領がハーバード大学に入学した理由は2番目。ハーバード大卒の父親が母校に多額の寄付をしたから。
トランプ大統領の子どもたちが、トランプさん母校のペンシルヴェイニア大学に入ってるのも、2番目。
小泉元首相の息子さんがコロンビア大学院に入学とかは、3番目。
ハーバード大学卒のはずなのに、やってることがおかしい、どこかの大使の(元)お嬢様とかも、おそらく3番目。
アメリカでは、富裕層の子弟で名門私立大学に入っているのは、その大学への寄付金のせいであることが多いのは常識だ。
でも、入試関係者に「賄賂」は犯罪だ。
「寄付金」はいいけど、「賄賂」はダメ。
こんなの氷山の一角であり、今までもずっと連綿とあったに違いないのに、今頃何を騒いでいるのかな?
私立大学といえども、大学入試くらいは、もうちょっとフェアにやろうとアメリカ人が思うようになったとか?
ありえない。
何が起きているんですかね、アメリカで?
と言いつつも、今日の話題は、大学なんてこの程度のものなんよ、ということではない。
家族の問題、特に子どものできが悪いと悩んでいる方々にオススメしたい本を紹介する。
とんでもない毒親を持って悩んでいる方も、読んでみるといいと思う。
読めば、「まあ、いいか。生きてるだけでいいか」と思い直せること確実なので。
あ、素晴らしい解決策が書かれている本ではないです。
心に恐怖を抱えた現代人は、ホラーストーリーやホラー映画が好きだ。
恐怖は別の恐怖で癒すしかない。
こじれにこじれた家族の問題は、簡単に解決できるものじゃない。
もっともっとこじれた家族の話を知ることによって、自分の家族の問題を矮小化する。
これしかない!
まあ、はっきり言えば、他人の不幸は蜜の味ではないけれども、強烈に不幸な家族の話を読んで、自らの家族の問題を受容しやすくすればいいのだ。
え?
ひねくれてる?
いやいや、それしか手はないでしょう。
先日、以下の記事を読んだ。
https://toyokeizai.net/articles/-/268485
この記事で紹介されインタヴューを受けている方は、押川剛(オシカワ・タケシ)さんである。
押川氏は、まず警備会社を立ち上げて軌道に乗せた。
次に、「精神障害者移送サービス」を始めた。
「株式会社トキワ精神保健事務所」を設立した。
https://www.tokiwahoken.com/profile.html
すごい。需要があると見込んだセンスがすごい。
ビジネスチャンスは逃さず。
現代の日本で、子どもが生来か後天的かわからないが精神病を患い引きこもりになり、家庭内暴力をふるい、同居の家族が疲労混迷している家庭は少なくないらしい。
もう子どもに殺されるか、子どもを殺すしかないまでに追い詰められている家族は少なくないらしい。
引きこもった子どもは、自分の部屋をゴミの山にするばかりでなく、部屋を出てトイレに行くのも嫌がり、ペットボトルの中に排尿したり、紙オムツに排便し、そのゴミを捨てずに山と積んでおく状態になる。
入浴なんてするはずない。トイレに行かないんだからさ。
クズ人間は、自分も文字通りクズにして、周囲もクズにする。
そうなると、その問題は、その家庭の中だけでは終わらない。
集合住宅であれ、一軒家であれ、異臭は近隣にまで悪影響を及ぼす。
家族は行政に相談したり、警察に相談する。
行政の保健医療センターに相談しても、お役所だから、仕事が増えるのは嫌がる。人員も予算も限られている。
暴力事件になれば警察に通報するしかないが、不起訴になれば、留置場から帰ってくる。
精神病院は、まず近隣の精神科医の治療を受けた後でないと、患者を引き受けない。
大きな病院が地域のクリニックの紹介がなければ、診療しないことは、精神科だけでなく、内科でも外科でも同じだ。
しかし、その近隣のクリニックに子どもを連れて行くこと自体がもうできなくなっている。
引きこもり本人は、自分が治療が必要な状態だと思っていない。抵抗はすさまじい。
で、押川さんの経営する会社の「精神障害者移送サービス」の出番である。
精神疾患を患っているのに自覚がなく入院を拒否し抵抗する人たちを説得して病院に連れて行く。
説得には5時間くらいかかるそうだ。
まず患者の状態をチェックしたり、受け入れ先の精神病院を探して、医師と連携するのも仕事のうちである。
ただ、精神病院に移送するだけではすまない。
今の病院は3ヶ月以上の入院は、よほどの事情がない限り、させてくれない。
3ヶ月以上の入院では病院側が健康保険点数上も儲からないように制度が変更された。
居場所がないので、病院に押しつけて放置するという「社会的入院」が、ほんとうに医療を必要とする人々や医療従事者を圧迫していた問題を解決するために、入院期間の短縮が実践されている。
しかし、精神障害の場合、3ヶ月で正常になることは難しい。
しかし、規則なので、患者は退院する。
退院しても社会に受け皿はないし、家族も対応できない。
退院後にもちゃんと通院して、医師の処方する薬を飲めばいいのに、勝手に断薬する。
精神障害に関する研究は、まだまだ本当に遅れているし、研究予算も少ないのだろう。
しかし、症状を抑止する薬は、いろいろ開発されてきた。
性格が非常に悪いとか、虚言癖とか、極度に切れやすいとか、思慮があまりに足りないとか、DVとか、アルコール中毒とか、言語道断に馬鹿とか、今までは本人の人格的欠陥や道徳的欠陥や努力不足と思われてきた。
それらの問題は脳内物質の分泌量の加減の異常により発生するとわかってきた。
脳の器官的問題であるということがわかってきた。
(まあ、悪霊に憑依されているという説もあるが)
完治はできない。
しかし、社会生活が送れる程度には、症状を抑止できる薬はあるのだ。
しかし、そういう薬は死ぬまで飲まないといけない。
ところが、患者は、もういいんじゃないかと素人判断で断薬する。
で、もっと厄介な状態になる。
それで、いろいろな事件が起きてきた。
1990年代末に佐賀県で男子中学生がバスジャックして、バスの乗客3人が中学生に殺害された事件があった。
その中学生も、精神病院から退院したばかりであった。
両親は、息子を説得するよう警察から依頼されたが、説得する自信がないと拒否した。
最近でも、高齢者施設で19人を殺傷した男性も精神病院から退院した人物だった。
精神病院から退院する時期が早かったのではないかと、主治医は批判されたが、主治医としても長期入院ができない制度なので、いかんともしがたい。
押川氏の会社は、3ヶ月経過後の転院先も探す。
しかし、どうしてもこれ以上の入院は無理ですとなると、家族が引き取らざるをえない。
せっかく入院させてホッとしていたのに、子どもが戻ってくるということで、恐怖と不安で狂乱状態になる親もいるそうである。
押川氏が運営している「精神障害者移送サービス」というのは、このような非常に難しい大変な仕事なのだ。
押川氏ご自身が、病院に行くように説得している最中に、患者に刺されてしまったこともある。
それくらいに苦労と危険が多い仕事である。
前は毛布か何かで簀巻きにして動けないようにして、精神病院に移送したが、いまどき人権上、この方法を強引にできない。
しかし、大暴れするような患者は精神病院側でも迷惑だ。
病院もスタッフも足りない。
手のかかる患者は邪魔だ。
だから、押川氏に依頼してくる家族にとって、押川氏の会社は最後の砦だ。
行政や病院や警察に家族の付き添いで行って支援を要請する。
よく、こんなサービスを立ち上げたものだなあと、感心する。
費用は500万円ほど。
当然だ。
本来なら、全部自分で対処すべきことなのに、他人の労力を使うのだ。
費用がかかるのは、当たり前だ。
その費用を払うのがイヤということで、依頼をキャンセルする家族もいる。
費用が高いことで嫌味を言う家族もいる。
こんな親だから、子どももおかしくなる。
その後、どうするんですかね……
ひたすら、子どもが死ぬことを祈るらしいです。
ビジネスとは言え、ご苦労の多い押川氏のご著書が、以下の2冊である。
押川氏の「精神障害者移送サービス」を利用したクライアントの臨床記録とも言うべきか。
現代の家族の病理のルポルタージュと言うべきか。
いろいろな事例がある。
みんな事実ですからねえ……
はっきり言ってオカルト心霊現象より怖い話ばかりだ。
人間って、ここまで壊れるんだなああ……のサンプルいっぱい。
生来のサイコの子どももいる。
親の自分勝手な養育態度のために成人後に親への怒りが爆発したケースもある。
親が嫌なら、サッサと家を出ればいい。
しかし、そんな力がない子どもは親に依存しつつ親に暴力をふるう。
親の死後に自分が食べていけるように、親の財産の管理を主張する。
親の死後は、兄弟姉妹に寄生するつもりでいる。
クズは際限なくクズになる。
自分の大事な宿主を傷つける脳足りん寄生虫。
著者の押川氏の会社に来て、親は「殺してください、お金は出しますから」と言うそーだ。
なんで、自分で殺さないですかね?
「こうなったのは、すべて私の育て方が悪かったからだ。私の責任だ。あなたを殺して私も死ぬ!」
なんで、そう思わないですかね?
子どもが寝てる時に金属バットで、タルタルステーキにすればよろし。
小柄な母親でも、大きな息子を処分できるよ。
自分の問題なのに、他人に押しつけて平気な親。
どこまでも他人事で、当事者意識のない親。
根深い依存心。
こんな親の子に生まれれば、子どもは深く深く傷ついて、精神病にもなる。
が、そんな親を蹴飛ばして家を出る覇気もないので、精神病に逃げたとも言える。
親も親なら、子どもも子ども。
なまじ親に金があると、成人した子どもでも甘やかして食わせることができる。
だから子どもは絶対に絶対に自立しない。
解決策がない事例ばかりだ。
いや、この2冊を読むと、あなたの抱える家族の問題が、なんていうこともないと思えてくる。
子どもなんて、生きて普通に元気でいるなら結構と思える。
成績なんか悪くていいし、大学受験に落ちてもいいやと思える。
金のない親に育てられて良かったなと思える。
いやが応もなく、世の中に出て働かざるをえなくて、良かったなと思える。
引きこもっている余裕なんかなくて良かったなと思える。
いや、ほんとほんと。
漫画版もあります。ホラーです……
ああ……怖かった………
初めまして。
私は「子供を殺してくださいという親たち」の漫画版から、押川さんのことを知りました。
最初はタイトルがショッキングなため、読むのをためらいました。日常的にも児童虐待やいじめによる自死の報道があるので、更にハードな実態を知るのが怖かったのです。
Amazonの評価でも押川氏の言動について賛否両論がありますが、そこまでのコミュニケーション能力があり、人心掌握に長けていることについては、私自身は頭が下がる思いがします。
長文失礼しました。
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yokofuchiさま
コメントありがとうございます。いやあ、漫画版は活字版より、さらに怖いですね。おぞましいと言うべきか。
この世の中には、私が思いもしないような、すさまじいことが起きているのですね。家庭の中に。家族の中に。
押川氏の言動への批判ですか?批判するのは簡単ですよね。でも、儲かるビジネスにしなければ、押川氏も生きていけないですよ。スタッフも集まらないですね。
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こんにちは。お返事ありがとうございます。
民事不介入という言葉にどれだけの人が歯がゆい思いをしているか分かりません。
本当に命まで危ない状態に置かれているのに、行政やボランティアも当てにならないのでしたら、最終的には押川氏のようなパイプ役の助けを求めるしかないのではと思います。
漫画版でもかなり衝撃的なシーンがあるので、実態はもっと狂気に満ちていると想像にかたくありません。
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