本日は2019年2月25日月曜日である。
いやあ、私もとうとう日本の老人になったなあ!
という感慨を持ったのは、iPadにNHKラジオのアプリをダウンロードして、「ラジオ深夜便」を聴くようになったから。
NHK (Japan Broadcasting Corporation)「NHKラジオ らじるらじる」
https://itunes.apple.com/jp/app//id473937342?mt=8
若くても聴いている人もいるらしい。
去年10月に夫が緊急入院して以来ずっと、私はプチ睡眠障害だ。
早めに就寝しても、すぐに眠れない。
だから、ついいろいろiPadで調べ始める。
すると、午前3時が過ぎる。
夫が翌日出勤ならば、お弁当も作るから、じゃあ起きちゃうかということでベッドを出る。
夜明けの朝焼けは綺麗だ。
夫の出勤後に、ソファで眠ればいいんだし。
働かなくても食べて行けるって、甘美だわん。
うまく夜に眠れても、数時間で目が覚めてしまう。
7時間も8時間も熟睡できるなんてことがない。
まあ、プチ睡眠障害なんて、単に老人性のものかもね。
本を読む気にもなれず、iPadを弄る気にもなれないと、「ラジオ深夜便」を聴く。
で、先日の深夜に聴いていたら、昭和50年1975年のヒット歌謡曲ってのが流れていた。
あの頃にヒットしたのは、キャンディーズの「年下の男の子」とか、「さらばハイセイコー」とか、山口百恵の「冬の色」とか。
安奈淳の「愛すればこそ」(宝塚歌劇「ベルサイユのバラ」の主題歌)とか。
「愛〜〜それは甘く〜〜愛〜〜それは気高く〜〜♫♫」ってやつね。
胸に沁みて歌詞に聴き入ったのは、当時の人気時代劇ドラマ『必殺仕事人』の主題歌の「旅愁」だった。西崎みどりさんだ。当時天才少女と呼ばれた踊りの家元さんだ。
懐かしい。
へええ……と感心したのは、『昭和枯れススキ』だった。
桜と一郎さん。
例の「貧しさに負けた〜〜♫ いいえ!世間にまああああけえええたあああ〜〜♫」だ。
ちあきなおみさんのカバーもあります。
昭和時代の枯れススキならば、大正時代にも枯れススキの歌があったのかな?
あったんだな、これが。
「船頭小唄」ってのが。
「俺は、河原の枯れススキ〜〜同じお前も枯れススキ〜〜どうせ、ふたりはこの世では花の咲かない枯れススキ」って歌詞の歌が。
昔の私は、「昭和枯れススキ」って歌は、ふざけて歌うものだと思っていた。
昔はものを思わざりけり。
深夜に寝床でじっとして聴いていると……
こんな寂しい歌だったんだ……
♫ 力の限り生きたから〜〜未練などないわ〜♫
うーん……いい歌じゃないの!!
そういえば、今の時代は、昭和の時のような「絶望と悲哀」を歌った流行歌が出てこない。
それは、今の時代がほんとうに絶望と悲哀に満ちているからだろうか。
だからこそ、絶望と悲哀から目を背けるような、幼稚で浅はかなポジティブ・シンキング的応援歌しか作られないからだろうか。
20代や30代になっても、チイチイパッパの童謡みたいな曲を歌っている。
馬鹿でないの? 「ゆとり世代」?
絶望と悲哀を受け容れる体力や精神力がないのだろうね。
心の表面がツルッツルで、絶望や悲哀が心のヒダに入り込むってことがないのかも。
まあ、人のことはいいんよ。
私に関して言えば、陽気で明るいふりしなきゃいけないほど、私は根が暗くない。
ちゃんと絶望して哀しむぞ。
と思ってたら、たまたまネットで面白い記事があった。
https://diamond.jp/articles/-/194825?utm_medium=social&utm_source=facebook&utm_campaign=feed
こーいう本があるそうである。
なんかNHKラジオ番組の「ラジオ深夜便」のコーナー「絶望名言」の書籍化だそーだ。
へええ……
というわけで、この『絶望名言』をすぐに読んでみた。
今はKindleで、読みたくなったらすぐに読めるのでいい。
面白かった!
「明けない夜もある」
調べてみたら、同じ著者による類書がけっこう出版されている。
この本こそが、著者のデヴュー作であるらしい。
こんな本もある。
以下の絶望した時に読むべき本の紹介本『絶望読書』もKindle版がある。
絶望は絶望の言葉によって癒される。
恐怖は恐怖によって癒されるように。
あなたが怖くて不安なときは、もっと怖くて不安なことを想定するといい。
この『絶望読書』は、去年、文庫本になった。
これも読んでみた。いい!
この装丁もいい。底抜けに 沈みつつ読む本こそが心に刻まれる。
これらの「絶望シリーズ」の著者の頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)氏は、筑波大学3年の20歳のときに難病(潰瘍性大腸炎)になった。
13年間の闘病生活を送った。
そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社)を2011年に出版した。
今は、沖縄県の宮古島に住みながら、絶望シリーズを書いておられる。50歳を少し越えておられる。
おもろい。
非常におもろい。
頭木氏の目の付け所がいい。
商品は絶望。
もちろん、最初から意図して頭木氏は絶望を売り物にしたわけではない。
たまたま時代が絶望を認識する心性を必要としていた。
どうでもいいような「応援歌」の流行した平成時代が終わりつつある今は、絶望が新鮮だ。
生きている人々は、これからの苦難の時代を予感しているせいか、安易な希望よりも、絶望の方が信頼できる。
いいなあ。
よくわかるわあ……
で、私も、頭木氏の真似して、「絶望名言」を作ってみた。
いや、「絶望迷言」かな。
「人生は不可能ばかり」
「癒える傷は傷とは言えない」
「何を着ても似合わない人もいる」
「理解できたときは、いつでも遅すぎる」
「全て失った後に、自分がいかに所有していたか、自分がいかに幸福であったかわかる」
「この道一筋で努力しても、マスターできなかった」
「小動物のペットがとても愛おしくあなたが感じるのは、生殺与奪権があなたにあるから」
「便秘で死ぬ人もいる」
1番の「絶望名言」は、「何やっても、みんな死ぬ」かな。
ここまでくると、絶望はいっそ清々しい。
絶望と敗北を抱きしめることができる段階に到達した自分に、人参ジュースで乾杯。
夜中の1時からラジオでオールナイトニッポンを聞いて、3時から「走れ歌謡曲」を聞いて、翌朝は目をこすりながら学校に行っていた高校生時代を思い出しました。走れ歌謡曲はトラック運ちゃんむけの番組で、トラック運ちゃんのリスナーからのハガキを朗読してました。学校の授業より、はるかに面白くてためになったことはたしか。今はラジオを聞かないで、好きな音楽を聴きながら夜中はネットサーフィンでニュースやブログを読みながら夜更かし。
カフカは恋人のフェリーツェと2回婚約。一回目は作家活動に邪魔なので婚約破棄。二回目は結核になったので破棄。そういえば父の姉は美貌で婚約者がいたのですが、結婚直前に結核であることがわかり、結婚延期。その後すぐ亡くなります。父がかけつけると鼻や耳に綿がつめられた悲惨な姿だったとのこと。むかしは結核は死の病。ところが、その婚約者はその後、何十年も実家に毎年手紙を送り続けてくれたとのこと。父の姉は婚約者の心にずっと生き続けていたということ。病気に狂わされた運命をも乗り越えていく人間の強さと美しさを感じました。
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橘悟朗さま: コメントありがとうございます。私も高校時代はラジオの深夜放送をよく聴いていました。高校生になって自分専用のラジオを買ってもらって、深夜放送を聴いて、サイモン&ガーファンクルの曲を聴いてるのが、私の青春の始まりでした。
お父様のお姉さまの御婚約者のような秘めた哀しい思いを抱きつつ生きていくことは、人生が深くなりますね。叶えられなかった祈りを持つ方が人生が深くなります。負け惜しみではありません〜〜
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kayokofujimoriさん作の絶望名言、面白すぎです(*^^)v
確かに、死は避けられないですからね、たとえどんなに対策したとしても…。
小学生の時、星が好きでしたが、今、見ている光は今、放った光でなく、今、放った光は自分が生きてるうちには見れない、とか、星にたどり着くには自分達が何世代も生まれ変わらないと無理だと思うと、怖くなって寝れませんでした(^^; 成長するにつけ、考えなくなりましたが、最近、ふと考えてしまうこともあります。死んだら、自分の魂や意思はどこへ行くのか?などなど…。考えても仕方のないことで、だから後悔しないように生きるんだと思うのですが、それはとても難しいことです(-_-)
私も絶望と敗北を抱きしめることができるかな?? まだ煩悩ばかりです(^^;
しかし、旦那様のお弁当を作っておられるとは、すごいですね(*^^)v
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tabisurueiyoushiさま: コメントありがとうございます。いやいや、お弁当といっても毎日ではないです。ガンの闘病中ですので、職場でお昼ごはんゲットでドタバタするのは疲れるし、消化の良いものということで、簡単なものと熱いスープを。キャラ弁みたいな素敵なものは作れません。
死を忘れないことで、今生きていることを大事にできますからね。また何度も会えるからと思いつつ、もう二度と会えなかったってこともありますので、会える時は会っておかないとと思います。
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お弁当、毎日でなくても簡単なものであっても、すごいと思います(^^)/
また会えるからと…確かにそうですね…。私もそうします(*^^)v
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