三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第9回講義 :中部電力は東電を飲み込む?

本日は、2017年6月11日日曜日である。

今回は、私が毎週火曜日に聴講させていただいている渡邊明先生ご担当の三重大学工学部大学院科目「生産管理論特論1」の6月6日開講第9回講義の紹介である。

第9回講義は、渡邊明先生ご自身によるご講義ではなく、「中部電力」の「専務執行役員・グループ経営戦略本部副本部長・情報システム部統括」の渡邊広志氏のご講演であった。

6月は、「中部電力特集」らしい。

日本のエネルギー問題の現場の生々しい状況が伝えられるようである。

で、6月6日は、その第一弾であった。

中部電力の「専務執行役員」ってさあ……

ひょっとして、すっごく偉い方?

ひょっとしなくても、すっごく偉い方であるな。

だって、中部電力の本社ばかりでなく三重支社からも社員の方々がお付きで5人か6人ほど来ていらしたからな。

ついでに、三重大学の学長も、ご挨拶に教室に来ていらしたからな。

渡邊明先生の「人的ネットワーク」は、かくも凄いのである。

中部電力は中部地方の国立大学に研究を委託したり、寄附講座をしたりしているそうであるが、三重大学とも関わりが深いようである。

その関わりを作ったのは、渡邊先生らしい。

渡邊明先生は、中部電力から研究を委託されておられるしね。

すごいね〜〜〜

中部電力ですよ〜〜〜

おかげで、三重大学工学部の大学院生は、本物の日本有数の電力会社の執行役員の講演を聴くことができる。

おかげで、私のようなモグリの聴講生も、そのお相伴に与ることができる。

渡邊明先生、ありがとうございます。

「中部電力特集」第1弾は、中部電力という会社が関与しているエネルギーを日本に供給するという使命の各様相の概論説明と、今後の展開であった。

上の写真の1から6までの内容を、「専務執行役員」の方は、淀みなく、しかし明快に無駄なく説明してくださった。

しかし、それを全部ここで紹介するような能力はないよ、私には。

卒論どころか、修論のネタにそのまま使えるような質と量の資料が配布された。

ちょっと、チラッと覗いてみてください。






これらの資料って、とんでもない充実度でしょう。

こんなの、ほんの一部だからね。

さすが、大企業は、こーいう資料をサッサか作れる人材も多いのだ。

日本の電力会社は、2011年の東京電力福島原子力発電所の事故以来、いろいろ変化を強いられた。

原発稼働停止。

太陽光や地熱、風力発電だの、代替再生エネルギー開発。

化石燃料系ではなく天然ガスへのシフト。

そして、電力(小売市場の)自由化に発送電分離。

こーいうこと書くとぶっ飛ばされるだろうけれども、私は「原発ヒステリー」はアホか……と思っている。

福島で放射性物質のために大量に癌死亡者が増えたということもない。癌なんか名古屋に住んでたってなる。

ちょっと、この本を読んでください。

あの東電の原発事故以来、いかに日本人が根拠なき「放射能怖いヒステリー」に翻弄されてきたかが、この本には書かれております。

読んだ方がいいよ、ほんと。

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同じく想定外の大津波にあっても、高台に造られた女川原発のように無事であった原発もあった。

問題は原発ではなく、事故に備えた万全の態勢だ。

電力の安価な供給は、日本にとっては大事なことなんだから。

液化天然ガスの輸入のために日本の財政は圧迫を受けている。

吉本隆明氏が書いていたように、原子力研究という科学技術研究は進め深めていくべきだ。

止めちゃいけない。

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しかし、それにしても「電力自由化」というのは、よくわからんね。

電力供給会社が競合するから電気代が安くなるから、自由化はいいという説がある。

そんなもん、少し時間が経てば、電力供給会社の統廃合が進行して、寡占化するに決まってる。

寡占化したら、独占企業化するぞ。

もう外資規制はないんだからね、外資に日本の電力会社が買われたら、どーするんよ。

電気料金いくらでも値上がりするぞ。

じゃあ、電気は使いません〜〜とはいかないぞ。

まさか、外資の圧力で、日本は電力自由化になったのか?

発送電分離というのも、不可思議だ。

事故とか問題が起きた時に、電力会社と電力を送る会社が別々って、ややこしいだけだ。

2011年の原発事故以来、わけのわからん方向に日本の電力会社が進まされている。

まあ、未だに「放射能怖い」と騒いでいる人々が多いのは、あれ、雇われているのかなあ。

そうやって騒げば騒ぐほど、福島から人は去り、あの地に使用済み核燃料の危険な放射性廃棄物を貯蔵しておく巨大な施設を建設しやすくなるよね……

すでに、2000年には、経済産業省の所管でNUMO( Nuclear Waste Management Organization of Japan 原子力発電環境整備機構)ができている。

https://www.numo.or.jp/

NUMOは、原子力発電により発生する使用済み燃料をリサイクルする過程で発生する高レヴェルの放射性廃棄物をガラス固体化して、地層処分事業を行う事業体だ。

そういう施設を建設する準備は、しっかりとできているのだよ。

ただし、「うちの土地を提供します〜」と申し出る市町村がないから、作れない。

そりゃそうよね……

そこに、あの福島の原発事故である。

ならば、「汚染されてしまった」というレッテルが貼られて人口が減った福島なら、そーいう施設を作ることができるんじゃないの……今は無理でも……20年もしたら、ほとぼりも冷めて、可能になるんじゃないの……と、政府は考えているらしい。

ほら、スウェーデンなんかで建設されているでしょう。

地下300メートル深い穴に、ガラス固体化した放射性廃棄物を更にコンクリートで固めたカプセルみたいなものを、ギッシリいっぱい埋める施設。

計算上は、7万年先までプルトニウムだかが漏れないってさ。

7万年経てばコンクリートも割れまして、中身が漏れて、地下を汚染します。はい。

まあ、そのときは人類はいないだろうし……

おそらくは……

話が逸れてる。

このBlogでは、中部電力が東京電力とともに設立した「JERA」について紹介する。

ジェラって呼ぶ。ジェラ。

なんで、JERAについて紹介するのか?

なんとなれば、大企業というものの凄みが、わかるから。

一般庶民のはるかに先を走っている大企業の凄みが。

やっぱり、エリート集団ですねえ……

JERA( http://www.jera.co.jp/) というのは、Japan Energy Eraの略だ。

2015年に設立された東京電力と中部電力の既存燃料調達事業と火力発電事業を担う合弁会社だ。

既存燃料つーのは、液化天然ガス(LNG)と石炭と石油だ。

つまり、中部電力も東京電力も、「温暖化対策のCO2削減」なんて、ほんとうは無用のことだと百も承知なんだよね。

地球温暖化なんて、嘘っぱちだと知っているんだよね。

パリ協定を破棄したトランプ大統領は正しいわけよ。

この本を読んでいただきたい。

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この本も読んでちょーらい。

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でも、ほんとうのことは、電力会社は言えない。

愚民さんたちが、しっかりと、いまだに温暖化言説に洗脳されているからね。

「企業イメージ」があるからね、黙っているしかない。

ついでに、化石燃料が枯渇なんてしないということも、電力会社は知っている。

化石燃料が枯渇するから、原子力発電は危ないから、代替エネルギー!! 再生エネルギー!!

なんて騒いでいるのは愚民だけなんよね。

ともかく、JERAは、東京電力と中部電力がそれぞれ独自で行なっていた既存燃料調達事業を引き継ぐ会社として設立された。

2013年度における東京電力の液化天然ガスの調達量は2500万トン。中部電力のそれは1500万トン。

ということは、合弁してできたERAは、4000万トンの液化天然ガスを調達できることになる。

これは、世界最大級の液化天然ガス調達規模なんよ。

石炭調達となると、2013年度は中部電力は1100万トン、東京電力は800万トン。

JERAになったら、合計1900万トン。

これは、アジアの石炭買主の第5位の調達量だ。

つまり、JERAは、世界の中でも巨大な燃料購買力を持つことにもなる。

東京電力の一部と中部電力の一部が合体するだけでも、それくらいの威力がある。

既存燃料調達力以外に、火力発電事業は、どうなるか。

東京電力と中部電力の国内外の火力発電事業の設備容量は、約7400万キロワット。

これは、欧米の大手発電事業会社に負けていない数字だ。

あれ?国内外の火力発電事業?

国内外? 外?

そう、JERAは、国内だけでは事業展開が先細るということで、すでに海外に発電事業を展開している。

2016年12月には、英国のセントリカCentrica LNG Company Limitedとの間で 、液化天然ガス売買契約を締結した。JERAの裁量で、英国向けの液化天然ガス販売数量を自由に調整できるようになった。

同じく2016年12月には、フランスのEDF Trading社のシンガポールの石炭事業を、JERA Trading Singaporeが統合した。

2017年1月には、アメリカはニューヨーク州の天然ガス火力発電事業に参画した。

2月には、インドのRenew Power  Ventures Private Limitedの株式取得により、インドの再生エネルギー発電事業に参画することに決まった。

この場合は再生エネルギー分野だけど、当然に火力発電事業もインドで展開するに違いない。

インドは、人口も多く、これから一層に大いに伸びる国だ。

中国と戦える国があるとしたら、それはインドだ!

あとの国は、そんなガッツないわ……

日本の安全保障上も、インドとは仲良くしておきたい、是非とも。

2017年2月時点で、JERAの事業拠点と参画予定国は、カナダ、アメリカ、メキシコ、台湾、フィリピン、ベトナム、シンガポール、インド、オーストラリア、インドネシア、タイ、オマーン、アラブ首長国連合、カタールである。

うわあ……

JERAは、自社輸送船団も保有している。

うわあ……

電力自由化によって電力会社が競合すれば、寡占化が進むって、前に書いたでしょう。

これが、すでにその例だ。

電力自由化になれば、電力会社の競合が激しくなる。

そうなれば、合併して大きくなった方が競争に勝てる。

しかし、一挙に合併ってのもね……

で、まずは、それぞれの会社の、燃料調達事業と、国内火力発電事業部門を、独立させ一緒にしたのかな。

いずれ、中部電力と東京電力は合併するぞ……

そうなるぞ……

ともかく、大企業というものは、すごい。

愚民の考える先の先の先の先を走っている。

愚民がスマホいじくってゲームやっている間に、日本のエネルギー確保と電力の安定供給と自社の生き残りを賭けて、世界を股に駆ける。

電力会社の努力の上に乗っかって便利な生活を送っていることなど頭をかすめもしない愚民の惰眠など構わずに、着々と戦略を練っている。

もう、せっかく渡邊明先生のご縁で、中部電力の専務執行役員の方のご講演を聴かせていただいたのだ。

ですから、中部電力さん、この際、東電を飲み込んで、どんどん発展なさってください。

東京電力は、あの原発事故でボロボロになった。

自業自得じゃ。

あの当時の感じの悪い会長とか社長は、責任も問われず、何をやってんだか。

名古屋の地味ながらもダサいながらも堅実に地に足をつけて生きる姿勢は、中部電力の中にも根づいているに違いない。

中部電力が東電を飲み込むことこそ、日本のためだ。

ああいう軽薄で傲慢はダメ!!

中部電力さん、これからも、日本のエネルギーを守ってくださるようお願いいたします。

これからも、よろしく私の便利で快適な電化生活を守ってくださるようお願いいたします。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第8回講義: 未来の組織

本日は、2017年6月5日月曜日である。

本日は、渡邊明先生ご担当の三重大学工学部大学院科目「生産管理論特論1」の5月30日開講第8回講義の一部を紹介する。

実は、第7回講義の覚え書き作成をサボった。

尾道での講演会やら何やらでくたびれてしまって、サボった。

渡邊明先生は、「勉強は楽しむものです。無理することないです」と、おっしゃってくださった。

そのお言葉に超厚かましくつけこませていただいた。

すみません。

無料で聴講させていただいているのに、私はいい加減なヘタレである。

第8回目ご講義は、第7回目ご講義の復習をかねての大学院生さんたちのコメントペーパーを使用しての質疑応答と、「組織論」のふたつの部分に分かれていた。

本日は、この「組織論」について紹介する。

私のような人文系の脳たりんでも興味が大いに持てるテーマであった!

たとえば、「損益分岐点」なんてさ、グラフで示されても、まるっきりわかんねーよ、もう。

私は、企業に入社できていたら、真っ先に落ちこぼれのリストラ対象とされていたに違いない。

第8回ご講義では、2002年当時に放映されたNHKの番組の映像の一部を利用して、組織のあり方の具体例が提示された。

(ご講義の覚え書き始め)

(1) 2002年にアメリカのフォード自動車の経営陣は、「新しい組織のあり方」を従業員に提唱した。かつては全米1のシェアを誇っていたフォード自動車は21世紀に入った頃に非常に売り上げが落ち込んでしまい、経営陣は危機感を募らせていた。

(2) フォード自動車の経営陣は、自社の組織のありようが創立以来ピラミッド型であることに問題があるのではないかと考えた。

(3)ピラミッド型意思伝達では、顧客の要望にすみやかに応えることができない。よって、顧客の要望や意見に直接にさらされる立場の従業員が発信して、経営陣の方針に影響を与える逆ピラミッド型組織が必要なのではないかと、フォード自動車の経営陣は考えた。

(4) そもそも、ヘンリー・フォードが採用した組織は、19世紀のプロイセンの参謀総長モルトケの組織法を真似たものだった。

モルトケとは、ヘルムート・カール・ベルンハルト・グラーフ・フォン・モルトケ(Helmuth Karl Bernhard Graf von Moltke: 1800-1891)のことである。グラーフというのは「伯爵」の意味らしい。

甥の第一次世界大戦のときのドイツ参謀総長の小モルトケじゃない。

近代ドイツ陸軍の父と呼ばれたモルトケ元帥のことだ。

(5) モルトケが1858年に参謀総長になった時に参謀本部なんてなくてもいいんじゃないのーという空気もあった。が、プロイセン王国とオーストリア王国の間の戦争である普墺戦争が1866年に起きて、モルトケの名声が確立され、参謀本部が注目されるようになった。

(6) モルトケは、開戦前に兵員輸送のための鉄道や、命令伝達用の電信網を準備させた。参謀本部と前線部隊間の意思疎通を万全にして統一的な部隊運用をして、「7週間」でオーストリアを破った。

(7) その後の普仏戦争においても、この「ドイツ参謀本部」方式でフランスに圧勝した。

(8) で、ヨーロッパ中が一斉に参謀本部設立し、優秀な参謀将校の育成と、参謀本部の意志と作戦を最前線の部隊兵士に伝えるピラミッド型組織構築に勤しんだ。明治維新後の日本政府も同じだった。

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(9)  フォード自動車の創始者であるヘンリー・フォードはモルトケに心酔し、自分の会社組織を徹底した上意下達式軍隊を模したものにした。現場の作業員は「考えるな!上司からの指令で動け」と言われた。

(10) それは少品種大量生産時代の20世紀には成功した。しかし、ドイツ参謀本部式組織では、次第に多様な顧客の多様なニーズに応えられなくなった。その結果が、21世紀に入ってからのフォード自動車の低迷であった。

(11) とはいえ、フォード自動車の逆ピラミッド型組織運営は、失敗に終わった。現場の労働者の意見や指摘を吸い上げることで、改良はできた。しかし、企業経営は対処療法的な改良だけしていればいいものではない。長期的なプランや研究開発の方向性は、現場の労働者では決定できないからだ。

(12) トヨタ自動車は、ピラミッド型組織を維持しつつ、現場の作業員の意見や改善策をすくい上げることで、「トヨタ生産方式」なるものを形成した。

(13) フォード自動車の組織運営改革は成果は残せなかったにしろ、未来の企業における組織はどう変わっていくか、という問題を提起した。確かに、モルトケ流ピラミッド型組織には限界がある。

(14) アメリカに、「指揮者のいないオーケストラ」が存在する。ニューヨークを拠点に演奏活動をしている「オルフェウス室内管弦楽団」である。通常のオーケストラは、指揮者とコンサートマスター(通常は第1ヴァイオリンから選ばれる)が、リーダーである。楽団員は、指揮者とコンサートマスターを見ながら演奏する。

しかし、「オルフェウス室内管弦楽団」は、リーダーシップを分け合う。指揮者いない。コンサートマスターに、他の楽団員がダメ出しする。

(15) この楽団は以下の8つの原則で演奏する。これらの原則を「オルフェウス・プロセス」と呼ぶ。

① その仕事をしている人に権限をもたせる。② 自己責任を持たせる。③ 役割を明確にする。④ リーダーシップ固定させない。⑤ 平等なチームワークを育てる。⑥ 話の聞き方を学び、話し方を学ぶ。⑦ コンセンサスを形成する。⑧ 職務にひたむきに献身する。

(16) リーダーが全くいないのではなく、作品ごとにリーダー役を選び、そのリーダー役が作品解釈の素案を作り、他の楽団員が意見を言って、演奏が形成される。

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(17) 日本でも、このオルフェウス室内管弦楽団(20名くらい)方式を真似て運営しているオーケストラもある。「東京アカデミーオーケストラ」だ。

http://tao.jpn.org/

(18)  アメリカのマサチューセッツ工科大学教授のトーマス・W・マローン(Thomas W. Malone: 1952-)は、未来の組織のあり方について、ITによる情報伝達コスト低下 により、組織の意思決定構造が変わり、組織は集中化から分散化に向かうと予言した。

名著『フューチャー・オブ・ワーク』(The Future of Work: How the New Order of Business Will Shape Your Organization, Your Management Style, and Your Life, 2004) において、そう予言した。

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(19) 簡単に言うと、未来の組織は、上司からの指示で動く人間ではなく、主体性を持つ個人のネットワークのプラットホームになる(とマローン博士は予言する)。

大きな企業の中でも、社員がプロジェクトを立案し、それに共鳴共感協働したい社員が集結してプロジェクトを遂行する(とマローン博士は予言する)。

したがって、プロジェクトに参加させてもらえる人間、上意下達ではなく自分で仕事を見つけることができる人間、対等なプロジェクト遂行仲間と、コミュニケーションがとれる人間でなければいけない。

この変化は、18世紀の近代市民革命に匹敵する大きな人間革命である。組織の民主化というものが21世紀に実現するであろう(とマローン博士は予言する)。

(20) アメリカの軍隊も、末端の個人の兵士の裁量に任せる方式を採用し始めている。モルトケ時代のような参謀本部の指令を待っていては、刻々と変化する戦場の状況に対処できない。

(21) 未来の組織に必要な人間とは、自己を持ち、かつ他者と意思疎通ができて、協力して仕事を達成することができる人間である。

理系のエンジニアであることは、ただただ研究開発に従事していればいいのではない。未来型組織においては、このようなプロジェクト形成維持能力、コミュニケーション能力が必要となる。

はっきり言って、プロジェクトに呼んでもらえないエンジニアになっちゃいけない。

だから、工学部でもマネージメントを、組織論を学ばねばいけない。

( ご講義覚え書き 終わり)

なるほどなあ……

マローン博士の説は、いかにもアメリカ人好みだ。

主体性ある個人のネットワークで繋がり形成されている組織。

この人は、ひょっとしたらアイン・ランド愛読者かもね。

このマローン教授が英国のEconomistって雑誌に呼ばれて、した対談のYouTube動画を見つけた。で、視聴してみた。

この対談で、マローン博士は、将来の企業というのは、「フリーランス」的に働くことと「ヴォランティア」的に働くことが、重要になってくると言ってる。

金のために働くのではなく、給与を払ってもらうために働くのではなく、仕事を愛するために働く。

うーん……

そんなことよりもさあ、アメリカの企業は労働者に、従業員に、もっと賃金を出すことを考えた方がいいのではないか。

アメリカの企業は1980年代までは、net profit(純利益)の50%を株主に配当し、あとは設備投資と労働者賃金にあてていた。

ところが、1990年代には、net profitの90%が株主に。

そして21世紀にはいると、95%が株主に。

これでは、アメリカの企業がイノヴェイションを生めないはずだ。

研究開発( R & D) に金を出さないんじゃあさあ。

その研究開発をする社員にも報いないのではさあ。

マローン博士の未来の組織のヴィジョンは美しくもダイナミックである。

しかし、私は、ついつい思ってしまった。

「この大学の先生は頭がいいのだから、こんなこと本気で信じているとは思えない。この未来の組織は、新種の労働者搾取に違いない」って。

「資本主義だから、株主への配当が大きいのは自然だけれども、イノヴェイションもおこせない現在のアメリカの企業風土について警鐘を鳴らすほうが、先だろう……マローン教授さん 、御託を並べている場合じゃないんじゃないの……」って。

政治的民主主義だって、お題目でしかないんだぞ。

企業の民主化?企業内民主化?

そんなん、信じられんわ、私は。

私って、マローン的21世紀の組織を想像できない旧弊な人間なんだわん。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第6回講義(2)初期トヨタ生産方式

本日は、2017年5月23日火曜日である。

本日は、三重大学工学部大学院科目渡邊明先生ご担当「生産管理論特論1」の5月16日開講第6回ご講義の中心部分の紹介をする。

このご講義は、前もって受講生にデジタル資料がいくつも毎週送信される。

毎回のご講義の前に送信される。

5月16日講義用に送られた数種類の資料のうちのひとつを、スペッシャルに勝手にお見せいたしましょう。

いいのか……

下のURLをクリックしてください。

これだ!!

パクっちゃダメよ。

それは、剽窃よん。

これだけで9ページあるのだ……

https://cdn.fbsbx.com/v/t59.2708-21/18446278_1361792380568086_5164839353309986816_n.pdf/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E9%96%A2%E4%BF%82.pdf?oh=6a4a3545d432d8262cb123b9eca2405a&oe=59253D10&dl=1

こういう具合の資料がガンガン送られる。

いくつもいくつも、データが前もって送られる。

講義前に予習しておけという意味合いである。

なんちゅう、ややこしい……

さすが、国立大学の工学部の大学院の講義である。

私には、何もわからない。

数十秒凝視する。

わからない。

講義で配布される資料も多い。

渡邊先生がご自身で作成した、非常に非常に詳細な年表も配布される。

日本の技術政策の変化や、トヨタ生産方式の変化や、個別の部品の進化などもギッチリ記載された年表である。

すごい年表なんである。

この年表をネタに博士論文書けるだろ〜〜くらいな質量の年表である。

家宝にしてもいい年表である。

以下の写真は、その年表の簡易版というかビギナー版。

これらの、渡邊先生の学識が詰まった資料を駆使しつつ、講義がなされる。

やはり、すさまじい研究の蓄積である。

だから、ご講義を紹介するのならば、ご講義中に使用されるこのような資料にも言及するべきである。

でも、それ私の能力を超えていますね〜〜

Blogで紹介できるようなものでもないね〜〜

で、あるからして、私のこの覚え書きにおいては、そのあたりは、全部無視させていただく。

キレイに頑固に無知蒙昧に無視させていただく。

私では、見ても理解できんのよ。

私は、表だのグラフだの見ているだけで、目がチカチカする脳足りんなのよん。

自分がキャッチできた範囲の内容を文章化するだけで、私は精一杯である。

敢えて、理解できないことは大胆に聞かなかったことにさせていただく。

でないと、覚え書きを作ることが嫌になる。

せっかく、食べていくための勉強や、生活費獲得としての労働や、義務としての労働からは解放されたのだ。

楽しめないことは、断固としてしない。

大学院生時代の悪夢を、なんで64歳になってまで蘇らせねばならないか。

ほんと、大学院生時代の、あのわけのわからん勉強は辛かった。

でも、アメリカの大学の大学院の講義も、私が聴講した限りは、同じだった。

わけがわからんかった。

文学研究って、わけわからんかった。

意味不明だった。

意味不明なことを努力する辛さよ。

なんで文学部の大学院に入っちゃったのかしらんと嘆いても自業自得。

しかし、わけがわかろうが、わからなかろうが、それを突破しないことには、大学院生時代という闇を抜けることはできなかった。

でも、あの愚劣なる日々は30年以上前に終わったのだ。

もう自由だ〜〜〜〜〜!!

ということで、私は好きに楽しくさせていただく。

すみません。

(ご講義内容覚え書き始め。カッコ内はフジモリのつぶやき)

(1) まず、トヨタ生産方式について学ぶなら、トヨタ自動車のウエッブサイトに行って、トヨタの歴史をチェックしておくこと。

(2)トヨタ生産方式の初期のものが初めて実験されたのは、1958年の元町工場においてである。

(3)トヨタ生産方式の発展は、1961年から1974年までが第1期で、1975年から1980年までが第2期。1981年から1990年までが第3期といえる。それ以後まだ続くが、とりあえず、ここらあたりを押さえておく。

(4)トヨタ生産方式の発展は、トヨタ内部だけでできるものではなく、法律の整備も大きく関与している。技術に関する法律ができるときは、政府がある業界を後押しし発展させることが国策であるからだ。

(5)その例として1956年成立の機振法がある。機械工業振興臨時措置法のことで、これは物作り大国日本の基礎を作った産業政策であった。

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戦後復興から経済自立に向かう過程で、基幹産業としての機械工業の合理化を促進する必要を通産省は感じた。

その復興を図ることを目的として、金属工作機械、銑鉄鋳物、自動車部品など45業種について、通産大臣が合理化基本計画や生産技術向上基準を策定した。

これに基づいて、日本開発銀行と中小企業金融公庫が、関連企業に合理化設備資金を特別に低金利か無利子で融資した。つまり、中小企業に融資した。これは、中小企業の近代化を促進した法律でもあった。

この政策のおかげで、トヨタ自動車の部品を作る下請けの中小企業は、好条件で銀行から設備投資ができた。

これは一種の補助金のようなものだった。

補助金というものには、エンジニアは敏感であること。研究開発にはカネが必要だから。

(NHKでも民放でもドラマ化された城山三郎の『官僚たちの夏』に出てくる「指定産業振興法案」というのは、これがモデルかな?)

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(6) もう1つの例として、1971年に施行された機電法がある。正式名は、「特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法」である。

これは3年の時限立法で、9年続いた。機械と電子工業を機電一体化させて、アメリカよりかなり遅れていたコンピューターメーカーのソフトウエア開発を政府が後押しした。

この法律の制定により、通産省は、富士通と日立製作所、NECと東芝、沖電気工業と三菱電気の3グループ体制に分けて、5年間で約650億円の資金援助を行って国産コンピューター開発を急がせた。

日本の自動車産業は、この法律によっても大いに恩恵を受けた。自動車の電子部品の発達は、この法律の施行のおかげ。

10年刻みで産業政策は変わるので、そういう点も抑えておくこと。

( 通産省って、頑張っていたんだなああ………官僚主導の民間産業発展!優秀だったんですねえ、日本の高級官僚!今も優秀かな?)

(7) 1984年に、トヨタ自動車はケーラム(Caelum)の開発を開始した。

Caelumつーのは、CAD /CAM の設計・製造支援システムの開発と販売と保守などのサーヴィスのこと。世界標準化を開始したのだ、トヨタは。

http://www.caelum.co.jp/

(CAD/CAMというのは、製品の設計と製造のそれぞれに使用されるコンピューターシステムを指す用語らしい。工学部では当たり前の用語らしい)

(8)2002年に、トヨタ自動車はCATIA を導入した。いよいよ世界標準の製品をめざす。CATIA は、Computer Graphics Aided Three Dimentional Interactive Applicationの略語。

(キャティアというのは、ハイエンド3次元CADソフトシリーズだそーだ。意味不明だ)


CATIAなくしては、今の世界の中で企業はやっていけません!!

(9)エンジニアが仕事を発注されるとき、承認図方式と貸与図方式がある。

承認図は、自分で図面を書いて発注元に認めてもらう方式。貸与図は、発注元から図面を渡されて、こう作れと言われる方式。承認図を任されるほうが優秀なエンジニア。

トヨタから住友電装に技師( guest engineer)が送り込まれて、貸与図通りに部品を作ることもあるし、承認図を作成することもある。

(あ!『下町ロケット』」に出てきたような!)

(10) トヨタ生産方式は、公開されているものではなく、随時進行中なので、今のところ扱うのは、初期のトヨタ生産方式である。

(11) トヨタの工場に行って、トヨタ生産方式見せてくれと言ってもダメ。広報が出てくるだけ。下請けに行っても、1次や2次では見せてくれない。3次下請けぐらいだと、ちょっと教えてくれるかもしれない。

(12) 1978年にトヨタ自動車の故大野耐一(1912-1990)副社長が、一部を公開して、『トヨタ生産方式』という本を書いただけ。

(13)トヨタ生産方式の大部分は暗黙知である。トヨタ生産方式真似しても成功しない。暗黙知の部分を習得して、それぞれの企業にカスタマイズしないとダメ。

(14) トヨタ生産方式は、「儲けるIE」と言われる。IEとはIndustrial Engineeringのこと。

儲けるには、創造的な考えやイノヴェイションが必要となる。単なるIEは、単に工場の原価を下げるだけ。トヨタ生産方式には、顧客志向という考えが入っていて、顧客が望むならばコストアップもするが、ただし、コストアップは極限まで低く抑えようとする。

(15) トヨタ生産方式とは、行動様式そのもの。社員のベクトルをあわすこと。トヨタ生産方式に共感して能動的に仕事を行うこと。

(16) 東京大学経済学部教授の藤本隆宏氏の言葉によると、「何万もの社員が、いわば問題解決中毒になっているような状態。それがトヨタの凄みだ」。

(この藤田氏はトヨタから訴えられたこともあるそーだ。なんか書いちゃいけないこと書いたんかしら)

(17)トヨタ生産方式は、Just in timeと自動化(automation with a human touch)という2つの手法を基本にして発展した。

(18) Just in time とは……
(途中ですが、ここで覚え書きを中断します)

すみません。

ここから先は数日後に書きます。

いい加減に水曜日の講演会のパワポ資料を作成しなくてはいけません。

寝ます。眠たいです。

この調子では、本日5月23日の第7回ご講義の聴講のために三重県まで行けないでしょう。

渡邊先生、申し訳ありません。

明日の24日から、3泊ほど名古屋を留守にします。

数日したら、また読んでやってください。

そんなもん待っとれんわという方は、第6回ご講義の動画をご覧ください。

私がカットした、(渡邊先生が注目しておられる)企業情報も得られますよ。

お金のある人は、そーいう企業の株を買っておきましょう。

上場されているかどうか知らないけど。

この動画は、またも厚かましくもお願いして、渡邊明先生に送っていただきました。

ありがとうございます。

いやほんと、水準の高いご講義の動画を視聴した方が早いです。

すみません。

私って、ほんとにいい加減だな。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第6回講義 (1) 院生の質問に応えて

本日は、2017年5月21日日曜日である。

三重大学工学部大学院開講科目渡邊明先生ご担当の「生産管理論特論 1」5月16日第6回講義の内容紹介をする。

前回の第5回のご講義内容は、私の悪い頭では把握できなかった。

その理由について、私なりに考えた。

「トヨタ生産方式」というのは、テイラーの科学的管理法やフォード生産方式のように語ることができない。

なんとなれば、「トヨタ生産方式」は、終わって完結した方式じゃない。静止していない。

今でもドンドン変化している。

今でもドンドン改善されている。

20世紀半ばあたりから生まれて、ドンドン進化して、いまだに進化中なのだ。これからも、どうなって行くかわからない。

さらに言えば、「トヨタ生産方式」というものの全体像は、わからない。

基本的に、トヨタ生産方式というのは、企業秘密なんだからさ、外部に対して公開されているわけではない。

トヨタが「うちの生産方式はこれです〜」と宣伝してるわけではないし、啓蒙しているわけでもない。

トヨタが、「トヨタ生産方式」なんて自分の会社の生産方法を呼んだわけじゃない。

研究者が、そう呼んだだけだ。

ともかく、「トヨタ生産方式」の全体像は不明なのだ。

ドンドン変化していて、かつ全体像が見えないものを、サラッとまとめて講義することなどできない。

先週は、Just in Timeについて語り、今週は「カンバン方式」について語り、来週は「カイゼン」について語り、再来週は「アンドン方式」について語り、そのあとは「段取り時間短縮」について語る。

というように、順番に個別に語る方法では、「トヨタ生産方式」について語ることにならない。

トヨタで実践されている方法が考案された(であろう)時系列に従って説明するという方法では、 「トヨタ生産方式」について語ったことにならない。

だから、講義方法は、アプローチ法は、通常のスタイルを採らない。採ることができない。

であるから、とりあえず、トヨタ生産方式のあらゆる様相を、あらゆる角度から論じる。

それを繰り返すことによって、受講生の頭の中に、「トヨタ生産方式」なるものの像が、ジワジワと形成されていく。

毎回の講義において、「トヨタ生産方式」の様相を、それぞれに紹介し語る。

ただし、講義が進むにつれて、各様相はさらに深められて、さらに広げられて、語られる。

それが積み重ねられていく。

そうして、最終的に「トヨタ生産方式」なるものの像が、受講生の脳の中に結ばれて行く。

と、渡邊先生はお考えのようである。

しかし、そういう講義法が、私には理解できなかったのだ。

?????と、なってしまったのだ。

本日の講義のポイントは何?

本日の講義も、そのポイントの理解を促すように組み立てられているはずだ。

そのポイントが見えれば、脈略が私の中にできるはずだ。

そうすれば、理解できる。

という前提や姿勢で聴講していては、把握し損なうテーマがある。

トヨタ生産方式は、そーいうタイプのテーマなのだ。

そういうものであると知った以上は、簡単に理解しようなどと大それたことは思わずに、自分の硬い頭をオープンにして聴講させていただこう。

ところで、渡邊先生の第6回のご講義は、3つの部分から構成されていた。

前回の講義への院生の質問に対する回答と、工学部大学院生が知っておくべき「挑戦する企業」の何社かの紹介と、トヨタ生産方式に関する講義の3部分である。

本日は、受講生からの質問に対する回答ついての覚え書きをここに書く。

5月16日のご講義における質疑応答は10分くらいのものであったが、院生はわりと遠慮なくアホな質問を書くので、聴いていると面白いんである。

(質疑応答の覚え書き始まり。カッコ内はフジモリの声)

質問1: 理系のメリットは何か?企業のトップに就くの文系だそうだが、理系の生き残る道は?

回答: 今後はネットワークの経済が更に進行する。将来的には文系が生き残る道はないだろう。

(だろうなあ……理系素養がない純然たる文系では生き残れないだろうなあ。将来の日本の義務教育は、理数系科目について、非常にわかりやすく教えることに力を注ぎ、国民全員を理系にするつもりでないと、まずいのではないか。まず理系的思考。文系的思考は独学でもできるし、高齢になっても学べる。でも、科学的思考は、子どもの頃に、きちんと教えられないと身につかない)

質問2: なんで、トヨタ生産方式について学ばねばいけないのか?

回答: その時代に使われているシステムについて知っておかねばいけない。その時代に人気があって読まれ る本は読んでおかなければならないように。トヨタ生産方式を参考にしている企業もあり、業績を上げているが、トヨタ生産方式は真似しようと思っても簡単に真似できない。それは、組合や能力の問題かもしれないが、今現在でもっとも成功し成果を上げている生産システムを知っておくことは、工学部の学生にとって重要。

(なんでも勉強しておけばいいのに。そもそも、これは役に立つから勉強するなんて姿勢は貧乏くさいわ)

質問3: トヨタ生産方式の「段取り替え」は10分以内でするとのことだが、前はどれくらいかかっていたのか?

回答: 前は1日ぐらいかかった。ベルトコンベアが止まるような設備を止めないとできないようでは生産性は上がらない。設備を稼働させつつ、もしくは設備停止時間を大幅に短縮しつつ、可能な段取り替えの考案は必要。段取りのために設備が止まる時間は10分未満にする。さらに、瞬間的に段取り完了できる方向に行っている。

(「段取り替え」というのは、トヨタの多品種少量生産という需要に対応し売れる物を作るために必要となる作業である。多様化するニーズに合わせて、注文が入ったら生産する。そうなると、設備や生産ラインの段取り回数が増える。段取り替え時間の短縮のために必要なのが作業手順の標準化。その手順を繰り返し訓練すると、段取り時間は大幅に短縮される。1日かかる段取り替えを10分以内で済ませるなんて、とんでもない偉業だ……)

質問4: トヨタ生産方式は在庫を嫌うそうだが、在庫がなぜ嫌なのか?

回答: 在庫はカネがかかる。倉庫費、運搬費、管理費などの在庫管理費用がかかる。錆などの劣化もある。「仕掛品」(しかかりひん)を避けたい。仕掛品とは、製造工程の途中の製品になっていない加工中のもの。それ自身での販売や交換価値は見込めない。この仕掛品もなるたけ減らすのが課題。

(トヨタは1950年代最初に、在庫を抱えて倒産しかけたことがあったんだぞ)

質問5: うんと知識を詰め込めとおっしゃるが、それは文系の話ではないか?

回答: 商品は知識の束。いろんな知識の総合力。でなければ猿真似の商品。

(理系は天才的ヒラメキさえあればいいと思ってるのかね)

質問6: ホンダのエンジンは逆回転だったそうだが、何かメリットがあったのだろうか。

回答: 本田宗一郎さんが他社と違うことをしたかっただけ。逆回転エンジンは部品がひとつ余分に必要なので無駄なことなのに。

(ここらあたりは、エンジンの仕組みもわからない私には無理)

質問7: エンジンや変速機は、これからモーターや電池に取って代わられるのではないか。電子技術や電気の時代になるのではないか。

回答:すでに、そうなっている。

( こーいう質問も私にはわからない。エンジンは内燃機関であり、と言われてもピンとこない。人工知能による自動運転自動車つーのは、電気自動車なんかな?)

(質疑応答の覚え書き終わり)

いやあ……毎回のご講義を集中して聴くことは、疲れる。

知らないことばかりを聴くのは疲れる。

考えながらノートを取るのは疲れる。

回を重ねるごとに、ご講義内容の覚え書きを作成することは容易ではなくなっていく。

しかし、挑戦することは面白い。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第5回講義: トヨタ生産方式前哨戦

本日は、2017年5月15日月曜日である。

すみません。

三重大学工学部大学院開講科目の渡邊明先生ご担当「生産管理論特論1」の第5回ご講義内容の覚え書きを作成できません。

すみません。

第5回ご講義を聴講させていただいた時に取ったノートを見直しても、なにゆえか、私の脳の中に、私なりの覚え書きを作成するだけの脈略が作れません。

渡邊先生は、私の理解力の無さを理解してくださり、第5回ご講義の動画ファイルを送ってくださった。

私は、その動画を3回視聴しました。

それでも、私の脳の中に脈略ができません。

なんでだろ。

認知症かもしれません。

疲れているのだろうか。

あと数回視聴すれば、脳の中に脈略が形成されるかもしれない。

しかし、もう明日は第6回目のご講義である。

すみません。

もう、みなさま、私の支離滅裂覚え書きより、渡邊先生のご講義の動画を視聴なさるほうが早いです。

渡邊先生、申し訳ありません。

元気になったら、一時的認知症が治ったら、覚え書きを作成して、ここに加筆します。

渡邊先生のご講義のファンの方々、とりあえず、ちょっとの間、お待ちください。

というより、動画をご覧ください。

他人の発明のおかげで生きる—トヨタ産業技術記念館は人類の奇跡を見せてくれる!

本日は、2017年5月13日土曜日である。

昨夜から雨。起きたら土砂降り。

うわあ、トヨタ産業技術記念館に昨日のうちに行っておいて良かったなあ。

トヨタ産業技術記念館は、名古屋駅をちょっと北に行った西区則武新町(ノリタケシンマチ)にある。

なんで、私はトヨタ産業技術記念館に行ったか。

三重大学工学部大学院渡邊明先生ご担当の「生産管理論特論1」のご講義内容は、「トヨタ生産方式」に移ってきたのであるが、「自動車工場」というのが私にはイメージがわかない。

これではあかんと思い、トヨタ産業技術記念館に行ってきた。

自動車の製造工程くらい展示してあるんじゃないの?

なんか外国人観光客も多いと聞くから、特定分野の「博物館」としてマトモなんじゃないの?

渡邊明先生が福山市立大学ご在職中は、ゼミ生をよく、このトヨタ産業技術記念館に引率していらした。

三重大学工学部の院生にも、トヨタ産業技術記念館に行くことを推奨しておられる。

Facebook友だちの元同僚もゼミ生を必ず、このトヨタ産技術業記念館(しつこいね)に見学に連れて行くそうである。

で、行ってきた。

で、びっくり!!!

な、な、な、な、なんておもろいの〜〜!!

立派な博物館です!!

無茶苦茶に感心した!!

カフェやレストランやトイレやショップや喫煙所などの設備もきちんとしている!!

スタッフも感じいい!!

展示物は超充実!!

動画で説明するコーナーも装置もバッチリ!!

英語でも中国語でも大丈夫!!

これなら、先進国から来た観光客の方々に見せても恥ずかしくない!!

名古屋に来てもらっても、名古屋城もフツウだしなあ……食いモンが特に美味いわけでもないしなあ……住民にとっては住みやすいけれども、他国の方々に特に見ていただきたいものはないなあ……

と、私はずっと思って来た。

が!! やっと見ていただきたいものができた!!

ここだ! トヨタ産業技術記念館だ!!

やっと名古屋人として、見せびらかしたいものができました!!

キャハハ。

トヨタの自動車博物館みたいなもんは、別に存在する。

トヨタ博物館。豊田市にある。

そこでは、自動車の発展の歴史を勉強できる。

フォードT型も置いてあるそーだ。

でも、この名古屋市のトヨタ産業技術記念館は、明治以降の日本を牽引してきた産業技術のひとつである織機(しょっき)の発展から、自動車製造へ、さらに未来に向けてロボットを……という過程を見せてくれる。

上のパンフレットの表紙の写真は、東京帝国大学工学部出身の創始者豊田佐吉(1867-1930)が発明した環状織機だ!

1906年に発明された。回転円運動によって布を折り上げる。

なんて、カッコいいの!

豊田佐吉。

おお〜〜懐かしい名前である。そういえば、「郷土の偉人」として小学生の頃に学んだなあ。

豊田佐吉は、生涯で発明特許84件、外国特許13件、実用新案35件の発明をした。

日本のエジソンである。

トヨタグループ16社を率いるトヨタ自動車の前身は、織機(しょっき)、繊維を織る機械を作る「豊田紡織株式会社」であった。

その創業の本社工場跡に設立されたのが、トヨタ産業技術記念会館だ。

建築史的にも貴重な赤レンガの建物である。

まず、繊維機械館に行く。

ここが超おもしろい。

まず、糸紡ぎ作業の説明と実演。

説明し実演するのは、綺麗な若い女性スタッフである。

英語もできるよ。

そうさ、白いコットン綿の実を採取して、どうするんか。

綿の実から種を取り出す。その後をなんかして(忘れた)、フワフワになった綿の塊から繊維を引っ張り、それをひねることで、糸を紡ぎ出す。

この糸車。糸紡ぎ車。天才。誰が考案したのか?人類の恩人。


この糸車つーのは、残っているものに限って言えば、世界中で同じ形をしている。

ということは、源はひとつだ。

誰かが発明して世界中に拡がったの。

糸を作って、糸を組み合わせて織る。

人類は「織る」ということを学んだ!

そして、織り機の誕生。

画期的な発明だ!

七夕の織姫さまも、「夕鶴」のつうも、この織り機を使ったのだ。

縦糸を上からぶら下げて、そこにツムで横糸を通し、パタンと板を下ろし、横糸と縦糸をピッタシ寄せて合わせる。それを延々と繰り返す。

そして「布」ができる。

綿の実から糸を紡いで、縦糸と横糸に分けて、縦糸と横糸を組み合わせて織ると「布」ができあがる。

こうサラッと書くと簡単だけれども、このプロセスは異常である。

誰が、綿の実から、そんなことを考えついたのか?

そもそも綿の木の実に誰が気づいたのか。

綿の木の原産地ってインドあたりかな?

エジプトかな? メキシコという説もあるな。

ともかく、インドとかエジプトから日本に綿の木とか種を持ってきた人がいたんだ。

それも、相当に早い時代に。

「古事記」には、スサノオノミコトが、わた織り作業場に皮を剥いだ馬の死体を投げ込んだんで、織り子の乙女がショック死して、アマテラスオオミカミがカンカンに怒ったと書いてある。

あのフワフワの綿の実を糸にするなんて、それ自体が奇跡じゃないか。

糸という概念はどこから生まれたん?

誰が、綿の実から繊維を取り出し、繊維を捻って糸にできると思ったのか?

誰が、その糸を組み合わせれば、縦糸と横糸を組み合わせたら「布」になって使えると思いついたのか?

こんなこと人類が思いつくとは思えない。

これは、神と呼ばれた宇宙人に教えてもらったに違いない。

その宇宙人は、地球上のあちこちに行って教えたんだ。

技術指導ね。

それまでは人類は裸だった。

殺して食った動物の毛皮を身につけていた。

綿の栽培を知らなかったヨーロッパ人は、毛皮の毛を紡いだ毛織り物しか知らなかった。

ゴワゴワの毛織り物を素肌に身につけていたのだ。

だいたい、羊の毛を刈って毛糸にして編めばいいと誰が思いついたのか。

そもそも編むという作業そのものを、誰が考案したのか。

草なんか編んで草履にしたり衣類にしたり。

毛織物も綿織物も、すさまじい発明である。

毛織機も綿織機も、とんでもない発明である。

インターネットなんか足元にも及ばない技術改革だ。

大昔なんて、庶民は何枚も衣類なんて所有できなかった。

普段着と晴れ着の2枚あれば十分だった。

断捨離無用だった。zozotownの古着買い取りサービスを利用するほど衣類が溜まるなんて、ありえなかった。

江戸時代なんて、京都や大阪の富裕層の着物の古着を船であちこちに運んで、庶民に売りつけていた業者は、すっごい儲かった。

大阪から瀬戸内海を行き、下関から日本海沿いに進み、あちこちに古着を届けた北前船が有名だ。

(この図は、https://n-story.jp/topic/35/page1 から拝借しました〜〜)

日本は四方が海だから、海は路だから、流通には便利だ。流通列島よ。

今は富裕層が購入して売った高級ブランド品が、リサイクル市場に流通しているから、昔と同じか。

それはさておき、毛織機といい綿織機といい、織機の発展はすさまじい。

そのすさまじい発明のおかげで、私は快適に暮らして来た。

冬は毛織り物に包まれ寒さをしのいできた。

夏は爽やかなコットンで。

しかも安価で質のいいものだ。

無数の無名の人々の発明やイノヴェイションによって発展して来た人類社会のおかげで、私は生きてこれたし、生きている。

糸車の実演を見せてもらって、技術の発見考案発明という奇跡でいっぱいの人類の歴史に、私はあらためて圧倒された。

すぐに感動する安っぽい64歳。

人類が滅亡するはずない。

人類は、必ず奇跡を生み出していく。

最初の段階から、私は小学生のように興奮してしまった。

すごい〜〜

すごい〜〜

下の写真は、1890年(明治23年)に豊田佐吉によって発明された「豊田式木製人力織機」の実演。機織り実演。


「豊田式木製人力織機」だと、人間がツムを持って縦糸に横糸を通さなくていい。

これで、綿織物の生産性が5倍になった。

1924年に発明された特許が取られた「無停止ナンタラ式豊田自動織機G型」になると、生産性は数十倍。

人間ひとりで30の織機をコントロールすることが可能になった。

その説明は中年の男性スタッフである。

脳足りんの私は、ここらあたりから、機械の仕組みがわからなくなった。

何よ、これ?

これは、「ガラ紡」と呼ぶ。

綿を直接に糸にする機械だ。以下の動画を見てください。

私は、この繊維機械館に非常に心惹かれた!

織機のイノヴェイションは面白い!!

金属加工コーナーも、面白かったなあ!

スティールを2400度で熱してから、型抜きする。

2400度なんて高温を人間は作り出せるんだ。

高齢の男性スタッフの説明が明快である。

そこから先が、自動車館。

ここから先は書かない。

Seeing is believingよ。見た方が早いよ。

変な脳足りん映画見てるより、はるかにワクワクするぞ。

技術の発展って素晴らしい。

発明家たちは素晴らしい。

技術を守り伝える人々は素晴らしい。

私は、その人類の奇跡になにひとつ寄与することはできない。すみません。

私は、その恩恵だけをいっぱいに享受して生きてきた。

なんて幸運なんだろう、私って。

前世に、よっぽど良いことしたんかしらん。

なはずないわ。







ミュージアム・ショップで、私は名古屋名物の「スガキヤ ラーメン4人分セット」と「ひつまぶし、味噌カツ、手羽先ふりかけ」を購入した。

アホやね。

下の動画は、パートナーロボットのバイオリン演奏だ。

一曲目は、中国民謡の「茉莉花」だ。ジャスミンね。

これ、例の米中会談のときに、トランプ大統領の長女のイヴァンカさんの長女のアラベラちゃんが、習近平さん歓迎で歌ったやつである。中国語で。

この歌は、中国では放送禁止なんですが……チュニジアのジャスミン革命に刺激を受けた中国人庶民が、この歌を中国の民主化運動のシンボル・ソングにしたんで……

二曲目は、エルガーの「威風堂々」だった。

このロボットのデザインは、トヨタの高級車レクサスの初代デザイナーの方が担当なさったと、渡邊明先生に教えていただいた。

男前のロボットである。

トヨタは、人工知能開発中〜〜〜〜

愛知県の経済のみならず日本経済を支えるトヨタ。

世界の雇用も支えるトヨタ。

超大企業は法人税を誤魔化すかもしれない。税金を使って工場近辺のインフラを整備させる。下請けに無理難題を吹っかけるかもしれない。

でも、雇用を創出して、社員に給料払って、社員はその給料から税金払って、買い物して需要不足を解消し、消費税払うんだからさあ。

超大企業からすれば、俺たちが日本国家を食わせているんだぞ〜〜の気分だよね。

その気概をいっぱい発散しているトヨタ産業技術記念館でした!

三重大学工学部大学院「生産管理論特論 1」第4回講義 フォード生産方式

本日は、2017年5月8日月曜日である。

今日は、5月2日に開講された三重大学工学部大学院の渡邊明先生ご担当「生産管理論特論1」第4回ご講義の内容を紹介する。

とはいえ、私は第4回ご講義は聴講できなかった。

上海旅行でドタバタして、くたびれきって名古屋から三重県津市まで行けなかったから。

でも、ありがたいことに、渡邊先生が第4回ご講義の「前回に関する質疑応答」部分を省いた約45分間のご講義の動画を送ってくださった。

だから、今回はYouTube動画を視聴しつつノートを取った。

動画だから何度も聴ける。

いつもは、講義を聴きながらとったノートを読んで私なりに頭の中で組み立てた内容を、ここに覚え書きとして、記述している。

でも、今回は動画で視聴したまんまの順番で書く。

ところで、90分講義なのに45分動画?

ということは、45分間も質問コメントに回答しておられたのか?

受講生の約120名の院生の中には、コメントペーパーに「こういう講義は役に立たないと思う」と書くのがいるそーである。

驚くわん。

国立大学の大学院生でっせ。

最後の勤務先の大学の学生の中には、「英語に関係ないことをしゃべった」と私の担当クラスの授業評価アンケートの自由記述欄に書く奴がいた。

まあ地方の公立大学だから、ただただ真面目に受験勉強して、余裕がなくて、伸び代 がもう全く残ってない類の頭が硬いのが入学しやすいのかもしれない…..気の毒やねえ……

と、私の事例は納得できる。

しかし!

国立大学の大学院生にして、そんなにアホなのか。

学んだことはみな役に立つんだ!!

無駄な経験とか、無駄な知識というものはないんだ!

これは役に立つとか、これは無駄とか、グジャグジャ計算するなんて、くだらない。

脳の中にはいくらでも入るわ!

胃袋とは違うんだ!

ネットは広大だわ……

じゃない、これはThe Gost in the Shellの台詞だ。

脳内世界は無限だぞ!!

税金で勉強している身でありながら、なんで、そうも心理的にキャパシティがないんかねえ!?

精神的三畳一間!

ということで、第4回ご講義のテーマは、「フォード生産方式」だ!

( ご講義内容 覚え書き 始め)

(1) 前回の「テイラーの科学的管理法」の時間研究(時間要素研究)と作業研究が、熟練の移転を可能にし、分業というものを可能にし、後の大量生産を可能にした。

(2) 1908年以降のフォード自動車の「フォード生産方式」は、テイラーの科学的管理法の応用。第二次世界大戦後の40年代から発生し、試行錯誤され1980年代に脚光を浴びた「トヨタ生産方式」も、テイラーの科学的管理法の発展応用形。

(3) テイラーの科学的管理法は、ブルーカラー労働者を効率的に使うために作業を標準化し、賃金システムを変えた。反労働者組合主義であった。経営者にとっての管理運営のし易さと、利潤の増大に貢献する合理化がテイラーの科学的管理法だった。要するにコスト・ダウンのための管理法だった。

(4) であるから、今現在でも、テイラーの科学的管理法の発想は使える。中小企業の経営においては、まだまだ、このコスト・ダウンを実現する管理法は有効である。

(5)  留意すべきことは、ここから、20世紀初頭から、今現在のホワイトカラー労働者(上層労働者)のリストラの芽は生まれていたということ。生産現場の作業の標準化、マニュアル化、「誰でもできる化」の次は、意思決定を担うホワイトカラーの頭脳労働のプログラム化、「誰でもできるか化」である。しかし、これはまた別の話。Anothet story。

(5) ともかく、先鋭的技術を取り入れることは組合の反発が非常に強かったのが、20世紀初頭だった。テイラーの科学的管理法も、幅広く採用されるまでにはいたっていなかった。

(6) ところが、第一次世界大戦が1914年に始まり、1915年にアメリカが参戦すると、アメリカは戦時体制となり、生産性を高める必要に駆られた。で、アメリカ政府もテイラーの科学的管理法を採用するようになった。

(7) テイラーの科学的管理法から発展したフォード生産方式ではあるが、T型フォード自動車の生産が始まったのは1908年だった。T型フォードは1927年まで生産されて、累計1500万台生産された。ちなみに、フォード自動車Ford Motor Companyが創立されたのは、1903年。

一時期は、フォード・モーターは、全世界の自動車生産の3分の1を占めた。

フォードより後に創立されたGM(General Motors)やクライスラー(Chrysler)の後塵を排するきらいはあるが、現在でも、フォード・モーターは健在である。創業者の子孫に受け継がれてきている。GMやクライスラーと並び、アメリカの自動車会社ビッグ3のひとつだ。

下の写真がT型フォード。色は黒しかなかった。

この自動車がアメリカのみならず世界の産業と交通に革命をもたらした。

下は改良された進化系フォード。カッコいいな。

チャプリンの無声映画によく出てくる自動車だ。

(8) ただし、フォード・モーターの創立者のヘンリー・フォード(Henry Ford: 1863-1947)の理念は「企業はサーヴィスを提供する機関」というものだった。利潤追求は第一次的なものではなかった。

フォードさんは自動車を発明したわけではなかったけれども、世界における自動車の普及に最大の貢献をしたことは確か。それも、「企業はサーヴィスを提供する機関」という理念あってこそ。

(上の写真はフォードさん)

(9) 後年、「マネージメントの父」と呼ばれピーター・ドラッカー(Peter   Ferdinand Drucker : 1909-2005) が、似たようなこと言って、Neo-Fordismと呼ばれた。

ドラッカーの著作は非常に多いけれど、『現代の経営』上下巻ぐらいは、最低読んでおこう。これは必読書であり、経営者のバイブル。


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(フジモリは、『経済人の終わり』が好きですが……)

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(10) ドラッカーのことはさておき、ではフォード・モーターが目指したサーヴィスとは何か? まず、多くの人が入手できる安価な自動車を生産販売すること。

(11) 安価な自動車を生産するためには、コストダウンを可能にする生産管理が必要である。また安価を維持するために、車種はひとつだけ。T型のみ。色は黒色のみ。

(12) 製品を単純化し、 1車種大量生産すれば、コストは下がる。規模の経済を達成するとコストは下がる。

(13) まず、フォード・モーターは、部品を規格化した。

(14) 部品を規格化すれば、部品の互換性が可能になる。

(15) T 型フォードは、T型フォードであるならば、部品はみな同じ規格で作られ、故障すれば、そこの部品だけ取り替えればいい。

(16) この部品の互換性については、銃製造会社のコルト社Coltを参考にした。銃って衝撃でぶっ壊れやすい。特に戦場ではそうだ。部品のスペアがないと困る。部品に互換性がないと使えない武器ばかりになる。

(17) 部品の規格化といい互換性といい、今はそんなこと当たり前のことだと思われるが、当時としては画期的だった。この部品の規格化と互換性担保は、その重要性を諸外国が理解するのに時間がかかった。

(18) たとえば、太平洋戦争で活躍した零式戦闘機、ゼロ戦であるが、なんとゼロ戦の部品は規格化されていなかったし、互換性もなかった。一機のゼロ戦が壊れたら、その部品を他のゼロ戦用に使用するということができなかった。信じられないだろうが、これは事実だった。

(よく、そんなもんに生身の人間を乗せたよな。旧日本軍のそーいういい加減なその場しのぎの戦略性のなさが……)

(19) 一方、アメリカのグラマン機は壊れても、他のグラマン機の部品を使えば良かったし、部品ストックから必要な部品を持ってくれば良かった。


(むっかつくわ……)

(20) なんと、部品の規格化と互換性担保について、日本の製造業に、たとえばトヨタに徹底されたのは、やっと1980年代に なってからだった。なぜ、そういう事態であったのかについて話すと長くなるので、今回は取り上げない。

(21) ともかく、部品の規格化には寸法を測る装置を一律にするとか、部品製造用の工具を特定の決まったものにしておく必要があった。製造作業を徹底的に分業化して、誰でもできる単純作業にしておくことも必要だった。

(22) 単純作業の分業に利用されたのが、ベルトコンベアー( belt conveyor)であった。ベルトコンベアーというものは、すでに1830年代には存在していたようだが、1901年にスチール製のベルトコンベアーが発明された。生産現場に登場し積極的に活用されるようになったのは、1913年から。フォード・モーターの工場の流れ作業においてであった。

(23) ベルトコンベアーは一定の速度で動き、ベルトコンベアーの前に作業員が間隔をあけて立っていて、流れ作業をする。たとえば、作業員Aは、自動車の基部を設置する。作業員Bは、自動車の基部の上に座席を設置する。作業員Cは、自動車の前の部分を設置する。同じ作業を、同じ時間内に淀みなく遂行する。分業化され単純化した労働は時間でコントロールされる。

(24) こうなると、出来高払い制という給与システムは消える。みな同じ類の単純作業の流れ作業で、同時間働くのだから。ここらあたりから、日給制になった。

(25) Ford Motor Companyは、利潤追求型企業ではなかったので、給与は高かった。社会に有益なサーヴィスを提供するのが企業の目的ならば、そういうサーヴィスを具体的に形にする従業員の給与は高くあってしかるべきだから。

(覚え書き 終わり)

フォード・モーター創立者のヘンリー・フォードってのは、反ユダヤ主義者であり、ユダヤ陰謀論をアメリカに広めちゃった人物でもあるので、私のイメージは決して良い方ではなかった。

しかし、調べてみると非常に面白い人物だ。

農場主の長男として生まれて、懐中時計の分解が大好きな少年時代をおくり、デトロイトの会社の見習い機械工として就職し、転職して蒸気機関の操作を学び、蒸気機関の修理工になり、ついでに簿記を学んだ。

ズバリ「工学部で経営学」だ。

理系だけど、マネージメントもできるよ、だ。

1891年にエジソンの会社に入り、技術者として内燃機関を研究した。

1896年に自作4輪自動車を制作し、1899年に「デトロイト自動車会社」を創業した。この会社はうまくいかず解散。

出資してもらって、1901年にHenry Ford Company 創業して、フォードはチーフ・エンジニアに就任した。

しかし、コンサルタントとして雇われた人物が嫌で、ここを去った。この会社はキャデラックになった。

紆余曲折あり、またも出資者を得て、Ford Motor Companyを結成。

ヘンリー・フォードの人生の軌跡は、まさにアメリカという国の産業の隆盛の軌跡と重なっている。

アメリカの金融・経済・経営の発展の軌跡と重なっている。

ヘンリー・フォードは、アイン・ランドが『肩をすくめるアトラス』で祝福した起業家、企業家、発明家そのまんまだ。

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ハンク・リアーデンみたいだな。

ハンク・リアーデンとは誰か?

『肩をすくめるアトラス』読んでちょーらい。

良質のアメリカ人が憧れるアメリカ人像がいっぱい登場するから。

スティーヴン・バノンさんや、ピーター・ティールさんみたいなのが、いっぱい登場するから。


(バノンさん、いいなあ!こーいうガッツあるおっちゃん好き)


(アイン・ランドの小説みたいに、アメリカの中に別のアメリカを作りたいと海上都市国家を建設しようとしたんでっせ〜〜〜この人)

ともかく、ヘンリー・フォードは、アメリカにおけるイノヴェイションと経営学が手を結んで20世紀を推進した時代のトップ・ランナーだ。

アメリカ帝国の礎を造った立志伝中の人物がヘンリー・フォードだ!!

と、やっぱり人文系の私は、「生産方式」よりヘンリー・フォードという人物について調べてしまうのだった。

さて、次の第5回ご講義は、いよいよ「トヨタ生産方式」だ!

理解できますかねえ……

(備考)

この拙文を読んで下さったアメリカ史の研究者で私の母校の南山大学の後輩にあたる女性が教えてくださった。

フォード・カンパニーの給与が高かったのは、社員に自社の自動車を買わせたいということだったって!

やっぱ、発想がまっとうよね。

当時の平均給与がいくらで、T型フォードがいくらだったのか、気が向いたら調べて、ここに加筆しておきます〜

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第3回講義(2) テイラーの科学的管理法

本日は2017年5月7日日曜日である。

黄金連休も今日で終わりだ。

今年の春はずっと気温が低かったけれど、一昨日あたりからちょっと汗ばむようにもなった。

今日は、三重大学工学部大学院での渡邊明先生ご担当「生産管理論特論1」第3回ご講義の後半部分の紹介をする。

4月25日に開講されたものであり、ノートだけが頼りであるので、理解ができているとは思えない。

ともかく例によって例のごとくポイントフォームで書く。

正直言えば、私は政治関係は興味あるが、経済や経営や金融関係には関心がない。

「経営学」って、全くわからない。

だからこそ、私は渡邊先生のご講義を聴講させていただくのだ。

わからないことを聴くというのは脳にいいのだ。

否が応でも視野は広がる。

わからなくても、経済学も経営学も金融も齧りたい。

数学や物理学については、齧るどころか歯が立たないので、諦めている。

今のところは。

今のところは、だ。

理科のいまどきの教科書も数学のいまどきの教科書も、ちゃんと買って持っている。

生きているうちに、何でも理解したい。

何でも必死で吸収したい。

さもないと、疲れ切って死ねない。

Die emptyよ。

生きるだけ生きて、空っぽになって死ぬのよ。

「もう、やれるだけやったもん、いいじゃん」と思えないと死に切れない。

私は、教師の能力は私にはない!と身に染みてわかるまでは教師やった。

だから、教師を辞めても、なんも寂しくない。

大学という場所でも末端の教育サービス労働者として、やれるだけやった。その空虚さがわかるまで、やった。

だから、大学を退職しても、なんも寂しくない。

やれるだけやれば、気がすむ。捨てることができる。清々しい気持ちで次に行ける。

私は、清々しく、この世に未練なく死ぬのだ。

で、二度と生まれ変わらない。

ところで、アイン・ランドは、「お金」についていろいろ書いたけど、本人は晩年近くなっても普通預金口座しかもってなかった。

株とか投資信託とかはもちろん、定期預金すらよくわかっていなかった。

ユダヤ人とは思えない。

弟子のひとりがそれを知って仰天して、預金の一部を投資したりする手伝いをした。

それぐらいに金に関して鈍感 なところがあったので、アイン・ランドは借金しても返済していないことを、死後に言われたりした。

従姉妹から借りた金だから、いいだろ……と思う金に対する、その鈍感さよ。

ユダヤ人か、ほんとに。

アイン・ランドは金を貯めることにも、あまり興味がなかったようだ。

医療保険に入っていなかったのか、そこらあたりはわからないけれども、70歳過ぎて肺癌になったときは手術代が払えなかった。

これも弟子がメディケアという高齢者医療福祉制度に申請して、何とかなった。

近代合理主義のお化けみたいなこと書いてるくせに、アイン・ランドは金については、ほんとに無用心で迂闊だ。

まあ、私も、そこそこお金音痴であり、経済学も経営学も金融もわからんのよ。

そのダメな私がまとめたものであるので、内容については全く保証しません!

渡邊先生、すみません!

第3回講義の後半は、「テイラーの科学的管理法」についてだった。

アメリカの経営学business management の胎芽期は、1900年から1910年代にかけてだった。

フレデリック・ウインズロー・テイラー(Frederick Winslow Taylor: 1856-1915) が発案した科学的管理法Scientific Managementから始まった。

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アメリカにおいて、経営が近代化されたのは、テイラーさんのおかげ。

経営学というものが、世界に先駆けて、アメリカの大学で1番早く教えられたのも、元はといえばテイラーさんのおかげ。

ケンブリッジ大学やオックスフォード大学では、1930年代にいたるまで経営学を教えていなかった。そーいう学問分野はなかった。

歴史を学べば、経営なんてものはできるっていうのが当時の英国のアカデミズムの姿勢だった。

つまり、英国人は、経営学ってものを人間学みたいに思っていたらしい。

利潤を得て、利益を上げるためには、どうすればいいかを合理的に考える学問とは思っていなかったらしい。

だから、資本主義の闘争においては、英国はアメリカに負けたんよ。

知らんけど。

このテイラーという人は、フィラデルフィアで生まれた。時代は南北戦争前夜だ。

お父さんが弁護士で、自分も弁護士になろうとハーバード大学の法学部に入学したけれども、弁護士にはらなかった。眼を悪くしたから。

と、Wikipediaに書いてあった。

1874年に機械工見習いになった。エンジニアになり、フィラデルフィアのミッドベール・スチール社に入った。

そこで、高速度鋼(high-speed steel)を発明した。高速での金属材料の切削を可能にするべく、工具の材料として開発された鋼だ。

ハイスピードでカッティングできる刃物やね、つまりは。

「ハイス」と、業界では呼ぶらしい。

その他に、テイラーさんは、工学関係の特許を200ぐらい取得した。

在職中に、スティーヴンス工科大学から工学修士の学位を得た。

だから、アメリカ経営学の父というよりも、機械工学の天才って感じの認識をされている。

かのマネージメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、「マネージメントのほんとうの父はテイラー博士だ」って言ったのだけれども。

まあ、ともかく、このテイラーさん、すごい。

こういことを考えついて体系化できるって、すごい。

フォード生産方式も、トヨタ生産方式も、このテイラーさんの科学的管理法がなければ生まれなかった!

テイラーさんは、他の会社にも入って、科学的管理法を完成させて、退職後はコンサルティング会社をつくり、いろんな会社を立ち直らせた。

まあ、「労働者搾取を科学的にしただけだ」という批判も労働組合からされてきたけれども。

まあ、私もそう思うけど。

まあ、しかし、他人を搾取しないと利益はないよな。

win win gameって、あるんかしらん。

(講義の覚え書き 始め)

(1)20世紀初頭当時のアメリカは、すでに機械化が進んでいたが、工場の生産性は上がっていなかった。

(2)経営者側は、その場しのぎの成り行き的経営だった。生産現場では内部請負制であった。内部請負制というのは、熟練工が経営者から仕事を請け負い、親方は自分の裁量で未熟練工に仕事を割り振るシステムである。経営者が、生産現場の管理・監督ができないシステムであった。

(3)賃金は出来高給であった。1個作ったらいくら的賃金体系であったが、非効率な生産がなされ、組織的怠慢がはびこっていた。

(4)どうして怠慢が労働者にはびこるかというと、労働者は経営者側に不信を持っていたから。その場しのぎの成り行き的経営に振り回され、1つできたらこれだけの賃金的に働いていたのに、出来高賃金をカットされたりして、労働者は自分たちの労働が適正に評価されていないと思ったから。

(5)一方、経営者側も、労働者がきちんと働いていないと思い、労使間協調体制はできていなかった。

(6)テイラーは、管理運営と生産力評価(賃金体系)について、客観的基準(科学的管理法)を作ることが必要だと考えた。経営者にとっても、労働者にとっても、納得できる基準である。

(7)テイラーの作った科学的管理法の原理は、「課業管理」と「作業の標準化」と「作業管理のために最適な組織管理」であった。

(8) 課業管理task management とは何か? 労働者のタスクを合理的に決定し、賃金率も合理的に決定し、それらを基準にして、生産活動を計画的に実施することである。

(9)まずは、労働者に課す1日の作業量( a fair day’s work)の基準を決める。期待される労働者像を設定し、そーいう労働者ならば達成可能であると見込まれる作業量を測定する。

(10)どうやって測定するのか? まず、一連の作業を細分化する。それぞれの作業にかかる時間を測定する。これを時間研究time studyとテイラーさんは呼んだ。

(11)ほんとに熟練工の作業工程をひとつひとつ分解して、その熟練工の背後でストップウオッチ使って、それぞれの作業時間を図った。

(12) 次に、熟練工の無駄のない作業の動きを観察する。一番合理的な動作=一番早く作業が終われる動作をキャッチしていく。これが動作研究。motion studyだ。

(13) どんな工具を使い、どのように工具を使えばいいのか、それも調べた。

(14) このような時間研究と動作研究によって、一番仕事が進み早くできる作業法が明らかになった!作業の標準化ができた!

(15) 作業の標準化は、作業のマニュアル化でもある。

作業工程を全部きちんと無理も無駄もムラもなくできるのが熟練工だけれども、この熟練工の動きひとつひとつを1…2…3…4…5と分けて、1の作業は、もっぱらAさんがして、2はBさん、3はCさんがやれば、非熟練工でも、熟練工と同じ水準の作業工程を達成できて、熟練工の業績と同じ質の製品ができる。

(16) このようにマニュアル化された作業ならば、誰でもできる。

(17) 19世紀末から20世紀初頭は、英語のわからない移民が、特に東欧から大量にアメリカに流入した時代である。低賃金で使える移民労働者を使わない手はない。彼らでもできるような単純作業の蓄積のすえに、きちんとして製品を生産するには、マニュアル化が必須!

(18) これを「熟練の移転」と呼ぶ。ひとりの賃金の高い熟練工より、低賃金の非熟練工を複数雇って、それぞれに、それぞれの作業だけさせれば、熟練工と同じ生産性を、複数の非熟練工で達成できる。

(19) このような生産様式は、職人芸のようなヒューマン・ファクターに依存しないですむので、課業管理が容易になるし、生産量の計画もしやすいし、コントロールもしやすい。

(20) テイラーさんは、それだけでなく、労働者にインセンティヴを与えるような賃金システムも考えた。基準どおりに課業を達成した工員とそうでない工員に対し、異なる賃金率で報酬を支払うことにした。これが差別的出来高制度。

(21) 同一の作業に対して高賃率と低賃率を決めて、作業が決められた最短時間内にミスなく遂行された場合には高賃率で支払う。そうでない場合は低賃率で支払う。要するに、標準と決められた仕事を達成したら割り増し賃金。そうでないなら最低賃金。

(22) それまでは、前述のように、労働者の賃金は「出来高払制度」「出来高給」だった。1個作ればいくら式の賃金だった。

(23) この賃金制度は、労働者の仕事意欲を刺激するが、賃金上昇につながり、経営者は、人件費削減のために、しばしば賃金率を切り下げた。たとえば、一個作れば2000円だったのに、1000円にするという具合に。これをrate cutting と言う。これは、労働者にとっては、かなわんことだった。「頑張り損」だからね。

(24)これを解決するために、テイラーさんは差別的出来高制度を導入した。この方法ならば、作業能率は大いに刺激される。「頑張り損」気分は払拭される。やる気のある労働者には高賃金が支払われるし、経営者にとっては、労務管理が容易になる。

(25)このシステムだと、労働者が頑張って人件費が上昇しそうであるが、会社が労働者に課す「標準作業」の内容を調節すれば、人件費は抑止できるという(経営側にとっての)利点もある。

(26)  ただし、この制度は、結局は労働強化を招くということで、広く普及はしなかった。

(27) さらに課業管理を徹底させるために、テイラーさんは、作業の手順や指導、訓練、原価計算などを行う計画部と、実際に仕事を行う執行部をわけた。

(28)その上で、テイラーさんは「職能的職長制度」も導入した。これは、簡単に言えば、親方さんの機能の細分化だ。

全部の作業工程をひとりの親方さん=職長が統括する(内部請負制度)のではなく、これもまた作業工程を職能ごとに分けて、それぞれに職長を置いて課業管理を監督させる。職長の業務を計画で4つ、執行で4つ、計8つの職長に分ける。

(29)そうすれば、職長=親方さんがひとりの内部請負制の時代の、生産性がひとりの親方さんの資質に依存するというリスクを回避できる。8人の職長が、それぞれに、より小さい範囲について責任を持つというシステムは、8人の職長の相互チェックの機能も期待できる。

(30) かくして、経営者側にとっては、行き当たりばったりの成り行き的管理ではなくて、客観的で計画的な管理が可能になった。管理目標も設置できるようになった。

(31)かくして、ここから分業というものが発達した。労働者にとっては、労働が全人格的な行為ではなく、包括的な何かを生み出す創造的行為ではなくなった。同じ作業を繰り返し時間を切り売りする行為になった。しかし、生産性は向上した。

(32)これを徹底させたのが、フォード生産方式。チャップリンの「モダンタイムズ」だ。人間を歯車化させる労働形態と批判されるが、効率は非常にいいし、製品の出来のバラツキがなくなる。



で、次回の講義はフォード式生産様式へと移る!

(講義の覚え書き 終わり)

みなさん!

私は、この「テイラーの科学的管理法」というものを知って、こう思った。

なんて頭がいいんだろう!!と。

しかし、これは悪魔の知恵かもしれん。

とも思った。

熟練を要求される仕事の全工程をバラバラに分解することで複雑な作業を簡単な作業の積み重ねにする。simplification!

そうすることによって、それぞれの段階の作業を誰もができるように標準化する。standardization!

その作業を特化して特定の労働者にさせる。その作業が効率よくできる労働者にそれだけさせる。specialization!

まあ、この3Sは合理的ではあるよ。

これこそ、人的資源の効率良い使用法だよ。

誰でもできる仕事だから低賃金でいいし、コストの削減に大いに貢献するよ。

しかし、これこそ、人間のロボット化だ。

労働のマニュアル化と人間のロボット化は、労働という全人格的創造的行為を人間から奪った。

労働という行為の断片化と矮小化は、労働できることの人間の喜びを奪った。

この時点で、人間存在のありようが変わった!

テイラーさんという天才の頭腦から生まれた「科学的管理法」は、すごい。

よく、こんなこと考えついたなあ〜〜と感心する。

テイラーさんが科学的管理法を完成させてから約100年経過した。

さて、こうなったら、事態をもっと徹底させよう。

人間のロボット化じゃなく、ロボットそのものに労働させよう。

どんどん人工知能を発展させて、ほんもののロボットにさ労働させよう。

人件費かかりません。

安価で良質な商品が生産できます。

生産性をガンガン上げても、ロボットは過労死しません。

いっそ無料で配布できるぐらいに生産性を上げよう〜〜!

地球は無料で配布される高品質の物でいっぱい!

そうして、人間は、全人格的な行為としての創造的行為としての労働を自分たちの人生に取り戻す。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第3回講義(1)  院生の質問に応えて

本日は2017年4月27日木曜日である。

4月29日から5月7日までの黄金週間を前に、日本中が、しばしちょっとだけ静かにしている感じである。

本日も渡邊明先生ご担当の「生産管理特論1」の講義内容を紹介する。

第3回講義は、2つのパートに分けられていた。

第1回目講義と第2回目講義に関する院生さんたちの質問コメントに対する答えるというパートと、講義そのものと。

本日は、講義内容を紹介する前に、院生さんたちの質問に対する渡邊先生のお答えを紹介する。

こういう質問が出ていた。

「商品には物語がなければならないとのことだが、その物語という意味がわからない」

ごもっとも。

正直ですね。

この質問は、第2回目講義の「物語コーポレーション」社CEO加治幸夫氏のご講演内容とも関連する。

藤森の解釈においては、商品の物語性とは、他社の商品とはくっきり違う点、つまり「差別化」を主張できること、である。

その商品の独特のユニークさである。

商品の人生ならぬ、商品の生まれた背景、理由、意義、方向性の主張である。

たとえば、「無印良品」ならぬ「志良品」というアパレル会社があるとする。

そこの商品のコットン製品の材料のコットンは、インドで栽培され商品化されているが、その質は非常に評価されている。しかも、そこの綿織物工場では従業員を搾取しない。加えて、工場の売り上げの15パーセントは、そこのコミュニティの教育福祉に出資されていて、そこの地域では、「綿織物工場立小学校」がいくつもあり、そこで学んだ子どもたちが長じて進学し就職し、インドの地方の貧困解消に貢献している、とする。

すると、「志商品」は、営利を追求もするが社会的責任も果たしているということになる。

こうした物語を主張すべく、ここの製品のロゴは小学校と子どもである。

でもって、そういう背景があるので、ここの商品は非常に安価というわけではない。1年着たら終わりでいい価格設定ではない。ファストファッションとしては使えない。長く愛用して欲しい。

そんなことを訴えるコマーシャルを出す。

その方針に賛同したデザイナーが格安でデザインする製品もある。

これが、他の商品と差別化できる「物語」 だ。

心ある消費者は、同じ買うなら、そこの商品にしようか、となる。

でもって、「志良品」社は、さらに新しい物語を創造するべく、自社商品のリサイクルとして、自社製品3年着用したら買い取るサーヴィスも始める。

云々。

いくらエンジニアが考えて開発した商品でも、売れなければゴミである。

ゴミにしないために、エンジニアは自分が開発する商品の物語性を意識しなければならない。

と、渡邊先生は強調なさった。

「売れない商品はゴミである」は、渡邊先生の講義中の口癖である。

渡邊先生は、私のような妄想ではなく、ダイキン工業が大いに売った「うるるとさらら」というエアコンの実際の事例をあげた。

「うるるとさらら」は2009年発売以来ずっと売れているロングセラー家電商品だ。

ダイキン工業は、旧名「大阪金属」だ。だから大金。タイキンじゃないよ、ダイキン。

しかし、ダイキン工業は150ミリ榴弾砲の製造で知る人ぞ知る大企業であり、工業用エアコンでは有名であったが、家庭用エアコンでは冴えんかった。

ダイキン工業は、なんとか家庭用エアコンでもシェアを広げたかった。

家庭用エアコンで気になるのは、冷房だと寒過ぎることが起きがちということである。暖房だと乾燥することである。

で、ダイキン工業のエンジニアは考えた。

湿度を調節できる機能がついてるエアコンならば、どうだろうか?(製品計画 production plan)

潤いがあると寒く感じない。潤いがあると暖かくても乾燥しない。

体感温度と湿度は密接な関係がある。

調湿できるといいね。

加湿機をエアコンに入れ込めないか?

加湿機は通常はでっかいが、どうやって小さくする?

マーケット・ターゲットは、幼い子どものいる若い夫婦。

赤ちゃんに優しいエアコン!

当然に、価格設定としては、通常のエアコンより高くなる(価格設定)。

でも、赤ちゃんに優しいとなると、 ちょっと高くても親は頑張る!

赤ちゃんに優しいということは、どの世代にも優しいのであるからね。

優しいエアコンという物語ができた!

商品名を「うるるとさらら」とひらがなにして、さらに優しさを強調する(promotion)。

うるるとさらら。

いかにも、優しく冬は潤おい、夏はサラッとした感じ。

ネーミングは大事だ。

「潤い」もいいけど、インパクトはない。

うるるとさらら。

よく考えたよな。

価格は高いけど、顧客の心理的財布を開かせる物語性は確保!

うるるとさらら機能がない安価なエアコンも製造し、いつかは「うるるとさららを買おうかな」と思う潜在的顧客も開拓しよう。

さて、次にどうやって売るかだ(place plan, channel plan)だ。物流ね。

「うるるとさらら」は、大型家電製品量販店で売ってもらうことにする。

大型家電量販店は在庫を嫌う。

注文後3日後に商品が届けば家電量販店は嬉しい。それから顧客に届けるのだが、注文後の4日後に届けば顧客も嬉しい。

「うるるとさらら」は、早く作って早く送り出す。

という「物語」=差別化もした。

ということで、ダイキン工業は家庭用エアコンで第1位を占めることができた!

商品というものは、その商品について語ることができる=他社製品とは違う点=差異化できるものを持ち(plan)、マーケット・ターゲットを明確にして価格設定し(price)、それを宣伝周知できるようにして(promotion)、どう販売ルートに乗せるか(place plan)を考えねばいけない。

それがmanagementである。

以上が、渡邊先生のご説明であった。

何しろ、院生さんたちは企業で製品開発の担当技術者になるのだ。

良いものを作った、だけでは済まないということを渡邊先生は繰り返し強調なさった。

「イノヴェイションのジレンマ」というものがあるそーだ。

すっごい技術革新ができても、それだけでは商品にならない。売れない。

ビジネスモデルの構築というのは、理系の工学部の院生さんも考えねばならない。

えてして、売れるものは、「最先端より一歩だけ遅れているもの」だそーだ。

院生さんたちは、この言葉に反応したようである。

なるほど。

絶世の美女より、新垣結衣ちゃんね。

こーいうのを「戦略的部分最適」と言うらしい。

???

渡邊先生が今現在に注目しておられるビジネスモデルは、「センサーをお腹につけること」だそーだ。

センサーをお腹につけると10分後に大便が出ると鳴る装置に注文しておられるそーだ。

こういう装置ができると介護現場で役に立つ。

あ!鳴ったわ!行かなくちゃ!新しいオムツを用意しておこう!

ってことだろうか。

将来は、センサーが鳴ると、介護ロボットがサッサと被介護者をトイレに運び便座に装着させるってことになるのだろうか。

私としては、お腹に装着すると、腸の蠕動運動が促進されて便秘が治るという装置ができると、大変にありがたいのだが。

便秘対策はさておき、科学技術を商品化することに伴う差別化、物語化についての渡邊先生のお話は、個人の人生にも応用できるね。

自分という商品を、どう差別化していくか。

自分だけの物語を作る。

それから、どう自分を宣伝広告して行くか。

どんな人たちに自分を売り込むか。売り込めるか。

万人に好かれるわけにはいかない。

どう世間に社会に自分を知らしめていくか。

最先端の一歩手前が売れる。

アヴァンギャルドの一歩手前。

あまり世の中の先に行っても受け入れられない。

しかし、陳腐に花が咲いていても、陳腐に変わりはない。

生きて行くってことは、ありのままの自分を世間に突き出すことじゃない。

自分をどんな商品にするか、パッケージはどうするかは、私も私なりに若い頃ちょっとは考えたよ。

私という商品はあんまり売れなかったけど、倒産は免れたから、よしとする。

いろいろ考えさせられた「院生の質問に応えて」のパートであった。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第2回講義「物語コーポレーション」という奇跡

本日は2017年4月22日土曜日である。

体調が悪くて更新が滞っている。

iPadを弄り過ぎの電磁波障害であろうか。

生霊を飛ばされる覚えはないが。

北朝鮮攻撃が始まるかもしれないし、北朝鮮から日本がミサイル攻撃受けるかもしれない。

と、ネット世界では不安が醸成されている。

大友克洋 の漫画じゃないけど、「気分はもう戦争」だ。

各都道府県の危機管理の責任者が東京に集められ、ミサイル攻撃に備えて避難訓練をせいと指令を受けたらしい。

どこに避難するんだ。

とはいえ、そんな世界情勢なんか気にせずに、繁華街を人々はのん気に行き来している週末だ。

本日は、聴講させていただいている三重大学工学部大学院の渡邊明先生ご担当の「生産管理特論1」第2回講義の内容紹介を書く。

第2回講義は、ゲストスピーカーの方のご講演であった。

「物語コーポレーション」の代表取締役社長CEO・COOの加治幸夫(かじ・ゆきお:1956-)氏によるご講演であった。

「物語コーポレーション」会長の小林佳男(こばやし・よしお: 1948-)氏は、テレビの「ガイヤの夜明け」に出演なさったこともあるので、ご存知の方も多いだろう。

物語コーポレーション。

これは社名である。

不思議な社名だ。

小説を大量生産する工房ではない。

「丸源ラーメン」や「焼肉きんぐ」や「お好み焼き焼き本舗」や「寿司しゃぶしゃぶのゆず庵」や「源氏」 などを全国に展開している外食企業が「物語コーポレーション」だ。

上海では、「鍋源」と「蟹の岡田屋」を展開している。

2017年4月1日現在で、国内5業種11業態、海外2業態で413店舗を展開している。

直営店220店舗。フランチャイズ(FC)193店舗である。

2016年6月30日現在で、社員数988名。そのうち国内の社員数は899名。

時間制従業員、つまりアルバイトは9700名。

本社は創業の地の愛知県豊橋市にある。

あと、東京と大阪と福岡に「フォーラムオフィス」がある。

創業は1949年。

会長の小林氏のお母様が経営しておられたおでん屋「げんじ」がルーツである。

その株式会社げんじに入社した小林氏が売り上げを伸ばし、1997年に現在の株式会社「物語コーポレーション」と社名を変更して再出発した。東証一部上場企業である。

資本金は、2016年6月期で、27億399万1894万円。

売上高は、387億円。FCも入れたグループ売上高は、608億円である。

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このような業績を達成している外食企業の取締役社長を、渡邊明先生は、なぜに三重大学工学部大学院の「生産管理特論」にお呼びしたのか?

というか、そんな忙しい方によく来ていただけたものだ。謝礼なしでっせ……

この「生産管理特論」という科目の目的は、理系の大学院生に未来のマネージメントについて考えさせることである。

だから、「物語コーポレーション」が選ばれた。

なんとなれば、この「物語コーポレーション」という会社は、日本のカイシャとしては非常識なコンセプトで運営されているんである。

それは、「個の尊厳を組織の尊厳の上位に置く」というコンセプトである。

は?

個の尊厳を組織の尊厳の上位に置く。

は?

日本の企業といえば、ブラック産業がほとんどであり、働く人間の尊厳なんかどうでもよく、ひたすら利益を上げ、その利益を株主に還元し、内部留保額を増やすことだけに勤しんでいるというのが、今の常識ではなかろうか。

ブラック企業が日本の企業風土というのが、共通認識ではなかろうか。

ホワイト企業をめざす企業も出てきたという噂も耳にはするが。

ところが、この「物語コーポレーション」は、個人がそれぞれの持つ色で輝く「レインボー企業」を目指しているのである。

は?

レインボー企業?

ということで、講演者の加治幸夫取締役社長のお話のポイントを、以下に列挙する。

私の耳がキャッチできた範囲でのポイントを以下に列挙する。

Blogに書くことの許可は、ちゃんと加治氏よりいただいている。

ありがとうございます〜〜〜

加治氏は、若々しく、ファッショナブルで、気さくで、非常にカッコいい方である。

国立大学のキャンパスでは、クッキリ場違いに浮いていた。

(加治幸夫氏のご講演内容覚え書き始め)

(1)外食企業の盛衰は激しい。サバイバルは激しい。新陳代謝がすごい。外食企業は大きくなると、時代を生き抜く足枷になる。チェーン店が消えてしまうのは普通。

(2) テクノロジーで一気に変わる世界ではない。アナログの世界が外食産業。

(3)特許が取り辛い。工夫してもアイデア出しても、すぐにパクられる。看板までソックリ他店が真似する。屋号もほとんど同じにされる。訴訟起こしても負ける。たとえば、「鳥貴族」が流行ると、「鳥貴」が近所にできる……

(4)外食産業界は、個人営業の店が多いので、24兆円産業とはいえ、業界としての大きい力が持てない。圧力団体、集票マシーンとして政治力になれない。自分たちに都合のいい法の改正とかできない。

(5)外食産業界の未来は厳しい。人工知能でできないサービスを提供できなければいけない。ただの食い物屋では生き残れない。コンビニに負ける。

(6)企業の生存率は10年で6.3%。20年で0.3パーセント。上場できるのは、12万分の1だ。0.00082%だ。

(7) 上場すると信用される。信用されると、いい人材が社員として集まる。

(8) 「物語コーポレーション」は、12年連続増収増資である。それを可能にしているのは、「業態開発力」と「人財開発力」である。「人材」ではないよ。「人財」。

(9) まず業態開発力とは。計画的に売上を見込める業態を選ばねばならない。でないと、成熟した大きな市場で展開できない。

(10)たとえば、日本の外食産業界においては、カレー(850億円)とお好み焼き(1700億円)と牛丼(3600億円)とラーメン(4100億円)と焼肉(5200億円)の5つが手堅く稼げる業態である。

(11)物語コーポレーションは、お好み焼きとラーメンと焼肉で稼ぐ。

(12) 業態が決まれば、まずどこに開店するか、立地が大事。適正交通量のある目立ちやすい出入りしやすい立地を選ぶ。冬は木が枯れてたから店が見えやすかったが、春や 夏は木々に葉が茂って店舗が見えないではダメ。

(13) 店舗は視認性が高くないとダメ。駐車場は大きく広く。店は大きく見せる。大型看板を出す。照明にも留意。

(14) どの客層がターゲットなのか、予算はいくらか、外観や外装からそれが明快にわかるような店舗作りが大事。曖昧なのはダメ。外食予算は2名で5000円だけど、ここ大丈夫かな…と客が迷うような店構えはダメ。

(15) お客様が店に入るまでの作り込みが「業態開発力」だ!

(16) 店に入ってからは、「人財開発力」だ!息の長いフォーマットの開発が大事。「繁盛開発四原則」が大事。文化とオリジナリティとシステムと市場性の4要素!これらが機能してこそ、顧客の多利用動機につながる。多利用つーのは、ファミリーで行くのもいいし、カップルで行くのもいいし、仲間と行くのもいいし、ひとりで落ち着いていくのもいいしということ。

(17) まず強い看板商品を作る。それを磨き込む。進化させる。たとえば、「丸源ラーメン」の看板商品は「肉そば」であり、40%のお客様が注文する。この看板商品には手間をかける。人の手をかける。丁寧に作る。するとそのスキルを習得した社員やアルバイト(パートナーと呼ぶ)の定着率が高まる。自分の仕事に誇りが持てる。

(18)このように特徴がないと生き残れない のが外食店。看板商品があってこそ、期間限定メニューの開発や、メニューデザインの改良が可能になる。

(19) 飲食の世界は、イタチごっこで、マグロ のように、いつも泳いでいなければならない。陳腐化は敵。次のデザインをいつも考える。

(20)他店と同じ同質化と、汚く古臭くなる老朽化と、進歩が見られない固定化は、敵。

(21)そうならないために、新しい物語、新しい価値を提供できる商品開発をしなけてばならないが、そのために必要なのが議論。

(22)商品開発と営業販売部門が、商品立ち上げ段階から議論して協力しあうこと。

(23)議論ができない社員は去るしかない。論理的に、証拠立てて、経験則も加味して議論する。社長や会長は議長ではない。上意下達ではダメ。

(24)そのために車内では、皆「さん」と呼び合う。役職で呼ばない。加治社長ではなく、加治さん。でないと自由な議論にならない。

(25)社員が組織の中で自分自身の意見を言えない企業風土では、社員が定着しないし、社員が定着しないと、アルバイトも定着しない。

(26) 物語コーポレーションの展開する外食店の商品は、高い 調理技術が必要であり、高い付加価値がついている。その技術を身につけている社員やアルバイトの自由な議論こそが大事。「人財開発力」とは、積極的に企業運営、商品開発に関与できる人間を養成保持することだ。

(27)そのために、いろいろなオペレイションをする。たとえば、入社式には8時間かける。一人一人に文章の違う任命書を手渡す。入社激励書を渡す。サプライズメッセージが記されている。

(28)毎週月曜日に朝礼して情報を共有する。自分が会社を支えているという自覚を持つために。

(29)入社1年未満の社員と社員のファミリーを招いてのFamily Convention開催。年に1度の会社の大イヴェントである。

(30)途中入社社員は毎年200人ほど採用。もちろん、彼らや彼女たちも、ファミリー連れて参加。

(31)外国人社員も採用している。中国と韓国とモンゴルとネパールとインドネシアとミャンマーなど9カ国から。

(32)入社式は正装で。お国の正装で。だから入社式はカラフル。チャイナドレスもあれば、チマチョゴリ もある。入社式で祖国の正装をというアイデアは、インドネシア人社員の意見を採用したから。

(33)店長になった人間は、必ず7日間の公休をとって、海外旅行に行く。これは義務。海外体験は大事だから。これを「レインボー休暇」と呼ぶ。社員には店長に憧れてもらいたい。

(34)いろいろな文化や価値観を大事にするレインボー企業であると同時に、利益を上げる企業として、生き残るためのオペレイションは、100以上ある。

(35) 物語コーポレーション社に入社希望者は、年間20回以上開催されているセミナーに出席が義務。「会社の決め方」や「意思決定の仕方」などをセミナーで学んでいないとダメ。

(36)物語コーポレーション社では、Hospitality Contestやっている。誕生日には、社員からドドドと Birthday mailが届く。新入社員でも、堂々と意見発信する。メイルで全社員に送る。

(37)ともかく、「よってたかってみんなでやる」!自分たちの会社だからだ!一人一人の人生を充実させるための会社だからだ!

(38)議論しあえるために、一般常識や世界情勢への知識が必要である。でなければ説得力ある論は展開できない。広範囲の勉強や教養は、仕事そのものと同じくらいに必要である。

(39)個人の尊厳を組織の尊厳の上位に置いて、自分が向上するために、自分たちが共有している会社を守り発展させる!それが「物語コーポレーション」だ!

(以上、覚え書き終わり)

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私は、加治氏のご講演を聴いて、びっくりした。

こんな会社が 日本にあったのか!?

日本人にとっては、会社とは、職場とは、刑務所である。

幹部は馬鹿に決まっている。

上司は理不尽に決まっている。

理不尽の我慢料が給与である。

幹部は現場を知らなくて、その判断は、いつも間違っている。

間違っていると明らかになっても、責任は負わない。知らん顔である。

議論しようにも、最初に結論ありきである。

幹部の責任逃れのために、「みんなで決めたのだから私に責任はない」と言い張るために会議を開く。

だから、部下の意見など聞く気はサラサラない。

議論のために議論するのではなく、物事を良くするために議論する社員でさえ嫌われて排斥される。

なぜならば、いったいどうするのか、どうしたいのかという構想も志もヴィジョンもないからだ。

その構想と志とヴィジョンを共有するための努力をしない。

恣意的な方向性の見えない指令に右往左往されるのが社員だ。

これが、一般的な日本の企業だ。組織だ。

こんな企業風土だから、日本において働くということは、意味のない苦役にしかならない。

ただただ少ない給与のために、生活のために、時間と労力を売るということになる。

自分も活き、組織も活きることができる働き方がある、存在するということが、もうほとんどの日本人には想像できなくなっている。

私自身もそうだ。

しかし、それが普通で当たり前だと思っていた。
しかし、それを当たり前にしてはいけないんだ。

「物語コーポレーション」のような会社が増えないと、日本が幸福になれない。日本人が幸福になれない。

加治氏のご講演終了後に、加治氏にお供していらした「物語コーポレーション」社員(といっても管理職でらっしゃる)の方々に、私は、こっそりと質問してみた。

「社長さんのお話って本当ですか?ほんとに、どんな意見でも言い合えるんですか?」と。

おふたりとも、躊躇いなく明るい表情で「本当ですよ」と、おっしゃった。

うーむ。

恐るべし「物語コーポレーション」!

日本の希望だ!

若かったら、採用していただきたい。

まずは、「丸源ラーメン」に行って「肉そば」注文するべ。