本日は2024年3月23日土曜日です。
最近に、私が視聴して面白いと思った映画やアニメやドラマについて、ここに記録しておきます。
面白くないなあと思ったものは省きます。
アニメの「薬屋のひとりごと」は、まだ終了してないので省きます。
①
「MASHLE 」

このアニメ、すっごく面白いですねえ!
現代世界の寓話になっている。
主人公が脱力系でいいわあ。このヒーローのシンプルさが好きだわあ。
シュークリームを作るのが大好きで、シュークリームを食べるのも大好きなだけのマッシュル。
捨て子だった自分を育ててくれたじいちゃんとの平和な暮らしが欲しいだけの、無欲なマッシュル。
女の子だからといって手加減しないマッシュル。
卑怯なことしたら女の子にも制裁するマッシュル。
フラットでフェアなマッシュル。
支配欲も権力欲も名誉欲もなんもないマッシュル。
じいちゃんに言われたとおりに幼児の頃から筋肉トレーニングだけしてきたら尋常ではない身体能力を身につけちゃったマッシュル。
勇気と愛情だけはあるマッシュル。
魔法の国に生まれたけど、魔法が使えないので親に捨てられたマッシュルが、じいちゃんと平和に暮らすための交換条件で、エリート魔法使いの学校に入学して、いかにサバイバルするか?
あ、まだ全部視聴していないんです。すみません。
なんかseason2のオープニングミュージックが、例のCreepy Nuts の大ヒット曲Bling-Bang-Bang-Bornだったんで、アニメの方も人気になったらしい。
「不適切にもほどがある」の主題歌もCreepy Nutsですね。ラッパーのR-指定さんもすごいですが、DJの松永さんが男前ですね〜〜
私は、「よふかしのうた」の方が好きですが。
なああんと、R-指定さんって桃山学院大学にいらしたそうですよ。1年で退学しちゃったらしいけれども。それでも、おおおおおお!嬉しい!同じキャンパスにいたのね!
私は、そこの多忙なる賃金労働者であったけれども。あの大学は面白かったですよ。かつての勤務先で、懐かしいのは桃山学院大学だけだよん。
②
「ブラッシュアップライフ」

脚本がバカリズムさん。さすが面白い。すごく面白い。一気視聴してしまった。
市役所職員の主人公は33歳で交通事故で死に、次の人生は「オオアリクイ」だと言われ、他の選択肢は、もう一度同じ人生を繰り返すことと、死者の受け付けで言われる。
オオアリクイよりはマシと思い、主人公は同じ人生を生きることにする。徳を積まないと人間として転生できないらしい
二周目を生きる主人公は徳を積まないとと思い、いい子になる。保育園の友達のパパと保育園の先生の不倫を阻止する。友人の不倫を阻止する。大嫌いだった中学の教師の冤罪痴漢逮捕も阻止する。勉強もして薬剤師になる。薬の不備を知って、祖父の薬害死を阻止する。
でも、やっぱり交通事故で死ぬ。
で、また死後の受付に行ったら、徳積みが足りなかったようで、転生すると「サバ」になると言われる。食べる鯖だ。
で、またゼロから同じ人生を主人公は生きることになるが……
ここから先は、ご自分で視聴してください。
バカリズムさんですから、会話がすっごく面白いです。
が……バカリズムさんは、男性だから、女性に幻想があるね。
ほとんどの場合、女の子たちは、あんなに善意に仲良くない。女の子たちは、友情のために頑張らない。女の子たちは、もっと孤独に自分の快楽を追求している。そうとは意識せず、自己分析もしないままに。
女の子たちは自由でいたい。結婚や出産は自由を邪魔する。でも、世間の常識と孤独を恐れて、女の子たちは不自由を選ぶ。そうして意地悪になる。
でも、生涯楽しく支え合える信頼できる友だちがいれば、ずっと自由なのに。4人組の仲良しがいればいいのに。意地悪なんてしないですむのに。
「ブラッシュライフ」を視聴して、女同士の友情を大事にする女性が増えれば、この世はもっと生きていて楽しい場所になるだろう。
③
「すべての終わり」 How It Ends

この映画は、アメリカ映画によくある「天変地異にも負けずに愛のために頑張ってサバイバル」っていう話じゃない。
でも、さすがアメリカ人らしい映画。
理由ははっきりしないけど、停電してアメリカ中が麻痺する。外国から攻撃されたのか?宇宙人から攻撃されたのか?政変か?
インフラが機能せず、食糧も足りない。国中で暴動が起きる。メディアは何も報じない。
主人公は義父とともに妻(婚約者だったかな)を救うべく、アメリカ大陸をシカゴからシアトルに向かって行くのだけれど、途中で義父は銃撃されて死亡する。
やっと主人公は妻に再会するが、そこにも安全も平和もなく、彼と妻は逃げるのみ。
世界というかアメリカ合衆国が終わる時は、こういう様相になるんだよ、という救済のない映画。
でも、救済のない映画を作ることができる精神の強靭さよ。
いいじゃんか、世界が滅びても。生きることができる限り生きて、人は死ぬんだ。
④
「正欲」(性欲ではない)

朝井リョウさんの小説の『正欲』(性欲ではない)の映画化。
これ、すっごく面白い小説なのです。だから、私の本でも紹介したのです。
その映画化がされたので、Netflixで観たのですが、しかし頭に来た。
稲垣吾郎の検事なんか、あそこまで出てこなくていい。
せっかく、ガッキーも女優さんらしくなっていい演技してるのに。ああいう役ができれば、未来のガッキーはいい女優さんだ!
他の俳優さんも良かった。
しかし、この映画化はガッカリ。ともかく検事が邪魔。類型的な思考しかできない人間の代表を、この検事にさせているのだろうけれども、うーん、邪魔邪魔。
稲垣吾郎は、家来に暗殺されるキチ◯◯な馬鹿殿様が一番良かったな。その映画の題名忘れた。「十三人の刺客」だっけ?
⑤
「高山少林寺」
えー字が違うけど、これは「高」の旧字体なんだと思う。

カンフー映画って、大袈裟ではないのですねえ!
ほんとうにああいうことができる人がいるんですねえ!
そりゃ、映画の特撮じゃないから、屋根から屋根へ軽々と飛んでいくような、ワイヤーアクションのような華麗さではない。
しかし、人間の身体って訓練次第ではここまではできるのだ!と驚かされる。
今の中国には少林寺を教える学校が100ぐらいあり、そこに入学すると、子どもの頃から厳しい訓練を受けることができる。
カンフー映画大好きな人は必見!
中国恐るべし。
清朝が孫文によって滅んだ頃、日中戦争の頃、共産革命の頃、文化大革命の頃、その後の国家資本主義の時代を、彼らがどう生きてきて、彼らの技術がどう保持されてきたのかについては、この映画は語っていません。
⑥
「SISU 不死身の男」

Amazon prime で視聴したフィンランドの戦争アクション映画が、予想外にすっごく面白かった。
主人公は特殊部隊のすごい軍人だった。妻子が亡くなってからは、軍を離れて一匹狼で行動し、フィンランドがロシア(ソ連)に侵攻されたときは、ひとりで300人のロシア兵(ソ連兵)を始末し、今度は第二次世界大戦末期のナチスを相手に大暴れ。
ナチスの残党の戦車部隊は、もう負け戦だから、今さら国に帰っても絞首刑が待っているだけ。たまたま遭遇した主人公が金鉱掘りで金塊を持っていることを知り、ナチスの上官はその金塊を奪って逃亡しようとする。しかし、予想外に、老人の主人公は強靭で、味方がどんどん殺戮されてしまう。
ナチスの残党軍はフィンランドの女性たちを慰安婦にしてトラックに詰め込んでいた。フィンランドの女性は、その強靭な老人が誰だかナチスの兵士に語る。
「彼は不死身と言われているけど、不死身なんじゃない。死ぬことを拒否するの。絶対に諦めないの」と。
主人公の老いた英雄はフィンランド版三船敏郎で、部下を足蹴にしてでも自分だけ生き残ろうとするナチスのサイコパス卑劣な上官は、フィンランド版仲代達也って趣だ。
この英雄には実在のモデルがいるらしいよ。
フィンランドが舞台ですが、みな英語を喋っています。まあ市場が世界だから、いたしかたなし。
フィンランドの女性たちも立ち上がりナチスに抵抗します。ここらあたりは拍手喝采の痛快さ。
しかし、ドイツのナチスって、欧州中の嫌われ者として、いつも映画で描かれているけど、まあ、しょうがないのだろうねえ。ヒトラーは英国のスパイで、ドイツを弱体化させるために祭り上げられたピエロという説もありますので、第二次世界大戦の真実は、いまだ闇の中。
一味も二味も違うフィンランドの戦争アクション映画です!
⑦
「忍びの家」House of Ninjas

これ面白いわああ。 忍者って、ゴジラと同じく日本の文化イメージ資産のひとつ。まあデタラメでも、ここまで来たらサブカルチャーを超えている。
面白い時代です。外国人がシナリオ書いて監督して、日本を舞台に日本人俳優が演じる現代の忍者の話をNetflixが世界に配信する。やっぱ、世界基準のエンタメになってます。
おばあさんの忍者も活躍します。おばあさんの忍者どうしは、表情だけで意思の疎通ができる。宮本信子さんと白石加代子さんの快演が楽しい。
好きな俳優はほとんど出ないけど、シナリオが面白いので、視聴できる。
連綿と人知れず、苗字も変えて国を守ってきた服部半蔵の子孫の家。
しかし、国を守ってきたのだろうか?権力者の犬をしてきただけではないのか?
国から独立して、自ら選択し国を動かす風魔一族は、それでいいのかと服部半蔵の子孫に揺さぶりをかける。
風魔一族の長で、新興宗教の教祖役を山田孝之くんが演じています。
でも、山田孝之くんの無駄使いの気がする。
あの役なら、他の俳優でもできる。
顔が濃いアニメチックな顔立ちの俳優ばかり出演なのは、やはり市場がグローバルだからかな。
どこにもない日本だけれども、こういう日本イメージを逆手に取って、ほんとの日本を守る(隠す?)という手もあるよ。
⑧
Don’t Look Up!

久しぶりに面白いアメリカ映画だった!予言的映画かも……
Don’t Look Up! 2021年の作品です。Netflixで視聴できる。
こんな面白いのに、話題にならなかったのはなぜ?政治社会風刺が過剰だからかな?
ミシガン州立大学の天文学の博士課程というか、doctor candidateの女子学生が新しい彗星を発見する。
この彗星は刻々と地球に向かってきている最中で、直径9キロあるんで、地球に衝突したら全てぶっ飛ぶ。すごい爆風で全てがぶっ飛ぶ。地球という惑星が消える。
ところが大統領は危機感なし。選挙の支持率しか気にしない。ペンタゴンのトップは意味なくセコイ。
眼鏡かけてないビルゲイツみたいなコンピューターとスマホの会社のCEOは、大統領に巨額の献金をしていて、核で彗星を破壊するより、彗星のレアメタルが欲しい。
ものっすごおおおおおおく政治風刺が効いている映画です。頭のいいシナリオ。
現代アメリカの何でもショーにしてしまう軽薄さをコケにする映画だ。
アホ馬鹿大統領の役はメルリ・ストリープで、ぴったし。
そして彗星は地球に激突し、人類の歴史とともに地球の歴史は終わる。
最後のオチもありますが、これについては、書かない。
⑨
「新米史官 ク・へリョン」

「史官とは、王朝の歴史書を作るために帝の全言行を記録する役人のこと」
韓国連続テレビドラマで「新米史官 ク・へリョン」は、全くのファンタジー時代劇ではありますが、「史官」という官職に注目したのは、すごい!
かつての中国王朝や朝鮮王朝には、皇帝の行動や発言を全部記録し、王の側にいて、王が臣下に何を話したか何をしたかを記録し、その記録は王すらも閲覧できなかった。
これは王の言動への戒めでもあったし、歴史に嘘はいけない、絶対に起きたままを書いて残さないと、権力者の過ちが繰り返されるという見識から生まれた官職だった。
史官は科挙の合格者であり、絶対の使命感と誇りを持って記録し続けた。
もちろん、史官の義務を忘れて王に忖度した史官もいた。
王が専制を振るい史官を罰した事例もあるらしい。
その結果として、真実が見えなくなり、事実認識ができず、王朝は滅びた。
戦争に負けたら公文書を燃やした日本の軍人や、公文書の保管が杜撰な日本の役人の頭じゃ、史官の重要性は理解できないだろうな。
このドラマは、表面的には美男美女の宮廷ラブコメディだけど、脚本家の志や政治意識は高い。女性の脚本家かな?
嘘の公式歴史文書があたりまえの世界に生きていると、こういう官職があったのかと驚く。
まあ、たまには綺麗事ドラマも見たいじゃないの。
女性史官を演じるヒロイン役の女優さんは、若い頃の吉永小百合さんの面影のある美女。眼福眼福。
