[383] 佐々木一郎氏訳アイン・ランド『アンセム』出版!!

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本日は6月12日火曜日だ。

ずっと絶不調であります。

忙しくて、のんびりできません。

最近、疲れて体調が悪くなると、歯が痛くなるんよね。

虫歯とかじゃないです。

意味不明の痛さです。

常備のアスピリンを飲めば痛みは軽くなります。

でも噛めないことは変わらない。

これも数日のんびりしていれば治るんですが。

ただ先週からずっとのんびりできず痛いばかり。

諦めて、のんびりしたろ〜〜と思ってBlog記事書いてます。

まあ歯が痛くて噛めないから食べる量が減ると、体重は減るんで歩くのはラクになりますが。

老化ってのは、こういうことよね。

あらゆる身体機能が落ちてくる。すぐに疲れる。すぐに痛くなる。

だけど、やりたいことをすれば自分自身に負荷がかかる。

無理をしなきゃ、何もできないよ。

そーいうもんよ。

還暦以降とか65歳以降の人生なんてオマケなんだから、のんびりとは思っても、還暦や65歳までくらいに、やりたいことをできなかったなら、オマケ時期にやるしかない。

私は、還暦前がサボってたんで、オマケ時代がきついのですよ。

正確に言えば、サボってたんじゃないんよ。

ガンガン消耗し尽くして死ぬほどやる能力がなかっただけだ。

もうこの老年期のオマケ時代にこそ、消耗し尽くして、自分を空っぽにし尽くさないと、納得して死ねないよ。

あのね、高齢者施設に入ると、まともな施設に入るほど、長生きしちゃうってね。

だって、有料老人ホームとかって、栄養管理に投薬管理に温度調節がシッカリしてるでしょ。

上げ膳据え膳で、ストレスないでしょ。長生きするんよ〜〜

身元保証人が先に死んじゃうらしい。

ダメ施設は、入居一時金とかいっぱい取るくせに、死後2週間も放置したりで、無茶苦茶。

まだまだ、有料老人ホームってダメらしい。

安い特養は、待機老人52万人だからね。

保育園の待機児童45000人をはるかに凌駕してる数の老人の行き場がない。

いろいろ調べて、私は有料老人ホームに入居はやめた。

夫がこけたら私は何もしない廃人になるから、施設でも行くしかないのかなあ〜〜と思ったけど、やめた!

やっぱ自宅で頑張る! 最後まで自力で生きる!

そのためには、いわゆる孤独死対策が必要。

問題は死体の発見と処理。

自分の死体の発見と処理。こればかりは、自分でできないでしょ。

ということで、これについてもリサーチしております。

墓じまいならぬ、人生じまいは何年もかけて準備しておかないとね。

まだ時間あるもんね。じっくり準備しますです。はい。

いつも前向きな私。

それはさておき、本日は、宣伝広告版です。

ひさかたぶりに、アイン・ランドの翻訳が出ました!

Anthemの翻訳が出版されました!

『アンセム』です! 讃美歌って意味です。世界を讃える歌です!

訳者は、佐々木一郎氏です!

出版社は、Evolvingです。

この出版社は、今後アイン・ランド関係の翻訳とか研究書を出版していくようです。

社長さんが、アイン・ランドの信奉者で、彼女の思想のObjectivismをもとに事業家として成功しておられます。投資会社の御経営だったかな?

https://amzn.to/2WybW2j

Kindle版もありますよ!

なんという素敵な装丁でしょうか!

装丁だけで買いですね!

気合いが入っていますね!

佐々木一郎氏は、「東京アイン・ランド読者会」の主宰者の方です。

随分と私もお世話になっております。

まだ40代のお若い方です。

「日本アイン・ランド協会」のメンバーの方です。

https://aynrandjapan.org/

『肩をすくめるアトラス』の訳者の脇坂あゆみさんが、この協会の会長を務めておられます。

アメリカのThe Ayn Rand Institute公認の日本支部です。

すみません、この会と私はなんの関係もないです。

私の「日本アイン・ランド研究会」も開店休業です。

私は、アイン・ランド研究はしますが、ランドの翻訳はもうする気がありませんし、組織作ってどうこうする気もありません。

『水源』The Fountainheadを訳して出版していただいただけで満足です。

最近もTwitterのフォロワーさんの漫画家の茶木ひろみさんが、購入してくださったとよ。

https://amzn.to/2Ww14g9

茶木ひろみさんって、『銀の鬼』の作者ね。

ロマンチックな長編怪奇漫画の作者ね。

才能ある方です!

フランス語版もある知る人ぞ知る傑作ですからね〜〜

これも、すっごい面白いのよん。

なんで実写ドラマ化されんのかしら。韓国のテレビ局が作ればいいかも。

『トッケビ』風味があるんです〜〜

https://amzn.to/2XDG48L

茶木ひろみさんもご購入くださった『水源』は、売れてないけど絶版にもなっていません!

ほんと、ありがたいです。

茶木ひろみさんのブログもあります!

http://fubuki960.blog87.fc2.com/

『水源』出版の4年後に、『利己主義という気概』The Virtue of Selfishnessも訳せて出版していただいたので、もうそれで満足です。

ビジネス社さん、ありがとうございました。

副島隆彦氏がビジネス社に無名の私を翻訳者として強力に押してくださったおかげです。

副島先生ありがとうございました。

残念ながら、『利己主義という気概』は絶版になってしまいましたが、しかたない。

これも死ぬまでに改訳超訳したいけど。

でも、あんまり面白くないんだよね。

まあ、ランドは小説家としてはすごいけど、論文風なものは書く訓練が足りない感じ。

ランドが影響を受けたニーチェとかアリストテレスみたいな書き方なんで、ツッコミどころ満載です。

ならば、ニーチェやアリストテレスを読んでりゃいいんで。

ところで、佐々木一郎氏ご高訳の『アンセム』は、短い小説です。

短編と中編の間くらいの長さです。

1937年(1938年という説もある)に英国で出版されて、1946年にアメリカでも出版されました。

1937年当時はアメリカはソ連の共産主義に希望を託しているThe Red Decade だったので、ランドの反共産主義全体主義本なんて、出版してくれなかった。

でも、英国の出版社は出してくれた。

私はですねえ、英国の作家のジョージ・オーウェルGeorge Orwellの『1984』は、このAnthemに影響を受けたんじゃないかって、疑っています。

『1984』は、1949年に出版されました。

全体主義国家の恐怖を描いた作品です。

面白いです。でも怖いです。映画化作品も怖かった……

それくらいに、当時は社会主義や全体主義が世界を食い尽くすことへの恐怖があったのですね。

自由ないもんね。

今の香港人の中国への恐怖よ。

とはいっても中国は共産国家というより古代専制国家だけど。

早く民主化して〜〜〜〜

https://amzn.to/2WAI4SA

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実際の1984年は、日本はバブル前の静けさ、高度成長期の終わりかけで、平和な感じでした。

世界が動き出したのは、ズバリ1986年以降かな。

チェルノブイリが1986年。ベルリンの壁崩壊が1989年。ソ連崩壊が1991年。

あ、話がまた逸れる。

『アンセム』は『1984』のタネ本だったんじゃないか疑惑について。

証拠はないですよ……

でも、読んでみてください。

読み比べてみてください。

なーんか似てるから。

オーウェルのほうは、救いのないディストピア小説です。

すべての生活がBig Brotherに監視されている社会には自由もプライバシーもありません。

(実は現代世界は、すでにそうなんですがね……)

ランドの方は、ディストピアをユートピアに変える話です。

内容に関しては、次のAmazonに私が書いたレヴューを読んでくださいまし。

(転載はじめ)

美しい素敵な装丁だ。読みやすい訳文だ。言葉が実に丁寧に誠実に選ばれている。

アイン・ランドが7年がかりで書いたThe Fountainheadや、14年がかりで書いたAtlas Shruggedのテーマの胎芽が、すべてこの中編小説にあります。

物語世界は何か大きな破壊がなされた後の近未来。

人類は、その破壊原因となった戦争を導いたのが人類の進歩そのものと思ったのか、その後に構築された世界には、人類の自由な思考や行動を徹底的に抑圧し、個人の突出を許さない全体主義集団主義が浸透している。

閉塞的な視野狭窄な管理社会。

高い知能を持った主人公は、じょじょに自分たちの暮らしに疑問を抱くようになる。

迫害と冒険を経て、主人公は恋人とともに、近未来の中世的ディストピアから脱出し、個人の尊厳を基盤とした輝かしい超現代を作り上げる。

おとぎ話のような不思議な雰囲気の政治思想小説です。

あのね、今の時代に読むとピンとこないかもしれませんがね、この小説が書かれた時代は、ほんとうに全体主義や社会主義的集産主義が世界を飲み込む勢いがあったんですよ。

その時代の流れに抵抗して、女性ひとり、堂々と書き上げたのが、この反全体主義集産主義&個人主義礼賛物語です。

私は、1949年に発表されたジョージ・オーウェルの『1984』は、この『アンセム』から影響を受けていると思います。

読み比べてみてください!きっとそう思うから!

(転載おわり)

2013年に、ニューヨークで、このAnthemは舞台化され上演されました。

9月のことでした。

私は杖をついてニューヨークに行って見てきました。

3日間連続で見てきました。

泣きながら見ていました。

佐々木一郎氏のご高訳を読むと、あの上演時の感動を思い出します。

あの劇場に集まっていた人々はみなアイン・ランド愛読者。

私の精神的同志。

この作品の翻訳は、私も2003年に試みました。

その訳文を、「藤森かよこの日本アイン・ランド研究会」のウエッブサイトに載せました。

http://www.aynrand2001japan.com/index1.html

当時に自費出版も考えました。経費が160万円くらいでした。

私は当時はアメリカ文学の研究者で大学教員だったんで、自分の編著の研究書とかも自分の研究費や自費で出版しなきゃいけなかったので、諦めました。

持ち出しが多かったんだよね〜〜

小さい出版社に任せておくと、装丁もいい加減なので、いいデザイナーさんを指定して装丁費用も自費で出してきちんとした本として出版したかった。

まあ、今となっては出してもしょうがないみたいな本でしたけど。

文学研究の本なんて、300部も売れないからね、自費出版か(文部科学省の外郭団体が審査して出す)科研費の出版補助金で出すしかないんだよね。

出版社もそのつもりだし。

印税なんてあるはずない。

なんで、あんな世界にいたんですかね、私は。

無知というものは恐ろしいものよ。

税金や公金にたかるしか本を出せない研究者なんて、バッカみたいよね。

私は税金にたかりたくはなかった。

たかが文学研究じゃないか。公費でやるようなことか。

でも、自費で出すのは大変だ。

でも印税が出る商業出版社で売れるものを出す力など私にはなかったから、しかたない。

ともかく、あの時点では、まだまだアイン・ランドは日本には無理だなあという思いもあったので、『アンセム』の翻訳出版は諦めました。

あれから15年。

でも、とうとう佐々木一郎氏が出版してくださった!

佐々木さん、ありがとうございます。

みなさま! 『アンセム』読んでみてね!!

こういう物語もアイン・ランドは書いていたんですよ!!

美しい物語です!!

9件のコメント

  1. 藤森様
    こんばんは!
    お久しぶりでございます。
    お身体の具合が良くないとは…心配です。
    ですが、かく言う私も持病が悪化して8日ほど入院しております。笑
    病院は嫌ですね〜
    アイン・ランド “水源” を翻訳出版なされておいでだったのですね〜 凄過ぎです。
    ぶっ飛んでますものね〜 アイン・ランド。
    水源も肩をすくめるアトラスも読みましたが、私の頭の域を遥かに超えたものでした。笑
    この人絶対 “食っとる” な…と云うのが最初の感覚として記憶した事が思いだされます。笑
    アンセム!
    是非読んでみたいと思います。サイトの方にもお邪魔させて頂きます。
    楽しみです。いつもありがとうございます!
    そして、くれぐれもご自愛くださいませ m(_ _)m

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    1. 生きる塾さま

      コメントありがとうございます。入院なさっておられるのですか?うわあ。お大事になさってください。まあ持病があるくらいが気をつけるのでいいですよ。入院は嫌ですよね。ご家族もご心配なことでしょう。お察しします。

      ところで、アイン・ランド読んでくださっていたのですか!? うわああーーものすっごく嬉しいです。日本人には珍しい……あの長さですからねえ。

      いやあ、そうでしたか!!ランドのことは翻訳はしないんですが、そういうのは「日本アイン・ランド協会」にお任せしまして、私は別のことします。

      しかし、ランドの2冊お読みくださりありがとうございます。お気が向いたら、Amazonにレヴュー書いてやってください。批判でもいいんです。数が多いのがいいので。

      いいね: 1人

  2. 藤森様
    YouTubeで御尊顔を拝見し、お声も聞いてしまいました。
    感激です!
    アイン・ランド、日本ではそれ程読まれておられないのですか??
    米国は解りますが、インドでも超有名ですよね〜??
    ですが、私が拝読させて頂きましたものが藤森様が翻訳されたものだったとは!!
    これまた感激しきりです。
    講演会DVDも購入させて頂きます。
    続コメすみませんでした。

    いいね: 1人

    1. 生きる塾さま:

      そうなんです!インド人にランド好き多いんです。パキスタンでもね!中国台湾韓国でも翻訳されています。

      パキスタンでは、「水源」はテレビドラマ化されました。パキスタン人のハワード・ロークってなんか面白かったです。

      いいね: 1人

      1. 藤森様
        こんにちは!
        ランドの著書もまた何時もの如くで、かみさん所蔵からのものでした。
        なんだこのやたら分厚い本わ〜〜と!!笑
        私的には非常にテンポ良く読めましたので、あの大長編があっと云う間でした。
        また、私はお世辞を云える人間ではありませんが、藤森様の文章に触れさせて頂く機会を得た事で、これは藤森様の翻訳のおかげだったのだと納得致しました。

        レビューの件承りました。
        かみさんはレビュー魔ですので、とっくに書いていると思われます。笑笑
        随分と前に米国ニュースで、ジョンゴールド??で間違いなかったでしたか?…の名が書かれたプラカードを掲げて何かの集会に参加していた人が写った画像を見て…「肩をすくめるアトラス」の主人公の名前だ〜と頭をよぎった事がありました。

        パキスタンの「水源」ドラマを観る事は可能でしょうか?
        YouTubeで検索しても出て来ないのです。
        私もパキスタン人演じる建築家、ハワードローク!!
        大変興味があります。笑
        しかし、藤森様、あの大長編を翻訳なされたとは感服つかまつりました m(_ _)m

        いいね: 1人

      2. 生きる塾さま

        パキスタンのドラマ版がなぜか見つかりません。インド版映画の方はありました。
        http://missliberty.com/surya-toran-indias-film-version-of-the-fountainhead/

        さらに探してみます。ジョン・ゴールトのプラカードは、2009年以降のtea party movementのときのです。あの小説は政府と企業が癒着したエセ資本主義や肥大した政府を批判してますので、リーマンショック後のアメリカが大保険会社や銀行を税金で救済したbailoutを大批判した運動が展開されたんですね。tea party movementを始めた女性がアイン・ランド愛読者でしたし。高校の数学の教師で。日本にも来て講演したそうですよ。

        草の根のアメリカ人は税金大嫌いですから。税金で大企業を救っちゃいけないですよ。倒産するからいいんのですから。ダメな企業は淘汰されないと。オバマさんは実質社会主義者ですからね、税金で大企業を救いましたね。

        いいね: 1人

  3. 藤森様
    また続いて申し訳ありません。
    DVD購入クリック先がNTTフレッツ等の申し込みリンクになってしまいますが…
    申し訳ありません。
    私、未だにPCも使いこなせていない機械オンチなもので、お手数お掛け致します。
    m(_ _)m

    いいね: 1人

  4. 藤森 様

    ご自愛くださいませ。
    いま、十数年ぶりに名古屋に来ております。大坂の友人との会合で中をとって、駅前にしました。ずいぶん駅前も変わりまして、驚いております。居酒屋の客ひきも活発でして、
    こうしないと生き残れない、現実を
    見せつけられた思いです。
    ホテルや、巷は、中国系の人でいっぱいです。暇にまかせて各都市を観光していますが、中国語をかならず耳にします。

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    1. りょうたん様

      コメントありがとうございます。名古屋変わったんです。駅前が中心になってきたんです。栄あたりは静かになりました。

      高山や金沢に行く途中で名古屋に泊まる外国人も多くなりました。airb&bも増えてます。

      全ては変わって行きますね〜〜

      いいね

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