新幹線が好き

本日は、2016623日木曜日だ。

 福山市立大学は、本日の午前中は休講だった。午後はクラスがあったが、遅刻者が少なくなかった。

 なんでか?

 広島県福山市は昨晩から本日の朝にかけて豪雨だった。あちこちが冠水状態になった。JRの在来線が立ち往生した。

 北部の山辺の住民や、南部の鞆の浦などの海辺の住民に対しては、避難勧告ではなく、「いざというときの避難場所はここですから覚えておいてね~~」通知が来たぐらいだ。

 という天変地異系出来事もあれば、いいこともある。

 福山市の優良企業の「エフピコ」の会長さんがポンと「10億円」を福山市立大学に寄付してくださった。

 「エフピコ」さんは、スーパーマーケットで売っている食品のトレイなどを製造している会社である。世界的な技術を持っている。だから、株主に外資系資本も多い。外資に乗っ取られたら、どーしよう・・・それぐらいの優良企業である。

 「エフピコ」の会長さん!!10億円寄付」ありがとうございました!!

 うち、ほんと貧乏だから~~~♪♪

せっかく浄財を拝領したのだから、是非とも、「センスのない安普請の2年目にしてヒビだらけになるような類の建物」なんか作らずに、「給付型奨学金」とか「留学奨学金&奨励金」とかに使ってもらいたい。

 いや、ほんと。

 うちの学生さんたちもアルバイトと貸与型奨学金(学生ローン)で大変なんだから。

 ところで、今日は「新幹線に乗るのが好きだ。そこでhuman beings watchingしているのが好きだ」という、しょうもない話を書く。

1996年に大阪の桃山学院大学に移ってから、今日にいたるまで、私は新幹線によって名古屋の自宅と職場近くに借りた住居の間を行き来してきた。

 二重生活というのは面倒くさい。くたびれる。交通費というか新幹線代なんか自費に決まっているから、カネもかかる。

 大学の教員で単身赴任というのは結構多い。ポストがあれば、どこにでも行くから。

 まあ、なかには、自宅に帰る費用を「研究会に出席」とかいう理由で出張扱いにして、研究費の出張費として請求する教員もいるらしいけれども。

私は気が小さいので、そういうことはしない。

 二重生活だの新幹線通勤だの、くたびれるし、カネもかかる。なのに、それを苦にせずに、私は20年間以上も二重生活を続けてきた。

 なぜか?

 「移動」が好きだから。

 新幹線が好きだから。

 新幹線という日本の動脈の中をウロチョロしている赤血球になった気分が好きだから。

乗客を観察しているのも飽きない。

 若い乗客のファッション・チェックをする。

 みんな、すっごくセンスが良くなった。

とはいえ、日本人のことだから、まだまだ自分が着たいものを着る!!という趣ではない。あるパターンをなぞっているだけではあるが、それでもカッコいい。

 30代らしき男性は、なにゆえか、TVドラマの『重版出来』に登場したオダギリ・ジョーみたいな恰好をしていることが多い。

 オダギリ・ジョーつーのは、30代くらいの男性の「ファッション・アイコン」であるらしい。

会社員らしき人々の生態をチェックする。

 最近は、座席に着きながら携帯電話で大声でしゃべっている類の人はいない。みなマナーを守っている。

 最近の会社員らしき若い乗客は、男女ともにパソコンを開いて仕事に余念がない。

 本を広げて読書している若いビジネスマンってのは、あまりいない。いてもKindleを利用している。

 家族連れの生態もチェックする。

最近の若い両親と子ども連れというのは、父親のほうが子どもの世話を焼き、マメに優しく気を遣っている。子どもを叱っている父親なんて見ない。

 若い母親のほうは、子どものことなどほったらかしでスマホをいじくっている。

 弛緩しきった姿勢で、デブるがままに、ガキといっしょにスナック菓子を食っている。

「なんで、こんな心優しいマトモそうな男性が、こんな不細工なマナーも悪い女性と結婚したんかねええ??」と不思議になる。

 もう最近の若い男性にとっては、性交させてくれて、奥さんになってくれて、子ども産んでくれる女性ならば、もう何でもいいし誰でもいいんだよ、と聞いたことがある。

 ほんまでっか?

 それくらいに「結婚難」なんだそーだ。

 若い人が結婚しないんだそーだ。

 もう「お見合い話」を持って来てくれるオバハンなんかいないしね。

 私の若い頃には、そういう人々が存在した。

 ある日突然に、未知なる中年過ぎの女性が家にやってきて、「オタクは娘さんばっかりですよね?婿養子さんおとりになりますよねえ?ならば、婿に行っていいと言う人がいるんです。一度会ってみませんか?」なんて言われたものだった。

 大学の先生からお見合い話を持ってこられたこともある

 高校時代の先生から、「親類にいいのがいる」とかで、お見合いをさせられたこともある。

 「私でさえ」だ。

 あの当時は、大人は、やたらと若い人々にお節介を焼き、結婚させようと画策したものだった。

 そういう時代であった。

 いやあ・・・1970年代は遠くなりにけり。

 1970年代なんてさ、もうざっと45年前よ。1945年時点から見たら1900年よ。昭和20年からすれば明治33年よ。それだけの時間の隔たりがある。だから、すでにして、私の常識は通じない。

 新幹線は朝に乗るのと、夕暮れ過ぎに乗るのとでは、もちろん乗客の風景も違う。

 金曜日の午後8時近くに大阪から乗って来た会社員らしい中年男性は、座席に座るなり、ホッと寛いだのか、靴下を脱ぎ、缶ビールを開けた。

 それから、おもむろにスマホでアダルト動画のチェックをし始めた。スーツを着たOLらしき女性が脱いでいくやつ。

私は、「おっ!!」と驚き、ななめ背後の席から必死に覗き見る。

 努力すれば、結構見えるもんよ。

 そんな男性でも、スマホの待ち受けは「家族写真」である。

 みんな、ご家族のために頑張っているんだね。

 しみじみ・・・

 私は、新幹線に乗るときはインターネットで予約する。ちょっとだけ安くなるし、ポイントがたまれば、普通の指定席運賃でグリーン車に乗れる。これが嬉しい。

 前の勤務先の時は、しばしばグリーン車に乗るだけの経済的余裕があった。今は安月給なんで、グリーン車はポイントがたまったときだけ。それも良きかな。

 グリーン車は、静かでスペースが広くてゆったりしているので、疲れない。

 無料で読める雑誌『WEDGE』も嬉しい。あの雑誌はおもろいね。読むに値する記事ばかりだ。

 グリーン車だと、JR東海だと、車内販売でコーヒーを買うと、そのカップを入れるごみ袋をくれるのが嬉しい。

JR東海グリーン車担当客室乗務員の女性と、山陽新幹線グリーン車担当客室乗務員の女性の差がおもろい。

 JR東海の客室乗務員の女性はスタイルも良い正統派美人である。いわゆるキャビン・アテンダント系よ。「すっちゅわーです」さん系よ。

 山陽新幹線の客室乗務員の女性は、人事のオッサンの趣味なのか、ポッチャリ系が多い。

 中には、「このプロポーションでいいのか!?」と私が驚愕するほどのデブもいる。

 いや、ほんとだって。

 山陽新幹線の客室乗務員の女性には癒される。器が文字通りに大きい。さすが山陽新幹線!!

 グリーン車には外国人ビジネスマンらしき客も多い。

 白人系ではないような、しかしエリートっぽい外国人数人と日本人のビジネスマンらしきグループが話す英語に耳をすませたりもする。

 話している英語はわかりやすいから、アメリカに留学したサウジアラビア人かな??とか、私は想像する。

 ただし、まれにグリーン車でも全く快適でないこともある。

 富裕層らしき若い奥さんが躾のできていないガキども3人を連れて乗って来たときに遭遇すると最低だ。

 ガキがどんなに騒いでも、その着飾った女性は一度も叱らない。ボケッとしている。

 だいたい3人もガキ連れていて、10センチ近いハイヒールはいているなんて、転倒が怖くないのかな??

 グリーン車では芸能人や有名人を見かけることもある。政治家なんかも見かける。

 よく「オーラがある」とか言われるけれど、オーラを感じさせる芸能人とか有名人とか政治家なんか見たことない。

私が鈍いんかね?

 というわけで、新幹線の乗客観察は、私の尽きぬ楽しみのひとつだ。

 ああ・・・これも来年の3月で終わる。

 しかし!! 

 新幹線に乗らない人生なんて寂しい!! 耐えられない!!

日本中の新幹線に乗りたい。

 リニア新幹線にも乗りたい。

 車内販売で売っている不味いコーヒーを味わいながら、やっぱり、あちこち行きたい。新幹線に乗って。

 新幹線こそ、無数の日本人の力の結集だぞ。

 

読んでね!

 

 

 

 

自己啓発セミナー???

本日は、2016年6月16日木曜日だ。

1学期の成績報告をすませたばかりだ。

すぐに2学期の授業が始まった。高温多湿の長い夏が来た。

ところで、今の私は、昨日の教授会で報告事項に挙げられたことのひとつが気になる。

最近、「自己啓発セミナー」を商品とする会社の暗躍(?)の手が福山市立大学にも及んでいるらしい。その具体的な会社名も報告された。

「就活の面接がうまくいく」とか「就職に有利」とか、そういう触れ込みで最初は600円くらいで、セミナーを受講できるそーだ。

で、そのセミナーが面白くて、どうしても次の段階のセミナーを聴きたい。それは1万8000円のセミナー。次の段階のセミナーは3万円の受講料。思い切って3万円出してみたら、次のステップのセミナーに進みたい。それは10万円……

その勧誘は非常に巧みであり、セミナー出席者はすっかり洗脳されるそうで、その鮮やか勧誘方法は、統一教会を彷彿とさせるそうである。

ということで、「カモ」さんは、どんどん高額なセミナーを契約するはめになる。ついには、総額45万円とかのセミナーを契約することになる。

後で「あれ・・・ちょっとまずいかな・・・」と思っても、契約成立後の解約交渉が大変である。

それで、福山市の消費者生活センターに相談や苦情が多く寄せられているそうである。

教授会終了後、私は、すぐに、その「自己啓発セミナー」を商品とする某企業のサイトを検索して、コンテンツをチェックした。

うさんくさい・・・

ものすっごく、うさんくさい・・・

私は、4年生のゼミ生にメイルで確認した。「大丈夫ですか~~?騙されていませんか~~?」と。

そしたら、学内の女子学生2人組からセミナーに勧誘されたとか、誰それがセミナーに出席してよかったとTwitterに書いていたとか、そういう情報を得た。

で、そのことをFacebookに投稿したら、これまた驚いた。

ある地方都市の市役所勤務の方によると、市役所でも住民サーヴィスの一環として、このような民間の「自己啓発セミナー会社」に委託して、セミナーを開催するんだそうだ。

なんで、そんなことを税金でするかといえば、成果主義が取り入れられて、役所もルーティンの仕事をしているだけではすまなくなってきた。なんか仕事していることをアピールしなければいけない。なんでもいいから企画して実行しなければいけない。

で、「いつも生き生き夢をかなえる人生の作り方」なんてセミナーが開かれる。

そんなセミナーに行くような暇な人々がいるのか??と思うけれど、いるらしい。

それから、驚くことには、このような「自己啓発セミナー会社」の最大の顧客は法人、企業なのだ!

驚いている私が世間知らずである。

Facebook友だちのおひとりは経営者なのだが、教授会で具体的に名前の挙がった「自己啓発セミナー会社」に委託して社員教育をしてもらっていると教えてくださった。

つまり、いまどきの若い社員は、家庭でも学校でも地域でもまともな教育を受けていない。読書もしない。

しかし、人手は必要なので、そーいう若い子も採用する。しかし、そんな社員をゆっくり育てている暇は企業にもない。だから、手っ取り早く、「自己啓発セミナー会社」に任せるのだそーだ。

で、「常に感謝すること」などを教え込むというか、「調教」してもらうのだそうだ。人生について、生き方についてなど、親にも教師にも教えてもらっていない「人生論ヴァージン」たちは、それらのセミナーの熱気と真摯さと、セミナーが伝える人生哲学に非常に感激するらしい。

その経営者であるFacebook友だちのおひとりは、これを「時短です」とおっしゃる。

なるたけ早く若い社員を戦力にするのに、「自己啓発セミナー」は非常に有効だそうである。

私は、ただただ一層に驚くばかりだ・・・

日本は、私が知らない間に、こういうことになっていたのであるか。

「自己啓発」といえば、私は20代半ばから40代後半ぐらいまで、「自己啓発本フリーク」であった。

めぼしい自己啓発本は、だいたい漁った。日本のもアメリカのも。

自己啓発本というのは、イギリスで生まれてアメリカで隆盛になり、アメリカの属国の日本に導入されたものであるからして、アメリカと日本の「自己啓発本」を読んでいれば、それで世界の自己啓発本を読んだことになるのだ。

と、強引に決めつけておく。

なんで、私が「自己啓発本フリーク」であったかと言えば、私は素直に幸福になりたかったからであるが、なによりもある種の「幻想」が「思い込み」が私にあったからである。

どういう幻想かと言えば・・・

この世の中には、成功とか自己確立というものに至る最短距離の道や方法があるのだけれども、それを知らないから、私はパッとしないんだわ・・・という思い込み。

さらに、人生には「二階級特進」みたいな、「ある朝目覚めたら全てがハッピーになってる」みたいなことが起きるんじゃないかという期待。

満塁ホームランみたいな瞬間があって、人生にも一発逆転があるに違いないという思い込み。

なにか未知な特別なことを実践すれば、それまでのパッとしない自分が光り輝くことになるという思い込み。

その魔法を知って得している奴がいっぱいいるのに、自分は知らないから損をしてるんだ!という思い込み。

で、そのような幻想と思い込みで一杯だった私が「自己啓発本フリーク」でなくなったのは、なにゆえか?

要するに「最短距離はない! 一発逆転はない! 魔法はない!地道な努力だけが信じられる!ダサいけどもね。ダサいけど、これが事実で真理だ!」と、骨身に沁みてわかったからだ。

「自己啓発本」読んでる暇に、もっときちんとした専門書を読もうとか思ったからだ。

であるからして、「自己啓発本」の類は古今東西さんざんに読んだので、私自身は「自己啓発セミナー」なるものに出席したことはない。

が、おそらく、その効果は似たようなものだろうな、読書もセミナーも。

あれはさ、軽い覚醒剤みたいなもんでさ。

当座はテンションが上がってやる気になるんよ。

なんか、私はなんでもできる!なんて気分になれる。

が、現実の人生は、日常の連続よ。

能力なんて、めざましく伸びない。

コツコツした地道な努力の蓄積の果てにしか能力の向上なんてない。

天才じゃない身にとっては、天翔ける能力なんて湧き出てこない。

もともとない能力を絞り出して、やっと出てくるのが能力。

お馬鹿な私は40代も終わりくらいになって、やっと気がついたんだよね。「最短距離はない! 一発逆転はない! 魔法はない!地道な努力だけが信じられる!ダサいけれども、これが事実で真理だ!」って。

「自己啓発セミナー」ぐらいで自分を変えることができるのならば、人生は簡単だ。as easy as pieだ。

「自己啓発セミナー会社」の社長さんや社員さんを詐欺師とまで呼ぶ気はないけれども、「幻想」を売っているだけのことなんで、「正業」とは言えない。まあ、でもそれはいいよ。この世の中、ほとんどの商売は幻想を売っているようなものなので。大学だって、似たようなもんだ。

ただ、一層に驚いてるのだ、私は。

その程度の「幻想」さえ、自分自身で紡ぎだすことができず、自分で噛み砕いて消化することもできない人々が増えているらしいということに。

他人が商品として売る「レディーメイドの既製品の幻想」で自分を支えるしかない人々が増えているらしいということに。

ただでさえ、メダカの学校みたいな画一的な人間が多い感じの日本は、さらに人生論哲学まで一様に染められて行くのであるか。

どこまで自分がないのか?自分だけが資産なのに。自分だけが資源なのに。

なおかつ、そんな他人が売る幻想は、すっごく高価なんだ。45万円???

そんなカネを「自己啓発セミナー」に支払うくらいならば、海外旅行でもするほうが、よっぽど実になる(と思う)。

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映画『星籠の海』に福山市立大学登場!!

本日は、2016年6月9日木曜日である。

4学期制の福山市立大学の1学期末試験が本日終わった。やれやれ。これから135名分の採点だ。

ところで、みなさま!6月4日から全国で上映の『星籠の海』という映画を、暇な方はご覧ください!

「星籠」は「ほしかご」と読まないでね。「せいろ」と読んでね。「せいろ」でも「蒸籠」じゃないよ。それではシューマイになっちゃう。「ういろう」は名古屋ね。

映画の『星籠の海』の冒頭のショッキングな場面の次の場面に、大学の講義室のシーンが出てくる。ついでに、大学のキャンパスのシーンも出てくる。「都市経営学部」っていう表示も大いに目立って出てくるぞ。

その講義室は、福山市立大学の大講義室だ!唯一の階段教室だ。

「講義を熱心に聴いている学生たち」や「キャンパスにあふれる学生たち」は、うちの学生たちだ。私のゼミ生たちも出演している。

がははは~~~!!!

自分が働いている場所が映画に登場し、自分が知っている人々が映画に登場しているのを見るというのは、嬉しくも楽しくも奇妙な気分だ。

去年2015年の5月の連休にこっそり映画のロケが行われていたのである。

しかし、私ら教員は知らされていなかった。

なぜだ!?

くそ。

知っていたら、なんとしてでもロケ現場に潜り込んだのに。

あわよくばエキストラで映されたかったのに!!

映画初出演したかったのに!!

映画『星籠の海』は、知る人ぞ知る世界的に評価されているミステリー作家の島田荘司(しまだ・そうじ:1948-)氏が生み出した脳科学者&探偵の「御手洗潔」(みたらいきよし)シリーズの近作の映画化である。

島田氏は、福山市の御出身なんである。

備後福山藩の藩校を元にする誠之館(せいしかん)高校の卒業生である。

この高校の卒業生は、福山市立大学にもいっぱい入学している。私のゼミ生にもいる。

みなさん、島田氏のデビュー作と言いますか出世作の『占星術殺人事件』(1980)を読んだことがありますか?

なんで、あんな日本人離れしたミステリーを福山で生まれて育った人間が書けたのだろうか? 実に不思議だ。

島田氏は、純然たるトリック、頭脳戦みたいなミステリーを書く。

「貧困が彼女をそうさせた~~」とか、「復讐と怨恨がそうさせた~~」とかいう類の推理小説は書かない。

この「御手洗潔」という探偵は、1980年から活躍していて、1948年生まれの設定だから、現在68歳。でも、作品の中では永遠に若いままの30代前半である。

「御手洗潔」シリーズは、頭脳明晰で「強烈に感じの悪い傲慢な」御手洗さんが、トリックを解き明かしていく。どう見ても不思議な怪奇なオカルト現象を、ちゃんと現実的に説明をつけていく。

まあ、『ロシア幽霊軍艦事件』(2001)とか読んでみてちょーらい。ロシア革命と現代が交錯して、社会派でもあるし、トリック・ミステリーでもあるし、いろいろ楽しめるから。

残念ながら、原作『星籠の海』の面白さの30パーセントすらも、映画版『星籠の海』は伝えていなかった。

「御手洗潔」役の男優もうんざりだった。なんだよ、あれは?

原作の『星籠の海』は、福山で生まれて育った島田氏の福山への愛が詰まっている。

原作の『星籠の海』においては、幕末の国難と、現代の国難が交差して事件が展開する。

幕末の備後福山藩主の阿部正弘(1819-57)は、老中首座として黒船騒ぎに対処し、日米和親条約を締結した人物である。

30代で、そんなややこしい仕事に対処した。19歳で藩主になった大秀才だしね。

福山藩の藩祖は徳川家康の従兄弟の水野勝成(1564-1651)だ。「戦国時代の半沢直樹」と言われる人物だ。なんかイメージが浮かぶね。

だからして、福山藩は中国地方における徳川の最高の支店であると同時に、西日本全体に睨みをきかせていた。

この備後福山藩第七代藩主の阿部正弘こそ、薩長中心の明治以降の日本史においては、不当に無視され忘れ去られた幕末の救国の英雄なんですよん。

宮尾登美子氏が書いた(薩摩の)『篤姫』によると、この老中首座は政治のストレスと心労のあまりに「10代の若い側室と性交し過ぎて死んだ」ということになっている。

なんだよ、それは・・・

宮尾氏は、おそらく薩摩側の人間が書いた(捏造)資料ばかりを読んだのだろうねえ・・・

ほんとうは阿部正弘さんは暗殺されたんだろうな・・・

38歳くらいで、「やりすぎて」死ぬはずねーだろ。一層に元気いっぱいだろ。

実際の阿部正弘は、ものすごい秀才で、家柄問わず優秀な人材を結集させて、いろんな改革を遂行した。

NHKの大河ドラマの主人公になっておかしくない人物だ。

トマス・グラバーのパシリだった坂本龍馬より、ずっとすごいんだぞ。

阿部正弘は、薩長中心の日本の近代史において、かくも不当に無視されてきたんである。

同じく福山市も、明治以降は、福山藩主の阿部正弘の業績潰しの一環で無視されてきたんである。

そもそも幕末と明治維新にまつわる歴史には闇が多いのだ。

NHK大河ドラマの脚本家!!いい加減に、もっと勉強せい!!!

それはさておき、福山市の「鞆の浦」なんてのは、日本史において京都に次ぐくらいの重要な地点だったんだぞ。宮崎駿氏の「崖の上のポニョ」の舞台になっただけじゃないんだぞ。

そこが知りたい方は、原作の『星籠の海』をお読みください。

原作の『星籠の海』は、歴史好きな方々、瀬戸内海の水軍に興味のある方々にもお勧めの、ものすっごく面白いミステリーだ。

この小説においては、阿部正弘は、実は黒船と戦う準備をしていたという設定になっている。そのときの秘密兵器が、「星籠」だ。

この「星籠」は、水軍を味方につけた一向宗を蹴散らした織田信長の鉄板船を沈没させたという設定である。

その織田信長の鉄板船を沈めた秘密兵器が、幕末に甦り、黒船を撃沈するかもしれなかった。しかし、幸いに、このときは日米は戦争に至らなかった。

しかし、時は過ぎて21世紀。

福山市が、瀬戸内海の小島に本拠を置いた某韓国系宗教カルトに汚染されていく。このカルトは、福山市からどんどん日本中に汚染を拡大するつもりなのだ。

危うし、福山と日本!!

と・・・いろいろありまして、そこのカルトの教祖が、さんざんろくでもない犯罪を重ねた末に、瀬戸内海を船で逃げ、関門海峡を越え、対馬に向かい、半島に逃げようとする。

そのとき、幕末の国難を救いかけた秘密兵器「星籠」が甦る。

おおおお~~~~見よ、瀬戸内海と日本海にまたがる追跡劇を。

と、こういうストーリーなんざます。

あ・・・ネタバレしていいのだろうか・・・

島田荘司先生、申し訳ありません。

映画版『星籠の海』は、しかし、「幕末の国難と現代の国難が交差する」という、このミステリーの肝心要の部分を抹消させていた。

まあ、無理もない。

「某韓国系宗教カルト」は、まずいよな・・・

どこのカルトをモデルにしているか明々白々だもんな・・・

恐いよな・・・

恐い、怖い、コワイ、集団結婚はいや!合同結婚はいや!

壺なんか買いたくない!!

ともあれ、映画版『星籠の海』は、福山市立大学がロケに使われ、うちの学生さんたちが謝礼なしのエキストラとして大量に出演したという以外には、私にとっては意味がないものであった。

しかし!!

それでもDVDになったら買う。ほほほ。

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