本日は、2016年2月7日日曜日だ。
満身創痍気味だった2015年度の4学期も、2月15日に終わる。
そしたら、自宅療養に入れる。嬉しいなああ~~
本日の紹介動画は、2016年1月26日開講第11回「アメリカ文化論」の一部だ。
アメリカは結社(associations)社会だよ~~という話の第1回目だ。
アメリカ映画を観ていると、「クラブに泊まる」とか「クラブで食事しましょう」とかいう台詞が出てくる。
この「クラブ」というのは、「ナイトクラブ」のクラブじゃないし、大学の「サッカークラブ」のクラブでもない。
アメリカの大学には、ギリシア語のアルファベットを冠した男子クラブ「フラタナティ」(fraternity)と女子クラブの「ソロリティ」(sorority)がある。
Gleek letter associationですね〜〜
大学にあるそれぞれのフラタナティとソロリティは、他の大学の同じ名を冠したフラタナティやソロリティと全米ネットワークを作っている。それは生涯続くネットワークだ。
フラタナティやソロリティの成員は、彼らや彼女たちだけの「クラブ・ハウス」で寝泊りする。それは、一般学生の学寮(dormitory)とは違う。
この全米ネットワークを持つフラタナティとソロリティこそが、アメリカの大学の「クラブ」だ。
「ボストン・ブラーミン」と一括して呼ばれる高級住宅地のクラブもあるけれど、ここでは、まずは大学のクラブの話。
ともかく、このクラブは誰もが入会できるようなもんじゃない。
有名フラタナティやソロリティは、成員を選ぶ。
WASPであるかどうか、家柄、容姿などが入会基準になる。
ユダヤ系や、カトリック系(アイルランド系、イタリア系、東欧系など)や、アフリカ系やアジア系は入会できないフラタナティやソロリティがある。
これらのフラタナティやソロリティは、アメリカ主要都市に成員のためのホテルやレストランを持っている。ゴルフ場も持っている。
アメリカ映画に出てくる「クラブに泊まる」とか「クラブで食事」というのは、そーいうフラタナティやソロリティに入会できた人間が言える言葉だ。
アメリカの「エリート」とは、そういう人々のことだ。
エール大学のSkull and Bonesみたいに、唯一のフラタナティも存在するが。この結社は、アメリカの歴代大統領を何人も輩出している。歴代のCIA 長官を務めているのも、この結社のメンバーだ。
みなさん、ロバート・デ・ニーロ監督のThe Good Shepherd(2006)って映画をご覧になったことがありますか?あそこで描かれているエール大学内結社、特権的社交クラブが、Skull and Bonesだ。
「結社」社会アメリカの導入として、私は、まず、アメリカの大学のクラブは、日本の大学のクラブとは大違いであることを話す。
私は、学位を取得するようなまともな留学はしたことない。日本の大学でさえ嫌なのに、アメリカの大学なんか冗談じゃない。
そこまで文学研究に情熱なかった。英語力もない。勉強なんかしたくもなかった。
だけれども、アメリカの映画を観ていて、なんか気がついたんだよね、アメリカが「クラブ社会」であることに。ひいては、「結社社会」であることに。
アメリカの映画こそが、私の大学であったね!
アメリカの学園ドラマや学園映画の中には、フラタナティやソロリティに入会できなかった学生たちの「恨み節」みたいなものがある。
1970年代のAnimal HouseとかThe Groupとか。
The Group(1969)は、1933年に名門女子大学ヴァッサー大学(マンハッタンを北上した町にある)を卒業したソロリティ仲間の人生模様を描いたメアリー・マッカシーの小説の映画化だ。
彼女自身は、ニューヨーク知識人と呼ばれる左翼系文化人だけど、もっとも認められた作品は、「ブルジョワのお嬢さん大学のソロリティ仲間の生態」を描いたものだったという皮肉。
80年代のThe Revenge of the Nerdsは、どのフラタナティにも入れなかったマイノリティの学生たち(日本人留学生も含む)が、自分たちのフラタナティ結成のために苦闘する喜劇だ。強烈に面白いよ、特に最初の『ナーズの復讐』は。
ほんとは、この『ナーズの復讐』を学生に見せたいのだけれども、80年代のアメリカ映画というのは、エネルギーがすごくて、シモネタ満載、悪ふざけ満開だから、うちの学生さんたちには無理かもしれないと思って、見せるのはやめた。
真面目というかなんというか、冗談が通じない・・・・