[373] 遅ればせながら『夫のちんぽが入らない』(扶桑社、2017)の衝撃!

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本日は2019年4月30日火曜日だ。

「平成」最後のBlog記事でございます〜〜

明日から令和〜〜

なんか秋篠宮家の悠仁様の中学の机の上に包丁2本を置いたとかで、監視カメラに映っていた不審者が逮捕された。

訳のわからんことする50代男性。

50代になると、もう人生の結果が出ちゃってるから、狂ってくるねえ、男性は特に。

やっぱり、これ「愛子様を天皇に勢力」と「悠仁様を天皇に勢力」の暗闘が背後にあるのでしょうか。

大変ですね、皇室の方々も。

愚民は自分の頭の上のハエを追っていればいいのであって、よそ様のお家騒動なんか気にしなくていいのですが。

そーいうことがわからないから愚民なんですけど。

本日は、夫の抗がん剤治療第7クール開始日である。

夫が化学療法室で抗がん剤オキサリプラチンを点滴で入れている間の3時間ぐらいを、この記事を書きながら待ちます。

夫がお世話になってる病院は10連休でも営業です。

でも、病院のレストランは、いつもよりは混雑していない。

みなさま、お疲れ様でございます〜〜ありがとうございます〜〜

しかし、気が効かないことマックスの私が夫に付き添う必要もない。

しかし、「家族や友人の付き添い付きで受診に来るガン患者の生存率は、ひとりで受診に来るガン患者の1.5倍である」そうだよ。

そうかなあ。

まあ、そうかもしれないので、毎度付き添うことにしてる。

今日は、遅ればせながら、こだま著『夫のちんぽが入らない』(扶桑社、2017年)について書く。

Facebookで、よく面白い書評を投稿なさる方が、先週は『夫のちんぽが入らない』について書いておられた。

そう言えば、この作品が話題になってた頃に、副島隆彦氏が「学問道場」で、絶賛してらしたなあと思い出した。

「これこそ文学だ!!」って。

私は、当時は、「ちんぽなんて別に入らんでもいいだろ。便秘の方が深刻だわ」と雑に考えた。

で、この小説のようなエッセイのようなこの話題作を読まなかった。

ババアはいかんよね、若い現役の女性の悩みから離れて久しいから。

一応、読んでおこうかと、私は思った。

で、早速Kindle版を購入。電子ブックはすぐ読めるからいい。

読んで感涙。

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この小説に書かれていることは、「ちんぽ」のことだけではない。

現代の地方の女性の真摯な半生が、正直に率直に赤裸々に生々しく描かれていた。

(以下フジモリの要約で、ゴシック部分は小説内容。そうでない部分は私のツッコミ)

主人公の女性は、東北の過疎地で生まれ育った。

人生に鬱屈を抱える両親のストレスをもろに浴びる不快な少女時代を送る。

大学進学で念願の家出ができた。

教師になるべく勉学に励む大学時代。

(多分、東北の国立大学の教育学部)

主人公の下宿先のアパートの住人である大学生と付き合い始める主人公。

いつしかその男性と濃密な絆ができる。

親しい友人は互いに相手しかいない独りぼっちのふたり。

いつもいっしょに過ごすふたりは、自然に性行為に向かう。

主人公は、高校時代に一度だけだが性交体験があった。

相手は、よく知らないよその高校の生徒だった。

(田舎ほど性的に奔放で、若い子はそれしか興味がないらしい)

しかし、いつも時間を共にする男性のちんぽは彼女の中には入らなかった。

どうやっても、入らなかった。

その男性は、彼女が未経験だから、性交できないのだと思い込んでいる。

主人公はわけがわからない。

潤滑油入れて試みても、彼女の膣は血だらけになるばかり。

(広々とした膣を狭くする手術はあるが、広げる手術はないらしい)

それでも離れられないふたり。

それでも結婚したふたり。

(ここが純愛)

主人公は、結婚後は小学校教諭として悪戦苦闘する。

学級崩壊の日々の中で子どもたちと向き合う日々。

小動物のように反抗し敵意をむき出しにする生徒たち。

自分の家庭の親に対する不満や怒りを教師に転化する生徒たち。

理解のない普通のありふれた同僚や上司。

(現代の小学校のブラックぶりがリアルに描かれている)

夫は高校教師として忙しい。

時々、北陸の実家に帰ると言って外泊するが、大阪のセックス産業さんに通っているらしい。

その種のお店のスタンプカードを主人公は見つける。

(そーいうのあるのか。10回通えば無料?)

高校教師の夫はといえば、貧困による親のネグレクトのために万引きをする生徒を警察まで迎えに行くことが重なる日々のストレスを風俗やデリヘリで発散していたのだ。

しかたないと思いつつ、精神的に追い詰められた語り手は、いつしか出会い系サイトで知り合った男たちと性交を重ねる。

他の男のものは入る。

どんなにキモい男のものでも入る。

じょじょに精神の平衡を失う主人公。

自殺する寸前まで行き、とうとう小学校退職を決意する。

皮肉にも、退職が決まってから、生徒たちと心が通い始める。

自分の教師としての力量のなさに打ちのめされる主人公。

(躾けられていない小学生なんてのは、どーしようもないんで、今時の馬鹿親が育て損ねている子どもなんて、誰が相手してくれるんだろ)

退職後に難病になり、36歳で閉経。

やっと「子どもを持て」と、しつこく言う親族や世間から解放される。

病気なら仕方ないわね……という感じ。

親族や世間はいつでも馬鹿である。

しかし、夫は熱血教師の日々の疲れから精神的に病むようになる。

セックス産業にお世話になるうちに性病にもなる。

教育者が性病で病院に行くわけにもいかない。

ネットで外国から性病の薬を取り寄せる主人公。

全力で夫を支える主人公。

ふたりとも、ちんぽが入らないことに悩まなくなった。

しかし問題は解決されていない。

それでも人生の日々は進む。

(フジモリの要約おわり)

読み終え、著者のあとがきを読んで涙がボワっと出た。

なんという純愛物語か。

こんなややこしいような、単純すぎて意味不明な問題を抱えつつも別れないふたり。

悲劇であり喜劇。

こんな純愛がある。

どんなに愛しあっても、根気よく挑戦しても、ちんぽが入らない男女関係がある。

お互い憎みあってるけれども、または互いの名前も知らずとも、ちんぽは簡単に入る男女関係がある。

どーいう罰ゲームか?

「いろんな人生があり、いろんな生き方があり、いろんな結婚がある。生きてるだけでいいじゃないの、生き抜いてきて良かったね」ですむ問題でもない。

確かに、この作品は文学してる!!

正答がないどころか、どうやっても解答の見つからない問題がある。

受け容れて生きるしかない問題が人生にはある。

永遠に保留せざるを得ない問題がある。

どんなに愛し合ってもちんぽが入らないという問題。

こんなの身の上相談もできないだろ。

いや身の下相談か。

この問題を描くとしたら、文学の形でしかない。

著者の「こだま」さんは勇気をふり絞って、それを書いた。

『夫のちんぽが入らない』は、芥川賞取ってしかるべき作品である!!

しかし、現行の文化の枠の中にある文学は、ちんぽが入らない問題を描いた作品を評価できないのだ。

大問題じゃないか!

『女教師の悶え』ならいいのか。

日本の文壇ってshitだな。

くっだらね〜〜気取りがあるんだ。

しょせんは、売文業の活字枕芸者が、えっらそーに芸術家みたいな顔しやがって。

「こだま」さんの第2弾の作品『ここは、おしまいの地』(太田出版、2018)もすごくいいです!

自叙伝的エッセイです。

抱腹絶倒です。

悲劇ばかり起きるのだけれども、笑うしかない人生の記録です。

https://amzn.to/2vjN4LA

ところで、著者の「こだま」さんのご主人も親族さんも、「こだま」さんが作家活動しておられることを知らないそーだ。

そーいうもんかもしれない。

家族が1番知らない。

もっとも身近な人間が知らない。

「こだま」さんは、書くことによって、それをネット同人誌やブログに発表することで、夫や親族や元馬鹿教え子ではない、人間関係ができた。

仲間ができた。

読者という友を得た。

「こだま」さん、書いてくださって、ありがとうございました。

この作品には漫画版もあるそうですね。

Netflix でドラマ化もされているそうです。

イメージ違うなあ……

原作の方が絶対にいいって!!

文章が素晴らしい!!

ああ、久しぶりに文学に触れた!!

3件のコメント

  1. 藤森様
    こんにちは!
    「ちんぽ…」の方は読んでおりませんが、「ここは、おしまいの地」は、やはり、かみさんの本の中から見つけて読みました。
    この本の著者の名が「こだま」さんだと云う事も知らずに大変面白く読ませて頂きました。笑

    いいね: 1人

    1. 生きる塾さま:

      コメントありがとうございます。「ここは、おしまいの地」は、もう笑いました。

      こだまさんの文章いいですねえ。「ちんぽ」 もいい文章ですよ〜〜

      いいね: 1人

      1. ありがとうございます!
        「ちんぽ」も購読致します。
        貴重な情報をありがとうございますm(_ _)m

        いいね: 1人

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