本日は、2024年1月9日火曜日です。
遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。

なんて言っちゃって、元日から波乱の2024年。
能登半島大地震には驚きました。
1月1日は、大晦日が忙しかったので、くたびれて寝坊し過ぎて、午後も遅くに実家のお墓参りをしました。
元日にお墓参りしたのは初めてでしたが、自動車を留める場所がないほどに、人出がありました。

墓石掃除して洗って、花と線香を手向けて、さて、ちょっとお正月の街を流そうかということで、自動車で名古屋の駅前、栄、大須などの繁華街をのんびりドライブしました。
歩いている人たちは、ほとんど外国の人たちでした。
観光客とか、愛知県で働いている若者たちとか。かなりのお店が閉まっているので、みなさん、所在なげに、しかし楽しそうに歩いていました。
そこにスマホがビービーと大きく鳴りました。
急いでスマホ検索をしていたら、急にナビに地震津波警報が大きく映し出されました。
女性アナウンサーの厳しい声が大きく避難を促していました。これはゴジラ映画じゃないよな。
自動車が横に数秒間ほど左右に大きく揺れました。
「縦揺れじゃないから、震源地は遠い所だ」と夫が言いました。
そうなん?
遭難はいや。
それからは自宅に帰っても、TVの地震速報を視聴するだけ。
くたびれました。正月から避難なんてかなわんわ。
もう、大阪万博なんてどうでもいいので、お金は能登半島の復興に使ってください。
能登半島の被災者のみなさまに必要な物資が早く速く行き届きますように。
きちんとした住宅が供給されますように。
東日本大震災の復興税も終わらぬままに、次の震災。
ところで、今回の能登半島地震による地殻変動によって、日本領土が拡大したらしいですね。
石川県の珠洲市から輪島市、志賀町にかけて、約85キロにわたる海底が隆起 して陸地となっている様子が観測されているらしい。
場所によっては 地面が4メートルも隆起して、海岸線が沖合200メートルまで後退 しているらしい。
じゃあ、排他的経済水域も広くなるね……ほほほ。
って笑ってる場合か!
ま、私が何を言いたいかと言えば、結局は日本にとって都合よく事は運ぶということであります。
どーいうわけか、日本は運が良い国なのです。
幕末から、近代化産業化を、猿真似ながらサッサと達成してしまいました。まあ、表面だけとはいえ。
大東亜戦争では、惨めに負けたのに、またチャッカリと繁栄しちゃいます。
そこをむかつかれて、いろいろ攻撃を受けます。
今も日本政府は、いろいろと脅迫されているに違いない。
こんなときに、外務大臣がウクライナ支援に現地に飛んでいる。
誰が日本人の血税を停戦すらできないアホな国に提供したいものか!
あんたら勝手にやってて。
と言っても、血税を提供しなくては、どこかからミサイルが飛んでくるかもしれません。
首都東京に人工地震兵器で地震でも起こされたら、日本が麻痺します。
これからも日本のあちこちで大地震が起きるでしょう。人工地震か自然災害か知らんけど。
もう、いろいろ大変になります。
だから、外国も、こんな日本ではタカれないし、ということで、国際紛争や戦争の当事国メンバーから日本を外すことになるでしょう。
ついでに、日本にいても旨みはないとばかりに、変な類の外国人は日本からどんどん逃亡してちょーらい。
どんどん出国してね。
ともかく、長い目で見れば、日本は大丈夫。
日本人は劣化したと言われますが、そんな人類のほとんどは、遺伝子のプールでしかないのだから、特に日本人が劣化したわけではない。
もともと、何ともならん食って寝るだけの人の方が多いのであります。
ところで、年下の女性の友人から聞いたことが、わりとショッキングだった。
「独身で貧乏な女性や、貧乏な専業主婦とかは、パパ活でしのいでいる人が予想以上に多いんですよ。パパ活アプリってありますからねえ。SNSでも、そういうパパ活斡旋団体みたいに女性が集まって情報交換しているらしいです。職種ごとにあるらしいです。今のように非正規雇用が普通の状況では、女性の経済的自立は難しく、金を持ってる男につきあうしか生存方法がないんですよ。アラカン女性でも、やってますよ」
はあああ……アラカン女性でも……
まあ、生き方はいろいろだから、それはそれでいいのです。
生きるためには何でもできることをすればいいのだから。
綺麗事を言っても、食えなければしかたないから。
パパ活については、拙著『馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性』にも書きました。

しかし、私が書籍で知った以上に、パパ活の実態はもっと先を走っているようです。
もう、パパ活は、しれっと当たり前な慣行なのかもしれません。
ただ、パパ活にしろ援助交際にしろ、それは非正規雇用の期間限定雇用社員みたいだから、老後が問題。
パパ活厚生年金とかないでしょう。
パパ活は、ある程度は、容姿端麗じゃないと需要もないしなあ。
容姿の綺麗さって、加齢で目減りするしなあ。
やっぱ少女時代から、自分の老後まで見据えた生涯設計をすることが大事。
しかし、AIがどんどん人間の仕事を侵食するような時代に、それは難しいけれど。
女の子に、それをしっかり伝えることができる親も教師も多くはない。
つい、うかうかふわふわと軽薄に、見てくれのみ熱心に、女の子は若い時間を過ごしてしまうのです。
だから、女性が経済的自立を真剣に考えるのって30歳過ぎだったりするんですよ。
私だって、女性の自立を教えるような親の元に育ったわけじゃない。
父親なんて、実業家の嫁になれ、だもんな。
学校でも、女性の自立なんて教師は言わなかった。
私は、小説や雑誌を読んだりして、世間が女の子に期待する生き方をしていると自分で自分の首を絞めるようなもんだということがわかっていただけ。
他人に自分の人生を預けるなんて危ないことだと、漠然と思っていただけ。
ただ、それだけで、だからどうするという対策を考える真剣味が今ひとつ足りなかった。
だから、私は大学の受験勉強を始めるのがすごく遅れた。
今は消えたかどうか知らんが、『早慶時代』なんて受験雑誌を知ったのは、高校3年の夏の終わり。
だから全国区では通用しない知名度の低い大学にしか合格しなかった。
知名度は低いけど、程度は東京のMARCH大学と似たようなものだったとは思うけど。
それでも、ハンデの多い女性としては、MARCHクラスでは、身を助けることにはならんよね。
やっぱ、東大ぐらいは入れないと女性は不利だと認識するのが遅れた。
今の時代なら、アメリカの名門大学か。
でも、カリフォルニア大学バークレイ校を出てウエイトレスやってたという女性と会って話したことがある。12年前くらいかな。
彼女は、English英文科卒、日本で言えば国文科卒だったので、企業に就職できなかったのだ。
人文系だと就職に困る時代に日本もなりつつある。
今の時代に若かったら、私は就職できなかったろう。
なんて思ってたら、フィリピン在住のFacebookお友だちに教えていただきました。
「フィリピンには、もちろん自立している女性もいます。友人の大学教授、医師、弁護士、会計士、公務員、警察官(日本と比較しますと断然地位が高く人気の職業です)とかはしっかり自分の足で立っています。収入も高いです」
「しかしそれは恵まれたごく少数者です。大多数(といっていいのかわかりませんが)はいわゆるパパ活しています。そういうアプリ、斡旋団体がすごく盛んです」
「まずはネット上でつながって、月々送金してもらったり、誕生日(家族も含めて)ごとに豪華なプレゼントをもらいます。代償は??良くわかりませんが、何かしら提供しているのでしょう」
「家族全員がそれにそこに期待している向きもあります。まずネット上でつながり、その人が訪問でもしてくれたらこっちのものという感じです。そこでうまく恋人関係まで行ったら半分成功。彼女の名前で土地を買って家を建ててくれたら90%成功。「結婚」までいったら120%大成功ですね」
「みんなそこまで美人でなくとも若くなくとも、何人もそういう「パパ」を持っています。なので実際のところ良くわかりませんが、なかなか裕福にみえます。とにかく想像を絶する世界、常識が覆る世界です」
「さらにフィリピン女性は尽くすのです。優しいのです。健気なのです。そして老人ホームなんてフィリピンにはありませんから、死ぬまで丁寧に面倒をみてもらえます。欧米女性にはない細やかさがあります。なのでフィリピーナと一緒にいる高齢男性はみんな幸せそうです。彼らはここフィリピンを「パラダイス!」って言ってます」
「追加しますと、フィリピン女性の口癖はAge is just a numberというもの。どんな年寄りだってオッケーよということです。お金さえ持っていれば、ですけどね。ですから20代女性が60代外国人(パパ)とお付き合いなんてザラですし、ティーンエージャーが70代老人と腕を組んで歩いているのもたまに見かけます」
「その外国人は大抵ものすごい年寄りでデブでハゲです。でもフィリピン女性は気にしません。すごいです。徹底した家族思いの女性たちともいえます」
私は、この話を聞いて感心した。
パパ活という言葉は新しいけれども、人間社会には、そういう私的福祉慣習というものがあるのだ、と。
大昔の日本だって、そんなものだったのかもしれない。
かたや金のない女性。しかし食べて行くためには、また守るべき家族のためには、どうしても金がいる。
かたや金(カネ)と性欲はあるが、何もしなくてもモテるというわけではない非イケメン男性。
このような女性と男性が取り引きをする。
互いの足りないものを補いあう互恵的関係が成立する。
こういう慣習があるからこそ、何とか人間は、この厳しい社会の中でも、生きてきたのだろう。
これも人間の知恵だ。
フィリピンでは親兄弟の暮らしが娘のパパ活に依存しているわけだけれども、今の日本ならばどうか?
パパ活で随時4人キープして、月にそれぞれ1回おつきあいして、ひとりから毎月5万円をお小遣いとしていただければ、20万円。
毎月5万円くらいならば、パパにとって負担にならないから、長続きするんじゃないの?
良心的多角経営。
しょっちゅう会うことはないよ。恋人や愛人じゃないもん。
この収入20万円には税金がかかりません。
そこに、自分のアルバイト代を入れれば、生活は成り立つ。
毎月10万円ぐらいは稼げるアルバイトなりパート勤務をする。
アルバイトで、月10万円稼ぐのもラクではないけれど。
そこから、国民年金保険掛け金や国民健康保険料を払い、国民年金基金にも加入しておく。
自分でできうる限りの備えはしておく。
老後の年金はありがたいよおお〜〜
しかしパパ活で随時4人キープって、大仕事よ。
これだって営業努力が必要だ。会って楽しい人にならないといけないもんね。
それが生きるのに必要ならば、するしかないわさ。
そりゃ、ベイシックインカムが導入されたら、食べてはいけるだろうけれど、かといってパパ活が消えることはないだろう。
お金はいくらあっても足りないだろうから。
足りないものを補い合う。
この互恵関係は、人間の社会では必ず生まれるんだから。
私は夫にフィリピンのパパ活慣行の話をして、万が一にも私が先に死んだら、フィリピンに行ってパパ活して、スタイルのいい気立てのいいフィリピン女性にお世話になりなさいと薦めた。
「毎月どれくらいのお手当がいるんかなあ?英語できないとダメだよねえ」とか、夫はブチブチ言っておりましたが。
すみません。2024年最初の記事からパパ活の話で。
互恵関係が成立するのならば、女性が生き抜くのに、パパ活もひとつの手段だと思います。
薦めているわけじゃないです。
でも、否定する気にはなれない。
最後に、お正月に読んだ太田愛さんの新作を紹介します。
読みながら、やっぱり泣きました。
2023年発表『未明の砦』。
タイトルもいい。装丁もいい。
なぜこのタイトルかということは、この物語の最後にわかります。
これも、とんでもない傑作です。
まあ、物語ですから、甘いと言えば甘い。
かもしれないけど、ディストピアを描くばかりじゃあ、しょうがない。
これ一冊で、以下のことがわかるようになります。
①労働法や労働組合や労働者の権利を守る法律が形成されてきた歴史、女性参政権の歴史、憲法とはどういうものなのか、民主主義が育まれてきた歴史、軍人が国の命令に背くことができる権利である抗命権が形成されてきた歴史。
② 労働者を使い捨てできるような法律を1970年代から着々と作り、終身雇用制を崩し、21世紀には非正規雇用が4割に達する社会を作り、国民の生活を困窮させてきた政治と財界の結託。
③ 「共謀罪」に代表されるような、国民の集会の自由や思想信条の自由を政府の都合により否定できる法律の危険さ。警察は政府の指示通りに動くものであり正義の行使が機能ではないこと。
この小説に描かれる非人間的労働環境の大自動車会社って、やっぱりTOYOTAがモデルらしい。参考文献リストを見るとわかります。
豊田市に行くと、憂鬱な同調圧力を感じる。あの会社は自殺者が多いらしいけど、これは報道されないですけどね。
「働き方改革」って、要するに労働者を使い捨てにしない疲弊させない労働環境労働慣行ルールの形成のことなんだけれども、日本は非常に遅れている。
なんでだか、日本のおエライおっさんたちは特攻隊方式が好き。過労死にリストラとか、人間の使い捨てをすることにしか知恵が出ないらしい。

そんな大企業に非正規雇用工員2人と、期間限定雇用工員2人が、労働組合を結成します。
非正規雇用とか期間限定でも組合が作れるか?
作ることができるのです。法的に認められています。
彼らは、夏のたった2週間で、生まれて初めて必死で学んだのです、そのことを。
それは、どういう経緯であったか?
しかし、彼らはテロリストとして公安警察から追われる身となります。
彼らがテロを計画していたという理由で共謀罪で逮捕されることを防いだのは、彼らが勤務していた大企業の幹部候補生でした。
なぜ、彼は彼らを救ったのか?
また、彼らをテロリストにしたい政治家と大企業会長の陰謀を暴いたのは、公安警察のエリートでした。
この公安警察エリートは、なぜ政治家と大企業会長の企みを廃したのか?
この物語はミステリーではありませんが、ミステリー要素もあります。
そして瑞々しい青春小説でもあります。
ベルトコンベアーで流れる自動車組み立て工の4人が猛勉強する内容が書かれていますので、その点だけは、『天上の葦』『犯罪者』『幻夏』よりも、読みづらいかもしれません。
でも、だからこそ、情報量は多いですよ!
ご参考までに、引用文を挙げておきます。
おまえたちが学校で習ったとおり、法律を審議して制定するのは国会の役割で、法改正も同じだ。だが改正案が国会に提出される以前に所管庁、この場合は厚生労働省だが、そこに招集された分科会等で具体的な内容までほぼ固められていることも少なくない。労働法の改正の場合、その種の会の中枢メンバーには必ず、財界の意向を反映すべく大企業の役員クラスが名を連ねている。そして、そいつらと結びついた政治家が肝心なところで常に財界に有利になるように立ち働く。
—『未明の砦 (角川書店単行本)』太田 愛著
「大企業を中心に構成された利益団体は長いあいだ、政党別に政策を評価してそれを発表してきた。そして、その評価をもとに団体に加盟している企業に堂々と献金を呼びかけてきた。おかげで、財界に都合の良い政策をやる党や政治家にどっさりと金が舞い込むようになった。これが批判を浴びて政治資金規正法が改正されたのが一九九四年。ようやっと企業や団体から政治家個人への献金が禁止された。だが、それでどうなったかといえば、政党支部等を利用した迂回献金やパーティー券の購入を通じて相変わらず政治家に金が流れ続けているわけだ」
じっと聞いていた脇が独り言のように呟いた。
「いつだって抜け道があるんだな」」
—『未明の砦 (角川書店単行本)』太田 愛著
薮下はこの国で、自分にも他者にも、上下関係や立場にかかわらず、守られるべき尊厳があるのだと意識する機会がどれほどあるだろうかと考え、おのずと暗い気持ちにならざるをえなかった。
—『未明の砦 (角川書店単行本)』太田 愛著
泉原は、伊丹万作が一九四六年に雑誌に寄稿した『戦争責任者の問題』という文章に真っ赤なアンダーラインを入れていた。「あんなにも造作なくだまされるほど判断力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。このことはまた、同時にあのような専横と圧政を支配者にゆるした国民の奴隷根性とも密接につながるものである」
いずれも冊子に引用された文章だが、泉原は最後に力を込めて一文を四角く囲んでいた。「だまされるような脆弱な自分というものを解剖し、分析し、徹底的に自己を改造する努力を始めること」。
—『未明の砦 (角川書店単行本)』太田 愛著
いやああ、太田愛氏は、すごい作家です。
だから、日本の文壇には収まりません。
こんなすごい人がいるのだから、私も頑張ろうって気になります。
ほら、子どもの頃に思ったじゃないですか。
才色兼備の秀才の同級生とか先輩を遠くから見て、ああいう人も世の中にはいるんだから、私も少しでもよくなろうと思ったり。
すっごくハンサムで頭のいい男子を遠くから憧れて、世の中には、こんな素敵な男性に相応しい素敵な女性もいるんだから、私も少しでもよくなろうと思ったり。
久しぶりに同じ思いを抱きましたよ、私は。
アイン・ランドに出会った以来のトキメキだ。
さて、2024年は、私は生活も比較的規則正しくして、健康を心がけ、体重も減らします。
なぜならば、健康でないと、いっぱい勉強できないし、書くこともできないからです。
これからの本格的危機の時代をしっかり観察するためにも、自己管理が必要です。
ただいま、1月9日の0時7分。
もう寝ます。早く起きないと1日が短い。
時間がもったいない。
少女老いやすく、学なり難し。
老いちゃったならば、もっと学なり難し。
でも、諦めきれないの、私は。
