本日は2022年2月5日土曜日です。
今日の名古屋は朝から雪が降っています。
昨日の夕食は、1ヶ月か2ヶ月に一度通う名古屋市内の創作イタリア料理店の税込みひとり13200円のコース料理でした。
普段は外食といっても、私は「なか卯」のカツ丼セットか、「CoCo壱番屋」のカレーライスか、「コメダ珈琲店」のグラタンかフィッシュバーガーです。それか「Little Puff」さんの明太子クリームオムライスです。
それも数週間に一度もないぐらいの頻度です。慎ましいもんです。
その私が、ひとり税込み13200円出すくらいですから、そのお店は凄いんです。知る人ぞ知るお店なんです。
東京なら、13200円ではすまない水準のお料理です。
お店の名前はここで書きませんよおお〜
ただでさえ予約取るのが大変です。私は行くたびに次の日を予約するぐらいです。数ヶ月先の予約を。
それぐらいの価値のあるお店です。
隠れ家みたいな目立たない小さなお店です。内装もシンプルで地味です。客席は最高で14席ですが、お若いご夫婦だけで運営しておられますので、お客様数は8名しか予約は受け付けません。
毎週水曜日と木曜日は定休日です。
7月とか3月はお休みが多いです。シェフさんのお料理研究期間だからです。
毎月のコース料理を創作するので、大変です。決まりきったメニューがあるわけではないのです。2021年3月のコースは2022年3月のコースと内容が同じわけではないのです。
ご主人がオーナーシェフで、奥様がホールスタッフです。お手伝いの人はいません。
昨晩は、去年の12月以来の今年初めてのご来店でした。って自分で言うのも変ですが。
オミクロン騒ぎで、キャンセルが出たそうで、客は夫と私だけでした。つまり「貸し切り」状態でした。
奥様はおやすみで、ご主人がワンオペでお料理を作ってサーヴしてくださいました。
もう「レストラン貸し切り」っていいよねえ!シェフさんと、いろいろお話できますし。
他のお客さんのこと気にしなくていいし。
そのお店の比較的近くには名古屋大学附属病院があります。だから、お客さんには、その病院のドクターらしき方が多いです。
だって、けっこう大きな声で医学学会の話とかしてるもん。うるさいんじゃ!
お料理の前に注文するのは、白ブドウのスパークリングジュース。グラス半分ほどで税込み990円。
ワインじゃないです。私はアルコールがダメです。日本酒の美味しいのが好きだけど、肝臓が悪いから飲まない方がいいです。
お料理は、stuzzichino、突き出しが、「加藤農園のきわめというフルーツトマトの冷製カッペリーニと、いちごのかき氷とモッツアレラチーズ」です。
とっても瑞々しく甘さと酸味のバランスがいいトマトでした。

「加藤農園」というのは、愛知県吉良吉田(キラヨシダ)にある有名な農園で、東京の有名レストランからの注文が多いのです。
paneパンは、自家製です。玉ねぎを練り込んだパンと乾燥トマト入りのパン2種。
最初のantipasto、前菜は、「三河湾の蛤のアクアパッツア」です。
これが美味しい。蛤の旨味たっぷり。お野菜は菜花です。蛤の上の緑は……バジルの新芽だったっけ。違うな。忘れた。

antipasto due、2番目の前菜は、「鹿児島産の筍と、平貝と、水晶文旦」です。ソースは、黒ニンニクのソースと蕗のソースの2種です。
筍、美味しい。もう筍?

緑色の豆はなんだったけ。豆の半分は凍らせたものをシャーベット状におろして、平貝のスライスや文旦スライスにかけています。
美しいですね。
antipasto tre 前菜の3番目は、新じゃがのマッシュポテト、マッシュルームのクリームソース、トリュフのジェラート」です。

ジェラートの上にささっているのはチーズで作ったお煎餅です。
もううううう……このお料理が最高の最高でした!マッシュルームのクリームソースが絶品。マッシュポテトも最高。トリュフのジェラートの香り高さ。チーズのお煎餅の塩気が良いアクセントです。
器にもセンスが光ります。
次が、primo piatti、最初のパスタです。「白魚とそら豆のアーリオアーリオ ポッタルガリングイネ」です。
要するにそら豆の入ったニンニクと塩とオリーブオイルのパスタの上に白魚の素揚げがいっぱい乗っかっているわけです。

上にかかっている黄色い粉はカラスミです。美味しいです!!!
primo piatti due、2番目のパスタは、「三河湾ガス海老とホワイトアスパラ、卵黄のリゾット」です。
ガス海老?
卵黄というか、この卵は、「海老煎餅」入り餌で育った鶏の産んだ卵だそうです。坂角の海老煎餅ではなく、まさか、カルビーのカッパエビセンでは……あれは、海老なんか入ってないだろ……
上に乗っている赤いのは、サラミソーセージのスライスです。

ホワイトアスパラガス美味しい!
卵黄に特に海老煎餅は感じませんでした。
second piatti 主菜は、「三河牛のイチボの炭火焼き」です。

イチボってのは、お尻の肉です。柔らかく滋味豊か。ごめんね、牛さん。
ソースは白いペースト状の自然薯(じねんじょ)です。粒マスタードと岩塩もついています。フルーツほおヅキは、実を食べることができます。美味しいです。
つけあわせの焼いた小玉ねぎ。これも、すっごく美味しかったです。
dolce、甘味は「黒豆のセミフレッドといちごのジェラート」です。
赤いソースもいちごです。

紅茶と付け合わせのお菓子の写真は撮影し忘れました。すみません。
全部をひとりで作りひとりでサーヴする若きシェフ。寡黙なシェフ。
動きに無駄がないシェフ。集中力がすごいシェフ。
このお店のお料理はいつも素晴らしい。でも、昨晩はスペシャルに素晴らしかった!
私は感心しつつ感動しつつ、「ここのお料理は、東京の有名フランス料理店カンテサンスを超えるかも……」と思いました。いや、私的には超えています。
実は、私の誕生日は2月です。モロ水瓶座です。
ですから、昨晩のディナーは、夫からの私への「数え年で70歳の古希の誕生日おめでとう」プレゼントでした。
そのディナーが、事実上「貸し切り」でした。
私は思いました。アスター家とかバンディ家とかコリンズ家とかデュポン家とかフリーマン家とかケネディ家とか李家とかオナシス家とか、ロックフェラー家とかロスチャイルド家とかラッセル家とか、この世界を牛耳る13血族の方々は、毎晩のディナーを専属のシェフに作らせてサーヴさせているのだろうか、と。
まさか、今日は脂肪肝用に作った野菜だけスープに餃子入れて中華スープにして済ませておこうとかはないでしょう。
毎日毎日、専属シェフにコース料理作らせているんだろうか、と。
ディナーは毎度きちんとした格好で、こうしていただくのだろうか、と。
ということは、今日の事実上貸し切りディナーは、「貴族のディナー」ですね〜〜
数え年70歳古希のお祝いディナーは、私の人生で最初で最後の貴族ディナーですね〜〜
こんな贅沢が日常ならば、そりゃ世の中の普通の人間なんて自分と同じ人類には見えないだろうなあ。
でも、それはカプセルの中の人生だよねん。
外の冷たい風にさらされたり、雨に濡れたり、たこ焼き3パック買っちゃったから、今日の夕ご飯はこれでいいということはない人生だよね。
それはそれで、退屈なものであろうなあ……退屈だから、戦争起こしたり、バイオテロを仕掛けたりするのかしらん。
幸せなディナーでした。
心に深く残るディナーでした。
シェフの加藤さん、ありがとうございました。
2時間だけの貴族のひとときを楽しむことができました。
しかし、今年の3月末で夫も退職だしなあ。とうとう年金暮らしに入るしなあ。
天才シェフさんの美味しいディナーを楽しむ頻度も落とさないといけないかなあ。だよなあ。
夫は、「これからは、あなたは越後獅子で稼ぎなさい。僕が親方するから、街頭で芸を見せて稼ぎなさい」と言います。
何を言ってるんですかねえ。
芸がまずいと、撥(バチ)で私をぶつんですかねえ。私は逆立ちどころか、逆上がりもできんわ!