三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第3回講義(2) テイラーの科学的管理法

本日は2017年5月7日日曜日である。

黄金連休も今日で終わりだ。

今年の春はずっと気温が低かったけれど、一昨日あたりからちょっと汗ばむようにもなった。

今日は、三重大学工学部大学院での渡邊明先生ご担当「生産管理論特論1」第3回ご講義の後半部分の紹介をする。

4月25日に開講されたものであり、ノートだけが頼りであるので、理解ができているとは思えない。

ともかく例によって例のごとくポイントフォームで書く。

正直言えば、私は政治関係は興味あるが、経済や経営や金融関係には関心がない。

「経営学」って、全くわからない。

だからこそ、私は渡邊先生のご講義を聴講させていただくのだ。

わからないことを聴くというのは脳にいいのだ。

否が応でも視野は広がる。

わからなくても、経済学も経営学も金融も齧りたい。

数学や物理学については、齧るどころか歯が立たないので、諦めている。

今のところは。

今のところは、だ。

理科のいまどきの教科書も数学のいまどきの教科書も、ちゃんと買って持っている。

生きているうちに、何でも理解したい。

何でも必死で吸収したい。

さもないと、疲れ切って死ねない。

Die emptyよ。

生きるだけ生きて、空っぽになって死ぬのよ。

「もう、やれるだけやったもん、いいじゃん」と思えないと死に切れない。

私は、教師の能力は私にはない!と身に染みてわかるまでは教師やった。

だから、教師を辞めても、なんも寂しくない。

大学という場所でも末端の教育サービス労働者として、やれるだけやった。その空虚さがわかるまで、やった。

だから、大学を退職しても、なんも寂しくない。

やれるだけやれば、気がすむ。捨てることができる。清々しい気持ちで次に行ける。

私は、清々しく、この世に未練なく死ぬのだ。

で、二度と生まれ変わらない。

ところで、アイン・ランドは、「お金」についていろいろ書いたけど、本人は晩年近くなっても普通預金口座しかもってなかった。

株とか投資信託とかはもちろん、定期預金すらよくわかっていなかった。

ユダヤ人とは思えない。

弟子のひとりがそれを知って仰天して、預金の一部を投資したりする手伝いをした。

それぐらいに金に関して鈍感 なところがあったので、アイン・ランドは借金しても返済していないことを、死後に言われたりした。

従姉妹から借りた金だから、いいだろ……と思う金に対する、その鈍感さよ。

ユダヤ人か、ほんとに。

アイン・ランドは金を貯めることにも、あまり興味がなかったようだ。

医療保険に入っていなかったのか、そこらあたりはわからないけれども、70歳過ぎて肺癌になったときは手術代が払えなかった。

これも弟子がメディケアという高齢者医療福祉制度に申請して、何とかなった。

近代合理主義のお化けみたいなこと書いてるくせに、アイン・ランドは金については、ほんとに無用心で迂闊だ。

まあ、私も、そこそこお金音痴であり、経済学も経営学も金融もわからんのよ。

そのダメな私がまとめたものであるので、内容については全く保証しません!

渡邊先生、すみません!

第3回講義の後半は、「テイラーの科学的管理法」についてだった。

アメリカの経営学business management の胎芽期は、1900年から1910年代にかけてだった。

フレデリック・ウインズロー・テイラー(Frederick Winslow Taylor: 1856-1915) が発案した科学的管理法Scientific Managementから始まった。

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アメリカにおいて、経営が近代化されたのは、テイラーさんのおかげ。

経営学というものが、世界に先駆けて、アメリカの大学で1番早く教えられたのも、元はといえばテイラーさんのおかげ。

ケンブリッジ大学やオックスフォード大学では、1930年代にいたるまで経営学を教えていなかった。そーいう学問分野はなかった。

歴史を学べば、経営なんてものはできるっていうのが当時の英国のアカデミズムの姿勢だった。

つまり、英国人は、経営学ってものを人間学みたいに思っていたらしい。

利潤を得て、利益を上げるためには、どうすればいいかを合理的に考える学問とは思っていなかったらしい。

だから、資本主義の闘争においては、英国はアメリカに負けたんよ。

知らんけど。

このテイラーという人は、フィラデルフィアで生まれた。時代は南北戦争前夜だ。

お父さんが弁護士で、自分も弁護士になろうとハーバード大学の法学部に入学したけれども、弁護士にはらなかった。眼を悪くしたから。

と、Wikipediaに書いてあった。

1874年に機械工見習いになった。エンジニアになり、フィラデルフィアのミッドベール・スチール社に入った。

そこで、高速度鋼(high-speed steel)を発明した。高速での金属材料の切削を可能にするべく、工具の材料として開発された鋼だ。

ハイスピードでカッティングできる刃物やね、つまりは。

「ハイス」と、業界では呼ぶらしい。

その他に、テイラーさんは、工学関係の特許を200ぐらい取得した。

在職中に、スティーヴンス工科大学から工学修士の学位を得た。

だから、アメリカ経営学の父というよりも、機械工学の天才って感じの認識をされている。

かのマネージメントの父と呼ばれるピーター・ドラッカーは、「マネージメントのほんとうの父はテイラー博士だ」って言ったのだけれども。

まあ、ともかく、このテイラーさん、すごい。

こういことを考えついて体系化できるって、すごい。

フォード生産方式も、トヨタ生産方式も、このテイラーさんの科学的管理法がなければ生まれなかった!

テイラーさんは、他の会社にも入って、科学的管理法を完成させて、退職後はコンサルティング会社をつくり、いろんな会社を立ち直らせた。

まあ、「労働者搾取を科学的にしただけだ」という批判も労働組合からされてきたけれども。

まあ、私もそう思うけど。

まあ、しかし、他人を搾取しないと利益はないよな。

win win gameって、あるんかしらん。

(講義の覚え書き 始め)

(1)20世紀初頭当時のアメリカは、すでに機械化が進んでいたが、工場の生産性は上がっていなかった。

(2)経営者側は、その場しのぎの成り行き的経営だった。生産現場では内部請負制であった。内部請負制というのは、熟練工が経営者から仕事を請け負い、親方は自分の裁量で未熟練工に仕事を割り振るシステムである。経営者が、生産現場の管理・監督ができないシステムであった。

(3)賃金は出来高給であった。1個作ったらいくら的賃金体系であったが、非効率な生産がなされ、組織的怠慢がはびこっていた。

(4)どうして怠慢が労働者にはびこるかというと、労働者は経営者側に不信を持っていたから。その場しのぎの成り行き的経営に振り回され、1つできたらこれだけの賃金的に働いていたのに、出来高賃金をカットされたりして、労働者は自分たちの労働が適正に評価されていないと思ったから。

(5)一方、経営者側も、労働者がきちんと働いていないと思い、労使間協調体制はできていなかった。

(6)テイラーは、管理運営と生産力評価(賃金体系)について、客観的基準(科学的管理法)を作ることが必要だと考えた。経営者にとっても、労働者にとっても、納得できる基準である。

(7)テイラーの作った科学的管理法の原理は、「課業管理」と「作業の標準化」と「作業管理のために最適な組織管理」であった。

(8) 課業管理task management とは何か? 労働者のタスクを合理的に決定し、賃金率も合理的に決定し、それらを基準にして、生産活動を計画的に実施することである。

(9)まずは、労働者に課す1日の作業量( a fair day’s work)の基準を決める。期待される労働者像を設定し、そーいう労働者ならば達成可能であると見込まれる作業量を測定する。

(10)どうやって測定するのか? まず、一連の作業を細分化する。それぞれの作業にかかる時間を測定する。これを時間研究time studyとテイラーさんは呼んだ。

(11)ほんとに熟練工の作業工程をひとつひとつ分解して、その熟練工の背後でストップウオッチ使って、それぞれの作業時間を図った。

(12) 次に、熟練工の無駄のない作業の動きを観察する。一番合理的な動作=一番早く作業が終われる動作をキャッチしていく。これが動作研究。motion studyだ。

(13) どんな工具を使い、どのように工具を使えばいいのか、それも調べた。

(14) このような時間研究と動作研究によって、一番仕事が進み早くできる作業法が明らかになった!作業の標準化ができた!

(15) 作業の標準化は、作業のマニュアル化でもある。

作業工程を全部きちんと無理も無駄もムラもなくできるのが熟練工だけれども、この熟練工の動きひとつひとつを1…2…3…4…5と分けて、1の作業は、もっぱらAさんがして、2はBさん、3はCさんがやれば、非熟練工でも、熟練工と同じ水準の作業工程を達成できて、熟練工の業績と同じ質の製品ができる。

(16) このようにマニュアル化された作業ならば、誰でもできる。

(17) 19世紀末から20世紀初頭は、英語のわからない移民が、特に東欧から大量にアメリカに流入した時代である。低賃金で使える移民労働者を使わない手はない。彼らでもできるような単純作業の蓄積のすえに、きちんとして製品を生産するには、マニュアル化が必須!

(18) これを「熟練の移転」と呼ぶ。ひとりの賃金の高い熟練工より、低賃金の非熟練工を複数雇って、それぞれに、それぞれの作業だけさせれば、熟練工と同じ生産性を、複数の非熟練工で達成できる。

(19) このような生産様式は、職人芸のようなヒューマン・ファクターに依存しないですむので、課業管理が容易になるし、生産量の計画もしやすいし、コントロールもしやすい。

(20) テイラーさんは、それだけでなく、労働者にインセンティヴを与えるような賃金システムも考えた。基準どおりに課業を達成した工員とそうでない工員に対し、異なる賃金率で報酬を支払うことにした。これが差別的出来高制度。

(21) 同一の作業に対して高賃率と低賃率を決めて、作業が決められた最短時間内にミスなく遂行された場合には高賃率で支払う。そうでない場合は低賃率で支払う。要するに、標準と決められた仕事を達成したら割り増し賃金。そうでないなら最低賃金。

(22) それまでは、前述のように、労働者の賃金は「出来高払制度」「出来高給」だった。1個作ればいくら式の賃金だった。

(23) この賃金制度は、労働者の仕事意欲を刺激するが、賃金上昇につながり、経営者は、人件費削減のために、しばしば賃金率を切り下げた。たとえば、一個作れば2000円だったのに、1000円にするという具合に。これをrate cutting と言う。これは、労働者にとっては、かなわんことだった。「頑張り損」だからね。

(24)これを解決するために、テイラーさんは差別的出来高制度を導入した。この方法ならば、作業能率は大いに刺激される。「頑張り損」気分は払拭される。やる気のある労働者には高賃金が支払われるし、経営者にとっては、労務管理が容易になる。

(25)このシステムだと、労働者が頑張って人件費が上昇しそうであるが、会社が労働者に課す「標準作業」の内容を調節すれば、人件費は抑止できるという(経営側にとっての)利点もある。

(26)  ただし、この制度は、結局は労働強化を招くということで、広く普及はしなかった。

(27) さらに課業管理を徹底させるために、テイラーさんは、作業の手順や指導、訓練、原価計算などを行う計画部と、実際に仕事を行う執行部をわけた。

(28)その上で、テイラーさんは「職能的職長制度」も導入した。これは、簡単に言えば、親方さんの機能の細分化だ。

全部の作業工程をひとりの親方さん=職長が統括する(内部請負制度)のではなく、これもまた作業工程を職能ごとに分けて、それぞれに職長を置いて課業管理を監督させる。職長の業務を計画で4つ、執行で4つ、計8つの職長に分ける。

(29)そうすれば、職長=親方さんがひとりの内部請負制の時代の、生産性がひとりの親方さんの資質に依存するというリスクを回避できる。8人の職長が、それぞれに、より小さい範囲について責任を持つというシステムは、8人の職長の相互チェックの機能も期待できる。

(30) かくして、経営者側にとっては、行き当たりばったりの成り行き的管理ではなくて、客観的で計画的な管理が可能になった。管理目標も設置できるようになった。

(31)かくして、ここから分業というものが発達した。労働者にとっては、労働が全人格的な行為ではなく、包括的な何かを生み出す創造的行為ではなくなった。同じ作業を繰り返し時間を切り売りする行為になった。しかし、生産性は向上した。

(32)これを徹底させたのが、フォード生産方式。チャップリンの「モダンタイムズ」だ。人間を歯車化させる労働形態と批判されるが、効率は非常にいいし、製品の出来のバラツキがなくなる。



で、次回の講義はフォード式生産様式へと移る!

(講義の覚え書き 終わり)

みなさん!

私は、この「テイラーの科学的管理法」というものを知って、こう思った。

なんて頭がいいんだろう!!と。

しかし、これは悪魔の知恵かもしれん。

とも思った。

熟練を要求される仕事の全工程をバラバラに分解することで複雑な作業を簡単な作業の積み重ねにする。simplification!

そうすることによって、それぞれの段階の作業を誰もができるように標準化する。standardization!

その作業を特化して特定の労働者にさせる。その作業が効率よくできる労働者にそれだけさせる。specialization!

まあ、この3Sは合理的ではあるよ。

これこそ、人的資源の効率良い使用法だよ。

誰でもできる仕事だから低賃金でいいし、コストの削減に大いに貢献するよ。

しかし、これこそ、人間のロボット化だ。

労働のマニュアル化と人間のロボット化は、労働という全人格的創造的行為を人間から奪った。

労働という行為の断片化と矮小化は、労働できることの人間の喜びを奪った。

この時点で、人間存在のありようが変わった!

テイラーさんという天才の頭腦から生まれた「科学的管理法」は、すごい。

よく、こんなこと考えついたなあ〜〜と感心する。

テイラーさんが科学的管理法を完成させてから約100年経過した。

さて、こうなったら、事態をもっと徹底させよう。

人間のロボット化じゃなく、ロボットそのものに労働させよう。

どんどん人工知能を発展させて、ほんもののロボットにさ労働させよう。

人件費かかりません。

安価で良質な商品が生産できます。

生産性をガンガン上げても、ロボットは過労死しません。

いっそ無料で配布できるぐらいに生産性を上げよう〜〜!

地球は無料で配布される高品質の物でいっぱい!

そうして、人間は、全人格的な行為としての創造的行為としての労働を自分たちの人生に取り戻す。

三重大学工学部大学院「生産管理論特論1」第3回講義(2) テイラーの科学的管理法” への1件のフィードバック

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