[248] 岩崎宏美さん、日本における上流階層について暴いてよ!

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本日は2018年1月21日日曜日である。

あさっての三重大学工学部大学院の渡邊明先生ご担当の「生産管理論特論2」で話すことの準備はまったくできていない。

もう、漫談ですませるか。

いやいや……そんなことしたら、渡邊先生に伊勢湾に沈められる。

葛藤は大きいのであるが、現実逃避するためにBlog記事を書く。

唐突に話は、岩崎宏美の話になる。

なんで岩崎宏美か。

「聖母たちのララバイ」を歌った人である。

この人のことを思い出したのは、以下の本を読んだからである。

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この本は、1977年に出版されて、1996年くらいまでは版を重ねていた。

江戸期から明治にいたり1970年代の高度成長期まで、日本の産業の発展について、経営学の観点から書いたものだ。

著者は私の母校の南山大学の名学長であったヨハネス・ヒルシュマイヤー神父(1921-1983)と、明治大学教授であった由井常彦氏(1931-)である。

もともとは、英語で発表されたものの日本語版である。

英語版の方は、ずっと版を重ねている。

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だって名著だもん。

アメリカでも、随分と読まれたんだぞ。

奇跡の日本の経済的成功の背景を語る研究書として。

この続編を書く前に、1983年にヒルシュマイヤー学長は亡くなられた。

立派な学長だった。

経営手腕も学問業績も。

ついでに男前であった。

できれば、ヒルシュマイヤー学長の1990年以降の「失われた20年」の分析も読みたかった。

江戸時代の両替屋や呉服屋から、明治以降に三井家がどのように三井財閥となっていったのか。

岩崎弥太郎の三菱は、いかに巨大な三菱財閥となっていったのか。

その他の新興財閥は、いかに生まれたか。

個人所有的企業の勃興はいかになされて、かつ消えていったのか。

この本は、学術書なのに、無茶苦茶におもろいんである。

この本を読んで、やっと私は以下の広瀬隆さんの『持丸長者』シリーズ3部作の内容がしっくり頭に収まった。

「持丸長者」ってのは、お金持ちのこと。

「丸」とは、お金のこと。

そーいう長者番付が江戸や明治にはあったそうだ。

つまり、近現代の産業資本家がいかに日本を動かしてきたかを陰謀論風に書いたのが、このシリーズだ。

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広瀬隆さんの本は読んでおもしろい。

でも、やっぱり、学術的な専門書を読んでからの方が、理解できます。

べつにさあ、こんな江戸期から近現代の日本におけるビジネスの発展と展開についてなんて、無職のプー子の私が興味持ってもしかたないんだけどさあ。

でも、なんか、自分の曽祖父母や、祖父母や父母の生きた時代について、もっと知りたいじゃないの。

まあ、こんなこと書くと若い人にとっては辛いかもしれないけれども、日本ははっきりと階層社会である。

実は江戸時代と似たようなもんである。

江戸時代の大名家が華族となり、廃藩置県のときに巨額の債権を新政府から支給された。

その債権は、日本における初めての銀行設立や殖産工業に投資された。

華族たちは、それで得た利益を蓄積して資産を築いてきた。

必ずハイリターンを期待できる投資情報は、政府筋から得られたし。

今でも彼らは、超優良企業の大株主であるし、庶民と違って『四季報』めくって、株の売り買いなんかネットでしない。

ちゃんと専門のファンド・トレイダーがいる。

「毎月3000円で楽天銀行に口座開いて投資信託買いましょう〜〜」の話ではないのだ。

明治維新だって、両替商として富を蓄積していた鴻池や三井家(三越 越後屋)などは、勤王派にも佐幕派にも資金を融通していた。

だからこそ、明治政府ができたときは、政商となれたのである。

岩崎弥太郎の三菱は、江戸時代からの歴史はないけれども、明治維新のドサクサで勃興した典型的政商だ。

住友、安田、古河、大倉しかり。

そうやって、財閥はできた。

財閥どうしで婚姻関係も結んで、さらに強固になった。

これぞ閨閥ネットワーク。

でもって、何が言いたいかというと、江戸期に端を発する明治維新期にできあがった華族や財閥の一族は、今でも健在で資産を守り続けているし、政治経済に影響を与えているということ。

しかも、彼らは、所有と経営が分離した現代の企業においては、経営の矢面に立つことはない。

安全に大株主としての配当を受け、資産はすでに海外に逃してる。

香港上海銀行か、スイスあたりに。

彼らのコネで日本は動かされている。

超有名企業に採用される人々の半分くらいは、彼らの子弟か、彼らと縁続きの人々であるよ。

ぶっちゃけていえば、旧華族系か財閥系でなければ、東大出たって、慶応出たって、一種の高等奴隷だ。

日航とか日本銀行とかNHKとか、財閥系メガバンクとか、その他の財閥系系列企業に採用されても、幹部にまではなれない。

国家公務員試験に受かっても、肝心要の次官にまでいたれるのも、彼らのコネがある人間だろう。

そういう仕組みに早く気がついたガキは、その仕組みの中で、少しでも有利な立場にたとうと、受験勉強に勤しむ。

高級奴隷になれるならいい。単なる奴隷よりは、はるかにいい。

私みたいな無知な人間は、ボケっとガキ時代を過ごして、大人になって、日本社会の仕組みを知ってビックリするのである。

まあ、でも食ってこれたからいいのよん。

それはさておき、なんで岩崎宏美か?

私は、岩崎宏美が結婚したときに仰天した。

岩崎宏美の結婚相手が、三井財閥の中興の祖のひとりで、三井物産を大きくした益田孝の直系子孫と知ったから。

ええええええ???

なんで、そんな三井財閥系の御曹司と結婚できるの、ただの流行歌手が!?

成城学園初等学校以来の幼なじみだそうだ。

へええ……三井って慶応閥のはずだけど、成城かあ。

で、有閑マダム雑誌の『婦人画報』とか『家庭画報』に、よく岩崎宏美が登場するようになった。

「益田のお母さまと迎えるひな祭り」とかいうキャプションのグラビア写真で。

和服を身につけた岩崎宏美が、これも高価そうな和服を身につけた上品で美人な初老の奥様とならんで、ニカッと笑って、由緒正しいらしき雛人形を持っている写真だったかな。

おおお〜〜〜これが日本を牛耳る三井財閥の中心的ファミリーの嫁さんと姑さんであるかーー

まあ、玉の輿に乗ったんだから、宏美ちゃん、頑張ってね!!

男の子3人くらい産めば盤石だって!

と、岩崎宏美のファンであった私は、美容院でグラビア写真を眺めながら、そう思った。

で、岩崎宏美は、ちゃんと男の子を産んだ。

立派、立派!!

ところが、10年も経過せずして、離婚した。

なんだ、根性ないなあ!三田寛子を見習えよ!

ちゃんと男の子を2人産んだのだから、名家の嫁としての最低の義務は果たしたはずだけれども、居心地は良くなかったかもしれない。

流行歌手だったことなども、軽蔑されたりしたのかも。

オペラ歌手だったら、良かったかも。

元ご主人は離婚後すぐに再婚したらしいし。

再婚相手には困らないよね。

で、私としては、せっかくだから、「体当たり日本の三井財閥潜入レポート」なんかを、岩崎宏美に書いてもらいたいわけ。

日本の上流階層の生活と意見つーのに興味がある。

小説読んでも、上流階層の生活と意見なんて書いてありません。

なんとなれば、小説は中流階層から生まれ、作家は中流階層のことは書けるが、上流階層と下層階級のことは書けない。

知らないものは書きようがない。

つまり、上流階層の生活と意見は、私ら中流階級の人間にとっては、「人跡未踏の地」なんよ。

市原悦子のドラマの「家政婦は見た」が人気だったのは、違う階級の生活の覗き見ができるからでしょう。

でも、あのドラマの脚本家だって、上流階層の生活なんて知らないはずだ。

テレビで「自宅公開」なんてやってる富裕層は、単にカネ持っているだけで、上流階層とは言えない。

だから、私は「上流階層って、どういうふうに世界が見えるんだろう?何を考えて生きてるのかなあ?資産管理はどうやってるのかなあ?」と興味がある。

だから、岩崎宏美に、バラしてもらいたい。

でも、岩崎宏美は、そんなこと書きません。

まあ、離婚条件のなかに、「益田家の内情について口外せぬこと」なんて条項が入っていたのかも。

そんなこと書いて歌手活動に支障が生じるのも困るからなあ。

と、アホなこと考えている日曜日である。

追い詰められている日曜日である。

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