#665 5/14/2024 歴史の階段の踊り場にいる不安と面白さ(その1)

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本日は2024年5月14日火曜日です。

最近ねえ、いやあ、ほんとうに今って、すっごく大きな歴史の転換期にいるんだなあって、気持ちがしみじみしてます。

これは、子どもや若い人たちを眺めてると、否が応でも感じる。

5月6日は福山市立大学勤務時代の教え子さんが名古屋に来たんで、名古屋駅の高島屋の金時計の前で待ち合わせして、JRセントラルのビルの12階にある「浅田屋」って加賀料理のお店で夕ご飯食べたのだけどさ。

あ、ここはほんとうに美味しいですよ。一品一品がすごく凝ってます。浅田屋さんは、東京は赤坂にも青山にもありますね。

同じビルの13階には、同じく加賀料理の「加賀屋」さんというのもあります。

金沢と名古屋って歴史的にも繋がりが深いからね。加賀と尾張だもん。

この「浅田屋」ってのは、山本一力氏の小説「飛脚三部作」に出てくる浅田屋ですよ。

最初は飛脚業だったんですが、明治になって鉄道が敷設されて、郵便制度もできて、もっとあとには自動車が出てきて、飛脚という職が無用になり、浅田屋さんは料理屋さんに業種転換したのです。

江戸時代には、加賀から江戸まで5日間で走ったそうですよ、飛脚さん。すごいですね。

5月6日に会った教え子さんは、卒業後7年経過だから29歳かな。30歳になるのかなカナダに行くんで会社を辞めたそうです。

彼は食品会社の有能な営業マンだった。そのままでいいのに、ワーキングホリデーで1年カナダに行くんだそうです。

まあ、なんでもやりたければやればいいし、行きたいところは行けばいいよね。いろいろ試しているうちに、何かこれだけはカネにならなくてもやりたい!と思うようなことに出会うだろう。

それを見つけたら遊ぶように夢中にやっていればいいんだ。

食ってゆけるかどうか心配しなくてもいいよ。何とでもなるから。

と、2024年の私はこう思っているけれども、1990年の私ならそうは思わなかったに違いない。

カナダは旅行で行けばいいんであって、今勤めている会社で着実にキャリアアップして、もっと大きな企業にいい条件でスカウトされるぐらいにさあ……と思ったに違いない。

しかし、今の私はそう思っていない。なぜならば、すでに時代が変わってるから。

まあ、統計というのは、どこまで実情を伝えているかわからないにしても、不登校の小学生や高校生はドンドン増えている。

令和になって急増している。

これ、理由はいろいろ言われてる。

親が甘いからとか、最近の子どもがひ弱で甘ったれてるから、学校が劣化したからなんてのは理由にならない。

昔だって甘い親はいたし毒親はいた。ひ弱な子どもは昔からいたし、甘やかされた根性なしのガキなんて、昔からいた。

学校なんて、昔から通いの緩い刑務所だったし、教師の質もいろいろだった。

それでも、みんな学校に通った。

学校に行かないと基礎学力がつかなくて、基礎学力がつかないと就職できなくて食っていけないから。

学校暴力とか起きた時期はあったが、そういうことしたらまともに就職はできず社会の落ちこぼれになり、自分が損であるということがハッキリしたら沈静化された。

だけど、今は学校に行かなくても学習できる。学習装置はいっぱいある。教育サービスはいっぱいある。

学校に行かずとも勉強できる。

今の学校の荒っぽさが辛い子どもは不登校になっても、自分で勉強さえすれば、基礎学力は身につく。

今の小学校って学級崩壊多いんだって?

義務教育における学級崩壊というのは、人権重視の現代では教師には体罰権も懲罰権もないから起きる。「君は明日から出禁ね。もう来なくていいよ」と言える退学通達権が学校側にないから起きる。

中学受験用塾でドンドン勉強しちゃった子どもが、学校の授業があまりに無駄で退屈で、教室で遊んでしまうのを、教師は制することができず、学級は荒れる。崩壊。

もしくは、家庭環境が劣悪で、親に怒りを溜めている子どもは大人と見れば教師に怒りをぶつけて、授業妨害するが、教師はそれを制することができないので、学級は荒れる。崩壊。

富裕層は最初から子どもを私立小学校にいれる。准富裕層からアッパーマス層の経済力のある親は中学から子どもは私立か国立大付属中学に入れる。小学校にいる間は学習の遅れは、定評のある学習塾で補う。

そうでないマス層の子どもは、そのような学校の荒っぽさの中に捨て置かれる。いじめのターゲットにならないように用心する。

ターゲットになったら、負けるが勝ちとばかりにサッサと引っ越して転校するとか、市の教育委員会より県の教育委員会に訴えるとか、弁護士を雇うとか、警察に被害届を出すとか、そういう情報のない子どもは親にも言えず、自殺してしまったりする。

小学校と中学校9年間をサバイバルできるかどうかは大問題だ。

ぶっちゃけて言えば、義務教育はすでに機能不全だ。

これは、学校が悪いんじゃない。教師が悪いのでもない。親が悪いのでもない。そんなもん、人間だもん、前提として悪いんだからさあ。今更なにを。

人権が大事という思想によって無力化された学校に対してはリスペクトが消え、教育サービスの多彩な発展とインターネットなどの学習装置の充実によって、学校の存在価値が薄れちゃっているなら、もう教育は自由化して、義務教育やめればいいのにさ。

でも、まだまだ続くよ。こういう状態は、あと20年は続くだろう。

文部科学省が諦めて教育の自由化を認めるまで停滞が続く。しかたないよ。生きるか死ぬかの戦争だって、原爆2発落とされてもデモデモダッテとウジウジしていたのが政府だし公務員(軍人も公務員でしょ)だ。

こういうこと言うとさあ、学校は勉強だけする場じゃないという意見が出るよね。

ちゃんと朝は起きて、遅刻せずに学校に行ってという生活は、大人になってからの職業生活の練習だとかさ、

退屈でも、わからなくても、黙ってじっと机についているのは忍耐力を養うとかさ、

いろんな学友がいる中でドタバタすることは、成人後の人間関係の葛藤に対処する予行演習になるとかさ、

オールラウンドに学ぶことが大人になって役に立つから、独学なんてダメだとかさ、

こういう意見は、子どもたちが、未来の企業人、組織人、給与生活者、賃金労働者になるということを前提としている。

だけどさ、人間の労働のほとんどが無用になる時代がもうすぐ来るんだよ。

ならば、賃金労働者になれる基礎訓練所としての学校って、意味ないでしょ。

スーパーに行っても、ホームセンターに行っても、Seriaに行っても、レジは機械化されている。

機嫌の悪そうなパートの中年女性や気の利かない若い男性のレジよりも、機械の方がいいよ。私はそう感じる。

もう「味噌煮込みうどんの山本屋」でさえさあ、注文はタブレットよ。まあ、配膳はまだホモサピエンスだけどさ。

ともかく、今ある仕事のほとんどが消えるんだよ。

そのかわりに、今ない仕事がいっぱい生まれるだろう。

ただ、その仕事は、従来の賃金労働者がしてきたこととは違うんだろう、きっと。

それはともかく、賃金労働者になるための小学校なら、もう要らないのよ。

義務教育は終わっていいの。すでに機能不全であり、もっと機能不全になる。これはもう止めることができない。

一方、教育サービスはもっと多彩になり、学習装置や情報伝達装置はもっと大量に、もっと安価に、もっと個人の適性に応じて、利用可能になる。ついには無料となるよ。

就職、仕事と言えば、よくネット記事で、優秀な人材なのに採用してもすぐに辞めちゃうとかいう記事が載っているけれども、そういう事例はもっともっと増えてくるよ。

若い人は、すでに未来の感覚で生きてるんよ。

ホワイト企業ってのはさあ、若い子の感覚で言えば、週休3日で、出勤退勤時間自由で、休憩自由で、年に30日の有給休暇は当然で、7年に一度は1年間の休暇が制度化されている会社ってことよ。

冗談じゃない?

いえ、そうなるって。それで十分に成立するんだよ、未来の企業は。

給料安くても、そういう会社の方が、給料は高いけど自由度の低い残業の多い会社より、いいんじゃないの?

給料安くて仕事が多い会社はブラック企業だけれども、まだ今だから残存できているけれども、未来は刑務所の代わりになるんだろう。

今の子どもや若い子って、ダラダラしてるでしょ?テキパキ動かないでしょ?動けないでしょ?

あの子たちの行動様式は、未来の人類の行動様式を先取りしてるんよ。

21世紀に入ったあたりから、今の大学生って、動きが機敏じゃないなあ、タラタラしてるなあ、と私は思ってた。

あれは、次の時代の行動様式よ。ゆっくりマイペースよ。

いい悪いの問題じゃない。劣化とか進化の問題じゃない。

そうならざるをえないんよ。

ゆっくりとのんびりで生きて行ける時代になるんよ。

今はまだまだでも、AI化はどんどん進行して、人間のする労働なんて、あらかた消えちゃう。

外科手術だって、機械がする。

内科の診断はコンピューターがする。

だいたい、すでに今の内科医なんて検査数値から診断してるだけでしょ。

国家財政のうちの医療費は肥大するばかりらしいけれども、高額医療減額制度をなくすとかよりも、科学研究にもっと金出して、予防医学を発展させて、医薬業界に儲けさせることをやめれば、コストカットになるよ。

というか、今の状況で生きることのストレスで多くの人々は病むんだからさ。

もう、今の状況は限界。

次に行くことこそが人類のすべきこと。日本のすべきこと。

じゃあ、労働も医療もAI化されたら、どうやって人間は生きて行くのか、だって?

仕事から得るお金のことを心配してる?

お金って数字だから、数字は概念でしかないので、いくらでも増やせるよねえ。

物は実体だから増やせないけれども、もっともっとAIが進化すれば、生産性は上がる。

ただし、その増えた生産品を購入する人がいなければ、作っても仕方ない。

だから、消費者生産のために、また人権思想のもとにある政府は、ベイシックインカムを導入するしかない。

それも、紙幣とか硬貨ではなくてデジタルマネーで。

数字なら、いくらでも増やせる。造幣局無用です。

紙幣の支給だと公務員や銀行が必要になるけど、国民全員のマイナンバーの端末にデジタルマネーの数字を送ればそれでいい。行政のコストかかりません。銀行も不要です。

ついでに、何月何日までに使い切らないと、その数字は消えますってことになれば、否が応でも消費に回るね。景気良くなるね。

これは、苫米地英人さんが書いてましたね。使いきれないデジタルマネーは政府が回収して、その数字が膨大になれば、いずれは無税国家になるって。

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といっても、全部が全部デジタルマネーにはならないだろうけれどさ。

でも、ベイシックインカムはデジタルマネーでいいです。

つまり、まあ誰でも食ってはいけるようにはなる。

そうなると、どうなるか?

この先は次回に。

ともあれ、時代の変わり目に生きてるって、しんどいよね。

転換期というか歴史の階段の踊り場というか。

今度のは、たかが幕末から明治維新への転換期みたいな小さいものじゃない。中世から近代への変化よりも大きいんじゃないか。

どうなっていくのかって不安はあるよね。

でも、なんかおもろいなぁとも思う。

まあ、私はいつ死んでもおかしくない年齢ではあるので、こんなこと考えても仕方ないのだけれども、こういうこと考えるのは私の楽しい趣味のひとつなんだから、しかたないのよん。

ところでさ、下の写真の噴水が、NHK朝ドラの「虎に翼」によく出てくる噴水ですよ。名古屋の鶴舞公園にあるの。

これは夜に撮影したんだけどさ。レトロでしょ?

でもって、晴れて弁護士になったヒロインが、お弁当の入っている風呂敷包み持って、就職した法律事務所に歩いていく道は、私の立ってる噴水の前の背後にある道。

この道の突き当たりにあるのは、JR鶴舞駅なんですが、ドラマではレトロな煉瓦作りのなんかになってる。合成技術がすごいよねえ〜

むふふふ。「虎に翼」を視聴しつつ、あ、ここはあそこだ!あ、この裁判所は名古屋市市政資料館だ!とか思ってるのは楽しい。

ヒロインたちは、これから戦争という困難な時代を迎えるわけですが、愛する人々の死を経験するわけですが、ドラマとはいえ、見てる方も辛い。

でも、戦争は終わり、男女平等になるって知っているから安心。

ドラマを見るごとく、歴史を俯瞰しつつ、次の展開で人類がどういうことになるのかを知っていながら、憐憫と愛を持って見つめている大いなる存在がいるんですかねえ。

人類の歴史も超絶大長編ドラマですねえ。

2件のコメント

  1. 天磐座大神宮のブログを読んで、勝手に拝見させて頂いています。うんうん頷いて読ませて頂きました。時代は変わりましたね。でも中年以上の男性がそれを理解していなくて、彼らが早く人生を引退してくれないかなーと思っています。政治の世界もダメ親父の巣窟ですからね。
    好きなことを好きな時に好きなだけして、それが色んな人の人生を豊かにして、世界がカラフルに生まれ変わる、そんな新時代が待ち遠しいです。

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    1. なかいま様

      コメントありがとうございます。

      変化したことは元には戻せません。昔は昔ですね。

      男性は、どうみても昔の方が楽だったんですよ。だから、過去のありようにこだわるのですが、無駄なことです。自分の居場所を無くすだけです。

      そういう男性も、じわじわだんだんと正気になっていきますよ。

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