[117] ミンクのコート

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本日は2017年1月7日土曜日だ。

午後5時半から予定がはいっているが、それまでは何もしないでボケっとしてる。

さっき、古着を1袋分をzozotownに送るべくクロネコヤマトさんに集荷してもらった。

去年の春先からジワジワと進めてきた断捨離も、この2月と3月でクライマックスに達する。

そろそろ、福山の住居の家具の処分先を決めねば。

書籍はなあ……これは最後の最後まで置いておこう。

随分と売ったし捨てたけれども、まだまだよん。

桃山学院大学での15年間と福山市立大学での6年間の計21年間を、住居が2つある状態で生きてきた。

それを4月から、名古屋の住居だけで暮らさなくてはならなくなる。

住居2軒分の私物を1軒分に縮小しないといけない。

いやだ、いやだ、いやだ!

私は物欲はいっぱいあるんだ!!

物欲と食欲は大きいんだ!!

と言ってもしかたないんである。

若い頃は、マンハッタンにも軽井沢にも部屋を買うつもりでいたのに、結局は買えたのは名古屋の自宅の3LDKの部屋だけだった。

まっこと甲斐性のない私である。

しかし、断捨離と言えば、ありがたいのはリサイクル市場。

古着に古書にバッグに家具のリサイクル市場。

断捨離に随分と利用させてもらっている。

昔から売るにせよ買うにせよ古書市場にはよくお世話になっていた。

しかし!知らぬ間に古着や古バッグの市場もすごいことになってる。

1990年代後半以降の日本におけるリサイクル市場の発展はすごいなあ。

アメリカでは、もっと早くから古着ショップとか古レコード店とかは立派なトレンディなビジネスであったが。

新品で買えば50万円くらいするものも、古着になると5万円ぐらいの価格で販売だ。

ブランド品なら、もっと高い価格で再販売。

古着や古バッグもいろんなランクがあり、未使用品なんてものも売っている。

好奇心の強い私は、「この値段ならば買えるよなあ」と思うと、前々から、どんなもんかしらねえ~~?実物を見たいねえ〜〜と興味津々であったものを中古専門店のインターネット通販で購入する。

身につける予定もないのに。

身につける予定もないのに、自分のものにしたいのだ。

私は物欲と食欲は強い!

はっきり言って、物欲の方が強い!

で、クローゼットにぶら下げて「むふふふ……」と喜んでいるのだ。

なんちゅう無駄使いか。

我ながらクルクルパーだな、と思う。

それで購入した海外有名ブランドのドレスを、大学の学園祭の女装コンテストに使用したりした。

男子学生に着せるんである。

自分では1度も着たことないのに。

実は私は「ミンクのコート」つーものも持っている。

大阪の高級古着ショップの類から購入した。

どーいうわけか未使用状態で売っていた。

かなり安かったです。

ブランド不明。

どこで製造されたか不明。

ロシアかな。

韓国かな。

北朝鮮かな。

中国かな。

モンゴルかな。

ウイグルかな。

ほんとにミンクかな。

タヌキかもね。

私には「動物愛護精神」はないです。

すみません。

ともかく、わけがわからん商品だけど、一応ミンク。

手触り、肌触りは、すっごくいい。

まったく着用しておりません。

どこに着て行くんだ、そんなもん。

熊に見えるわ、私が着たら。

なんで、そんな必要もないものを買ったのか?

長編小説「水源」(The Fountainhead,1943) の映画化権で巨額のお金が入ってきたときに、アイン・ランドが最初に購入したのは、「ミンクのコート」だった。

ニューヨークの冬は寒いからではなく、出世するとパーティとかにも招かれるからということで、「ミンクのコート」。

ソ連からアメリカに来て、亡命して、頑張って頑張って、やっと作家として成功して、巨額のお金が入ってきて、経済的に余裕ができて、最初に購入したのが、「ミンクのコート」。

うーん、すっごく女らしい!!

可愛らしい!!

好き!!

帝政ロシアのプチ・ブルジョワの家庭で育ったのに、ロシア革命で何もかも没収されてしまい、新生ソ連で困窮生活を送ったわりには、アイン・ランドは物欲は少ない。

そこは私とは違う。

さすが秀才だ。

アイン・ランドは洒落っ気も、あんまりない。

髪なんか何日も洗わないので、ご主人にいつも怒られていたそーだ。

それでも、1番最初に購入したのは「ミンクのコート」だった。

きっと、子どもの頃に、母親や叔母や祖母のミンクのコートを当たり前に眺めていたんだろう。

お嬢ちゃん育ちだったのに、ソ連体制により思春期の少女期にビンボーにされちゃって、親族の女たちはミンクのコートも宝石も売らねばならなかったのも見ていたのだろう。

確か、アイン・ランドが購入したミンクのコートは、1940年代後半で5000ドルぐらいだった(と思う)。

今ならば、日本円換算で200万円以上はするコートじゃないでしょーか。

そのコートを着て写っているアイン・ランドの写真もある。

私は、その逸話を知って、「ミンクのコート」つーのを私も手にしたいと思った。

ロシアじゃあるまいし、冬のニューヨークじゃあるまいし、日本ではミンクのコートもセーブルのコートも無用だ。

そこまで寒くない。

セーターなんか着て、ああいう類のコートを着たら暑いだけだ。

薄手のシルクのドレスの上に着るようなもんが、ああいう毛皮のコートだ。

新地や銀座の女性でなければ、「社交界」にご縁のある上流階級の女性でなければ、ああいう類のコートは日常では着ないし、着る必要もない。

だけど、私は実際に自分の目で「ミンクのコート」を舐めるように見て、自分の手で触りまくりたいと思った。

自分のものとしての「ミンクのコート」を。

アイン・ランドの気持ちを味わいたいと思った。

で、購入した。

ただし古着ショップで。

毛皮のコートの古着ショップで。

まあ、ほんとうは温暖化ではなく、世界は寒冷期に向かっているそうだから、いつかは「ミンクのコート」着るかもね。

70歳くらいになったら、着ても似合うかもね。

私が何を言いたいかと言えば、今のような中古品市場が大きくなっている時代は、おもろいですよ、ということだ。

好奇心があれば、リサーチ熱心であれば、いろいろ体験できますよ、ということだ。

私も、今のような時代でなければ、「ミンクのコート」をクローゼットの肥やしにできなかった。

ミンクかタヌキか知らんけど。

本日は、歯が痛いので、常日頃よりも一層にしょうもない話でした。

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