本日は2023 年7月29日土曜日だ。
暑い。暑いです。
しかし、私は暑くても出勤しないで済む。嬉しい。万歳70 歳。
でも所用で外出して帰宅すると熱中症気味になるよ。昨日も中学時代からの親友と会う約束だったけど、前日の外出時の疲れが取れずに朝から不調だったので、予定を変えてもらった。
ほんと高温多湿はあかんわ。摂氏40度近い気温とは。がん細胞は死滅する温度だわねん。
最近の私は、NetflixもAmazon prime videoも見ていない。だってさ、現実に起きる事件の方が、韓国ドラマより面白いのだもの。
新聞やTVのワイドショーの話題は、もっぱら札幌ススキノのホテルで発見された首なし全裸男性死体事件のことだったようだ。
あとは、ビッグモーターの不正請求と、ビッグモーターと損保ジャパンの不正癒着問題と、ビッグモーターによる街路樹除草剤撒きまくり枯れ死事件についてだったようだ。
一方、YouTubeでは、「週刊文春」がぶち上げた木原誠二官房副長官夫人の前夫不審死事件問題に関する話題で、もちきりだった。
それらの動画配信を片端から視聴していると、楽しい。
だもんだから、ついつい買っちゃったです、「 週刊文春」最新号。8 月3日号。
書店は、なんと立ち読みを防ぐために、こんなふうに雑誌を縛って売ってました。
一冊460円。ひさしぶりに週刊誌を買ったぜい。週刊誌も高くなったですねえ。

この事件について、次の安冨歩東大教授の分析が、もっとも整理されて、かつ鋭かった。
でも、木原事件も、ネット界では大騒ぎされているけど、先行きが見えてきたなあ。
警察から取り調べを受けている夫人に、木原氏が「俺が手を回しておく。警察では何も喋るな」と言ったことは、2人が乗ったタクシーのドラレコに残っているけど、そのこと自体は、木原氏が警察上層部に圧力をかけたという証拠にはならない。
奥さんの手前ホラ吹いただけだと言われれば、それで終わり。
それから、木原夫人前夫不審死事件の再再調査がなされることはないだろう。2006年に致死量にいたる覚醒剤を飲み、かつ自分でボールペンだかナイフだかで喉を突いて自殺とされた男性(モデルで風俗店に勤務)が、自殺ではなく、何者かによって刺されたということの物的証拠を揃えるのは、もう無理だろう。
遺族が記者会見を開いて、どう同情を集めようとも。お気の毒ですが。
警察からすれば、覚醒剤所持の類の人間が死んでもどうでもいいもんね。まともに捜査するインセンティブがないよね。
命が平等なんてことはないのよ。残念ながら。
その自殺(?)現場にいた木原夫人が、全てを話すなんてこともありえない。ましてや、夫人の父親の元警官が真犯人であったという仮説を証明するのも無理。
夫の死体が発見された日の夜に不倫相手と居酒屋で乾杯していた女性が、自分の夫の遺体も引き取らず、葬式にも出なかった女性が、自白するなんてことはありえない。
この女性は実に自分の欲望に正直な女性だ。銀座の人気ホステスさん時代に出会って交際していた木原誠二氏に、エリートにふさわしい縁談話が出ると、2回もぶち壊したそうだ。
このことは、横田由美子さんという女性ジャーナリストが話していました。なんか、木原夫人のこと個人的に会って知っているようです。
いやあ、すごいわ。自分に正直だわ。大したものである。
私の知ってる女性にもいるよ。自分が狙っていた男性の婚約者に嫌がらせして、その婚約をぶち壊した人。
どうやったかって?ちょっと書けないです。下品な私でさえ、書くのが憚られる。
好きな男の栄達のために身を引くなんて殊勝さは、昭和で終わったのよ。
「元ヤンキーの芸能人崩れの教養もない美人なだけの私が妻では、この人が総理大臣になっても、ファーストレディの役目を果たせないわ、それでは日本のためにもならないわ」なんて、考えるはずもない。
でも、まあ昔の素行の悪さなんてものは、必ずバレるものであるから、どうでもいいといえば、どうでもいい。
問題は、警察に圧力かけた疑惑によって、木原誠二氏のpublic image は甚だしく損傷されたってことだ。
でも、それだけのことだ。選挙に落ちたら、みずほグループのCEOのお兄さんとこに就職すればいいじゃん。
でも東京の有権者って、そんなに見識ないかもしれないので、また当選するんじゃないの?
政治的圧力を警察に加えたかどうかなんて証明できないのだから、副官房長官を辞任させられることはない。
木原氏が自ら辞任しても、だから何?だ。
スペアはいっぱいいるし。日本の政治は日本人の政治家が決定しているわけではないんだし。
そういう国だよね、日本って。
ススキノ事件も、頭の硬い類の精神科の医者の家族の心理的一家心中らしいから、勝手にやってろで、もういいわ。
女装して女性を油断させて強姦してた62歳オッサンの頭が切断されたのは、ちょっとはやめの地獄体験。自業自得。
自分の親の介護を奥さんに押しつけて、自分は女装ごっこかよ。還暦過ぎてやることか。
夫や父がそんな殺され方したら、家族は生涯、立ち直れないぞ。
女装は趣味でいいけど、なんで女のフリして若い女の子に性加害するんよ。
せっかく生まれたのに、他にすることなかったのか。
ほんと次から次へと変な事件が起きる2023年。
で、次の事件は何かしらね。
ところで、「週刊文春」に、木原夫人前夫不審死事件に関する捜査をやめさせた政治的圧力についての情報を持ち込んだのは、誰だったのかしらんね。
木原氏が警察に圧力をかけたらしき時期は安倍政権時代。
「週刊文春」にこの情報を持ち込んだ人は、安倍さんはやっぱりダメだったと知らしめたい派なのか、今の岸田政権にダメージを与えたい派なのか、それとも別の文脈があるのか。
この事件前には次期次期総理候補だった木原誠二氏の芽を、今から摘んでおく必要がある人々がいるのか?いるんだよな、きっと。
まあ、木原さんが総理なんて、私はいやあああああだから、今回の週刊誌とネット騒ぎで、その目が消えたのはいいことだけどさ。
で、思い出すんですよ。昔、「文藝春秋」に、唐突に田中角栄ロッキード疑惑金権問題を立花隆さんが書き立てて、日本中がわああああっと角栄さん批判に走った。1976年だったか。
今は、あれは中国に接近した角栄さん落としのためにアメリカ(キッシンジャー)が仕掛けた陰謀であったし、「文藝春秋」も立花隆さんも利用されたという説が、そこそこ常識になっている。
あの時は、私も角栄さんってそういう人かあ〜〜とお茶の間道徳的に思っちゃったもんね。
別に金権政治家だろうが愛人が金庫番であろうが、どうでもいい問題だったのに。
今回の木原夫人前夫不審死事件について、「週刊文春」が何回にも分けて丹念に報道していることは、20年後くらいには、どう説明されているだろうか。
何かもっと大きな背景があるのかなあ。
それはさておき、今日は、最近の私が読んだ歴史時代小説の紹介です。お気が向いたら、お盆休みにでもお読みください。
垣根涼介作『信長の原理』587ページです。

これは異色の歴史小説です。現在の国家運営や企業運営の観点からも読める組織論でもある。歴史哲学時代小説とも言える!
こんな重厚で頭のいい小説を読んでしまっては、TVや映画のしょうもない漫画チック時代劇などアホらしくて視聴できなくなる。
この小説における歴史的人物の描き方の深さが、その心理や思考の分析が並外れて緻密だ。
やっぱ小説も進化してますね!
この『信長の原理』は、読むと知能指数が上がるような気がする小説です。
読了して、思わず落涙。この落涙は、小説を読んで出てくる類のものじゃない。厳しい認識を得る羽目になった人間が流す涙だ。神も仏もいなくても、この世界にはこの世界が持つ原理がある。その原理とは何か?
本能寺の変で最後の時を迎える信長は、やっとそれを知る。自分は、その原理のために死ぬのだと知る。
若き日の信長は蟻の動きを見て、藤吉郎(秀吉)たちに実験をさせて知る。働き蟻と可もなく不可もなし蟻と無能蟻の比率は2:6:2だ。働き蟻ばかり集めても全部が働かない。やはり比率は2:6:2となる。反対に無能蟻ばかりで実験しても、全部が怠けることはない。比率はやはり2:6:2になる。なぜだろうかと信長は考えるが答えは出ない。
これは私たちもよく見聞きする事実だ。
ともかく、信長は自分の家来たちも、必ずこの比率になると考えて、常に無能蟻的部下を排除すれば、自分の軍団が弱体化しないに違いないと考える。
だからこそ、無能蟻的部下は果断に冷酷に排除する。一方、有能であれば、自分への裏切り行為さえ許す。
信長には日本を平定するだけではなく、半島や大陸に支配を及ぼしたいので、時間は足りない。自分の組織の効率を高めること、部下の有能さを保持すること、常に財力を高めることに、全身全霊をかける。有能な部下には報償をいとわない。
しかし、信長は有能な部下たちに裏切られ続ける。なぜなのか?それは、ここに書きません。ご自分でお確かめください。
いやああああああああああ、おそろしく面白いです!!読めて良かった!!この作者、すごいなあ!
今の知的劣化著しいと言われる日本でも、けっこうこの小説は読まれているようだ。良かったなあ。文庫本もあるよ。
同じ作家で『光秀の定理』てのもある。注文した。ポイントが貯まってるので無料で。嬉しいな。
原理だの定理だの、うっとうしいわ!と思う方におすすめするのは、村木嵐氏の『まいまいつぶろ』です。

以下は、Amazonに書いた私のレヴューです。
(転載はじめ)
どうしてくれるんだ!この忙しいのに、面白いから読んじゃったじゃないの!
第9代将軍の徳川家重(長福丸)の少年時代は悲惨だった。頭脳明晰な魂が、不自由なみっともない身体に閉じ込められていた。そのことは誰にも理解されず孤独だった。父の吉宗は彼を廃嫡して弟に将軍職を継がせることも考えた。
小児麻痺で生まれ、脚が悪く、言葉を正常に発することができず、頻尿ですぐに尿を漏らしてしまい、脚を引きずって歩き尿の跡を残す姿がカタツムリ(まいまいつぶろ)だと臣下の者たちからも侮られ馬鹿にされた。
そこに奇跡のような少年が出現した。彼は尋常ではない聴覚の持ち主で、唯一、長福丸の意味不明な発話を理解した。
この少年、大岡忠相の遠縁にあたる末席旗本の子息の大岡兵庫は、長福丸の通訳として城に上がる。彼だけは、長福丸の英邁さが理解できた。
それを父の吉宗も理解して、長福丸は第9代将軍となり、幕藩体制がかすかではあるが揺らぎ始めた苦しい時代に善政を敷いた。
しかし、将軍の言葉を理解できることは、大岡兵庫の人生を苦難に満ちたものにした。彼のような存在が嫉妬され警戒されるのは当然だった。
著者の村木嵐氏は、司馬遼太郎氏の教えを受けたようだけれども、山本周五郎の趣もある歴史作家だ。美しい魂を持つ人々の生涯を時代小説という形で描いたという点において。
江戸時代の奇跡の二人の物語。
しかし、あくまでも物語です。真実は、松本清張が「通訳」(「松本清張短編全集04」)という短編で描いていた家重と兵庫の関係に近かったと思う。でも、たまには、綺麗な物語だって読みたいじゃないですか。
(転載おわり)
このレヴューで言及した松本清張の「通訳」という短編小説は、もっとリアリズムだ。


鳥の鳴き声や動物の言葉が理解できて、言語障がい者の言葉が即座に理解できる奇跡の聴覚の持ち主というファンタジーを廃している。
松本清張さんは、大岡兵庫は、家重の言葉など全く理解できなかったのだが、だいたい、こんなところだろうと見当つけて通訳していたのであって、家重の言いたいことの3割すらわかっていなかったろうという解釈。
では、なぜ家重が、通訳としての兵庫を承認していたかといえば、臣下の人間のすることをいちいち諌めないのがトップにいる人間の器であるし、臣下が懸命に勤めていることを黙って受け容れるという、とてつもない善性の持ち主が家重だったという解釈。
まあ、ほんとうの殿様って、そういうもんよんね。
殿様ってのは自分の好き嫌いを口に出しちゃいけない。家臣が追い詰められるから。責任を取らされてしまうから。
なるほど。
ま、私は、少女漫画的歴史小説も好きだけど、やっぱり松本清張さんの解釈の方が真実に近かったと思う。
さて、7月も明日と明後日でおわり。
私が唯一視聴していたTVドラマの『どうする家康』ですが、いくら大衆娯楽のTVドラマといっても、あの前回の本能寺の変はないわ。
あんな変な本能寺の変は、変だわ。
期待してたのにいいいい。
時空を超えて、互いの名を呼び合う信長と家康なんて、BLとしてもshit of shitだわ。
あの名作傑作『リーガルハイ』の脚本を書いた古沢良太氏は、どこに行ったの?
帰ってきて!あの鋭い才能がほとばしっているシナリオライターさん!
もう視聴する気が失せたぜい。
寂しいわん。1週間に1度だけでも視聴する楽しみがあるドラマが消えたわん。
と言いつつ、視聴しちゃうかもね〜〜いや、やっぱりもう見ないかな。

Toland Vlogさんの動画に次のようにコメントしました。
「私はToland Vlogはもちろんですが、Twitter全般、藤原直哉さん、田中宇(さかい)さん、玉蔵さん、藤森かよこさんから情報をとるようにしています。私のような末端の人間でもSNSのおかげでいろいろなことを知ることができる世の中になりました。そういう意味では時代は良くなっています。」 ということで、久しぶりにブログを拝読しています。
読書するときとしないときの差が激しく、油断すると全く読まない私なので、お恥ずかしい限りですが、今回紹介していただいた本は機会があれば読んでみたいです。
木原さんのことに関しては安冨歩東大教授の動画も偶然観ていたので、私も周波数が少し上がってきたかもしれません。田中角栄さんの件に言及されたのを拝読し、そういう見方ができるようになれてこそ「メディアリテラシー」と言えると思いました。
時局については、このように書き記していくことが大切だと思っています。大変参考になりました。ありがとうございます。
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sasukeさま
コメントありがとうございます。返信が遅れ失礼しました。ここ3日ほど熱が出て夏風邪のようで、サッサと早めに就寝しています。
私がBlogで紹介している本は、たまたまそのときの私の好みなので、まあ、特にお読みになることもないと思うのですが。
ただ、ほんとに今はNetflixよりもYoutubeの方が面白いですねえ。事実は小説より奇なりですよ、ほんと。
公人は、私生活と公的生活は別でしょ、ってわけにはいかないのですよね。公人として、やってはいけないことをする羽目になるような事態は前もって避けるべきなんでしょうね。奥さんにしろ、愛人にしろ、選択が杜撰というのは、木原誠二氏の正直かつ面白いところです。普通は、もっと用心しますからね。
私はすぐにフェードアウトする事件だろうと思ってたら、結構、しつこく追求されています。面白いです。
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