#618 3/11/2023 フジモリさん肝硬変だってよ

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本日は2023年3月11日土曜日です。

あれから12年経過しましたね。あの日は、そこそこ寒い日でした。

2011年3月11日は、私は15年間単身赴任で働いていた大阪府和泉市の桃山学院大学の近所に借りていたマンションの部屋を退去して、次の勤務先と住居のある広島県福山市に向かった日でした。

朝の9時からやって来た引越し業者の方たちが家具や荷物を搬出して、トラックに全部運び込んだのがお昼の12時半過ぎ。そこで引越し料金の支払いを済ませ、私と夫は、物が運び出された部屋の清掃をした。トイレは特に綺麗にね。

単身赴任で、ひとりで3LDKを好きに使っていた私。

それが終わったのが午後2時ぐらい。

そこからランチがまだだったね〜〜お腹空いたね〜〜ということで、第三セクターの泉北高速線の和泉中央駅にあるショッピングモールのうどん屋さんで熱い鍋焼きうどんを食べた。ここで、うどんをいただくのも、これが最後か。

広島県福山市に夫の自動車で向かったのが午後3時くらい。

大阪から西にドライブは初めてだね〜〜って感じで、午後4時くらいに神戸に着いた。

サービスエリアで休憩して珈琲でも飲みましょう〜〜という感じでフードコートまで行ったら、なんかTVの前で人が集まっている。みなさん画面に見入っている。なんか濁流みたいなもんが映っている。

私はそれに構わずに、珈琲飲んでから、また福山市へ。

福山市内の駅前のホテルにチェックインしたのが午後6時半過ぎで、その日はそこに宿泊し、翌日に福山での新居に荷物が運び込まれる手はず。

福山城が窓から見えるホテルの部屋で、くたびれたね〜〜予想外に遠かったね〜〜時間がかかったね〜〜と言いながら、携帯電話を開けたら、前年度に私がアカデミックアドヴァイザーをしたインドからの交換留学生の女性から、メイルが入っていた。

「日本で大地震が起きたと聞きました。フジモリさん、無事ですか」って。

はあ?

すぐにTVつけたら、濁流に呑み込まれる町の風景。東日本全域で地震が起きて、東北の太平洋沿岸部には津波が襲ったと、わかった。

Twitterを開けたら、東京で帰宅難民がいっぱいに出ていたようで、どこそこのビルで寝泊まりできますよとか、どこそこのレストランで10人くらい休息して眠る場所を提供できますよとかの情報が、いっぱいに交換されていた。

思わず涙が出てくるような、みんなで助け合おう情報の氾濫。

でも地震や津波なんて日本は慣れている。大丈夫大丈夫、すぐに復興できる!

福山駅前のレストランで夕食を終えて、ホテルに帰ってサッサと眠り、翌朝は、新しい勤務先から歩いて20分くらいのところに借りたアパートメントに行き、鍵を開けて、引越し業者さんのトラックが来るのを待つ。

トラック到着。どんどん運び入れつつ、地震の被害は酷いのかなとTV放送をつけっぱなしにしながら作業していて、ギョッとしたのが、夕方頃の東電の福島原子力発電所事故のニューズ報道。

ええええええええええええええええーー

日本の原発って、事故は起きないということになってたじゃないのーー!!??安全だってことになってたじゃないのーーー!!?管理がずさんな旧ソ連のチェルノブイリとは違うってことだったじゃないのーー?

原発の立地がまずくて大津波に対応できなかったということ、電力会社の予測が甘かったということ、政府も東電幹部もジタバタしていて、対処は現場に丸投げらしいということが、その日から次から次へと報道された。

今となっては事実はわからないけれども、日本国って、日本のエリートって、あんまり信用できそうもないということが、満天下に明らかになった

3月11日は、原発の建屋が吹き飛んだので、日本安全神話崩壊記念日。

それからの半年間くらいは、日本はほんとに落ち着かなかった。

あのショックから12年。

この12年間は、日本にとっては苦しい日々が続いた。私にとっても怒涛でハードな日々だったなあ。

ところで、先週は、『ニーチェのふんどし』発売という嬉しいこともあったのですが、私は病院通いで忙しかったです。

2月の末に整形外科クリニックで、すごい眩暈でひっくり返って、採血された結果を見て、3月6日に整形外科クリニックの院長さんは、すぐに内科に行ってくださいと、私に行った。

採血の数値で、肝臓が問題ありそうで、ついでに血糖値も高め。糖尿病かもしれません……

ええええええええーー!

私は、すぐに比較的近所の総合病院の受付で、事情を話して予約を済ませた。

でもって、水曜日、金曜日と、採血、尿検査、腹部CT撮影、腹部超音波検査を受けました。

ついでに眼底出血があるかどうかも。なんで?糖尿病だと眼底出血があるそうです。

眼底出血なんて、してないよー

さて、判明した病名が、肝硬変でした。

肝硬変。間違いないそうです。

肝臓ガン手前の立派な堂々たる肝硬変だそうです。

肝硬変のせいで糖尿病になりかかってるそうです。

ええええーー

「どうして、ここまでほっておいたんですかねえ」と、法学部を出て卒業して働いて退職して医学部に入り直して30歳で医師になったという50代前半の、いかにもアスペルガーっぽいドクターに、私は叱られました。

「来週は胃カメラで静脈瘤があるかどうか見ます。静脈瘤はいつ破裂するかわかりませんから。次は肝臓の腫瘍マーカーがわかる採血もします」

「肝硬変は治りません。そのままか癌になるかです。癌になるかどうかは、神のみぞ知るです。今のところは腫瘍はないです。腫瘍が見つかったら、もっと大きな総合病院を紹介します」

「肝臓がんも手術できます。腫瘍部分をピンポイントで焼き尽くすんです。これも何回もすると手術不可能になりますが。最初から手術不能か切除不能の場合もあります」

「定期的な検査がずっと必要です。ここまで進行しちゃったら、今さら食事に気をつけてもしかたないです」

……………

すでに死人を見るような眼差しで、気の毒そうな目で私を見るドクター。

ふん。簡単に死んでたまるか。

ガンになったら、ガン保険も2つ入ってるし、県民共済の医療保険も入ってるから、しっかり治療するもんね。保険適用外の治療も受けちゃうもんね。

病院を出たあとに、CT撮影のために朝食抜きであった私と夫は、ファミレスに行きました。「和風ハンバーグ朝食定食」ってのを注文しました。

私は、よく噛んで味わいつつ食った。美味しい。

夫が「あなた、あれだけ医者にズケズケと言われて、よく食欲あるよなあ」と言いました。

「したいことはしてきたし。行きたい所は行ってきたし。大きな悔いはないよ。充分に幸せだった。あと5冊くらいは書く時間あるんじゃないかなあ。あなたが死んでから死ぬよ、私も。あと10年もたせればいいんじゃないの」と答えた私。

夫だって、ガンがいつ再発転移するかわからない身だもんね。

主観的にはしんどい人生でしたからね。能力体力ないので、人が30分で済むことを私は1時間も2時間もかけるしかなかった。

パトラッシュ、もう疲れたよ。

肝硬変ならば、人生のゴールが薄らぼんやり見えてきたようなもの。

思えば、2015年秋に福山の病院で、非アルコール性脂肪性肝炎NASHと診断され、これで嫌いな職場から逃げることができると喜んで、2017年3月末での辞職願いを学長に提出してから、約8年。

5年生存率65%はクリアしたものの、いつしか油断して、肝臓に負担をかける日々を過ごしてきてしまった。

2015年に、医師から、「NASHは治さないと、肝硬変になり肝臓ガンになります」と聞いていたのに、名古屋に帰ってきてから、解放感に油断してしまった。

過食に、運動不足に、不規則な生活。

原稿を書くために昼夜逆転に徹夜。その夜の間にお腹が空くし、ストレスで、ポテチやスナック菓子を暴食。

肝硬変にもなるよね。

まあ、自業自得だからしかたない。

肝臓さん、ごめんなさい。もう遅いかもしれないけれど、これからは大事にするね。節制するね。

ところで、出版社の秀和システムが、どれだけ表紙をポップにしても、哲学思想コーナーに置かれないように警戒しても、やはり『ニーチェのふんどし』は、哲学思想コーナーに置かれているのでした。

どんなコーナーに、どのように置かれているか、Facebook友だちの方々が教えてくださいます。写真も送ってくださいます。

ありがとうございます!

紀伊國屋書店新宿本店では、西洋思想のコーナーだそうです。

哲学思想コーナーってさあ、書店でも奥の奥の奥で、目立たない場所に置かれるのよね。

ベルクソンやシモーヌ・ヴェイユやフッサールの隣に置かれてもなああ……

ここは、千葉県の丸善津田沼店です。
ここは、名古屋駅前ジュンク堂です。
ここは、紀伊國屋書店の札幌本店です。

名古屋の今池にあるラクダ書房では、エッセイコーナーに置かれていました。

そう!ここが適切!

しかし、熱田の三洋堂には、拙著は一冊も置かれていませんでした。この書店には、2度と行かないぞ。

肝臓ガンになりそうな肝硬変ではありますが、あと10年は生きることができるとしたら、あと5冊は書いて出版してもらいたいです。

テーマはもう決まっています。

でも、とりあえず、『ニーチェのふんどし』を書いて出版してもらったからな、諸事情で書けなくなっても、まあ、いいや。

高校時代は「倫理社会」(哲学みたいなもん)という科目の試験では、なにゆえか、いつも満点か満点近かったんですよ、私は。

だけど、哲学科に行っても食えんからね、英語の教師になったけど。それは、間違いの元だったかもね。でも、食えなきゃ、しかたないし。

私が肝硬変と判明してから、いつもは口が悪く私を罵倒する夫が、やけに優しい。いろいろな思い出を語ったりする。

「福山に行ったのがストレスになったのかなあ。桃山を還暦で退職する方が、肝臓のためには良かったのかなあ」と、ブツブツ言う。

いやいや、母も妹も肝硬変。これは遺伝的疾病よん。

それよりも、病院通いでドタバタして、まだ確定申告していないんだよね〜〜私。

2件のコメント

  1. 久しぶりにブログを拝読して驚いております。お身体、お大事になさってください。
    「ポテチやスナック菓子を暴食」とありましたが、ポテトチップスは身体によろしくない食品として有名です。他の食品にシフトされることが肝要です。
    手間がかからない方法としては、レトルトの有機あずきの玄米お粥がオススメです。20袋で4000円程度です。備蓄品としても使えます。
    私は小腹が空いたときは、地元の生協で売っている、無塩のナッツ(アーモンド、くるみ)と有機レーズンと小魚を小分けにしておいて食べています。
    最近は京都の蕪村庵のおせんべいがお気に入りです。オンラインで買えます。美味しいです。
    また、石川県産サツマイモを輪切りにしてオリーブオイルで蒸し焼きにして、塩とシナモンをかけて食べたりします。

    私自身、健康上優れているかはよくわかりませんが、食べ物には気をつけています。といいながら、大失敗することもあり、昔はトマトの缶詰をよく使っていました。最悪です。今も試行錯誤しています。

    別話題ですが、最近好きなラジオ番組がタブレット純さんの「音楽の黄金時代」です(土曜日18-20時)。ラジオ日本やラジオ関西などで聴けます。昭和の音楽がかかって、元気になります。
    ご自愛ください。

    いいね: 1人

    1. sasukeさま

      コメントありがとうございます。

      ポテチとか暴食するようになったのは、去年だったんです。若い頃はそういうこともあったんですが、中年になってからはやめてました。それだけ、去年のストレスがきつかったんですね。

      今は食生活など、いろいろ気をつけています。間食はないです。

      前から、小豆のお粥レトルトも災害用に少しストックして、体調の悪い時は食べてたんです。でも、もうちょっと増やしましょう。

      小魚とナッツも好きです。

      まあ,人生の最後段階に入ったのだから、適度に好きに、適度に気をつけて暮らします。

      ご助言をありがとうございます。

      いいね

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